新「艦娘」グラフティ7(第18部)   作:しろっこ

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徐々にコンサートの準備が進む。しかし詳細は未定だった。


第3話<予定は未定>

「予定は未定ですね」

 

--みほちん------------

新「艦娘」グラフティ7

第3話<予定は未定>

 

---------(第18部)---

 

荒潮が私に言う。

「提督、先ほど六駆のメンバーから、響の曲目が決まったと伺いましたが」

「ああ」

 

私の言葉に先ず青葉が反応した。

「それは何という曲目ですか?」

 

興味津々な顔でメモを持った重巡洋艦。

 

荒潮が答える。

「ハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲です」

 

「ハチャ……」

恐らく作曲家名は青葉の守備範囲外なのだろう。強張った顔でゴニョゴニョと口ごもる。

 

それでもチャンと聞いたままの内容はメモ帳に記していた。さすが記者だ。

 

「すみません、私には分かりません」

吹雪は早々に白旗を上げている。

 

「いや、それが普通だよ」

私は補足した。

 

「ヴァイオリン協奏曲の中では、それなりに有名だが。まぁ今回は響の好みを優先だな」

 

ここで青葉。

「ということは、やっぱりロシア系ですか?」

「当然だ」

 

「なるほど」

私の返答に彼女は再びメモする。

 

すると吹雪。

「響さんっぽいですね」

 

率直だな。

 

ここで荒潮の質問。

「ちなみに提督は協奏曲の譜面を、お持ちでしょうか?」

 

「いや、無い」

即答した。

 

だが思わず付け加える。

「あ、うっかりしたな」

 

そして取り繕うように頭を掻いた。

「さっき響に会ったときパート譜の確認もして置けば良かった」

 

すると荒潮が応える。

「では取り急ぎヴァイオリン協奏曲の譜面は、こちらで手配しましょうか」

 

「オオ、そうして貰えると助かる」

渡りに船だ。

 

ここで吹雪がまた眼を輝かせる。

「そうかぁ、コンサートも準備が大変なんですね」

 

片眼をつぶった青葉がペンを立てる。

「そうそう、戦争の準備と同じくらいにね」

 

「恐い喩えだな」

私が言うと、すかさず荒潮が追い討ちする。

 

「そうねぇ、そうとも言うわね」

(言うかよ!)

まるで地獄の使者。恐ろしい艦娘達だな。

 

だがここは帝国海軍だ。私は咳払いをしてから、もったいぶって言った。

「確かに力づくで相手を圧倒することも出来る。だが音楽は違う。手を出さなくても相手の心を動かして癒すことも出来るんだぞ」

 

「おぉ」

その場にいた艦娘たちは感心した。

だが私には先が思いやられた。

 

「場所や日程は決まっているのでしょうか?」

荒潮が聞く。

 

壁の暦を見ながら私は答える。

「海軍省からは次の連休はどうか? っていう感じで提案は来ているが。上もハッキリ言わないンだよな」

 

思い当たる節があるのか全員が苦笑した。

 

先ずは荒潮。

「相変わらず予定は未定ですね」

 

「やっぱり、いざとなったら鎮守府とか駐屯地で会場設営でしょうか?」

お茶をススリながら吹雪が言う。

 

「そうだな。その可能性は高い」

応えつつ、ふと思った。

 

(彼女の言う通り軍の関連施設で開催するのが簡単だよなぁ)

 

ここで青葉。

「詳細は不明ながら近日中にコンサートを開催する旨、私の方で関係筋に流しても大丈夫でしょうか?」

 

「ウム」

私は腕組みしてチョッと考える。

 

「鎮守府の特定とか軍機に掛からない情報なら大丈夫かな」

呟くように答えた。

 

「はい。足がつかないように注意します!」

敬礼する彼女。いかにも悪事を働きそうな言い方だ。

 

だが、この内容が意外な騒動に発展するとは。

未だ誰も予想出来なかった。

 

 

以下魔除け

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PS:「みほちん」とは
「美保鎮守府」の略称です。
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