「音楽は調和だ」
--みほちん------------
新「艦娘」グラフティ7
第6話<北の大地>
---------(第18部)---
私に気付いた壇上の響は楽器を抱えたまま、軽く会釈をした。
そのことで、その場に居た艦娘たちが、いっせいに後方の私たちに注目する。
(うわ!)
艦娘とはいえ視線が一斉に集まるのは苦手だ。
(司令官になっても、こういう状況は好きではない)
そんなことを思いつつ制帽を軽く持ち上げて挨拶をした。
「司令」
壇上から声。他の艦娘たちは再び正面に向き直った。
舞台からヴァイオリンを手にした響が話し掛けてくる。
「どうかな、感想は」
「うむ」
私は軽く腕を組んで顎に手をやった。
「お前、ロシア以外の曲も弾くんだなあって」
つい率直な言葉が出た。
すると彼女は臆することなく答えた。
「音楽は調和だ。春の日差しも必要だ」
「なるほど」
当然、場の艦娘たちは、この会話に首をかしげる。いや、海外艦娘は軽く頷いていた。
そこで日本の艦娘を代表したように吹雪が手を挙げた。
「あの、申し訳ありませんが司令、分かりません」
「はは、そうだな」
私は苦笑した。このやり取りで、場の緊張感が少し解(ほぐ)れた。
壇上の響も、弓を持ったまま弦を調整し始める。
私も近くにあった椅子を引き寄せつつ説明する。
「ロシアというと北の大地、まぁ冬のイメージが強いかな」
艦娘たちは私に注目する。
「北というと」
ここで口を挟んだのは、はっちゃんこと「伊8」だ。
「ドイツにも、その印象があります」
「そうだな」
椅子に腰かけた私は、軽く足を組んだ。
「さっき、響が演奏していたのはバッハ……ドイツの作曲家だね」
「へえ」
という声がチラホラ聞こえた。
はっちゃんの隣にいたフランスの艦娘だけは理解したのか頷いていた。
だが私の隣の吹雪は言う。
「え、でも私にはどちらも、明るく聞こえました」
「そうだな」
私は続けた。
「今言ったのは、ざっくりしたイメージだよ」
「ソウ、音楽には喜怒哀楽、春夏秋冬、いろんなカラーがありマス」
片言で補足したのは例のフランス艦Commandant Teste(コマンダン・テスト)だった。
「まさかココでヴァイオリンが聴けるとは思いませんでシタ。とてもハイレベルな演奏だと思いマス」
髪に手をやりつつ少し興奮気味に彼女は評価した。
「そうだね」
私たちのやり取りを聞いた艦娘たちは互いに顔を見合わせた。
響の実力のほどを、改めて認識したのかも知れない。
「そう言って貰えると嬉しいね」
微笑んだ駆逐艦は、改めて弓を構えた。
「では司令官、触りだけ聴いて貰おうか」
言い終わる間もなく彼女は、流れるように弾き始めた。
急に始まった弦の旋律に意表を突かれたような艦娘たち。
しかし、その音はヴィバルディやバッハとは違う。まさに北の大地といった趣(おもむき)だった。
紛れもない。それは彼女の演目の一つ。ハチャトゥリアンの協奏曲だ。
暗譜のソロ・ヴァイオリンによって奏でられたのは第一楽章冒頭のテーマだった。
以下魔除け
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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