無冠の王ーアナザーライダー戦記ー   作:カグ槌

31 / 62
今回は後日談と墓守編導入になります



弔いと開戦と

 

拠点にて

 

「…………………」

 

周囲に重苦しい雰囲気が漂う、理由は簡単だ

 

「ババラさん…」

 

ババラ・オールベルグ殉職

 

リヴァの調査によれば犯人は帝国の暗殺部隊、そのリーダーの帝具にやられたらしい

 

「くそっ!」

 

ハルトは苛立つ心を抑えられず椅子を蹴り上げると

 

「魔王ちゃん…その……」

 

「申し訳ない…命令を果たせなかった…」

 

謝る2人にハルトはいつもの笑顔で

 

「2人は気にしないでくれ、俺が見えたのは死ぬ瞬間の未来だけだったから…その途中である未来は見えなかったんだからさ…ネオタイムジャッカーの妨害なんて誰が予想するよ」

 

「けど…」

 

「反省前にリヴァ、被害報告」

 

「は!我々の被害はありませんが…ババラ殿の殉職により被害がありますね」

 

「戦果はタエコが捕まえた暗殺部隊の捕虜一名か…」

 

「今はタエコ殿監視の元、独房に入れております」

 

「そう言えば、あの子のつけたガントレットみたいなのは?何か分かった?」

 

右手につけていたガントレットについてリヴァに尋ねると

 

「えぇ、アレは臣具といって帝具の下位互換品です噂のレベルの話ですが実在するとは」

 

「つまり…連中は帝具擬きで武装してる訳か」

 

そう言えばあの女の子が持った刀も、少し危険な匂いがしたな…と思い返す

 

「えぇ、それよりもこれからの方針ですが」

 

「リヴァ、少し外に出る…捕虜に関しては乱暴狼藉は厳禁、オールベルグの戦利品だ、うちの兵に手を出させるな」

 

「はっ!」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

少し離れた場所でハルトは

 

「悪いねババラさん、こんな場所でさ」

 

山の中に小さな墓石がある、これはハルトが作ったババラの墓である

 

「ハンバーガー備えておくよ、ポテトと紅茶のセットでね…好きだったでしょこの組み合わせ」

 

皿に乗せたハンバーガーを置くと、ハルトは背後を見た

 

「タエコ?」

 

「うん……先生の墓?」

 

「簡素だけど……んで、これからどうするの?」

 

ババラの殉職によりオールベルグとの契約内容を再度どうするか確認したい

 

「オールベルグから帰還命令出てる…先生の殉職でオールベルグは革命軍の依頼もあって帝国暗殺部隊をターゲットに決めた、戦力を整えるから一度引き返せと」

 

「そっか……気をつけろよ」

 

「ハルト、貴方には感謝してるいなかったら私は多分彼女に切られてたかも知れないから」

 

「予知夢も侮れないでしょ?」

 

「そうだね…これからどうするの?」

 

「タエコと同じだよ、帝国の暗殺部隊を調べつつ…ネオタイムジャッカーを潰す、その戦果をババラに報告する為にね」

 

自分達の不手際を棚に上げる気がないが、彼女の死、その遠因となったネオタイムジャッカーは

 

「敵だ」

 

その瞬間、自分の中にあるドス黒い感情を発露するハルトの何かがアナザーウォッチに吸収されたのを今はまだ誰も知らない

 

「この借りは必ず返すし依頼でなければ、オールベルグは貴方に刃を向けないように首領にも話しておく」

 

「頼むよ、俺も知り合いを手にかけたくないからさ」

 

「うん、じゃあね…ご飯美味しかったよ」

 

「おう…また食べに来いよ」

 

タエコはババラの墓参りに、ハルトはその帰り道の事

 

「…………隠れてんのバレバレだぜ」

 

「何でバレたのかしら?」

 

背後から現れた、チェルシーはいつものようにしているが…

 

「鼻声でバレバレだよ…そんなんじゃ怒られるよ」

 

「だね、あのババアに怒られちゃう…おかしいわね、いつもなら仕置きにフラッと出てくるのになぁ〜」

 

明るくしているが、やはり耐えられないのであろう近しい人の喪失に肩が震えている

 

「本当にごめん…助けられたのに…」

 

傲慢かも知れないけれど謝りたい…頭を下げると

 

「謝らないで、この仕事を選んだ以上覚悟はしてた事だから……けど……慣れないなぁ…」

 

「………チェルシー」

 

「ねぇ、ごめん少しだけ良い?」

 

「ん」

 

ハルトは無言で両手を広げるとチェルシーは彼の胸に収まると、泣き声が森の中で響いたのであった

 

ー彼女の泣き顔をもう二度と見たくないー

 

「……?」

 

何処から聞こえた声はハルトに聞こえる事はなかったが

 

ーもう無くしてなるものかー

 

その覚悟は誰に聞こえるまでも無く本人に響いていた 無くさない為に…戦おうそれしか自分に出来ないなら

 

「最低最悪の魔王にでも何でもなってやる…」

 

その声はチェルシーの声で消されたのであった

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ネオタイムジャッカー拠点にて

 

「この馬鹿野郎!」

 

「ひぃ!」

 

レックの怒声が響く、対象であるメナスは涙目で今にも泣きそうだ

 

「テメェの所為で、アナザーライダーの王を利用できなくなっただろうが!」

 

「少なくとも協力は出来ないわね、顔も見られたから私達もターゲットにされたわ」

 

「幸いなのが顔を見られてないのが私だけが自由に動けると」

 

「どう責任取るんだアァ!?」

 

「け、けどアナザーライダー何かに怯えるなんて…」

 

「まだ分かってねぇミテェだな」

 

「少しお仕置きが必要なようね」

 

レックとスズネが仕置きを加えようとした時、メガネの男性の携帯に通知が入った

 

「はい、わかりました」

 

淡々と答えた声音は悲しみが満ちていた

 

「どうしたよ大将?」

 

「フィーニスがやられました…まさかゼロワンとジオウに手を出すなんて」

 

「アイツはアイツで何やらかしてんだ!!」

 

「幸い我々との繋がりは知られていませんが…これは不味いですね」

 

「バレたら仮面ライダーとアナザーライダー に狙われるわね…」

 

「これも全て貴方の短慮の所為ですよメナス!」

 

「ひぃ!け、けど!相手の戦力が知れたじゃない!」

 

「アナザージオウ側にも仮面ライダーや協力者がいるのは知れたのは良かったですが、対価がアナザージオウの敵対とオーマジオウに目をつけられたのでは割に合いませんよ!!」

 

「この世界じゃアイツ等、確か自前の軍団持ってんだろ」

 

「お陰で、この世界での行動を制限されましたからね…しかし漸く実行段階に入れると思った矢先にこれか…レック、スズネはメナスに折檻して下さい…短慮の罰はその身を持って味わいなさい、私は私でやる事があるので」

 

「おう」「任せて」

 

「ひ、ひぃ!!」

 

ギィ…とドアを閉めると部屋からメナスの悲鳴が響いたのを確認し

 

「ふぅ……しかしどうしたものか……」

 

やるせない声が誰もいない場所に響いたのであった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

それから数日後

 

「世話になったな2人とも」

 

「此方こそ」

 

「本当、貴方のご飯が食べられないのは残念ね…ねぇオールベルグに来ない?腕の良いコックなら大歓迎よ」

 

2人の後ろには拘束されているコルネリアがいた、オールベルグに情報提供する為に連行されるらしいタエコ曰く殺すような事はしないとのこと

 

またチェルシーも回復したのかいつものような口調で話している。

 

「悪りいな俺は此処でやる事があるからな」

 

後ろを見るとウォズ、ジョウゲン、カゲン、リヴァとアームズモンスター達がいる帝国の打倒も元の世界への帰還もやらないといけない事だから……

 

「けど……津上さんみたいに料理店を開くのも悪くないかな…まぁ候補に入れておくよ」

 

レストラン名はANOTHER AGIΩかな…いやギルスも捨てがたいが…ってこんな話してる場合じゃないな

 

「ツガミ?」

 

「こっちの事忘れて……それよりも元気で、また会おう」

 

「えぇ、そっちもね…それと……」

 

「ん?何…」

 

その後の言葉を次ぐ事は出来なかった何故なら

 

「ん……」

 

「!!!」

 

「「「「「「「なっ!!!」」」」」」」

 

チェルシーの唇に自分の唇が塞がれていたからだ

 

「ん……ふぅ…ありがとうハルト、じゃあまたね!」

 

「……………」

 

唇を離した後、チェルシーは笑顔で手を振りタエコと共にハルトだが無言のままだ

 

「まさかチェルシー嬢があんな大胆な行動をするなんて…流石は未来の…我が魔王?」

 

「………………」

 

「どうしたの魔王ちゃん?…魔王ちゃん?」

 

おかしい反応がないとジョウゲンとウォズが近づくと真っ先に気づいたカゲンの一言が飛ぶ

 

「ぬ!ハルト様、気絶してるぞ!」

 

「い、いやちょっ!我が魔王!!」

 

「女性に免疫なさすぎでしょ!」

 

「早く担架を用意せい!!」

 

と騒ぐ魔王の家臣団であった。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

会議室にて

 

「ご、ごほん…皆悪かったな」

 

顔が赤くしたままのハルトは先程の光景を思い出して赤面しているのを見て

 

「いえ、気絶した我が魔王なんて新鮮な光景を見れましたから…」

 

ウォズと笑ってるジョウゲンとカゲン達を見てハルトは収まり悪い顔で

 

「よ、よし!何か報告は!」

 

気を取り直してと言わんばかりに意見を求めたが、よく見ればいない人がいた

 

「って、リヴァは?」

 

我等の頼りになる副官の姿がいない事に気づいた

 

「リヴァ殿でしたら、先程用事があると言って席を離れましたが…」

 

「んー…なーんか、やな予感がする」

 

その言葉を待っていたかのように

 

「失礼します!」

 

バーン!と強くドアを開けたのは件のリヴァであった

 

「ハルト様!早速ですが報告したい事が!」

 

「聞かせて」

 

「はっ!帝国南東部にあります、プトラの遺跡にて墓守共の襲撃に遭い我が商隊と密偵がやられました!」

 

その知らせに皆が驚くが、ハルトは冷静に皮表紙の本をペラペラ捲る

 

「えーと…プトラ…プトラ遺跡……あ、あった此処だね」

 

とロンゴロンゴを開いて情報を確認した

 

「えーと…墓守は王家の墓に害をなした者にしか危害を加えない温厚な部族って書いてるけど…うちの連中が何かしたのか?」

 

目線をロンゴロンゴからリヴァに向け直す此方の過失なら謝罪に出向くがどうやら話はそんな簡単ではないようだ

 

「いえ、何もいつもの如く商隊として活動していた所を部族の者に襲われたと…生存した者の話では『帝国の仲間か!』や『墓守の仕事の為!』と言われて襲われたと」

 

リヴァの話で何となく読めてきた

 

「なーるほど、帝国が墓荒らしに来たって所か」

 

パタンとロンゴロンゴを閉じてハルトは目を閉じながら思案すると

 

「はい、それで我々は帝国と墓守との抗争に巻き込まれ物資を得ようとした彼らに襲われ…ぐっ!」

 

リヴァからすれば脱走後にも自分に従う部下を失って悔しいのだろう、しかも戦場ではない場所で死んだのだから

 

「そうかそうか…リヴァ」

 

「ハルト様?」

 

「動ける兵を集めろ指揮は任せる」

 

その言葉にウォズ達は言葉に出さないが驚きの表情を浮かべた、いつもなら陽気に言う言葉に重みがあったからだ

 

「帝国側も本腰入れてるだろう…藪を突いて大蛇に噛まれたようなもんだからな、墓守を根絶やしにする気だろう、思い切りやれ日頃の訓練の成果を見せろ…それと安心しろ部下の仇は俺が討つ帝国の連中が来る前に墓守共を鏖殺してやる…」

 

「はっ!」

 

「ウォズ、ジョウゲン、カゲンは俺についてこい、ガルル達はリヴァについてけ帝国軍なら幾らでもライフエナジーを吸って良い許可してやる」

 

といつもの笑顔を浮かべるハルトだが彼の心情を理解した3名とアナザーキバウォッチで繋がっているアームズモンスター達は顔面が蒼白となっていた、何故ならハルトの笑顔は作り笑いだったから

 

「ははは……そんなに王様と同じ墓に埋葬して欲しいのか、ならそうしてやるよ覚悟しろよ蛮族どもが、俺の一部に手を出したらどうなるか命を持って思い知らせてやる!」

 

今の彼は激情に駆られている魔王そのものであった

 

 

 

 

新キャラ 誰と組み合わせが良い?

  • 仮面ライダーアバドン 断罪兄弟
  • 仮面ライダーシノビ 風間レヴィ
  • アナザーゲイツ オリキャラ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。