えっ、自分ステイゴールド産駒なんすか?   作:えびんす

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育成スイープにSSRサポタイキとか財布が死ぬんだが?
サイゲは人の心とかないんかなんだが?


GⅠ、波乱、好敵手共~中編~

 

 

(…………で、何であんなこと言ったわけよ?)

 

(というかまず名前なんだっけ?)

 

(確か…………ローズ、なんたら?)

 

(べらぼうめ前口上長ったらしいんだよもっと簡潔に言えバーローこんちきしょーめ!!!)

 

(ひいぃ……このひといちばんこわい……)

 

(だってよダムール)

 

(うっせー元から俺ぁこんなんだわ!! 悪かったなチキショーめ!!!)

 

 

 少しして、このローズなんとかのせいで毒気を抜かれた俺たち。改めてこのローズなにがしの話を聞くことにした。

 

 

 俺たち四頭で横並びに囲んで。ことと次第によっちゃ徹底的にわからせてやりますことよ。

 

 

(えっと、僕ローズキングダムって言います……喧嘩を止めようとしたのは本当なんです……)

 

(いやー俺らも熱くなってたからなあ。俺らしくもなかったねありゃ)

 

(元はと言えばフラッシュが悪いだろ。あんな爆弾投げられたら誰でもそうなるわ)

 

(あ?)

 

(お?)

 

(お前らもうやめろ……!)

 

(流石にしつけーぞ!!)

 

 

 チッ、一番喧嘩っ早いダムールにまで言われるのは釈然としないが、ピサに言われちゃしょうがねえな。

 

 

(あー…………それで……?)

 

(あ、はい。あの、止めようとしたのはいいんですけど……あの剣幕じゃないですか? ちょっとやそっとのことじゃ聞いてくれそうもないし、あのぐらいぶっ飛んだことしないと誰も止まらないかなって……目が血走ってて怖かったし……)

 

 

 なるほど、一応考えがあってのことなのね。そんで今のこいつが素なのか。それにしたってオペラ風になったのは何でだとしか言いようがないが。

 

 

(まあまあ、そーゆーことなら許したげようよ。そもそも俺らが喧嘩してんのが悪いしな)

 

(フラッシュが言うのがアレだがそだね)

 

(悪かったな……)

 

(俺も詫びる!!!)

 

(あー良かった……他の皆もめちゃくちゃ怖がってたんですよ。本当になんとかなって良かったあ……)

 

 

 あ、マジ? 俺らそんな周りに迷惑かけてた? 確かにちょっとヒートアップし過ぎた感はあるけどそんなにだったか。すまんかった。

 

 いつの間にかゲート入りの時間も迫ってるしそろそろ本格的に集中せんと。

 

 

(それじゃあ僕先に行きますね)

 

(ああ、重ね重ねすまんな)

 

(いえ…………あ、そうだ。皆に言っておかなくちゃ)

 

(ん? どうしたローズ)

 

 

 ふとそう言って立ち止まったローズが俺たちの方へ振り返る。

 

 

 

 

(喧嘩を止めに来たのは嘘じゃないですけど……)

 

 

 

 

 先程まで俺たちにビビっていたはずのローズ君は既に居なかった。

 

 

 

 

(勝ちにいくのも、本当ですよ?)

 

 

 

 目に野心と闘争心を宿した競走馬『ローズキングダム』がそこに居た。

 

 

 

(覚悟したまえ! 君達は目撃者だ!! 僕の華々しい勝利を誰よりも近くで刮目し、やがて(こうべ)を垂れてひれ伏すために存在するのだ!!!)

 

 

 

 ああ、そうだった。コイツも知識の浅い俺ですら知ってる馬だ。このGⅠの舞台にのしあがってきた化け物馬だった。

 

 

(光栄に思うがいい!!! 貴様ら纏めて、このローズキングダムが表彰台代わりに踏み潰してやる!!!!)

 

 

 ビリビリ、と。奴の低く唸るような、轟くような嘶きに、競馬場は一瞬しんと静まり返り、俺たちも例外なく一瞬押し黙った。

 

 

 

 

 

 そうか、それがお前の本性か。四頭相手にそれだけ啖呵を切れるのは、尚且つ全員を一瞬たじろがせてしまえるのは並大抵の根性じゃねえ。なるほど、お前はそういう馬なのか。

 

 

 そうか。

 

 そうかよ。

 

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

(……上等だ……かかってこい!!)

 

(受けて立つぜこの宝塚かぶれの(はな)垂れ小僧が!! お望み通り返り討ちにしてやる!!)

 

(口だけは達者らしいなべらぼうのクソガキがよ!!! 二度とその舐めた口利けなくしてやろうじゃねえかこのスカタンがてやんでえバーローチキショーめ!!!!)

 

 

 

 あーあー感化されて三頭ともまた燃え出したよ。ローズ君本当に仲裁したいのか喧嘩売りに来たのかどっちなのよ。どっちもか。

 

 

 まあ、

 

 

 

 俺も例外じゃあないけどな。

 

 

 

(嫌いじゃないぜ、そういう傲慢な態度……だが勝つのは俺だ……!!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウッド、ダメだろ!」

 

「ヒィン……(すんません……)」

 

 

 ちなみにゲート入り直前で池谷殿に怒られました。怒られて当然だが。

 

 

 

 

『……途中五頭寄り合って大喧嘩というハプニングはありましたが、各馬ようやく落ち着いたようです。続々とゲートに入っていきます』

 

『一時はどうなるかと思いましたが、なんとか出走できそうですね。ローズキングダムも最後は四頭に吠えていましたが、宣戦布告でしょうか』

 

『他四頭も負けじと吠えていましたねえ。これまでのレースを見るにどの馬も負けず嫌いですから、誰が一番強いか喧嘩するのも仕方ないかもしれません』

 

『果たしてこの一幕がどのような影響を及ぼすのでしょうか。実力でいえば誰が勝ってもおかしくないですし、伏兵に差される可能性も十分にあります』

 

『今年も波乱の幕開けとなる予感がしますクラシック戦線、間もなく戦いの火蓋が切られようとしています。GⅠ皐月賞、間もなく発走となります』

 

 

 

 

 俺の戦いは。

 

 

 

 

『さあゲートインから…………一斉にスタート!!!』

 

 

 

 ここから始まる。




ご愛読ありがとうございました!えびんす先生の次回作にご期待ください!!!













はい、やりたかっただけですごめんなさい。まさかの三分割ですごめんなさい。中編とか作者も予想してなかったですごめんなさい。

後編?もうちょっとだけ待っていてちょうだいな。
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