鋼の異世界(世紀末)と自衛隊奮闘録【第3部・多元世界編・完結】 作:MrR
Side 緋田 キンジ
横須賀基地内のラウンジでくつろぐ俺達、第13偵察隊。
話題はもっぱらこの世界のこと、人類の天敵ゼレーナやAliceと言う力を持つ少女達のことだった。
「またバハムス帝国や世紀末世界の連中で手一杯なのに、ゼレーナと戦うのか……一気にスケールデカくなってないか?」
「まあな……」
キョウスケが言いたい気持ちは分かる。
いきなり外宇宙の敵まで参戦してきたのだ。
戦う身としては勘弁してくれよって言う気分である。
「リオさんやパンサーさんってAliceじゃないんですか?」
「さっきの戦闘データ見ました! 凄かったです!」
そしてリオとパンサーはと言うと、Alice能力者らしき白い制服の少女達に囲まれていた。
「あれどうすんの?」
キョウスケが指さして言うが俺は「まあ戦い続きだったし、放っておこう」と言っておいた。
リオやパンサーも十代の少女だ。
ちょっとぐらい、らしい事させてもバチは当たらんだろう。
「それはそうとエリオット、大丈夫か?」
「はい。正直理解が追い付かない部分がありますが、一旦しかるべき場所に報告に戻った方がいいのかもしれません」
「ゆっくりばかりもしてられないか……だが今は色々あってどうもできん。報告するための資料の作成の手伝いぐらいならかまわないぞ」
「ありがとうございます」
と、丁寧に返事をした。
続けてエリオットは――
「正直言うとこの先どうなるのか不安で、心細くて――どうにかなってしまいそうです」
俺はどう言葉を掛けるべきか悩んだ。
「でも僕は――信じてみたい。皆さんのことを」
「……そうか」
強いなと思った。
☆
Side リオ
私はAliceの少女達と色々と会話していた。
キョウスケの妹、マユミもそうだったが――彼女達はより一層に童話の世界の穏やかな住民のように思えた。
とても死線を潜ってるとは思えない雰囲気だが、微かに戦う者の心構えのような物を感じている。
「リオさんってAliceじゃないのにゼレーナを倒せるぐらい強くて凄いなって思います」
ピンク髪のショートヘアの可愛らしい女の子。
愛坂 イチゴが言った。
Aliceの一人で周囲が言うには歴代最大の適正地らしい。
ただし戦闘技術ではまだまだ先輩方には及ばないとかなんとか。
「それを言うならこの世界の軍隊の人達だってパワーローダーで戦ってるでしょ?」
「それはそうだけど――私、能力はあるみたいなんですけど上手く動かせなくて――」
「それはイチゴが未熟だからだ」
「トウカ先輩、そんなにハッキリ言わなくても」
御剣 トウカ。
黒髪のポニーテールヘアでキリっとした感じの、少女らしからぬ軍人然とした雰囲気を持つ女の子だ。
常に日本刀を携帯している。
「だが正直言うと、君達の実力に興味はある」
「私達と戦いたいってこと?」
トウカの一言で「ちょっとトウカ先輩?」と、イチゴが慌てた様子を見せる。
周りも、パンサーも含めて口々に「面白そう」と言い始めた。
「あー念のため釘刺しとくけど任務があるし、補修用の機材の関係でダメだからな」
と、そこでキンジが言ってきた。
ようするに模擬戦はダメらしい。
パメラも「キンジの言う通りよ。なるべく資材は節約しないと――」と言う事らしい。
「ならシュミレーターはどうだ?」
「シュミレーター?」
トウカの提案に私は首を捻った。