鋼の異世界(世紀末)と自衛隊奮闘録【第3部・多元世界編・完結】   作:MrR

133 / 197
第十九話「世紀末の少女 VS Aliceの少女」

 Side 緋田 キンジ

 

「へえーこんな設備あるのか」

 

 などと呑気に俺はリオとAliceの一人、黒髪ポニーテールの女武士のような雰囲気の少女、御剣 トウカとこの世界のパワーローダーを身に纏ったリオとの戦いを大きなスクリーンから見守っていた。

 

 御剣 トウカは体のライン浮き彫りな青いパイロットスーツにヘッドギアを身に纏い、両腕、両脚、腰、胸部、背中にブルーのメカ装備を身に纏っている。

 

 アニメの世界ではあるまいしこれで戦場に出るのは少々不安のように感じてしまうが、石崎大尉やAliceの少女達が言うにはご都合主義的なバリアにAliceの能力を上乗せして守られているのでよっぽどの攻撃でないとバリアは貫通しないらしい。

 

 一方でリオはこの世界の緑色の量産機のパワーローダーを身に着けている。

 本来なら相手にはならない――と言うのがこの世界の人間の共通認識だが中々いい勝負をしている。

 

 若干ではあるがリオが押している。

 

 もちろん御剣が弱いワケではない。

 リオが強すぎるのもあるし、Aliceの少女は恐らく対人戦にはあまり慣れてないのだろう。

 

 御剣さんはAliceの中でも固有スキル持ち、加速持ちらしいのだが――最初はともかく、どんどんとリオは速さに慣れて来て、逆に御剣さんが追い詰められていっているような状態だった。

 

 

 Side 御剣 トウカ

 

(もしやとは思っていたが想像以上だ――私のAliceが何処まで持つか――)

 

 Aliceの力、加速を使って一旦は巻き返した。

 加速すれば戦闘機以上の速度は出せる。

 だが小回りが効かず、制御が難しい能力でもある。

 

 そして相手――リオさんはアクションムービーの主人公のように二丁拳銃スタイルで此方に着実に直撃弾を与えてくる。

 

 同じ条件での戦いならとっくの昔にリオさんが勝っていただろう。   

 

 それ程までの実力差だった。

 

 

 Side 愛坂 イチゴ

 

 モニターの前ではとんでもない事になってます。

 まさかリオさんがあそこまで強かったなんて。

 

 石崎大尉や朝倉中尉もAliceでは無いのにも関わらず強かったですけど、リオさんは明らかに別次元の強さです。

 

 二丁拳銃スタイルに拘っていますが、時折別の武器を巧みに使い分け、自分で空中に放り投げたグレネードを手に持った銃で撃ち抜くと言う曲芸技なども披露したりしていてます。

 

 拳銃だけでなく、他の銃器や武器の扱い方もとても上手い。

 

 私には到底真似できません。

 

 一体どんな経験すればこうなるのか……

 

 などと思っているウチに決着が付きました。

 

 どうにかトウカ先輩が性能頼みでゴリ押しして決着をつけましたがとても勝利とは言い難い結果でした。

 

 シュミレーターマシンから出たトウカ先輩はとても消耗していて呼吸が荒く、汗をとても流していました。

 

 実戦の後でもトウカ先輩はこうなるのは稀です。

 

 気の強い人達が多い先輩方も静かでした。

 

 トウカ先輩はまるで幽霊のような足取りでその場を後にしました。

 

 私は追い掛けようとしましたが止められました。

 

 

 Side 御剣 トウカ

 

 シャワールームで私は訓練での汗を流す。

 

 今の私は疲労感よりも悔しさが込み上げていた。

 

 敗北だ。

 

 自分の未熟さ。

 

 そして自分が井の中の蛙だったのが悔しく思えた。

 

 同時に訓練中、何度も感じた疑問が再び沸き上がる。

 

 一体どんな経験――どんな修羅場を潜ればあれだけの強さを手にできるのだろうかと。

 

 願わくば聞いてみたいと私は思った。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。