鋼の異世界(世紀末)と自衛隊奮闘録【第3部・多元世界編・完結】   作:MrR

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第二十七話「戦い終わって」

 Side 緋田 キンジ

 

 夜になっても狭間駐屯地の復旧作業は急ピッチで行われている。

 

 ヴァネッサ達や反乱軍の面々などは基地の警護についてくれていた。

 

 それはそれとして問題はエリオット――もとい、フィア・バハムスのことだ。

 

 俺達、第13偵察隊は基地司令や謎の女Xたちと一緒にブリーフィングルームに集まった。

 

「つまり俺達が最初に会ったフィア・バハムスは影武者だったのか?」(第二部第九話「新たな出会い」参照)

 

 キョウスケが先陣を切るように誰もが疑問に思っている事を話してくれた。

 

「その通りです。アレがエリオットで魔法を使い僕に変装した姿――そして僕がエリオットとして貴方達を探るために潜り込んだ姿なのです」

 

「どうしてそんな無茶な真似を――いや、アレだけ強かったら納得だな」

 

 フィアの言い分にキョウスケは続けて何か言おうとしたが、相手の三将軍や皇帝との戦いぶりを思い出して納得した。

 

「それでも危険な真似だったのは変わりないし、それに無理して正体を現す事は無かったんじゃないのか?」

 

「それを言われると痛いですね」

 

 俺の言葉にフィアを苦笑して返し、こう続けた。

 

「変装したままでも良かったんですけど、あのマジックメイルを呼び出せば正体がバレてしまいますから」

 

 との事だ。

 どうやら俺達を助けるために正体を明かしたようだ。

 

「君、絶対人が良いって言われてるだろ」

 

「なんで分かるんですか?」

 

「はあ……」

 

 今度は俺が苦笑した。

 人の良さについては無自覚のようだ。

 

「本題に入ろう――これからどうするかについてだ――」

 

 と、重苦しそうな雰囲気で狭間駐屯地の基地司令が告げる。

 

「正直に言うと上の方ではこの基地を爆破、放棄して全隊員は元の世界に戻ると言う声もでている」

 

 その意見に俺は(だろうな)と思った。

 日本国民をATMか何かかと勘違いしている政治、官僚様達からすればこれ以上の厄介事はごめんだと言うことだろう。

 

「ですが最悪の状況――例えば帝国が日本本土へ直接攻撃を仕掛けた場合の事を考えた場合、話は変わってきます」

 

 ここで話をXさんが引き継ぐ。

 

「そう言えば政治家や外務省の人達来ないな?」

 

 思い出したかのようにキョウスケが言う。

 

「前回の失敗がありますからね。本土で和平だの何だの言ってますよ」

 

 俺はすかさず「だけど皇帝直々に宣戦布告されだろう?」とXに言った。

 

「実は日本国民にはパニックを避けるためと言う事でその事実はまだ伏せてあるんです。恐らく何かあった場合、全責任を自衛隊に擦り付けるためでしょう」

 

「役人どもが考えそうなことだ」

 

 キョウスケが吐き捨てるように言う。

 本来こう言う態度を諌める立場の基地司令も黙認していた。

 

 前の世紀末世界の時もそうだったが日本政府の連中は基本、日本国民の事よりも金、権力、女(男)が重要なのだ。

 

 でなければ日本経済はとっくの昔に回復している。

 

「最悪の事態を考えた場合、基地の放棄は悪手でしかありません。私も出来る限りアナタ達のバックアップに回ります」

 

 Xさんは「それと――」と言ってこう続ける。

 

「ヴァネッサさん、プレラーティさんなども日本政府を脅迫してでも現状維持を迫っています」

 

 なんともありがたくて頼もしい言葉だと思った。

 基地司令若干ひいてるな……

 

「ともかく予定は変わらない。準備が出来次第、帝国領内の士官学校に向かう」

 

 気を取り直すように俺は言った。

 フィアの言う通りなら反乱軍の拠点になっているからだ。

 だからそこに向かう事にする。

 

 

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