鋼の異世界(世紀末)と自衛隊奮闘録【第3部・多元世界編・完結】 作:MrR
Side フィア・バハムス
僕と姉さんは何もない平野に降り立った。
「本当に助け出すとはな――」
「だって、姉さんだから」
「まあ確かにこの体はソフィア・バハムスの物であり、そしてソフィアはまだ生きている」
「え? どう言うこと?」
「ゼレーナにも色々いると言う事だ。成長しすぎたのだろうな、我々は――当初、ゼレーナはただ増殖し、破壊をもたらすだけの存在だった」
そう言って夕暮れになりつつある空を見上げる。
「だが知的生命体と戦いを続けていくウチに、相手の事を学習する事を学んだ。その学習は留まる事を知らず――そしてある試みを行った」
「その試みって」
「知的生命体になり、知的生命体を学習しようと言う試みだ。そんな時に出会ったのがソフィアだった」
「姉さんと?」
「お前の姉さんは我々が知る人類とは違っていた。魔力なる力があるとか異世界人だとかではなく、我々に手を差し伸べてきた」
「ははは、姉さんらしいや」
「そして彼女はあろう事か一方的に賭けを持ち出してきた」
「賭け?」
「人類を愚かではないと判断したその時は悪い事はもうしないと」
「姉さん……」
「まあ賭けはお前の姉の負けだ。特にこの世界の帝国連中どもはな」
「確かに……そうだね――」
そう言われると何か不思議と色々と諦めがついてきた。
お姉さんの奪還についても。
「だが興味は湧いた。この賭けを保留として、私は私なりに人間と言う物を学んでみようと思う」
「え?」
☆
Side 緋田 キンジ
異世界騒動は一件落着した。
俺達は戦災復興の手助けのためにまだバハムス帝国にいる。
クイーン・ゼレーナ。
ソフィア・バハムスの体を乗っ取った存在は俺達の周囲を付き纏っている。
理由は面白そうだかららしい。
フィアからは「お姉さんをよろしくお願いします」と頭を下げられた。
どうしてこうなった。
Aliceの少女達や48年の日本軍はもうビックリした。
何しろゼレーナとの対話の可能性が出て来たのだから。
だけどあの世界でゼレーナはやり過ぎた。
だから俺達かこの異世界での預かりと言う形になった。
押し付けられたとも言うが、下手打ってゼレーナとの全面抗争とかになったら目も当てられないしなぁ……
まあ落ち着く形で落ち着いたか。
リオは「何だか落ち着く形で落ち着いてよかったね」と嬉しそうだ。
確かにそうなんだが……まあいいか。
平和が一番ってことで。
=一ヶ月後=
俺達はまた現れたゲートの前にいた。
今度はどんな世界が待ち受けているのやら。
だが皆が一緒だ。
今回もなんだかんだでどうにかなるだろう。
んじゃあ、行きますかね。
第2部 完