鋼の異世界(世紀末)と自衛隊奮闘録【第3部・多元世界編・完結】   作:MrR

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第五十五話「訓練」

 Side 緋田 キンジ

 

 シップタウンの復旧作業も一段落。

 

 休憩を挟みつつ、上の方の作戦が決まったのを耳にする。

 

 基本は前回、リビルドアーミーの空中戦艦に行った作戦に改良を加える形になるらしい。

 

 つまりは遠距離からの飽和攻撃だ。

 

 さらに今回は陸自だけでなく、空自も作戦に参加させるつもりらしい。

 

 地雷を仕掛ける事も考えたが進路が予測できず、予測できたとしてもパワーローダーを使ったとしても設置に時間が掛かり、中途半端な罠は逆に相手の警戒心を引き上げるし危険も伴うとのことで没になったようだ。

 

 問題は最終プランだが――発動しない事を祈ろう。

 

 

 シップタウンの外で訓練を行っている。

 

 新型機のテストとかだ。

 

 水瀬と高倉にもブロッサムの改良型。

 

 ルーキーや他の隊員たちにはドランなどの改良型を回している。

 

 機種はバラバラでちょっとした混成部隊になってきている。

 

 何気にヴァネッサも混じっていた。

 

『これがオールレンジ攻撃か!?』

 

『回避の練習にはもってこいだな!!』

 

 ヴァネッサの使用機体――ドラグーン・ルージュのオールレンジ攻撃は特に回避のいい訓練になった。 

 オールレンジ攻撃はその手のジャンルが好きな人間にとってはロマンみたいなもんだ。

 

『オールレンジ攻撃の回避方法は周囲に飛び回る物体を全部意識してとかではなく、まずはどうやって対処するかを考えてからですね』

 

『オールレンジ攻撃は精密さが要求されます。それが逆に弱点でもあります』

 

『オールレンジ攻撃の対処方は引き付けて避けるか、纏めて迎撃するか――とにかく無敵ではありません』

 

 と言った感じでヴァネッサもアドバイスを飛ばしてくる。

 

 このオールレンジ攻撃チャレンジは後に自衛隊の間で回避機動の練習訓練として大ヒットして広まる事になるのだがそれはまた別の機会だ。

 

 

 Side リオ

 

 私は今、新しくなったパワーローダー、

ゲイル・リヴァイヴで水瀬 キョウカさんのブロッサムと相手していた。

 

 パンサーもジェネⅢで高倉 ヒトミさんと相手をしている。

 

 自衛隊の女性とは何度も戦っているが、とにかくこの二人は手強い。

 お互い新型機と改良機だ。

 

 二人のブロッサムは女性的なホッソリとしたシルエットが変わり、背部にフライトユニットなどが追加されている。

 武器もシールドとビームライフルで地上を滑るように移動しながら攻撃を仕掛けてくる。

 

 性能差もそんなにないだろう。

 

 此方もビームライフル二丁と背中のフライトユニットに接続されたビームキャノン。腰のレールキャノンの動作を確かめながら応戦する。(もちろん訓練などでペイント弾やビームの出力を落としている)

 

 新型機の性能はいい。

 以前よりも思い通りに動かせる。

 

 パンサーもビームマシンガンやレールキャノンなどの新型武器を手にヒトミさん相手に暴れまわっていた。

 

 ヒトミさんは難なく回避しながら反撃に転じている。

 

 

 Side 緋田 キンジ

 

「あー疲れた」

 

 俺はパワーローダーを脱ぎ捨てでくたびれていた。

 オールレンジ攻撃の訓練は大変だった。

 

「俺もそうだがよくあんな重装備で動けるな」

 

 キョウスケもそんな軽口をとばしているがなんだかんだ言ってくたびれ気味だ。

 

「まあ準備は万全にしておくにこしたことはないさ」

 

「だな。そろそろ敵も動き出すと思うんだが……」

 

 そんな話をしていると高倉 ヒトミがやってきた。

 

「隊長、通信所から報告が」

 

「なんだ?」

 

「敵の陸上戦艦が動き始めました。まだ進路は分かりませんが厳戒態勢で最終プランに備えておくようにとのことです」

 

 その報告を聞いて俺は「ついに来たか」と思った。

 

 

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