鋼の異世界(世紀末)と自衛隊奮闘録【第3部・多元世界編・完結】   作:MrR

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幕間:隊員+リオ達との雑談

 Side 緋田 キンジ

 

 周囲を警戒しながら俺達、第13偵察隊は動かなくなった陸上戦艦で休息をとる事にした。

 

 =宗像 キョウスケ=

 

「最終プランは発動しちまったが、それでも前回の時よりはすんなりいったな」

 

「前回の時?」

 

「リビルドアーミーの空中戦艦の時だよ」

 

 キョウスケにそう言われて「ああ、あの時か」と思い出した。

 

 あの時は基地に特攻かましてからの大乱戦になって酷いことになったもんだ。

 

「まあ、言い変えればそれだけ俺達強くなっちまったってことなのかな?」

 

「だな。この世界に来てかなりの期間が経過したし、死に物狂いで色々と手を伸ばした結果がこれなんだろう」

 

「違いない」

 

 今回はそうした自衛隊側の努力の勝利だと思った。

 

 =水瀬 キョウカ=

 

「今回の作戦も大活躍でしたね隊長」

 

「結果的にはな――俺たちもうエース部隊な扱いされてるんだっけ?」

 

「エース部隊みたいなではなくエース部隊ですよ、実質」

 

「うーん、実績考えるとそうなるのか?」

 

「だけど実際活躍しているのって隊長と副隊長、リオさんパメラさんですよね? それにおんぶ抱っこしているみたいでちょっと――」

 

 確かに水瀬の言い分も分かる。

 

 俺やキョウスケはともかく、リオとパメラは外部協力者で日本で言うならまだ女子高生ぐらいの年齢だ。

 

 アニメやマンガじゃあるまいし――でも彼女達はそういう世界から飛び出してきた人間かの如く大活躍している。

 

 一種のライバル意識みたいなものを感じているのだろう。

 

「そのためにブロッサムをカスタマイズしたんだろうし、この前の訓練でもリオと激戦繰り広げてたじゃないか」

 

「WACの意地って奴ですよ。ともかくリオとパンサーの二人が私の当面の目標かな?」

 

「まあ程々にな」

 

 

 =高倉 ヒトミ=

 

「水瀬と話をして来たが大丈夫かなあれ?」

 

「確かにライバル意識を持っているようですが、実戦の時にはそう言う私情を挟むほど子供ではないでしょう。今迄だってそうですし、さっきの戦いでもそうだったでしょ」

 

 高倉の言う通り。

 そう言うやらかしはなかった。

 

「それでも不安なんだよな~」

 

 それでもどうしても不安になってしまう。

 

「まあいざとなったら私の方でもなんとかしてみます」

 

「よろしく頼む。最悪ヴァネッサに頼んで新しいパワーローダーでも頼んで機嫌とるか……」

 

「出来れば私もよろしくお願いしますね」

 

「了解――」

 

 =ルーキー=

 

「ドラン、高機動型になってパワーアップしたけどどんな感じだった?」

 

「確かに性能はとても上がりましたね。隊長達の新型機も羨ましいですけど、こう言うカスタム機体もいいもんですよ」

 

 との事だった。

 ルーキーの言わんとしていることはなんとなく分かる。

 オタク自衛官、ガンダ〇の中でもファーストとか好きなのはこう言うMSV的なのに惹かれたりするのだ。

 

「そんなにか?」

 

「はい。他の部隊にも高機動型や改修型などのデーターは行き渡ってると思いますんで、配備されるのも時間の問題かと」

 

 と、ルーキーは太鼓判を押していた。

 

「まあ、パワーローダーは整備性と製造コストが売りのスーパーマシンだからな……」

 

 実際自衛隊の基地の格納庫は様々な機種のパワーローダー博覧会とかしている。

 それでも整備員達が文句言わないのは整備がとてもし易いからだ。

 稼働率は常に九十パーセント以上と言う驚異的な数字だ。 

 

「ですね。地球でもパワーローダーが普及する日はそんなに遠くないでしょう」

 

「だよな~」

 

 非核3原則などでパワーローダーの配備に揉めてるのは日本ぐらいだろう。

 核保有国からしてみれば、廃棄が難しい核物質の使い道が出来て大助かりだろう。

 

「まあそれは生き延びてから考える事だな」

 

 と、俺は結論付けた。

 人間明日のことすら分かりはしないんだ。

 未来の事まで分かりはしない。

 

 =リオ=

 

「ついにヴァイパーズと決着か……まさかこうなるとは思わなかった」

 

「俺もまさかだよ。フォボスの一件もあるんだろうがここまで自衛隊が動くとは思わなかった」

 

「そうなの?」

 

 不思議そうに首をかしげる。

 

「リビルドアーミーの一件とか日本に行った時にもでくわしただろう? なんか平和のために話し合いどうこうって奴」

 

「ああ、いたいた。キョウスケの妹さんに少し話聞いたけど日本が戦争に負けたのが原因だって聞いた」

 

「まあ概ね間違いではないな。戦争を仕掛けたから国が焼け野原になった。核を二発打ち込まれた――そう言う思考回路の人間が世紀跨いで活動してるんだわ、ウチの国」

 

「だけど言いたい事は分かる気がするけど、けど上手く言えないけど話し合いで全てが解決できるんなら、世界はこうはならななかったと思う」

 

「言葉の重みが違うね……」

 

 荒れ果てた世界で生きてきた人間が言うと言葉の重さが違うなと思った。

 

 =パンサー=

 

「リオと何の話してたの?」

 

「平和について語り合ってた。それとも恋愛について語ってほしかった?」

 

「恋愛ね~私もいい相手見つかるかな~?」

 

 パンサーは顎に人差し指を当てて考える。

 

「パンサーさんなら普通に見つかると思うんだが……気のせいか?」

 

「まあ運とかもあるしね。こればっかりはしゃーないよ。まあ、もう暫くは自由に生きてみるわ」

 

 いわゆる、いい女なんだなとか思う反面、俺はツッコミを入れたくなった。

 

「じ、自由? かなり危険地帯に踏み込んでるんですけど」

 

「まあ細かいことは気にしない気にしない」

 

「細かいことなのか?」

 

 これ、俺がおかしいのか?

 

 =パメラ=

 

「新型機のメンテ、想像以上に難しくなかったわ」

 

「本当に大助かりだよ君には」

 

「まあ日本からいいパーツとか回してくれるのもあるからね。それに――」

 

「それに?」

 

「リオもパンサーも、皆言わないけどなんだかんだでこの部隊の人達好きなのよ。リオはアナタを愛しているのもあるし、私はキョウスケだけど――だけどそれだけじゃないのよ。こうしてくっついているのは」

 

 そう言われると照れくさくなる。

 

「……本当にありがとうな」

 

 恥ずかしさを我慢しながらの精いっぱいで絞り出せた言葉がこれだ。

 俺もまだまだらしい。

 

 

 =ヴァネッサ=

 

「あ~ヴァネッサさん? まさかここまで協力してくれるとは思わなかったよ」

 

「本当はもっと早く本腰入れて協力していればと思う部分がありましたよ。でもフォボス絡みで吹っ切れた部分もありますね」

 

「フォボスか……ヤバい奴に目をつけられたもんだな」

 

「まあフォボスは今のところ放置しておくしかないでしょう」

 

「ああ。今はヴァイパーズなんだが……それでもフォボスやリビルドアーミーが介入してくる可能性が恐いな」

 

「リビルドアーミーは伝手を通じて内部工作や破壊活動を仕掛けているんでそれは問題ないでしょう。フォボスはどうにもなりませんがあいつとて戦力は無限ではありません」

 

「根拠は?」

 

「日本での戦いでのデーターですね。もしも万全な状態ならとっくに日本は制圧されているでしょうし」

 

 嘘はついてないんだろう。

 フォボスはそれだけの相手だという事だ。

 

「――たく、フォボスは本当に何考えてるんだか」

 

「ですが遠からず明らかになると思います。緋田様たちはその真実に近い立ち位置にいると思います」

 

「本当にヤバい奴に目を付けられたな、日本は――」

 

 とんでもない巨悪に目をつけられた。

 隣国の対応含めて世界各国の対応でも精一杯の日本に――ましてやリビルドアーミーの一件であれだけの大ポカをやらかした政治家連中に太刀打ちできるとは到底思えない。

 

 かと言って自分達にどうにか出来るのかと不安にも思うが――佐伯 麗子たち、さらに五五藤陸将たちはもしかすると来るべきフォボスとの戦いの時のために動いているのかもしれないと思った。 

 

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