鋼の異世界(世紀末)と自衛隊奮闘録【第3部・多元世界編・完結】   作:MrR

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第七十八話「大激突」

 Side 緋田 キンジ

 

 俺達はリビルドアーミーからの使者、アーティスからの話を切り上げて迎撃態勢に入った。

 

 敵はリビルドアーミー。

 

 敵の飛行船であるマザーバードが複数来ていてかなりの大部隊らしい。

 

『久しぶりだな!! アインブラッドタイプ!!』

 

『このテンションの高さにブルーのジェスト(リビルドアーミーのパワーローダー)!?』

 

『ランシスだ!』

 

 二重の意味で面倒な奴が来たと思った。

 他にもガッツ軍曹と一緒に戦った時に出くわしたスカーレットとか言う女性の赤い機体やあの工場の中から出てきたデカブツまでいる。

 

『場の流れとは言え、この機会を逃す手はないわ!』

 

 と、ドぎついピンク色のパワーローダーを身に纏ったカーマンまでくる。

 

 相手のエース級だけでなく地面も空中も大部隊。

 地面には移動基地代わりの小型の陸戦艇や戦車まで出張っている。

 

 タイミング的に間違いなくアーティスが絡み。

 それだけ殺したい相手なんだろう。

 

 佐伯 麗子を通して上の方に増援の要請を送っておいた。

 

 それまで持ち応えられるか?

 

☆

 

 Side リビルドアーミー オードン

 

 今回は最初からパワーローダー、ゴルディアスで前線に出る。

 

 大部隊の増援を得られた時は最初喜んだが経緯を知り、ランシスがいるとなると少々気持ちは複雑だったが。

 

 ともかく数で押し潰す。

 

 敵の手練れをどうにかすれば後は物量差で何とかなるだろう。

 

☆

 

 Side アーティス

 

 シズクと言う女性アンドロイドに連れられて町の裏手にあるシェルターから様子を観察する。

 

 ヴァネッサはドラグーンタイプのパワーローダーで私達の護衛を務めてくれている。

 

 戦いは一見激しく見える。

 

 だが数で勝るリビルドアーミー相手にジエイタイもこの町の住民もよく戦いおる。

  

 手厳しい評価じゃがこれぐらいやってもらわねばこれから先の戦いはキリ抜けられんがの。

 

☆

 

 Side リビルドアーミー オードン

 

『敵の守りが予想以上に硬い!!』

 

『空の連中は何をやっている!?』

 

『敵のパワーローダーをどうにかしろ!!』

  

 次々と味方から悲鳴のような、情けない声が聞こえる。

 かく言う自分も敵の猛攻で殺されないように立ち回るので手一杯だ。

 

 カーマン達の部隊は敵のエース級相手に

 

 敵のパワーローダーも防衛設備も想像以上に手強い。

 このままだと前回の二の舞だ。

 

 既にマーザーバードもレールガンや対空砲の砲撃でやられている。

 

 司令部代わりの陸上戦艦もじきに同じ末路を辿るだろう。 

 

 どうすれば――

 

『援軍――空中戦艦です!!』

 

 その声に一瞬信じられなかった。

 空中戦艦の援軍である。

 

 だが同時に嫌な予感がした。

 

 なにしろあの空中戦艦の艦長はグレムスの艦であるからだ。

 

☆

 

 Side リビルドアーミー 空中戦艦 艦長 グレムス

 

「まさかこのワシが小僧どもの尻拭いをするために駆り出されるとはな」

 

「艦長はご不満で?」

 

「まあな――だが代表者直々の命令でもある。穏健派連中を叩けば上の顔の覚えもよくなるだろう」

 

 でなければこんな場所にワシは来るつもりなどなかった。

 だがここで穏健派と深い繋がりのあるアーティスとその目障りな反乱分子を潰せば上の顔の覚えもますますよくなるだろう。

 

 ゆくゆくはワシがリビルドシティを牛耳る。

 そのためには目の前の連中を滅ぼさなければならない。

 

(ランシスやオードンなども何を考えているか分からんからな……この機会に消しておくか――)

 

 そう思い、ワシは艦砲射撃を命じた。

 

「ですが今砲撃すれば味方に当たりますが?」

 

「構うか――なあに、戦いで誤射は付き物だ――なあ?」

 

「りょ、了解!! 艦砲射撃を行います」

 

 そうだ。

 それでいい。

 ワシの邪魔をする奴は全員死ねばいい。

 

 ゆくゆくは代表者も消し去ってやるがまだ時期が早い。

 

 まずはこの場にいる邪魔者を全員だ。

 

☆

 

 Side 緋田 キンジ

 

『敵味方無差別攻撃かよ!?』

 

 敵の空中戦艦の援軍に驚いたがまさかの敵味方巻き込んでの無差別砲撃に驚いた。

 一旦退避する。

 

『内部抗争って奴だろう!! 邪魔者を消し去るつもりだ!!』

 

 キョウスケも愚痴りながら退避する。

 

『あの空中戦艦は我々で何とかします。今は生き延びる事を考えてください』

 

 と、シズクさんから通達があった。

 俺はその言葉を信じて『了解――早めに頼む』と返した。

 

 空中戦艦から来た連中は敵も味方も一通り砲撃し終えると部隊を展開した。

 だがあまり前に出ず、空中戦艦を守るようにして進路を確保している。

 指揮官が味方を平然と砲撃に巻き込む奴だ。

 

 味方もそう言う風に立ち回りたくなるんだろう。

 

(それにしても酷い光景だ) 

 

 敵も味方も倒れ伏していて滅茶苦茶だ。

 どっちが敵で、どっちが味方なのか分かりやしない。

 

 アーティスは――こう言う光景を止めるために行動を起こしたのかもしれない。

 

『射撃開始!! 目標、空中戦艦!!』

 

 シズクの声でハッと我に返る。

 同時にシェルターがあるらしい山の彼方此方から光があがり、その光が空中戦艦に突き刺さる。当然周囲に展開していた味方にもだ。

 

 慌てて空中戦艦は味方と一緒に後退していく。

 

 同時に取り残されたリビルドアーミーも撤退していこうとするが――

 

『妾の名はアーティス。リビルドシティの統治者の一人じゃ。この場にいる人間、及びリビルドアーミーの人間に話がある』

 

 と、ここでアーティスの通信が入った。

 

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