彼方ちゃんが好きって君が言うから付き合ったんだよ?   作:裏面が下駄

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第三話

 

 

「はぁ…」

 

「どうしたの?喧嘩でもした?」

 

 俺はしずくといつものお店で晩御飯を食べていた。ここ最近はいつも彼方さんが晩御飯を作ってくれていたから、ファストフードの味が懐かしく感じた。

 

 この日は彼方さんの用事があり、晩御飯を作ることが出来ないと言われた。なのでしずくに「いつもの店いく?」とLINEを送ったところ、即既読になり「行く!」と返事が返ってきた。そんなにしずくあの店好きだったのか。

 

「え?なんでまたいきなり?喧嘩なんてしてないけど…?」

 

唐突のしずくの質問に困惑する

 

「いや、だって今溜息ついてたじゃん」 

 

「うそ?今溜息ついてた?」

 

知らず知らずのうちに溜息が出ていた様だ

 

「うん。だからなんかあったのかなーって」

 

「……いや、特に何にもないよ」

 

「今の間は何よ?聞いてあげるから、ほらさっさと口に出して楽になっちゃえ、ほら、ほら!」

 

しずくが人差し指で脇腹を突いてくる。

 

「しつこいよ!彼方さんとは何にもないって!」

 

「私、彼方さんって一言も言ってないけど?」

ニヤァと嫌な笑顔で笑うしずく

「…」

やられた、まんまと誘導された。このパターン最近多い気がする。

「ほら!観念して、話してごらん?」

 

「…分かったよ。最近さ、彼方さんといるのがしんどくなってきたんだ。なんていうか、束縛とか決め事が多くなってさ。」

 

「私が思ってた内容の斜め上の話だった…」

 

ーーーーーーーーーーーーー

彼方side

 

 凪くんと付き合って3ヶ月が経った。

最初は純粋に興味から付き合ったものの、日に日に「好き」という気持ちが大きくなった。凪くんとお話をしている時は時計の針の進みがとても早く、隣に居ると心がぽかぽかした。そして二人で笑い合う時や、お日様が出ている時に凪くんのお家でまったりお昼寝デートをするのが1番の幸せだった。

 

 

 凪くんが、両親の帰宅が遅いからよくファミレスに行っていると聞いた。だから凪くんの両親が遅い時は必ずお家に行って、彼方ちゃん特製の手料理を振る舞った。

 凪くんはいつも「美味しい!美味しい!」と言って食べてくれた。「美味しい」って言ってくれるのが1番嬉しい言葉なんだよ?

 だから彼方ちゃん、もっと凪くんに褒められたくていっぱいいっぱい料理のお勉強も頑張ったんだ

 

 

 凪くんの両親には「いい彼女さんね、将来のお嫁さんかしら?」と言われたもんだから、彼方ちゃん、すごく嬉しくて顔が真っ赤になっちゃった。

 

 彼方ちゃんね、凪くんとずーっと一緒に幸せでいるための決め事を()()()3()0()()()()決めたんだ。

 

「1つ、同好会以外の子とは話さないこと」

同好会のみんななら、彼方ちゃんの彼氏って知ってるから凪くんに迂闊なことは出来ないからね

 

「2つ、女の子と話す時は必ず彼方ちゃんに電話をかけること」

電話が繋がってる状態ならやましいことなんて言えないもんね

 

「3つ、1日に最低でも1時間はお話しすること」

彼方ちゃん、お話ししないと不安になっちゃうんだ

 

「4つ、休みの日は必ず一緒にいること」

せっかくの休みなんだから1日中イチャイチャしたいもんね

 

「5つ、可愛い女の子が出るテレビやアニメは見ないこと」

彼方ちゃんがその娘に嫉妬しておかしくなっちゃいそうだから

 

「6つ、遊ぶ時は誰とどこで何をするか連絡すること」

グループで遊ぶとしても女の子がいたら浮気と同じだからね

 

「7つ、彼方ちゃんには絶対に嘘はつかない事」

彼方ちゃん、嘘は嫌いだよ。もし破ったら言う事を1つ必ず聞いてもらうからね

 

まだまだ足したいけど、これでも少ない方だよ

彼方ちゃん、凪くんに甘々だなぁ

 

 

 あーあ、今日は彼方ちゃん特性シチューを作るつもりだったんだけどなぁ。せっかく美味しく作れる様に何回も練習したのにな。

進路票なんて提出しなくてもいいのに。

そんなの凪くんのお嫁さんに決まってるじゃん

 

 学校で進路票の不備を直してたらこんなに遅くなっちゃった。凪くん何食べてるかな?またファミレス行ってたりしてね?そうだ!そろそろ付き合って3ヵ月だしプレゼントでも買って帰ろうかな? 

 

そんな事を考えながら自宅へと足を運ぶ

 

「ん?あれってまさか?凪くん?」

 

偶然、帰り道にあるファミレスの方を見ると凪くんによく似た横顔が見えた。

 

ファミレスに近づき、窓を覗いて見る

 

「わぁ〜凪くんだぁ〜」

 

やっぱりそうだった。好きな人はすぐに見つけられる。

 

「おーい、凪く〜ん?」

 

外から手を振ってみるも気づく様子がない。

そうだ!店にこっそり入ってビックリさせちゃお!

へへへ、どんな顔してくれるかなぁ?

 

ガチャッ

「いらっしゃいませ〜」

 

お店に入る。凪くんはどこだ?あ、居た!

そーっとそーっと、バレないように!

 

おやおや?向かいに座ってるのはしずくちゃんだね。よーし作戦変更!しずくちゃんも一緒に餌食になってもらうのだ〜

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「……まぁそんな感じなんだ。だから最近あんまり寝れてないし、友達とも遊べてないんだ」

 

「彼方さんにその事は言ったの?」

 

「言ったけど、ダメって言われた。世の中の恋人ってこんなに縛られるものなのかなぁ?

彼方さんと居るのは楽しいよ?でもちょっとだけ、冷めてきたんだよな…。こんなのが無かったらもっと好きになってるのに…」

 

「言ってもダメだったのね…うーん…」

 

ーーー

ーー

 

よーし、バレないように凪くんの席の後ろまで来れたぞ〜

ふっふっふ、ビックリするがいい〜 

驚かすまで3秒前!

さん! にい! い… 「それだったら彼方さんと別れるしかないよね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…は?」

 

 

今の今まで考えていた事が抜け落ちる。

しずく…ちゃん?何言っ…てる…の?

別れる?私と凪くんが?は?

 

 

「こんな事続けてたら凪くんの身体が壊れちゃうよ!」

 

 

 いや、違う。この女が別れる様に誑かしてるんだ。でも、なんで?…そういえば、私以外で1番この女が凪くんと仲がよかった。仲がよすぎて心配することもあったけど、幼馴染っていうから特別に決まりを許してた。

 あの時、もしかしてとは思ってたけど、ふーん、そっかそっかあ。やっぱりね、この女は凪くんを狙ってる。

 

 

 

へええええええええ、がっかりだなあっ!お淑やかで健気だった子が、実は人の彼氏を奪うような悪女だったなんてねっ!

 今までの行動は全て演技だったっていうわけだ!彼方ちゃん完っ全に騙されたよ

 

でもね、凪くんに手を出す女は彼方ちゃん誰であっても絶対に絶対に許さないからね?

 

 

 

 

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