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うーん...うにゅ〜...んぁ?
「あれれ?俺のベッドは?」
寝て起きたら外?しかも、見たことない場所だ
夢と言うには中々に鮮明で現実のような感覚
「でもそんなに悪くないなここ」
日本では見たことないような幅の広い川
一面に広がる彼岸花畑、日の出のようで夕暮れのようでもある
空の明るさ、どれも幻想的で現実的では無い知らない場所
だがその世界はとても
「綺麗だな...」
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「さぁて、これからどうしようか」
景色に魅入るのはここまでにして、この場所の地理は全く分からない
日本にこんな場所なかったはずだ...多分
「とりあえず移動してから場所の把握を...ん?」
人?いや人っぽい何か?そんな気配がするぞ
何それ怖すぎぃ〜
「あの岩の後ろか」
多少怖くはあるが好奇心には勝てん!!
ゆっくり近ずいて確認だけだ確認だけ
「そー...あれ?」
いない?そんなわけが、確かに気配があったはず
”生きている”ものの気配が
「おかしいなぁ〜」
「何がだい?」
「誰か?いると思ったんですよね...え?」
後ろにえ?後ろ!?いつの間に?
落ち着け落ち着け、冷静さを忘れるな
「すみません邪魔をしてしまったようで」
「いやいいさ、休憩時間でお昼寝タイムだっただけだからさ」
「そうなんですか」
休憩ってことはこの辺りで何か仕事でもしてるのか
「アタイは小野塚小町って言うんだあんたは?」
「山神 冬華って言います、出来れば名前で読んでいただけるとありがたいです」
「そうかい、わかったよアタイも小町でいいよ」
「わかりました小町さん」
良かった、久しぶりの優しい人だ
「ところで、ここって何処なんですか?俺は見たことないんですよねここ日本国内ですか?」
日本だったら定期的に寄りたいから場所を知っておきたいし
「日本?聞いたことないね」
「え、そうなんですか」
「そんな場所初めて聞いたよ」
日本を知らない?海外って感じでもないそれなら
「ここって」
「...ここはね、死者の魂を運ぶ場所”三途の川”そしてアタイがその魂を船で運ぶ水先案内人、言っちまえば死神かな」
三途の川...魂を運ぶ、だからここの空気はこんなにも淀みが少ないのか
待てよなら今の俺って
「死んでるか、死ぬ1歩手前ってことなのか...」
「そんな感じだね、でも不思議だねあんたは確かに死んでるって感じだけど自我を保ってるし」
「それはどういう...魂だけだからか」
「そういうことさ」
でもそれなら俺死んでないんじゃ?これから死ぬのか?
俺が役立たずでそれで神様がついに俺を見放したのか?
「これから俺って、罪をはかりに行くとかそんな感じですかね」
「あんた物分りがいいね、賢い賢い」
「あは、あはは」
これから審判をうけるのか、俺地獄に落ちんじゃね?
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「___...二度と離れないように誓うよ愛の運命〜♪」
「おぉ...中々いい声してんねなんの曲かは知らないけど」
「よく1人で歌ってるんでね...お?」
ものすごい大きなそして威圧感はまた違う圧を放っている建物が見えてきた
「そろそろだね」
「あそこか」
いやぁー、緊張するな〜地獄の線が濃厚だけど
手違いで地獄行きを回避出来ないかな
「はぁ」
「気楽に行きなっ...なんて言うようなことではないね」
「ですね」
「まぁ話してる感じ悪い奴って感じでもないし、
今までどんな行いしてきた変わらないけどね」
「最後の神頼みでもしておきます」
「そうかい」クスクス
地獄に行きたくねぇーよー
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「四季様ー!!」
「あら小町、今は休憩の...小町その方は?」
「やっぱり四季様もおかしいと思いますよね」
「はい、魂であるのは間違いありません、
ですが実体を持ち更に生を感じる...初めてです」
俺は例外も例外らしい、今の会話を聞いた感じ
死の気配と生の気配をどちらとも感じるらしい
どういう事だ?結局俺は死んだのか死んでないのか
「あの、俺はこれからどうなるんですか?」
「そうですね、前例のない事態ではありますが
私は運命に対し白黒はっきりつけることが役目
あなたがこの場にいるならばあなたの罪をはかります」
そう言って四季さんが取り出したのは
「浄玻璃鏡か...」
亡者の生前を見て罪の重さをはかる為に必要な鏡
なんと言うか自分の生前を目の前で見られるって
めっちゃ恥ずい...
「ご存知でしたか、今からこの鏡であなたの生前を見て
今までの行いが善か悪か見定めさせてもらいます」
「あの...」
「何か?」
「この審判?判決?が終わったあとは自我の無い魂
になるのでしょうか?」
それじゃないと地獄だったとき...想像したくない
「いえ、自我はその時に戻ります戻らないと
地獄での罰をやる意味がないですから」
「ですよね」
詰んだなこれ
「何か心当たりが?」
「迷惑かけて生きてきたようなもんなんで凄く」
「...まぁとにかく始めましょう」
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side 映姫
山神 冬香...この場所自我を持ち生者か亡者か判断が
正しく出来ない例外中の例外
「(何より魂から漏れる善意が凄まじい)」
浄玻璃鏡を見なくとも判断しても問題ないくら
善と優しさに溢れている...
「(そんな彼が地獄に落ちるだろうと思っていると
言うほどの迷惑とは)」
そんな些細?な疑問を抱きながらも鏡を覗く
「(...ッ!?)」
………
「あなた...男の子ですって...」
「そうか...失敗だな」
………
「冬華、お前は男に生まれてしまった」
「それってわるいこと...なの?」
「ああ、お前は生まれてきたこと自体が悪だ迷惑だ」
「だからお前は家の為だけに働いてもらう、いいな」
「そしたらおとうさんはぼくをみとめてくれるの?」
「...あぁ」
「わかりましたぼくがんばります」
………
「あなた!!女の子だそうよ!!」
「そうか!?よくやった、これで後継として...」
「(なんのはなしをしてるんだろう?)」
「冬華お前は今後家の為の勉強はしなくても構わない」
「...え、どうして?」
「あなたはねお兄ちゃんになって妹を守るの」
「そう言う事だ、妹が辛い時、危ない時、守るのが
お前の役目だ」
「必要な勉強は自分でやれ、だが妹の事が最優先だ
俺やお母さんが見れない時、お前は自分の事より妹を
先にするわかったな」
「それがただしいこと...なんだね?」
「「あぁ(えぇ)」」
「わかりましたがんばります」
………
「おにいちゃん」
「ん、どうした春華?」
「これやっといてよ」
「...春華、これはお父さんが「うるさい!!」
「いまはおとうさんたちいないでしょ、だったら
おにいちゃんがやってもかわんないじゃん」
「...でも「やらなかったらおとうさんに
おにいちゃんがじゃましてまともに出来なかった
ていうからね」...わかった、やっとくよ」
「さいしょからそうしなさいよねまったく」
「(はぁ、なんで俺が...だけどお父さんに悪い
印象を持たせる訳には、認められないといけないから)」
………
「お前の妹ムカつくんだよ!!」
「家がでかいからって偉そうに!!」
「(春華、何やってんだよあいつ)」
「その分お前は緩いから、いいサンドバッグになるから
鬱憤ばらしに助かってるわー」
「(痛ってぇ...お父さんに言っても妹を守れって
言われるよな...言われるよなぁ〜)」
………
「冬華くん、今日もよろしくね♪」
「...わかったよ」
「今日さこれ使おうぜ」
「サバイバルナイフじゃん!!どうしたのそれ」
「親父がキャンプとか好きでよ、ちょっと持ち出して
来たんだよ」
「(こいつ、正気か?)」
「早くやろうぜ!!こいつ殴ってもあんま
痛そうにしねぇーから、消化不良だったし」
「おい、流石に「サンドバッグくんはさぁ」
「黙って受けてればればいいんだよ」
ザクッ
………
「はぁ...今日も俺ひとりか」
「ん?机の上に...は?」
「一人暮らしの為の、荷造りをしとけだって?」
「.......」
「俺ついに、見放されんのかな?」
「あは、あはは...」
………
「お父さん?なんでお兄ちゃんは一人暮らし
になるの?(仕事の押し付け出来なくなんだろうが)」
「あいつに割く金がもったいないからな、
認めてもられるためって言えばあいつは一人暮らし
でも何でもやるさ」
「ふーん(私の為のお金が増えるならいいか)」
「...しかしどうにかあいつを切り離す事は
出来ないのか」
「...(あいつ、憎たらしくも私よりも 、もっと言うなら
お父さんよりも能力が高いからいっその事...)」
「ねぇお父さん」
「何だ、春華?」
「私にいい考えがあってね...」
………
「...まさかあの父さんが俺の為に旅行を
提案してくれるなんて」
「(少しは、認められたってことなのかな?)」
「嬉しいなぁ」
「(いきなりの一人暮らしの件で、完全に
見放されちゃったのかと思ったけど)」
「考えすぎだったか」
「(相変わらずの1人ではあるけどね)」
…アブナイ!! ヨケテ!!
「なんの...え?」
「(トラックがものすごい速さでこっちに、
流石にサンドバッグな俺でもあの勢いのトラック
死ぬ、避けられるきもしないし...)」
「冗談キツいって」
「(やっと認められて来た所なのに、やっと
父さんに認められてきた...父さんが
言った生まれてくるのが悪ってこういう事なのか)」
「俺...頑張ったんだけどn
ドンッ
………
「(これは、なんと言う...)」
これが、自信が地獄行きだという人間の
人生なのですか...
「(善悪の押し付け...おうよそ人が許容できる
範囲をゆうに超えているストレスと暴力の数々)」
人間ではない私でも長時間働いたら過労に
やられてしまう、でも彼は10代にも満たない
歳から、普通の人間以上もの時間を仕事そして
家の主に父親の過剰な強制を受け育ってきた
「(それに彼は...それが当たり前だと思っている)」
きっと彼は純粋なんでしょう...人間誰しも欲に生きる
それが本来のあり方と言ってもいい、でも彼は
その欲を押さえ込んでいる周りの環境と思い込みで
「(それで...壊れてしまっている)」
他人であるとはいえ他人事では流しきれない
事実に久しく怒りが込み上げてきた
side out 映姫
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side 小町
「...し、四季様?」
四季様が見ていて圧倒されるような怒気を
纏っているのがわかる
「ちょっとあんた、生前に何してたのさ」ヒソヒソ
「わ、分からないですよ、まさかここまで怒るなんて」ヒソヒソ
「あんたのことでしょ?分からないって」ヒソヒソ
「確かに悪い事をしていたかもしれないですが、
ものを盗むとか暴力を奮ったとかないですし
悪口だって言ったことないですよ俺」ヒソヒソ
悪口もないのかい!?それならなんで四季様は
「...冬華さん」
「...なんでしょうか?」
「あなたは親に主に父親に対してどう思われていますか」
「かなり厳しいですけど、自分の事をしっかり
見てくれていると思います」
んー、話が見えてこないねぇ冬華の父親に対する印象
が重要そうにも思えないけど
「...それが、自身の自由を縛ってもですか?」
どういう事だい?自由を縛る?
四季様は一体何を?そんなの普通に拒否するはず...
「それが普通なんじゃないんですか?」
...え?
「し、縛られるのが普通って」
「それが、俺の役目ですから」
...そういう事かい四季様
「胸糞悪いねぇ」
「?」
四季様は冬華の生前を見て怒ってるんだろう
四季様がここまで怒りを表に出すってことは
「(見てないアタイでもわかるくらい)」
”地獄”のようなもんなんだろうね
side out 小町
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「...それでは冬華さん貴方の『ちょっといいかしら』
んえ?何処から声が?
...てかなんだ”隙間”見たいなのが空間に出来てる
「珍しいですね紫、貴方がここに来るなんて」
その隙間からは綺麗な女の人が出てきた
いやいや理解が追いつかんよ...
「彼に用があってね...冬華くん」
ゾクッ
「なんで俺の名前知ってんすか?」
「それはね貴方を見ていたからよ」
俺を見ていた?まさかあの隙間からか
「その隙間のようなものから見てたんすか?」
「あなた冷静なのねもっと焦るわよ普通」
「だいぶ混乱してますけどね」
ほんとよく冷静になれたわ俺
「まぁいいわ...ここには提案をしに来たの」
「提案?」
死んだ俺になんの提案だ?
「それって」
「紫あなたは...」
「そう、冬華くんあなた”幻想郷”に来ないかしら」