「何でマクロスがないんだ!」少年はそう叫んだ 番外集   作:カフェイン中毒

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 回りだす歯車

 俺が鼻血出してシミュレーターを汚した事件から3日たった。ちなみにあの後レイナさんの服の袖に鼻血が付いたので地面にめり込まんとせんぐらいの土下座を披露しようとしたのだけど機先を制されて「このくらいいい。むしろあのモヒカンゴリラに当てたんだからこうなるのが普通」って言われたよ。遠回しにメッサーさんを褒めてるんだか貶してるんだか分からないんだけどメッサーさんの顔が怖かったのでそっちを見れなかった。

 

 それでそのあと、ミラージュさんとかチャックさんにえらく心配されてやはり反対です!というミラージュさんをアラドさんが決定事項だ、と説き伏せてしまっていた。なら私が教官役をと買って出るミラージュさんだったけどアラドさんは

 

 「いや、それは俺かメッサーがやる。バルキリーを操縦するわけではないからな。必要なのはフォーメーションの把握と耐G訓練、あとはお勉強だ。で、アルト候補生。俺とメッサー、どっちがいい?」

 

 「…メッサーさんで、お願いします」

 

 「ほお、理由はあるか?」

 

 「一番容赦なく叩き潰してくれそうだからです。折れるつもりはないですけど」

 

 「…だ、そうだ。メッサー中尉」

 

 「了解しました。アルト候補生は自分が受け持ちます」

 

 戦場へ行く。それにはきっと強さが必要だ。いざという時に引き金を引ける強さと引かなくてもいいようにする強さ。俺はガンプラバトルの技術を人殺しには使いたくない。いざという時のために引き金を引く覚悟を持つべきなのだろうけど、今それが起きて引けるかと言われたら多分引けない。だって結局…シミュレーターの中でさえメッサーさんのコックピットに向かって攻撃をできなかったんだから。もし、もしこの世界で人を殺してしまったら…ガンプラバトルは辞めよう。そもそも帰っていいのかとも思うけれど、人殺しの技術を使ってセイたちと笑って遊ぶなんてできないから。

 

 いざという時、殺さない選択肢を取れるのは圧倒的な強さを持つものだけ。だから強くなろう、人を殺さないで済むように、帰った時に胸を張ってセイたちと再会できるように…。そう考えてるとバンッ!と強い勢いで背中を叩かれた。ゲッホゴッホとせき込んだ俺が涙目で犯人を見ると、ハヤテさんだ。

 

 「…やるじゃん」

 

 そう一言言ってハヤテさんは出ていってしまった。慌ててミラージュさんが追いかけていくが、次デスクワークだろ?と言われて目を白黒させている。それもそう、昨日はハヤテさんバルキリーの飛行訓練以外全部サボったもんね。そう考えるとミラージュさんが目をぱちくりするのも分かる。わかんねーとこ教えてくれよ教官、とすたすた行ってしまったハヤテさんをこちらに頭を下げて追いかけるミラージュさん。くっくっとアラドさんが笑っていたのが印象的だった。

 

 「アルト候補生」

 

 「はい!」

 

 「14時まで休憩だ。食事を取って体を動かせる状態にしてアイテールの甲板に来い」

 

 「はい!」

 

 「終わった?じゃ、アルト裸喰娘娘にいくべし。ツムギもヒマリも、一緒に」

 

 話が終わるのを待っていたらしいレイナさんに手を引っ張られて俺はシミュレータールームから退室するのだった。慌ててチャックさんが「ちょっと~~!合格祝いにチャックお兄さんに奢らせてよ~~!」とついてきてくれた。

 

 

 

 話は変わって今現在、勿論トレーニングを頑張っております。まあ俺だけ手加減に手加減を重ねたお子様メニューなんだけど。まあ一応基礎体力にはそれなりに自信が。ガンプラバトルって全身を動かして操縦するからどうしても体力いるんだよね。タツヤさんとか見ても分かるんだけど世界大会参加者ってだいたいムキムキよ?グレコさんとかボディビルやってんのかっていう感じで腹筋板チョコ肩メロンだったもん。あれだよ、えーっと前世にあったリングフィットなんちゃらってゲーム。あれを3時間くらいぶっ続けでやる感じだ。いやでも体力付く。

 

 現在走り込みの最中、俺はなんも付けてないけど他のデルタ小隊の面々はパワーアシストをオフにしたEXギアをつけてグラウンドを20周やってる。俺は15周だって。ハヤテさんとかヘロッヘロだけど、EXギア普通に重そうだもんね、実際何キロか分からないけどさ。ツムギもヒマリもワルキューレのトレーニングを頑張ってるようで、コーラス参加することになったんだ!って嬉しそうに教えてくれた。

 

 一応バックバンドとしても頑張らないといけないので俺は午前中はデルタ小隊のトレーニング、午後はワルキューレのレッスン&バンドとしての練習という感じで頑張っております。終わったらメッサーさんがつきっきりでフォーメーションとかそういうののお勉強、あとチャックさんが正しいゴーストの動かし方を教えてくれてる。やっぱりシミュレーターの動かし方だと癖が強いんだって。

 

 で、一番変わったことといえばハヤテさんだ。初手サボってて変な目で見られていたハヤテさんが俺がメッサーさんに一発入れた日からなんか少し真面目?というかサボらなくなった。普段の態度とかは変わらないけど遅刻することなくミラージュさんの座学に出て、デスクワークやって、フレイアさんを揶揄ってルンをツンツンしてえっちー!と言われている。ルンはピッカピカだったことをここに記しておこう。

 

 「はあ…ふう…」

 

 「よし、インターバル10分、次はEXギアをつけたまま腕立て伏せ!」

 

 「「「「ウーラ・サー!」」」」

 

 あと、トレーニング中に皮肉や愚痴をこぼすこともなくなったらしい。黙々とやることをこなして、トレーニングの後に何時もの自由人なハヤテさんに戻る。唯一変わってないのは飛行訓練の最中くらい。そこだけは自分のやり方でやらないと気が済まない感じだったのだろうか。ミラージュさんは多少真面目になったくらいで、とまだまだ認める気はないみたい。

 

 あと、初めてジークフリードに乗らせてもらった。というか耐G訓練の一環で。ジークフリードは複座式なのでサブシートを引っ張り出さなくても最初っから二人乗りができる。本当だったらメッサーさんの後ろはカナメさんの指定席なはずなので非常に申し訳なかったのだけれど、頑張らないとダメなので心の中で土下寝しつつ乗せてもらった。初めて入るバルキリーの中は計器やらスロットルレバーやらなんやらと複雑にごちゃごちゃしていて、胸が高鳴った。特にEXギアが座席に変形したのを見て声が出そうになったよ。

 

 もちろん、遊びじゃないのでそういうファン心は片隅にぶん投げたんだけど、管制のオペレーターとやり取りしながら次々と機体チェックを進めていくメッサーさんは滅茶苦茶かっこよかった。正しくベテラン、エースの風格というやつ。飛び立った時なんて現実の飛行機よりも滑らかかつGもかからなかった。語彙力が消えうせるくらい凄かった。

 

 でもそのあとの曲芸飛行は地獄だった。正直、ガンプラバトルで散々ひどい視点を見てきた目の方は酔わないんだけど初めて体感するGというやつが曲者だった。腹の中が持ち上がったり押し付けられたり急に横に行ったりともうしっちゃかめっちゃかにされた気分で。全くえげつないものだった。ハヤテさんが初日にひどい目にあわされてミラージュさんにゲロったのもとてもわかる。俺は何とか耐えたけど。視点がぐっちゃぐちゃになるのに慣れてなかったら多分俺もゲロリアンになってた。あと平衡感覚を失って降りた後ぶっ倒れた。見てたカナメさんが慌てて駆け寄ってきたり、メッサーさんに首根っこひっつかまれて無理やり立たせてもらったりと大変迷惑をかけた。申し訳ない。ジェットコースター?目じゃなかったよ…。

 

 

 

 「ほ、ほえええええ!?ぐ、グラビアかね!?」

 

 「そうよー、フレイアのデビューの後に発売される雑誌に掲載されるの。撮影頑張りましょうね」

 

 「う、うああああ、ぶっちゃごりごりぃ…」

 

 全身を苛め抜いたあとほうほうの体で食堂にやってきた…嘘です、メッサーさんに担がれてきました。ごめんなさいと謝ったら頭をポンと大きな手で撫でてくれた。この人やっぱり本来は滅茶苦茶優しい人なんだな、とそう思えてならない。小隊のために嫌われ役を買って出ているだけで、本来は誰よりも仲間想いに違いない。

 

 それで、机に垂れてたれあるとくんになっていた俺、つんつんとハヤテさんにほっぺをつつかれていると食堂に大きな声、よく通るこの声はフレイアさんだ。何とか動く頭を動かして声の方を見るとルンをピンクにピカピカさせながらそれ以上にほっぺたをリンゴ色に染めたフレイアさんがグラビアアアアア!?と大きな声を出していた。戦術アイドルユニットというワルキューレではあるが、一応営利企業であるケイオスの所属であるためドル箱のワルキューレを戦術ライブだけで終わらせるはずもなく、きちんとアイドル的なこともやらしているらしい。利益凄そう(小並感

 

 「あいつグラビアなんつー柄かよ…」

 

 「チャックさんは人気出ると思うんだけどなー、フレイアちゃんのグ・ラ・ビ・ア♪アルトはどう思うよ?あとハヤテ、俺らも撮るんだぞ?ワルキューレとデルタ小隊は基本的にセットなんだから」

 

 「はあ!?きいてねーよ!」

 

 「そりゃあ逃げられちゃ困るから今言ったんだよ」

 

 「確かに人気出るでしょうね。フレイアさん元気で可愛らしいですから、ハヤテさんとフレイアさんのツーショット楽しみにしておきます」

 

  何とか回復した俺がチャックさんと一緒になって突然のグラビア撮影への参加を強制されるハヤテさんを弄り倒していると、空の俺の隣にトスン、と軽い音が。隣を見るとレイナさんだ、その隣にはマキナさん、俺の向かいにはツムギもヒマリ。この3日間、何かとレイナさんに世話を焼かれているような気がする。ご飯は毎回一緒だし、シミュレーターの時も高確率で来るし、ヒマリとツムギもかなり世話を焼かれているみたい。何とレイナさんの銀河標準語講座を受けたりしたのだとか。マキナさんに聞いてみたら「レイレイ、きゃわわ~。んー、弟と妹ができたみたいな感じカナ?レイレイ、珍しいカモ!」だって。つまるところ真意はよくわからない。

 

 よ、と言わんばかりに片手を上げたレイナさんとアルアル~とほんわか挨拶してくれるマキナさん、そしてゆでだこみたいになってる俺のパートナー達。ヒマリはともかくツムギもそんなに真っ赤になるなんて何があった。フレイアさんに負けず劣らす真っ赤だぞ。レイナさんがにやにやとしながら衝撃の事実を俺に伝える。

 

 「ふふふ、アルト…撮影頑張るべし。あとでカメラの前でどんな顔するか楽しみ」

 

 「…へ?」

 

 「あのね、アルトくん…その、私たちも…」

 

 「…ワルキューレのバックバンドでデビューだから、きちんと周知する必要があるんだって…つ、つまり」

 

 「アルアル達も!写真を撮って雑誌に載るのだ~~~!」

 

 …………………ファッッッ!?!?!?!?

 

 

 

 

 「はい!ありがとうございま~す!いやーカナメさん流石分かってますね!いい映りです!」

 

 「ふふっ、ありがとうございます。メッサー君も、さすがね」

 

 「いえ、自分は立ってただけです。カナメさんこそ、素晴らしいと思います」

 

 ………うせやろ。どうしてこうなった。現在エリシオンはアイテール、4機のジークフリードを前にしてセットを組まれて撮影中である。理由は聞いたよ、そりゃあ天下のワルキューレのバックバンド、それも新メンバーと同時デビューのやつらなんてファンからしたら気になるよね。急すぎへんかでも、と聞いたらお昼前に急に決まったことなのだとか。心の準備ぃ…と思ったけどそういえば俺世界大会ですでに全世界に顔出ししてたわ。超今更の話だった。でも、ヒマリとツムギはそうじゃなかった、腹を据えて覚悟を決めたおれ、背中にへばりつくヒマリと真正面から抱き着くツムギ、アルトく~ん…アルト~…という鳴き声が聞こえる。既にお前らも顔出ししてるやんけって言ったらそうじゃないの~と帰ってきた。じゃあどうだって言うんだよ。

 

 カナメさんとメッサーさんという高身長イケメンとハイパー美人という実に絵になる組み合わせというお手本の後に、メインであるフレイアさんとハヤテさんのコンビ、緊張でガックガクのフレイアさんをみてにやりと笑ったハヤテさんが、ピンク色に光っているルンを突っついた。すぐさま悲鳴を上げて飛び上がるフレイアさん。

 

 「ほわぁっ!?なななな何するんね急にっ!?こ、ここは触っちゃいけん!」

 

 「だから何も感じねーよ。それより出番なんじゃねーの」

 

 恋人みてーなやりとりしてんなこの人たち、そしてその瞬間を逃さなかったカメラマンさんがパシャリとシャッターを切った。おおう、自然体とはいえそれは流石に…フラッシュに慌てふためいたフレイアさんが足をもつれさせて転ぶ、慌てて支えるハヤテさん、そしてまた焚かれるフラッシュ、わぁい悪いループに入ってる~!じゃなくて!ハヤテさんが何とかフレイアさんを落ち着かせて写真撮影に臨んだ。ハヤテさんって器用だよな、手先とかの話じゃなくて柔軟性があるというか、アドリブと本番に強い感じがする。ルンをほのかに光らせたまま何とか撮影を終わらせた。風に乗ったんだな。

 

 「次、アルト君たちなんだけど~…?」

 

 「ヒマリ、ツムギ、頑張ろうぜ。きちんとやったらそうだな…時間があるとき歌ってやる。どうだ?」

 

 「ほんとっ!?」

 

 「おう、アルト嘘つかない。哀・戦士でもSTAND UP TO THE VICTORYでもSurvivorでも何でも来やがれ。折角やらせてもらえるんだから頑張ろうぜ」

 

 「…やる、約束だよアルト」

 

 「当然、約束だ」

 

 こういう時有効なのはご褒美を目の前にぶら下げることなので、俺の歌がご褒美になるかどうかは分からんがどうしてもやってもらわないと迷惑がかかる以上リーサルウェポンを出すことにした。結果見事に一本釣りに成功した俺である。やったぜ、だがそのリーサルウェポンが効いたのは俺の相方たちだけではなかったようで。そわそわしだしたワルキューレとデルタ小隊。

 

 「ね、ねえアルト君?それって私たちも聞いていいかしら?せっかく上手なんだしもったいないわ」

 

 「アルアルの歌かなり良かったしまた聞きたーい!」

 

 指をツンツンしながらしながらそう言ってくるカナメさんとはいはいと手を上げるマキナさん、無言のプレッシャーをかけるレイナさん、ほわ~~と期待の眼差しをくれるフレイアさん、微笑みながらこっちを見る美雲さん。断りづれえ…ついでにデルタ小隊なんか「聞きたいよな」「「「「うん」」」」みたいな空気。ミラージュさんですら助けてくれない。俺がこの世界に来て2回目の墓穴を掘った瞬間であった。ぴえん。やってやろうじゃねえかこの野郎!という意気込みで「わかりました」と言うしかないよね。がんばろっと。

 

 まあ、気合を入れなおしたヒマリとツムギはいうに及ばず、自分の楽器を持って行った写真撮影はつつがなく終わった。とりあえずなんか弾いてくださ~いって言われたので一度だけの恋ならを演奏してたらその様子をバシャバシャ撮られて終わったのである。なんか構える必要なかったよね、どうせページの隅っこにちょこんって載るだけだろうし写真少なくていいのか(自己解決

 

 

 「ねえねえアルアル~オフショット撮っていい~?」

 

 撮影がつつがなく終わった後の話、携帯端末を持ったマキナさんとレイナさんにそう言われたのでいいっすよ、と言ってヒマリとツムギを探したんだけどヒマリのやつはカナメさんとメッサーさんと撮ってるし、ツムギは美雲さんに捕まってなんか親ペンギン子ペンギンみたいな感じになってアラドさんに撮られてた。なおハヤテさんはフレイアさんと追いかけっこしてる。しょうがないので俺一人でいいか…あれ?これ銀河ネットに投稿されるやつ?もしかしたらこの状況はファンにぶち殺されるやつでは?と軽くしゃがんだマキナさんとレイナさんの真ん中に入れられて女子女子した自撮りをやってみた。あの、どうする気ですかと聞くまでにマキナさんが超速で銀河版SNSに投稿してた。一足先に銀河デビューしたぜ(震え声

 

 燃えそう、と思ったけどどうやら新入社員とのオフショットみたいな感じになってるらしく、猛スピードで返ってきた反応をレイナさんが読み上げる限り女の子だと勘違いされてるっぽい、燃える心配はなさそう。良かった、常々感謝はしてるけど改めて自分の容姿をありがたく思った瞬間であった。でもそんなに俺女の子に見える?絶対本人と雰囲気真逆だと思うんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 遠く遠く離れた銀河の端、広大な開拓地の星のどこか、建てられた新築の一軒家の中にいるこの世界においてはさほど珍しくない緑色の髪をした女性、かなり容姿的には幼くとても成人には見えない。もう大人なんですーと知り合いの民間軍事会社の眼鏡をかけた友達にからかわれてはむくれるのが御約束。かなり、いや大分多忙な彼女は久々のオフを満喫していた。

 

 「ふっふ~んデカルチャー」

 

 鼻歌を歌いながら、巨人族の血を引くが故、髪をピコピコと犬のように動かしながら、8年前から変わらず使い続けているぬいぐるみのような携帯端末を握る。仮想画面に写されるのは自分もやっている銀河SNS、何時ものようにファンに向けての呟きを投稿した彼女は、流れてくる情報を流し見する。

 

 最近のマイトレンドは遠い星のユニット、ワルキューレ。お友達である銀河の妖精も一目置く素晴らしいユニットでライバル。ライバルの情報は詳しく見ておくべきだよね!という信条の元、ワルキューレのメンバーの個人アカウントの投稿を眺めていく。どうやら専用小隊のデルタ小隊と雑誌の撮影をしたらしい、そのオフショットが投稿されていた。新入社員と撮りました、というリーダーの投稿には元気そうな女の子と不愛想なパイロットスーツの男に挟まれた写真、エースボーカルの投稿にはまるで仲のいい姉妹のような写真、そしてもう一つの写真を見て彼女は固まった。

 

 「…嘘…!」

 

 ワルキューレの仲良しコンビに挟まれているのは、見覚えのある顔だった。8年前、異星の生物に歌を届けた立役者、そしてフォールドに巻き込まれて行方不明になった想い人の顔だった。取り落とした携帯端末から仮想画面が消える。かなり幼いかもしれないが瓜二つどころか生き写し、広い銀河の中では何が起こるか分からない。彼を探し続けた彼女にとっては、一筋の光であった。手掛かりか、本人か。分からない、だけど

 

 「行かなくちゃ…!」

 

 ベッドを立ち上がった彼女はドタバタと慌てつつも、階下にいる義理の兄のもとへ急いで走る。やっと見つけたかもしれない蜘蛛の糸を掴むために。




 やっちまったぜ(震え声

 作者は時の迷宮見れてないのでそこら辺は捏造します。まあ遅かれ早かれバレるよねって話。フロンティア好きなんです許して。ストーリーにはそこまで介入しないようにするからぁ!

 アルト君が次回歌うかどうかはもっと別の話。さっさとストーリー進ませてえな俺もな。いい加減長いとだれるかも。大胆カットしてもいいんだけど努力パートがあるほど説得力が産まれると思うので悩みどころさん

 ではまた次回をお楽しみに

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