「何でマクロスがないんだ!」少年はそう叫んだ 番外集   作:カフェイン中毒

28 / 31
 作中で矛盾点が山ほど出ますがこのお話は本編とは全くつながらない話ですのでお気になさらずゆるーく読んでください。

 一応分類としては活動報告アンケートの⑤の選択肢のお話になります


その他もろもろ
フレイアwithハヤテ welcome to ガンプラワールド 前編


 「え?ハヤテさんとフレイアさんを俺たちの世界に、ですか?」

 

 『そうだ、ここのところ働きづめでな。順番に休暇を取らせようという話になったんだが・・・いかんせんどこに行っても休みが休みにならなくてな』

 

 「あー…」

 

 色々あってマクロスの世界から懐かしい我がガンプラ蔓延る世界に戻ってきてはや一年、両親とかその他の迷惑かけた人たちへの土下座行脚も終わって何とか日常が戻ってきた俺の元にかかってきたのは世界を超えた超時空通信、フォールドクォーツとか、アリスタとか俺には理解できない超技術の塊が詰まったトランクサイズの機械が映す仮想画面に映るのは滅茶苦茶お世話になった大恩人、デルタ小隊隊長のアラドさんだ。

 

 なんか俺らが帰るとき迎えに来てくれたレイジの協力を得てアリスタとフォールドクォーツの合わせ技で世界を超える技術を開発してしまったレイナさんとマキナさん、こうして俺がアラドさんと話すことが出来るのもそのおかげってワケ。

 

それでアラドさんが言うにはここ最近ドタバタしてワクチンライブ漬けになってしまったワルキューレとデルタ小隊を順々に休暇に入れたいんだけどなにせ全員が全員有名人なわけで、出歩くと絶対にバレて休暇にならないらしい。そんで白羽の矢が立ったのが俺の世界、もう洗いざらい吐いてマクロスの事を明かした俺ではあるがまだ初代マクロスが公開寸前でΔはこっちで吐き出してないのでこっちでの知名度は皆無だ。そして比較的安全でもある。詰まるところ、羽を休めるならうってつけの場所ということだ。

 

 「じゃあ、いいですよ。ちょうど俺も長期休みに入って時間が取れるので」

 

 『助かる。日時はいつがいい?こっちで調整する』

 

 「そうですね…じゃあ3日後でお願いします」

 

 『分かった。アルト、二人の事をよろしく頼む』

 

 「ウーラ・サー!」

 

 『ははっ、いい返事だ。ではな、アルト中尉』

 

 冗談めかして言ったケイオスでよく使われている返事に対して、アラドさんも冗談めかして俺のケイオス退社前の功績から授与された階級で返してくれた。久しぶりにやった敬礼が様になっているかどうかは分からなかったけれども、笑いながら返してくれた敬礼は滅茶苦茶かっこよかった。アラドさん、憧れるな~。

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで3日たった。現在俺がいるのは俺専用のアトリエ的な建物。将来はここで模型店を開くことが出来たらな~って思ってる。ちなみに購入して2か月そこそこ、流石に俺の部屋で2mサイズのクォーターとか増え続けるパーツとか実験材料とかを保管するのは床が抜ける恐れが出てきたのでもうプラモで生きていくことを帰ってから決めていた俺が両親に頼み込んで一括購入した。版権費半端ねえな、バルキリー売れるたびに俺の元に金が入ってくる。もっと世界にマクロスを広める為に頑張らねば

 

 父さんからもらった家庭用3Dプリンターよりも大型高性能な3Dプリンターを買ってお高い工具やらハイスペックパソコンもそろえた俺の城、ついでに向こうでレイナさんが餞別にくれたこっちの比じゃないくらい高性能な端末もおいてプラモ量産体制はばっちりである。手始めに初めて向こうでみたナイトメアプラスを設計して今出力してる。設計段階で今の俺のどの機体よりも高性能になりそうでワクワクしてる。百聞は一見に如かずだな!その内向こうで見たカイロスとかジークフリードとかメサイアとかルシファーとかデュランダルとか作っちゃうもんねー!

 

 「ん、そろそろかな?」

 

 そんな独り言を呟きつつ空き部屋へ、持ってきたトランクを開くと独りでにパタパタと変形して部屋の床に固定される。なんとこれ個人用フォールドゲートである。え?そんな技術あるわけないだろ?あるんだなこれが、実はプラフスキー粒子とフォールドクォーツ、信じられないくらいに相性が良かったのだ。アリスタが繋いだ世界の穴をクォーツが広げ、安定化。プラフスキー粒子が対象物を保護するという、俺がマクロス世界に落ちた現象をコントロールしつつ意図的に再現する装置である。やべーよマキナさんとレイナさん、どうなっとんねん。

 

 ぽちっとボタンを操作して起動状態へ、あとは向こうで勝手に操作してくれればゲートが開きってうぉっ!?はええよ!俺がスイッチを押して機械が立ち上がってすぐにフォールドゲートが開いた。慌てて飛びのいた俺の目の前でゲートからプラフスキー粒子があふれ出し、ドサッと音を立てて二人の人物が投げ出された。

 

 「ぐえっ!?ってー…おいフレイア、重いからどいてくれ」

 

 「あー!重いってなんねー!そんな失礼なハヤテなんて知らん!」

 

 「悪い悪い、事実だけど言ったら悪いことがあるもんな」

 

 「またそういうーーー!」

 

 何開幕からいちゃついとんねんおどれら。おっとマオがうつった。一番下にハヤテさん、その上に座るフレイアさんと大荷物。そりゃ重いわ。しかしまー、仲がいいのはよろしいことで。二人の左薬指に光るエンゲージリングを見た俺はすごくうれしい気分になってしまった。直接会うのは久しぶりだけど、しっかり仲良ししてるじゃん。式は何時だろ?招待は無理だろうけどお祝い品くらい作っておかないとね。

 

 「相変わらず仲良しですね~、ハヤテさん、フレイアさん、お久しぶりです!ようこそ、別世界の地球へ!」

 

 「アルト!ほんと久しぶりだな!ごめんな、俺らの世界のあれこれにまた巻き込んじまって」

 

 「いーーーえ!このくらいなら全然ウェルカムですよ!しっかり骨休めしてくださいね!あ、言葉通じてます?久しぶりに銀河共通語話すんで忘れてないかと…」

 

 「いやいや、日本語でいーぜ?俺たちも翻訳機付けてるからな、勝手に日本語に直してくれるはずだけど…」

 

 「通じますね、あ!フレイアさんもお久しぶりです!会いたかったですよ!」

 

 「ほんに!?私も会いたかったんよ~~!アルト、おっきくなったんね!?画面の前だと身長分からんかったし!」

 

 立ち上がって二人に駆け寄って挨拶する。ハヤテさんもフレイアさんも変わんないな~、特にフレイアさんはウィンダミア人の老化の兆候である結晶化は見える範囲では見当たらない。どうやら治療はうまくいってるのかな?まあ元気にワルキューレやれてるみたいだからあまり心配する必要はないのかも。でも何というか、綺麗になったって感じする。恋する乙女パワー侮りがたし、幸せ者だねハヤテさんは。あとルンが眩しい、でもこれがフレイアさんのいいところ。

 

 「まあ、それなりに伸びましたよ。もっと伸びるんじゃないですかね?ハヤテさんを見下ろすのが楽しみです」

 

 「んだと~~~?まだまだはえーよチンチクリン!それよりも、ここお前の家だよな?親はどうしたんだ?世話になるし挨拶すんのが筋だと思うんだけどよ」

 

 「ああ、ここ俺のアトリエみたいなもんなんで両親は実家にいます。滞在する間は自由に使ってくださいね。会いたいなら実家の方に行きますか?父さんたちも普通に迎えてくれると思いますよ」

 

 「会わせて欲しいんよ!アルトにはいっぱいお世話になったし、きちんとお話しするべきやんね」

 

 「ってアトリエだあ?お前そんな金…ってこっちだとお金持ち様なんだったなアルト姫様は」

 

 「ミシェルさんじゃないんですからその呼び方はやめてください。コーヒーでもお出ししますんで下までどうぞ」

 

 とりあえずフォールドゲートを折りたたんで二人の荷物を脇にやった俺はドアを開けて二人を先導しつつ階段を降りる、降りてすぐの休憩室的なポジションの部屋に入って、ポットの中からお湯をだしコーヒーを淹れる。あと冷蔵庫の中からケーキ屋のケーキを出して切る。皿に盛って二人の前へ、ソファの前の机に並べられたそれを見てフレイアさんの瞳とルンがキラキラと光った。

 

 「わー!あぷじゅーとアップルパイ!」

 

 「はい、お二人が来るということで用意しておいたんです」

 

 「気が利くな、相変わらず。んで気になってたんだけどよ。お前らの世界のガンプラバトルってやつ見せてくれよ。折角こっちに来たんだし見たいと思ってたんだよな」

 

 「いいですけど、もうちょっと待ってください。もうすぐもう一人来るはずですから」

 

 「あ!もしかしてツムギかヒマリ!?二人にもずっと会いたいって思ってたんよ~!」

 

 「残念、二人は今日お仕事でいませーん」

 

 「ルンショボ…」

 

 「相変わらずわかりやすいですね。夜には来ますよ、たまたまお二人が来る日程に被っただけですから」

 

 今日来るんやでって言ったら二人してレコーディング休む~~~!って言ってたけどどうにもなりませんでした。大人の世界は厳しいのです。それを話したらすっかりプロのフレイアさんはそれは当然やね~と言ってハヤテさんが噴き出してなんね~~~!と怒っている。このやり取り見るのもなっつかしーな~!

 

 え?ところで誰が来るかって?セイ?レイジ?はたまたマオ?残念ながら違うのである。ガチャリと玄関が開けられる音がした。お二人に断って席を辞して会いに行く。玄関前できれいに靴を揃えていたのは3代目メイジン・カワグチことユウキ・タツヤさん。いつものサングラスオールバックのメイジンスタイルじゃなくて髪を下ろしたタツヤさん本来の姿。

 

 「やあ、アルト君。すまないね、長期休暇なのに」

 

 「いえいえ、いいですよ。今お客さんが来てるんですけど…いいですよね?」

 

 「ああ、昨日話してくれた…向こうでお世話になった人たちかい?構わないさ、私も個人的に礼を言いたいと思っていたからね」

 

 「なぜタツヤさんがあの人たちにお礼を言いたいのかは分かりませんけど、どうぞ」

 

 そんなこんなでタツヤさんを引き連れた俺が部屋に戻る。部屋のドアを開けるとリンゴジュースとアップルパイを食べてニッコニコのフレイアさんにハヤテさんが自分の分のアップルパイをあげているところだった。フレイアさん嬉しそー。

 

 「別にお代わり欲しければまだありますよ?」

 

 「ほあっ!?いいん?じゃあお代わりくださーい!」

 

 「フレイア…そっちは…」

 

 「初めまして、ユウキ・タツヤと言います。アルト君とはちょっとした仲でね。できればお礼を言わせてもらいたくて。アルト君を助けてくださりありがとうございました」

 

 「いいって、実際助けられたのは俺らのほうかもしれねーし。俺はハヤテ・インメルマン、こっちが」

 

 「はっはい!ワルキューレの新人!リンゴ大好き16才!フレイア・ヴィオンです!」

 

 「よろしく。異世界の人とは聞いていたけどあんまり変わらないんだね」

 

 「いーや?例えばホレ、こいつのこことか?」

 

 「ほあああっ!?ハ、ハヤテ!だからルンはそう触っちゃいけん!」

 

 「なるほど、髪飾りか何かだと思ってたけど体の一部なんだね」

 

 「あー、見つめるのやめてあげてくださいねタツヤさん。そこルンって言うんですけどじっと見られるのは裸を見られるくらいには恥ずかしいらしいです」

 

 意外と穏やかなファーストコンタクトだが、そこでタダで終わらせないのがハヤテさんである。初めての相手でルンを光らせながら緊張するフレイアさん、ハヤテさんはにんまり笑うと説明ついでみたいなあっさり感でフレイアさんのルンを突っついた。恋人同士でもやはり恥ずかしいものは恥ずかしいらしいフレイアさんが素っ頓狂な声でルンを眩しいくらいに光らせて抗議してる。これが銀河を震わす戦術音楽ユニットのもう一人のエースボーカルの姿である。ケイオスの人たちが末っ子扱いするのがわかるなー。

 

 「あ、来て早々に申し訳ないんですけどタツヤさん、ちょっと付き合ってもらえます?二人とも、ガンプラバトルに興味津々なんですよ」

 

 「へえ、勿論いいとも!私の役割は楽しいガンプラを広めることだ。当然、異世界の人相手でも楽しめるバトルをするのが仕事でもある」

 

 「流石ですメイジン。今年の優勝者は伊達じゃないですね」

 

 「そういう君も来年初開催の無差別級の優勝候補筆頭だろう?帰ってきてから一段と強くなっている。君がガンプラバトルをやめなかったことが私は嬉しいんだ」

 

 「周りの人が撃たせてくれなかったもので。辞める理由が無くなっちゃったんですよ…本当に、本当にありがたいことです」

 

 「メイジン…ってなんだ?」

 

 「えーっと…平たく言うとガンプラバトルを代表するビルダーの事です。圧倒的な作品を作った初代、最強のファイターだった2代目、そしてここにいるタツヤさんが3代目のメイジン。超強いファイターでビルダーってことですね」

 

 そう言いつつ立ち上がった俺が3人を先導して作業場のドアを開ける。中は結構広くて店を開いた時ここを店舗にしようかなって考えてる。真ん中に4つのGPベース、他は工具やら何やらが雑多に置かれて、棚には作り上げてきた作品がマクロスとガンダムに分かれて飾られている。そして、異様な存在感を放つのは強行形態のままマクロスキャノンを構えたポージングで固定されたマクロスクォーターである。店開いたらこいつをランドマークにして名物化しようと思うの。あ、マクロスとハルプは修復されて現在ヤジマ本社のエントランスホールに飾られてるよ。連日ファンが押しかけてるんだって。

 

 「でっ!?これマクロス級か!?」

 

 「はい、マクロス・クォーターです。SMSの方の戦艦ですね」

 

 「で、でかるちゃ~やね~。ほんにアルトが模型でマクロス作っとったんやね~」

 

 「ああ、ビルダーとしてならば私は正直完敗かもしれないな。アルト君の技術は、世界最高レベルと言っても過言ではない」

 

 「言い過ぎです。セイとか、それこそ貴方とか。俺がプラモを弄ってない間で大きく差をつけられました。追いつくのに必死ですよ。あ、そうだハヤテさんフレイアさん」

 

 「ん?なんだ?」

 

 「せっかくなんでどれ使うか選んでください。ジークフリードはないですけど、そっちから」

 

 「へえ、面白いじゃん。フレイア、来いよ」

 

 「わあっ引っ張らんでもちゃんと行くね!もう!」

 

 そんな感じの二人が仲良くバルキリーやらデストロイドやらゼントラーディの兵器やらが並んでいる棚に足を運んであーでもないこーでもないと言いながら俺の作品の前で頭を突き出しながら相談してる二人と見て、俺が知っている話とはかなり違う感じで終わったけれども、それがきっといい方向だったんだなと、そう感じたのだった。

 

 




 ハイ、そんなわけでフレイアさんとハヤテさんがビルド世界に来るお話でした。気づく方もいらっしゃいましたと思いますがトライ編ではマクロス世界とは全く連絡がつかない設定なのでこのお話はもしも、ということになります。なのでどんだけ設定変えても大丈夫!あとΔは通称優しい世界を採用しておりますのでご安心ください。

 もし反響がよければメッサーさん&カナメさんペアとかレイナさん&マキナさんペアとか、美雲さん&ミラージュさんとか、チャックさん&アラドさんとかいろいろな組み合わせでやってみたいですね。

 あと全力で世界観を壊しにかかるならワルキューレとデルタ小隊がビルド世界でワクチンライブ&エアショーとかやったら掲示板が消し炭になりそう。流石にやりすぎなのでやらないですけど。

 一応この話は前中後半か前後半で行きたいと思いますのでよろしゅう

 ではまた次回、これとは別の話かもしれませんが更新したらお会いしましょう

一応確認 どっちがいい?

  • SMS共闘ルート
  • フロンティア組帰還ルート

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。