「何でマクロスがないんだ!」少年はそう叫んだ 番外集 作:カフェイン中毒
「潰れるかと思いました…」
「いや、当然の反応っていうか話してなかったのかよ」
「生死を懸けるのが鎮圧ライブのお約束だったので特別感薄れてて…なんか麻痺してました」
「あの~私が言うのもなんやけど、アルトはもっと自分を大事にするべきなんよ」
「悪運が強いのは分かったからもうちょっと怪我しない方面で動けよ」
なんてひどい言われようなんだ、ベアハッグでミシミシとなる体を解放したもらった俺がそう漏らすと物凄い勢いで元同僚から突っ込みが入った。ちゃうねん、優先順位があるだけで俺も怪我したいわけじゃないんです!ちょっと俺自身よりも大切なものが多いだけで平時だったら普通にやりますとも!向こうにいた時は毎日が非常事態だったからああなっただけでこっちにいる俺はどっちかといえば自己中やぞ!
「正直ぶっ倒れるまで訓練してメッサーのやつに運ばれてるのが毎日だったからなあ…信じられねえ」
「なんでそんなに俺の信用度低いんですか!?」
「それはケイオスにいる間に何回ヒマリとツムギを泣かせたか数えてから言うべきなんよ」
「ぐぬぬ……」
「アルト君、知らない私が言うのもおかしいかもしれないが彼らの言ってることは正しいんじゃないかな」
ええそうですよ確かにド正論ですとも!向こうで怪我して気絶したりするたびに目が覚めたら涙で顔が濡れた二人が真っ先に迎えてくれましたよ!それについてはホントに申し訳なく思ってるんだけど…当時必死過ぎて何とかしなきゃが先行して止められなかったんですよね。
だってだって何でか俺に向かって無駄に攻撃が集中するんだもん!なんでや!って思って戦争終結後騎士団に聴いたら俺がゴーストを操ってるのがバレてました。俺から風が吹いてそれがゴーストに行ってたからこいつが操縦してるんならこいつやっちまったらゴーストが弱体化するやろ、ワルキューレもワンチャン排除出来てお得や!という感じだったらしい。なるほどそれでミサイルが一気に10発飛んできたりしたんやな!
「そういえばボーグさんとかヘルマンさんとかお元気です?空中騎士団の皆さんとはあれから連絡とってないもので」
「お前…一応あいつら敵だったんだぞ」
「それはそうですけど、なんだかんだ言って最後は俺の事助けてくれましたし。ヘルマンさんは裁判の時に俺たちを助けようとしてくれましたし」
「だからってそんなあっけらかんとなるもんかぁ?ボーグに至ってはお前に大火傷させた張本人だろ」
「なんだか…向こうでのアルト君は相当無茶をしでかしたようだね…」
「そうなんよ!もうユウキさんアルトの事捕まえて離しちゃだめなんよ!ちょっとほっといたらいつの間にか怪我しとって!」
「ああ、身に染みたよ。アルト君、これから出かけるときは誰かと一緒に出かけるんだぞ」
「そんな子供じゃないんですから!」
「「「子供だよ!!!」」」
あまりにもあんまりな言われ方である。訴訟も辞さない。まあそんな笑い話…笑いどころはない気がするけどそれはそれ、これはこれ。お休みなハヤテさんにフレイアさんに重い話をいつまでもさせるわけにはいかないのでお出かけしましょう!え?話逸らした?はははまさかそんな。そろそろお腹空きません?いいお店あるんですよ~。うし、誤魔化せたな。なんか全員のジト目が怖いけど無視だ無視!あ、フレイアさん帽子でルンを隠すのだけお願いします。こっち純地球人しかいないので。
「ほあ~~!全然ラグナとは違う景色やね~~」
「だな、やっぱなんか古いっつーか技術が元から違う感じがする」
「そりゃあハヤテさんの所は個人端末で仮想画面ですからね、こっちはまだタッチパネルですよ」
お仕事があるから帰るというタツヤさんに盛大に口を酸っぱくして事故に気を付けるようにとか言われたけど釈然としない。もうお昼を少し過ぎた感じなんだけど、いつも俺がお世話になっている商店街にやってきた。ハヤテさんもフレイアさんもやっぱり一度焦土にされた地球を知ってるからか、かなり物珍しそうにあたりをきょろきょろしてる。まあ二人とも見た目外国人だから異国が珍しいで通じるでしょう多分、最悪俺が何とかすればいいし~。
「ねね、アルト!ここってラグナの商店街と一緒なんよね?」
「そうですよ~。ちょっと待っててくださいね~。おばちゃん、コロッケ3つ!」
「はいよ、アルト君のお友達?」
「はい、外に行ってた時にお世話になりまして、こっちに遊びに来てくれたんです」
「まあまあ、それはいいことね!それじゃ、メンチカツおまけしちゃうわ!楽しんでいってね!」
フレイアさんがあっちはなんね?こっちはなんね?と色々はしゃぎまわって俺に聞いてくるのに逐一答えながら俺はいつもお世話になっているお肉屋さんのおばちゃんにコロッケを注文する。マクロスの世界に落ちる前どころか転生した時からお世話になっているおばちゃんは顔見知りの俺がお世話になった人という紹介を聞くと破顔して注文のコロッケどころか肉汁溢れるメンチカツをおまけしてくれた。お礼を言って受け取り、つったかたーと二人のところまで戻って包み紙に包まれたそれを渡す。
「どうぞ!この商店街でもおすすめの食べ歩きグルメです!美味しいですよ!」
「お、ありがとさん…ってこれコロッケか?本家本元は初めてだな」
「おお~ウィンダミアにも似たような料理があるんよ。いっただきま~す!ん!おいしい~~!」
そういえばラグナにもコロッケやメンチカツはあったな~、こっちで食べるのとはやっぱりなんか違ってヒマリやツムギと一緒に首をかしげてたっけ。帰ってきてからこっちで改めておばちゃんの店でコロッケ買って、それをかじったらなんか3人そろって泣けてきちゃっておばちゃんを困らせたのも懐かしい。まあそんな話はともかく、フレイアさんはかなり気に入ってくれたみたいだ。よかったあ。
「お~~、旨いなこれ!何個でもいけそう」
「そうでしょうそうでしょう!あ、見えてきました。目的地です。俺の学校の友達の家なんですけど、レストランなんですよ」
「お、なるほどな!正直これじゃ腹膨れねーと思ってたんだ。行こうぜ」
「でもハヤテ、私らこっちのお金もっとらん…」
「何言ってんですか!俺が全部出すに決まってるでしょう!そうと決まれば行きますよ!」
そういえばお金持ってないとおろおろしだすフレイアさんとあっやっちまったみたいな顔をしているハヤテさんの手をひっつかんで引っ張る。こういうのは気づかれないうちに払ってしまったもん勝ちではあるがこういうのもアレだがお金はきちんとあるのだ。それをお世話になっている人のために使うことの何が悪い!というわけでコウサカのお父さん!日替わり定食3つ!よろしくお願いします!おっチナじゃん!珍しいなお前が実家手伝ってるなんて。セイとはうまくいってる?順調?あいつ鈍いから苦労するぞ~~。え?俺?俺はまあ、あれだ、あれ。うん。
「美味しかったんよ~~~!」
「ああ、正直驚いた。チャックの裸喰娘娘に匹敵する旨さだったな。地球侮りがたし、って感じか」
「滅茶苦茶高評価で嬉しいです。次はどこに行きましょうか?」
「ん~~、アルト、こっちの音楽ってどんなのがあるん?私、気になるんよ!」
「お、確かに。昔の音楽も残ってるんだろ?カナメさんからも「絶対に聴いて持って帰ってきてね?ね?」なんて言われてるしよ」
「ハヤテさんそれカナメさんの声真似ですか?似てませんよ?」
「うっせーなー」
レストランコウサカで食事を済ませた俺たち。ちょうどよくチナのやつが顔を出していたのであれこれと二人を紹介した。俺たちが異世界に行ってたのを知っているのは両親にセイとレイジ、タツヤさんにカイザーさん、それとニルスとその部下たちくらいだ。ヤジマの上層部も知っているがどこにも漏れてない。だからチナのやつは何も知らないし連絡不備で外国を回っていたということになっているから話を合わせてもらった。
そんなこんなで俺が会計をして外に出る。そうして二人にリクエストを聞くと音楽、とのことだったのでCDショップに向かうことにした。そういえば向こうだと音楽って配信で聞く感じだからCDとかの媒体はなかったね。ビデオデッキを見てデカルチャーなオールドデバイスって言われた時には頭にひよこが舞うくらい衝撃を受けたものなんだけど。ついたCDショップを前にしてフレイアさんが凄い凄いと興奮しだした。まだ聞いてもないんだけどね~
「お、おお~~!ほんにたくさんあるんね!アルトだったらどれがおすすめ?」
「俺が薦めると大体ガンダムとかになるんですけど…」
「ガンダムっつーとあれか?お前らがよく歌ってたやつだろ?」
「そうですそうです。作品に使われてる主題歌とか、エンディングテーマとか、挿入歌とかたくさんあるんですよ。この店だったら…ここですね」
「なっ…こんなに種類あるのか!?」
「ええ、まあ40年続いているコンテンツですから、作品の違いはあれ一貫してガンダムの括りですね」
おすすめ、を聞かれるのであれば俺の場合マクロス以外ならガンダムと答えるしかない。何といってもこの世界に来てマクロスと同じくらい付き合っているコンテンツなわけで、セイと一緒に耐久初代ガンダム一気見チャレンジ一とかZガンダム名台詞しりとりとか、SEEDシリーズをレイジ巻き込んでみたりとかしたから多分マクロスの次に詳しいコンテンツになるんじゃなかろうか。
「40年!?ウィンダミア人が産まれて子供残して風に召されるくらいの年なんよ…」
「40年っていうのはそりゃ凄いなって棚いっぱいこれガンダムなのか…」
「本家も含めてアレンジとかカバーとかもありますからね。作品でまとめられてるやつとかもありますよ」
案内した場所にあるのは棚いっぱいのガンダム、ガンダム、ガンダムのジャケットの山。本家本元の人が歌っているものもあれば作品ごとの歌を収録したベスト盤、別のアーティストのアレンジ、カバーを収録したCDなどが一挙にまとまっている。その中に、ラクス・クラインのキャラソンをカバーしたらしいキララさんのCDがあって思わず手に取った。とりあえずかっとこ。
「ん~~いっぱいあってどれから聞いたらいいかわからんよ~~」
「じゃあ、俺が好きな作品のやつ聞いてみてくださいよ。ガンダムの曲は名曲ぞろいですから!」
「おっ自信ありだなアルト。じゃあ選んでくれよ、いっちょ聴いてやるぜ」
「ふふん、任せてください!」
俺はそう言って試聴用の端末をパパパッと操作する。フレイアさんには…そうだな、機動新世紀ガンダムXの「DREAMS」がいいかな~、そんでハヤテさんには機動戦士ガンダムF91の「ETERNAL WIND ほほえみは光る風の中」を聞いてもらおう。完全なる俺の趣味だけどいい曲なので許してもらいたい。
前奏が流れ始めた瞬間二人はスッと顔を真剣にして瞳を閉じる、フレイアさんもハヤテさんももうプロだからある意味当然か。音だけの世界に集中する二人をそっと置いて先に俺はキララさんのCDのお会計を済ませてくる。戻ってきたとき、俺が行ったときと全く同じ体制の真剣な表情で音楽に聞き入る二人を見てやはり文化というものは通じるものなんだなと改めて感じる。
「デカルチャー、いー感じだ」
「ほんに、デカルチャー、やね。アルト、これっていつの音楽なん?」
「フレイアさんが聞いてるのが1996年で、ハヤテさんが聞いてるのが1991年の音楽ですね。分かりやすく言うと第一次星間大戦以前の音楽です」
「ってことはこれ、失われた文化の一つかもしれねえのか!」
「と、とんでもないものを聞いてしまったんよ!」
「うーん、そっちの地球とこっちが一緒だっていう保証はないですけど…まあ古さで行ったらそうかもしれないですね。向こうに持って帰ったら面白いことになるかも?」
「持って帰るのはこえーよ。文化遺産扱いだぜ俺らのとこだと!」
俺の解説を聞いて青を通り越して白い顔になる二人。ゼントラーディに焼かれた地球の文化の中にガンダムがあったかどうかは分からないけど年表が変わらないなら音楽も似たような成長をしているはずだと思う、と俺は適当考えながらとりあえず初代から始まりアナザーガンダムに至るまでの作品のCDをかたっぱしから籠に突っ込んで会計した。え?お土産必要でしょう?カナメさんに持って帰ってきてって言われてるみたいですし。文化交流ですよ一部ですけど。あ、でも取り扱い注意してくださいね、もしかしたらえらいことになるかもしれないので。布教完了、セイがいい笑顔で親指を立ててるのが見えるぜ。
「こんだけあると流石に重いですね…」
「いやいや、持たせてくれよ。払わせっぱなしじゃ居心地悪いぜ」
「そうなんよ!こんなにたくさん、私にも持たせてほしい!カナメさんたちにいいお土産ができたんよ~」
「ありがとうございます。そう言ってくれると嬉しいですね。じゃあ、次はこっちです」
「まだどっか行くのか?」
「ええ、次で最後にしようかと。レコーディングスタジオに行きましょう。ヒマリとツムギを迎えに」
「おっ!そりゃいいな!フレイアも二人に会いたがってたし、俺も顔が見たいしな」
「はいな!ほんにほんに久しぶりに会えるんね!?う~~~楽しみになってきた~~!」
両手にいっぱいのCDを入れた袋を持ち上げながら帽子でも隠し切れないくらいルンを煌めかせるフレイアさん、二人には迎えに行くことは伝えてないのできっと驚くだろう。俺も俄然楽しみになってきた!じゃあ行きましょうか、と二人を促して俺はスタジオへ歩みを進めるのだった
やっぱり終わりませんでしたわ。すまんな、もうちょっとだけ続くんじゃ。
次回で最後、にできたらいいなあ。書いていくうちに勝手に文字数が増えていくんだからもう。
マクロス世界にガンダムあるのかな?あったらあったで夢が広がる気がするけど。第一次星間大戦で全部まっさらになっちゃったからなあ。特撮とか無くなっちゃったのかな?寂しい。
ではまた次回にお会いしましょう。何回も分割してごめんなさいね
一応確認 どっちがいい?
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SMS共闘ルート
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フロンティア組帰還ルート