セラマニア:というわけで、防弾ベストは着たままですが、上にボロのコートを纏っていかにも巻き込まれた一般市民を装い、敵を引き寄せます。
私の他、一般戦闘要員全員でやりましょう。
セラマニア隊はちゃんとボディーアーマー着て車両と共に近くに潜み、敵が現れたら機銃と擲弾とRPGで全部吹き飛ばしてください。
私達囮部隊は第零特務隊からグロック18Cやら9ミリ機関拳銃を借りて懐に忍ばせておきます。
ああ、全員がコート着てると怪しいので、大半は拳銃だけ隠し持って後は素肌がある程度見えるようにしましょう。
私はコートの下に9ミリ機関拳銃持っておきます。
……では作戦開始です!
ローエンシュタイン少佐が偽情報で敵をおびき出し、公園にはボロを着た難民少女っぽい私達が20名居ます。
敵が現れたら悲鳴を上げて逃げまどい、障害物に隠れます。
AI:敵は「皆殺しだぁー」と叫びながらこちらへ走ってきました。
全員:きゃあああ~(悲鳴)
セラマニア:では華憐な乙女達の悲鳴の中で、私は『ガチで殺されそうになってる事件性のある悲鳴』を挙げて逃げまどいます。
AI:敵はその声を聞き、セラマニア達へ向かって走り出す!
相手は止まりません。
セラマニア:「今です!」と叫びつつ振り返り、懐の9ミリ機関拳銃を叩き込みます!
AI:命中し、相手は死亡します。
セラマニア:「全隊反転! 応射応射応射! 全車両へ、敵の誘引に成功! 機銃掃射開始!」
リリアンヌ:「……凄いものですね……」
セラマニア:「感心するのは後ですよ! 96式は擲弾とRPG撃ち方始めっ!」
全火力を公園に引き込んだデヴァステイター達に叩き込みます!
AI:不意打ちの一斉攻撃を受け、デヴァステイター達は壊滅状態に陥る。
敵A「くそっ! どうなってるんだ!」
敵B「落ち着け、冷静になれ」
敵C「こっちだ、隠れろ」
セラマニア:「オケアノス! 正面右、花壇の裏に敵3名!」
オケアノス:「擲弾斉射!」
AI:隠れていた敵兵は倒した。
セラマニア:「囮要員は後退して、車両から自分の武器を装備! 私もVSSに持ち替えて狙撃します!」
AI:大打撃を受けたデヴァステイター達は撤退する。
セラマニア:「追撃はしません! RPGを持ってる可能性があります、第零特務隊は警戒線を張って公園周辺の確保を最優先に。
私達は敵の物資を回収後、すぐ帰還しますよ!」
さて、敵の損害はどの程度ですかね。
AI:デヴァステイター達の損害はおよそ『30人』。
セラマニア:半分程度は倒せましたか。
これで怖気づいてくれればよいのですけど。
物資を回収しつつ、ローエンシュタイン少佐に無線で「敵の様子は?」と聞く。
ローエンシュタイン:「把握している限り……今動いている敵は君達と戦っていた者だけのようだ」
セラマニア:「公園に増援を送って来る気配はあります?」
ローエンシュタイン:「無いな」
セラマニア:「ヘカテリーナ、言葉を喋れる程度に負傷した敵の生き残りとか居ますか!」
ヘカテリーナ:「ええと……、ああ、いました!」
セラマニア:「自爆に気を付けて拘束、本陣へ連れて帰りますよ!」
というわけで捕虜と敵の物資をかき集めて速やかに撤収します。
ここで下手に反撃してこないほど賢い敵なら、私達の情報収集に時間を割くはず。
ですがその前に我々はカラバルカル社を襲撃します。
連合穏健派本陣に捕虜を任せ、物資を置いたらすぐカラバルカル社へ向かいます。
AI:カラバルカル社の社長についての情報。
カラバルカル・アンデルセン氏は元々反神聖同盟組織の首領でした。
彼は当初『平和的革命軍』についていましたが、それを裏切って『解放者連合』に協力していました。
この男、いつの間にか解放者連合の過激派に属し、そして今はデヴァステイターに武器を流しています。
セラマニア:獅子マークの武器についても何か知ってそうですね。
どの道、奴隷と麻薬に関する疑いがあるので見逃すつもりはありませんが。
カラバルカル社は町のどの方面にあります?
AI:穏健派の支配する西側にある。
セラマニア:建物を守っているのは過激派やデヴァステイターですか、それとも会社のボディーガードですか?
AI:カラバルカル社の防衛についているのは会社の警備兵です。
セラマニア:建物は何階建てです?
AI:カラバルカルの本社は7階建てのビルで、1階から3階まではカフェテリアやバーなどの飲食店、4階には会社関係者用の会議室、5階は役員室、6階は社長室で、最上階の7階に社長の部屋があります。
特別な警備システムは無い。
セラマニア:さすがに外からRPGやら爆薬でビルごと倒すわけには行きません。
なので……地雷とかが無い事を確認して正面突破です!
96式で突っ込み、オケアノスとアイギス、及び一般兵4名を残して後は突入します。
セラマニア隊と一般兵2名はボディーアーマーを、私と一般兵11名はシールドを持ってビルの中に突っ込みましょう。
というわけでカチコミです、ビルのガラスを突き破って96式がエントリィィー! します!
AI:突然装甲車が突入する。
カラバルカル社の警備兵は混乱。
警備兵A:なんだ!?何事だ!
警備兵B:わ、わかりません。
警備兵C:敵襲か?
警備兵D:馬鹿な、ここは軍の施設ではないぞ。
警備兵E:敵襲、敵襲!
セラマニア:スピーカーを使い「武器を捨てろ! 奴隷売買と麻薬取引の疑いでカラバルカル社長を逮捕する!
武器を持っている者はテロリストとみなす! 民間人は伏せなさい!」と何回も叫びます。
警察ではないですがヘルムとシールド持ってるので装備的に誤解してくれると助かる。
これでも撃ち返してくる奴らは明確に悪の手先です。
AI:警備兵達は銃を乱射しながら突撃してくる。
セラマニア:「構いません、撃って! オケアノスとアイギスは掃射! シールド隊は隊列を組め!」
私はVSSを背負いつつ、グロック18Cとシールドを持ってシールド隊と共に制圧していきます。
AI:敵警備兵達は銃を乱射してくる。だが、こちらにはシールドと防弾ベストがある。
「弾は貫通しないな」
「これなら大丈夫だね」
『こっちはクリア!』
『私も問題ない』
『こちらもです』
「よし、行くぞ!」
セラマニア:ちなみに敵警備兵は何持ってるんです?
AI:敵警備兵の持っている銃は拳銃の『SAA』と、サブマシンガンの『MP5K』だな。
セラマニア:MP7ならともかく、MP5でしたらシールドやボディーアーマーを簡単には抜けませんね。
では96式と……第零特務隊も二台くらい残って増援を警戒していて下さい。
「ヘカテリーナ、あなたはシールド兵2名を率いてリリアンヌと共にエレベーターで最上階へ!
私達は階段で二階から上がっていきます!」
ヘカテリーナ:「了解いたしました!」
セラマニア:「本来なら分散させたくないのですが、社長を逃がすわけには行きませんからね。
リリアンヌ、死なないよう頼みますよ」
リリアンヌ:「了解、4人ほど私に続け! 後はセラマニア隊と共に突撃!」
リリアンヌの部下達:「うおおおぉぉー!!」
セラマニア:ではシールドを掲げつつ階段を上り、二階へ進軍。
「銃を捨て、民間人は伏せろ!」と叫びつつ各部屋を制圧していきます。
AI:「目標クリア」
「敵だ! 撃て!」
バン、バン、バン、
「くそっ、どうなってるんだ!? こいつら何なんだ?」
「この野郎、死ね!」
ダダッ、ダダダダッ、バンッ、バンッ、ババババッ
セラマニア:「部屋に突入する際はフラッシュバンを投げ、必ずシールドに隠れて撃って!」
拳銃とサブマシンガンなら防げます、落ち着いて各部屋を制圧して行きましょう。
私はシールドを構えながら、味方のフラッシュバン投擲に合わせてグロック18Cのセミオート射撃で警備兵達を倒していきます。
AI:セラマニア達は二階を制圧していきますが、第零特務隊の隊員の一人が頭を撃たれて死んだ。
セラマニア:「!?」
リリアンヌ:「どうした? セラマニア?」
セラマニア:「一名負傷! 一名負傷! 引きずって陰に隠して下さい!
リリアンヌ中尉、そちらの状況は!?」
リリアンヌ:「こちらは最上階で戦闘中! カラバルカル社長の姿はまだ確認出来ません!」
第零特務隊の隊員:「こちら第二分隊、敵兵多数と交戦中! 援軍を求む!」
セラマニア:「今シールド持ちを向かわせます! 半数はそちらへ、もう半分は私と共に階段で上から来る敵を止めます!
ショットガンナーのネメシスは第二分隊の支援に向かって下さい!
リリアンヌ隊はそのまま社長を捕らえて……非常口や屋上から逃げている可能性もあります!」
……セラマニア隊員ではありませんでしたが……初めて死者が出てしまった……!
しかし動揺していてはまた死人が出ます、落ち着いて冷静に対処する。
AI:「そうだ、落ち着け!」と兵士達は互いに声をかける。
兵士の士気を上げるためにも私がしっかりしなくてはと、セラマニアが立て直そうとしたところ……
「あー、聞こえているか?」
その時、スピーカーから声が入る。
「私はカラバルカル社社長の、カラバルカル・アンデルセンだ」
セラマニア:「動きを止めるなッ! 動き続けろ、敵は撃ってくるぞ!」と無線で皆に叫びます。
仮に交渉だとしても、それは相手が武器を納めてからの話です。
話は聞くが、撃つ手は止めません。
カラバルカル社長:「我が社に乗り込んできた賊に告ぐ、大人しく降伏せよ」
セラマニア:釈明もしない悪党のセリフを聞く義理は無いですね。
「リリアンヌ中尉、社長は放送室に居ますが、偽装の可能性もあります!
慎重に進み、敵の退路を断って下さい!」と言う。
放送室は何階にあります?
AI:社内放送が出来る部屋がある階は5階です。
セラマニア:それをリリアンヌに伝えつつ、このまま各階の制圧を続行します。
相手の要求が停戦でも交渉でもなく降伏勧告なので、普通に聞けません。
せめて停戦して総大将をテーブルに引きずり出すまで戦い続けます。
AI:戦闘の経過は順調です。敵は混乱しています。
「敵の総大将はどこにいるのでしょうね」と味方が言う。
第零特務隊の一人が「地下のシェルターに籠っているのかもしれない」と言う。
セラマニア:「そういう情報があるなら先に言って下さい!」
とは言いますけど、リリアンヌもそれを知っているのなら上階に居ると予想しているのでしょうか。
どちらにせよ地下はノーマークでしたが、一階の正面玄関はオケアノス達に任せてあります。
「オケアノス、地下があるようなのですが敵が出てきたりしてます?」と無線で聞く。
オケアノス:「出てこないよ。ただ、罠はあるかもね」
セラマニアAI:「了解です。ありがとうございます。引き続きお願いします」と言って通信を切る。
AI:2階の制圧は完了した。
3階に上がる。
ここは3人いたようだ。
セラマニア:やる事は変わりません、動くな銃を捨てろ民間人は伏せろと叫んで、なお撃ち返してくる敵だけ撃ちます。
AI:
警備兵はセラマニア達が進攻してくると、すぐに降伏して武装解除した。
セラマニア:身体検査して床に這いつくばらせて動かないように言います。
もし動いたら普通に撃ちます。
この人達にも事情はあると思いますが、私は私の仲間達を守る為なら誰だって殺しますからね。
リシャールみたいに自分達まで少数の犠牲の勘定に入れたりしません。
個人的な感情だとしても私は味方を守り敵はぶち殺します。
AI:警備兵は降伏すると、素直に銃を捨てて両手を上げた。
セラマニア達は彼らを床に倒して拘束する。
セラマニアは警備兵達に尋問出来ます。
セラマニア:「アンデルセンはどこに居る!」と聞く。
警備兵:「我々は何も知らない! 本当なんだ!」
セラマニア:「お前達が女子供を薬漬けにしている事は知っている、そいつらの場所は!」
警備兵:「我々も詳しくは知らされていないんだ、本当に、嘘じゃない、信じてくれ、頼む、助け……」
セラマニア:やっぱり何も言わないタイプの捕虜は死ぬほど厄介ですね。
「逃げられると思うな、お前達の顔は割れている、ここで逃げても一生かけて各国の特殊部隊が追い詰める。
だがお前は運が良い、今ここで情報を吐けば命は助かる。
その上で聞く、女子供をどこにやった」
警備兵:「知らん、俺は何も聞かされていない」
セラマニア:……本当に知らないのでしょうか。
まるで映画の主人公のように尋問したつもりですけど、この練度だと隠しているのではなく本当に聞かされてないのかもしれません。
そいつは叩きのめした後、4階へ上がります。
リリアンヌ達はどうしてますか?
AI:リリアンヌ隊は5階の制圧を完了。
リリアンヌ:「セラマニア様、お疲れさまです。
こちらの階は制圧しました」
セラマニア:「アンデルセンは居ましたか!?」
リリアンヌ:「いえ、残念ながら見当たりませんでした。
ただ、地下施設への入り口を発見しています」
セラマニア:「オケアノスが罠がありそうだと言っていました、
そちらの部屋から地下シェルターのセキュリティを切る事は可能ですか?」
リリアンヌ:「はい、やってみましょう。……できそうですよ。
これで入れるはずです。
ただし、セラマニアさん、気をつけて下さい。
どうやらここの警備は厳重のようです。
一般警備兵の装備は旧式のもので、 最新式の武器を持っているようではありません。
しかし、アンデルセンの部隊は精鋭揃いで、 彼自身もかなりの腕利きのようです」
セラマニア:「……これ、地下シェルターの空調とかそちらでコントロール出来ません?」
リリアンヌ:「はい、出来なくはないと思いますが」
セラマニア:「第零特務隊って、ガスマスクとか持ってます?」
リリアンヌ:「えぇ、持っていますよ。
対テロ部隊なので、 こういう事態に備えて準備しています。
セラマニア隊の隊員の分はありませんが」
セラマニア:「じゃあ催涙弾なり、カフェテリアでコショウとか唐辛子とか集めて混ぜて空調で散布すればよいのでは?」
リリアンヌ:「はぁ、そういうのは考えた事が無かったですね。
試してみます。…………駄目ですね。
出来るのなら効果はありそうなのですが、 換気扇や粉を散布出来るシステムが無いので
直接下に行って催涙弾でも撒いた方が良さそうです。
セキュリティは切りましたので」
セラマニア:「換気口が全くないって事はありえないと思いますが、確かに脱出経路に関するものを上階からコントロールは出来ませんね。
セキュリティも下から再稼働される恐れがあるので、慎重に行きましょう。
私は4階を制圧しますので、リリアンヌ中尉も降りてきてください。
合流した後、地下への突入準備をします」
と言って4階の制圧にかかります。
AI:セラマニアが4階に入る。
会議室がある階だが、その階の一室から全裸の少女が飛び出してきた。
見るからに身体はふらつき、目の焦点は合っていない。
そして少女はAK47を持っている。
セラマニア:「ッ、撃つな!」
相手との距離は咄嗟に詰められるほどですか!?
AI:相手は銃を構えており、距離的にはギリギリだろう。
セラマニア:「散開、部屋の中に隠れろ!」
全員を通路から部屋に入れます、AKだとシールドが貫かれる。
AI:セラマニアは素早く、近くの部屋に隠れた。
リリアンヌも通路の反対側でドアの陰に身を潜めている。
リリアンヌはセラマニアに無線で話しかける。
リリアンヌ:「すみません、私達にはあの子を助ける余裕がありません」
セラマニア:「私に子供を撃てと」
リリアンヌ:「貴方の事を知ってなおこう言う意味は分かるでしょう」
セラマニア:「分かりませんね……フラッシュバン投擲!」
私でも良いし他の誰でもいい、少女が出てきた部屋の前にフラッシュバンを投げて気絶させます。
AI:セラマニアはフラッシュバンを投げる。
AKを持った少女は倒れる、死んではいないだろう。
リリアンヌ:「……セラマニアさん、その子はどうするつもりなんでしょうか」
セラマニア:「後で考えます、私は味方も人質も死なせなくないです。
しかし…………特務隊の一名が戦死しました、頭に受けて即死です。
自分はあなたに死なせるなと言っておきながら……申し訳ありません」
リリアンヌ:「そうですか……では、この子を安全な場所に運びましょう。
私が担いでいきます、セラマニアさんは援護射撃をお願いします」
セラマニア:「いえ、まずは階層の制圧が先です。
まだ奴隷は中に居るでしょう、部屋にフラッシュバンを投げ込んで制圧し、拘束するに留めます」
というわけで部屋を制圧していきます。
AI:部屋の中に居た奴隷の子供達は突然現れた武装集団に驚き、パニックになっている。
フラッシュバンを投げ込むと全員倒れてしまう。
セラマニア:「非致死性とはいえ、子供にこんなもの使ったら後遺症が怖いですが死ぬよりマシです。
4階の制圧を進めます」
AI:セラマニア達は4階の各所を制圧していく。
会議室の資料を漁ると、『デヴァステイターの情報』があった。
内容はカラバルカル社とデヴァステイターとの繋がり、カラバルカル社がこの町で行われている解放者連合の内戦に対し、
デヴァステイター側に武器や弾薬を提供している事、デヴァステイターがこの町の反ルキニア帝国派を扇動している事が書かれていた。
薬漬けにした少年少女達の奴隷をデヴァステイターに流しているともある。
セラマニア:「今まで確証はありませんでしたが、決定的な証拠ですね」
……さて、地下以外の全階層を制圧しましたが、敵の様子はどうですか?
AI:リリアンヌは答える。
リリアンヌ:「上層の敵は全て排除しました」
オケアノス:「一階は何もないよ、地下への入口やビルの外に異常無し」
リリアンヌ:「これからどうされますか?」
セラマニア:「社長室や会議室の資料に、地下シェルターについての情報はありませんでしたか?」
リリアンヌ:「はい、地下が別の場所に繋がっているというデータはありませんが、隠し扉のような物があるかもしれません」
セラマニア:「では対話の時間です」
と言って放送室から地下のアンデルセンに対し通信を繋ぎます、映像は出ますか?
AI:はい。
アンデルセン:「これは驚いたな。まさかここまで来るとは思わなかった。
君達の目的は何だね?」
セラマニア:「あなた方が子供を薬漬けにして人身売買を行った疑いがあります。
そしてテロリストのデヴァステイターに武器などを流している事も。
ただちに武装解除して投降して下さい」
アンデルセン:「なるほど、だが残念ながら私達はテロリストではなく単なる民間企業だ。
そもそも私が客に売った情報はカラバルカル社に関する事だけだ、特定の各勢力に肩入れしてはいない。
それにカラバルカル社がデヴァステイターに武器や弾薬を流していると、そんな証拠はあるのかね?」
セラマニア:一旦マイクをオフにして……
「リリアンヌさん、カラバルカル社員とアンデルセンの身柄はアーサーさんに引き渡した方が良いですか?
それとも解放者連合とか神聖同盟の警察とか適当な所で処理した方が?」
リリアンヌ:「どちらでも構いませんが、出来ればカラバルカルの関係者は引き渡さないで頂けるとありがたいです。
我々は敵の資金源を断ち、アンデルセンを殺害して撤収する予定でしたから」
セラマニア:「了解しました、本来の目的はそれでしたね」
というわけでマイクを繋ぎ直して……
「カラバルカル・アンデルセン。
あなたの身柄は解放者連合の穏健派に引き渡す。
あなたが嘘をついていないというのなら、文字通り穏健派のオジマン・カジマンや、ローエンシュタイン少佐はあなたを保護するでしょう。
ですが……私はそうしたくないのです。
実を言うと私は……神聖同盟、リシャール・ド・ビアン大佐と関係があります、ここまで言えばお分かりですね?」
アンデルセン:「まあ、そうだな。
君の話は聞いているセラマニア君、随分とリシャール・ド・ビアンに気に入られているようだ。
君を殺したら私は神聖同盟を敵に回す事になるかもしれない」
セラマニア:「私は何の成果も無しに撤収は出来ません。
面と向き合って交渉のテーブルにつけと言っているのです。
あなたが解放者連合の穏健派に引き渡されるか、神聖同盟の名の下で存続するか……はたまた別の結果を迎えるか。
何にせよ、地下シェルターごと生き埋めになるよりはマシじゃないですか?」
……と、あたかもリシャールの手下かのように言いますけど、あの人に責任と厄介事は全部投げましょう。
アンデルセン:「ふむ……確かにその通りだ。
分かった。
私の身柄は解放者連合に預ける。
そしてカラバルカル社がデヴァステイターに兵器を売りつけた事実を認めよう。
だが私はあくまでアドバイザーとして協力していたに過ぎない。
だから私に罪はないはずだ」
セラマニア:「よくもまぁ堂々と責任逃れを……と思いますが、あなたも社員の命を預かっているという事ですか」
アンデルセン:「そういう事だ。
それに君は勘違いをしている。
私は『カラバルカル・アンデルセン』ではない。
『アスター・アンデルセン』だ。
兄は君達が上階でドンパチやっている間に逃げたよ、裏口も包囲しておくべきだったな」
セラマニア:「なん……だと……!?」
アスター・アンデルセン:「では今からそちらに向かう。
……ああ、もちろん兄についても話そう、私の命を保障してくれるのならな」
セラマニア:「リリアンヌさん、カラバルカル・アンデルセンの追跡を行って下さい!
解放者連合のローエンシュタイン少佐にも報告を、敵の動きがどうなるか読めません」
リリアンヌ:「了解しました!」
リリアンヌは通信機を手に取り、本部に連絡を取る。
セラマニア:「してやられた……地下シェルターに籠られたのは時間稼ぎだったのですね。
会社のビルと資料は確保出来ましたが、社長に逃げられてしまった……!」
AI:そこで、解放者連合のローエンシュタイン少佐から連絡が入ります。
あなた達はお互いに情報を共有する事でしょう。
ローエンシュタイン:「セラマニア殿、状況は理解した。
こちらも過激派が攻勢に出始め、現在交戦中だ。
アーサー殿は撤退を推奨し、君達も退かせるつもりでいるが……私はまだその時期ではないと考えている。
出来るだけ持ちこたえ、増援を待つつもりだ」
セラマニア:「オジマン代表からの援軍は来るのですか?」
ローエンシュタイン:「いや、まだ分からない。
状況によっては来ないかもしれない。
だが我々でなんとかするしかないだろう。
とにかく我々はこの場を持ちこたえる。
君達も健闘を祈る、以上」
AI:そう言って、通信はアーサーに切り替わります。
アーサー:「聞きましたねリリアンヌ中尉、セラマニアさん。
我々はカラバルカル・アンデルセンの処理に失敗した以上、ここで出来る事はありません。
退却が可能な内に撤退します」
セラマニア:「了解しました、こちらはアンデルセンの弟と、薬漬けにされた少年少女を保護しています。
これらを連れて、ただちに撤退します。
リリアンヌ中尉、アンデルセンの弟に関してはあなた方に任せます」
リリアンヌ:「分かりました、お任せください。
……よし、こちらリリアンヌだ! これより我が隊は撤退を開始する」
セラマニア:その前にアスター・アンデルセンの確保ですけど……彼は大人しく出てきましたか?
AI:はい。
カラバルカル社の社員と共に、ビルの外へ出てきますよ。
アスター・アンデルセンはリリアンヌ達に保護されました。
リリアンヌはセラマニアにこう言います。
リリアンヌ:「セラマニアさん、私は部下を率いて先に行かせてもらいます。
あなたはこのままベセウの町まで脱出して下さい、今なら可能です」
セラマニア:「了解です、お気をつけて。
くれぐれも町の防衛で全滅するような事は避けて下さいね。
ローエンシュタイン少佐は良い人でしょうが、不利な戦いにアゼルシア人が最後まで付き合う必要もないでしょう」
リリアンヌ:「もちろんです。
私達はもう十分過ぎる程協力したと思います。
これ以上は我々の仕事ではありません。
ですが……アゼルシア人というくくりで見られても困ります。
私とセラマニアさんは国籍から性格まで違いますが……私はあなた達の為なら命を懸けても良いと思っています」
セラマニア:「……堅物の女隊長に、そこまで褒められると素直に嬉しいですね」
リリアンヌ:「ふっ、では行きましょう!」
セラマニア:「ベセウで待ってますよ」
と言って盛大にフラグを立てつつ、撤退準備です。
カラバルカル社の近くにキーの付いた車はありますか?
AI:はい、近くに車が止まっています。
慌てて逃げだしたのか、キーは刺さったままです。
セラマニア:保護した少年少女は何人くらいです? 乗せられると良いのですけど。
AI:5人ほどです。
セラマニア:なら乗せられますね、私が運転しましょう。
そして96式と共に穏健派の支配地域を通ってクーラウの町を脱出、ベセウの町に向かいます。
AI:了解しました。
それでは第零特務隊とセラマニア達は脱出を開始しました。
道中では穏健派と過激派が市街戦を行っており、あちこちで爆発が起きています。
また市民や兵士達の死体もゴロゴロ転がっており、まさに地獄絵図です。
セラマニア:「戦争は平原でするものですね、町中で爆発物を使った銃撃戦などやられたくはない」
と言いながら何とか突破しようとしますよ。
AI:はい、突破出来ます。
しかし途中でオケアノス達が乗っていた96式は敵の銃弾を受けてしまい、中破してしまいます。
セラマニア:「やられた!? 状況報告!」
オケアノス:「ごめん! どうにもならないようだよ!」
セラマニア:「動かないのですか、銃座と中の団員は!?」
オケアノス:「タイヤはやられた! 怪我をした団員は居るけど大したものじゃない、銃座も破壊された!」
アイギス:「右に敵車両! 機関砲のピックアップです!」
セラマニア:「オケアノス! 96式は直ちに放棄して脱出! アイギス達のB型は運転手残して降車、戦闘を!
アイギス、機銃でピックアップトラックの砲台を潰してください!」
アイギス:「分かりました!」
AI:アイギスが直ちに応射し、敵のピックアップ機関砲は破壊される。
アイギス:「排除完了!」
セラマニア:「全員後方の安全地帯まで走って!
……まずい、敵車両とまともに戦うのは初めてです、周辺の民家を盾にして肉声が届く範囲まで集結!
被害状況と弾薬を確認します!」
オケアノス:「負傷者が2名出た、私は問題無いよ」
セラマニア:「オケアノス、銃座が破壊されたのによく無事でしたね」
オケアノス:「運良く中に頭下げてたからね。
でももう無理だよ、足が破壊されたから退却出来ない。
機関銃の弾を貸して、私が殿になるよ。
他のみんなは逃げな」
セラマニア:「それは出来ない相談ですね、セラマニア隊は一蓮托生です。
ラピス、周辺の敵はどんな感じですか?」
ラピス:「今のところ周囲に敵影無し。
今のうちに早く行きましょう」
セラマニア:「B型と防弾トレーラーは無事ですね? 破壊されたA型の乗員は防弾トレーラーに乗って下さい。
機銃掃射しつつ切り抜けますよ!」
と言って各乗員が再乗車するまで周辺に応射し、乗り終えたら全力で脱出します。
AI:セラマニア達は無事に包囲網を突破し、後方に居た解放者連合穏健派の味方と合流する。
穏健派の兵士達は「ここを抜ければ安全です、幸運を!」と言って見送ってくれます。
セラマニア:見捨てて逃げるというのにこの扱い……練度が低い兵達だと思ってましたけど、無駄死にはさせたくないですね。
ベセウの町へ向かいつつ無線で……いや、この距離で無線って届くんでしょうか。
100kmは離れているので届かないと思いますし、盗聴される可能性もあるのでベセウの固定電話使いましょう。
町の宿に帰って、電話でリシャールに事の顛末を伝えてクーラウに援軍を送らせます。
AI:セラマニア達が町に到着する頃には夜になり、月が輝いている。
セラマニアがリシャールに事情を説明すると、彼は怒りながら言う。
リシャール:「私のセラマニアに手を出すとはいい度胸だ。
敵は連合の過激派とデヴァステイター、そしてカラバルカル社だったな。
クーラウの町はこちらで対処しよう。
セラマニア、君はベセウの町に待機していてくれ。
無いとは思うが、中立都市のベセウも攻撃される恐れがある。
私はただちにリベリオン隊と神聖同盟の兵を率いてベセウで君と合流し、そこを拠点にクーラウに向かおう。
残念ながら装甲車の調達は遅れるだろうが、車は用意する、それでセランピアに帰りたまえ」
セラマニア:「大ごとになってきましたね、しかし後詰くらいなら私達にも出来ます。
正直この戦力で内戦に参加したくはないのですが、あなた方という後ろ盾に居なくなられては困ります。
それに、リベリオン隊や第零特務隊に死なれるのも御免です」
リシャール:「では共に行こう。
我々は君の味方だ、心配はいらない」
セラマニア:「デヴァステイターには生きてもらっていた方が得だったんじゃないですか?」
リシャール:「それはそうかもしれないが、奴らは我々の邪魔をしたのだ。
君を害した連中を生かしておく道理は無い。
オジマン代表にはローエンシュタイン少佐の援護に入る事を伝え、援軍を送ってもらう事にする。
セラマニア、君はベセウで待っていてくれたまえ」
セラマニア:「しかし、敵がクーラウの制圧を完了する前にセランピアへの輸送と連絡は行いたいですし、私達自身の補給と整備も必要です。
96式はB型が残っています、これのまともな整備はあなたの息がかかったセランピアの町でないと難しいですよね?」
リシャール:「……分かった、どちらにせよに動くのは明日にしてくれ。
今日は休んで英気を養うんだ」
セラマニア:「そうですね……連戦でSL団の皆も疲れていますし、別部隊とはいえ初めて死人が出ました。
今日は休んで、明日また連絡します」
と言って電話を切り、部隊の皆に今日はご飯食べて、寝て休みましょうと伝える。
AI:次の日。
セラマニアは朝起きてからベセウで朝食を取っていると、リシャールから通信が入る。
リシャール:「セラマニア、大変だ。
クーラウの町が陥落して、連合の過激派はクーラウを占領した!」
セラマニア:「一日保ちませんでしたか……しかし、敵の数はそう多くはなかったはずでは?」
リシャール:「それが、どうも穏健派の中に手引きしていた者が居たらしい。
ローエンシュタイン少佐は撤退し、ベセウの町に向かっているとの事だ。
我々は彼らと合流した後、クーラウに向かう事になるだろう」
セラマニア:「アーサーさんと第零特務隊の皆さんはどうなりました?」
リシャール:「彼らはローエンシュタイン少佐と撤退中に戦闘に巻き込まれ、そのまま消息不明だそうだ。
全滅かは定かではないが、望みは薄い」
セラマニア:「了解しました。
…………これは、もう覚悟を決めるしかありません。
リシャール、電話越しでは伝わらないでしょうが、私はあなたに頭を下げます。
どうか私に戦闘車両か、それを買うだけの資金を貸して貰えないでしょうか。
セラマニア・リバティースに関しては譲れる物はありませんが……私のプライベートな事であれば、一度くらいは何でも言う事を聞きます」
リシャール:「セラマニア……」
セラマニア:「力の無い人間がわがままを言っているだけなのは承知しています。
ですが私はこれ以外に生き方を知りませんので。
戦力が足りなくても、私と私に付いてくる者と共に第零特務隊の救援に向かいます」
リシャール:「分かった、君のプライベートについては考えておくよ。
だが……本当に良いのか? 君が守るべき存在はセラマニア・リバティースだ、アゼルシア人ではない」
セラマニア:「……ああ、そういう言い方をされて、私が昨日犯した過ちに気づきましたよ。
私はリリアンヌさん達を助けに行きます、あの人が私達に命を懸けてもいいと言ってくれたように。
……そういう会話があったんですよ、だから私は一人でもクーラウに向かいます」
リシャール:「セラマニア……君は優しい人間なんだね。
その優しさで多くの人を救えるといい。
君は私とは違う。
私には無理だった。
もう二度と戻れない場所に行ってしまった者達を救う事は出来ないんだ。
だからセラマニア、君のような人間はもっと多くを救うべきだ。
そして、それはきっと今じゃない。
そこを動くな、今から私が向かう。
戦力を再編成し、秩序を保ってクーラウの奪還とアーサー殿らの救出を行う」
セラマニア:「ありがとうございます、リシャール」
リシャール:「私から一つ頼みたい事があるのだが、聞いてくれるかい?」
セラマニア:「私個人の事に関してだけ、ですよ」
リシャール:「では一人の男として君にお願いだ。
この戦いが終わったら、俺と結婚してくれないか?」
セラマニア:「…………えっ、嫌です、籍入れる前にあらゆる手を使って死にます」
リシャール:「はは、そうか、まあ……そうだよね。
いや、すまない。
ただ、これだけは言わせて貰う。
私はは君を愛している。
必ず生きて帰ろう」
セラマニア:「もしかして今一番ダメージ受けてます?」
リシャール:「そんな訳無いだろう! では、また会おう!」
リシャールとの通話が切れる。
セラマニア:もう私が死ぬか言う事まったく聞かない人間になるだけでリシャールは潰せそうな気がしました。
何にせよこれで正面から過激派とテロリスト相手に殴り合いですね、死ぬほどやりたくない。
というか絶対誰かしら死ぬからやりたくない。
まぁしょうがないです、ちまちまと裏方作業やってリリアンヌさん達見つけたらさっさとずらかりましょう。
……リリスにも電話しときましょうか。
「――そういうわけで、本格的に内戦に参加する事になってしまいました」
リリス:「おぉー……なんか大変な事になってきたねぇ……
こっちは大丈夫だよ~、気にしないで」
セラマニア:「前々から言っていた、男の医者を何人か確保するというのはどうなってます?」
リリス:「ん? あぁうん、それは手配してるよ。
でも今回の戦闘に間に合いそうにはないかな……一日二日で戦いが終わるんなら、だけど」
セラマニア:「簡単に死ぬつもりはありませんが、リバティースの皆が生きていけるよう拠点運営をお願いします。
今から物資積んだ輸送トレーラーをそちらに返すので、そのお金でやりくりして下さい。
こっちはリシャールの金で装備を整えますので」
リリス:「分かった、任されたよ、気を付けてね」
セラマニア:「お願いします」
電話を切って、リシャールの到着を待つ前に我々で出来る物資の補充は行っておきましょう。
ローエンシュタイン少佐とリシャール、そしてオジマン代表の援軍と合流したら第零特務隊救出作戦の開始です。
~損失~
第零特務隊隊員 一名 戦死
96式ⅡA型(榴弾装備) 中破、放棄。
――第八話終了――