オラリオの喧嘩屋   作:アイズに膝枕されたい侍

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今考えてる主人公の能力というか力というかスキルというか、よくよく考えたらガチでオラリオ最強になりそうなんだよな(手遅れ)。


静かな女の思い出

ここは"黄昏の館"。

喧騒が立ちこめる食堂にてとある2人の魔道士が隅の方で静かに乾杯していた。

 

「まずはお疲れ様と言っておこうか、リヴェリア」

「ああ、ありがとう」

 

そう言って彼女たち2人はジョッキに入った酒を1口喉へと流し込んだ。

1人は緑の長髪をたなびかせた、エルフ特有の尖った耳を持つオラリオ最高峰の魔道士、"九魔姫(ナイン・ヘル)"、リヴェリア・リヨス・アールヴ。

 

「それにしてもお前が私に話があると誘われた時は驚いたが……どうかしたのか?」

 

そしてもう1人。綺麗な灰色の長い髪を持ち両目を意図して閉じているオラリオ最高峰……いや、最強の魔道士、

 

「ああ、少し思い出してな。この話をするなら貴方に話そうと思ってな」

 

Lv.7、"静寂"の異名を持つアルフィア。

 

「思い出した?私になにか関係があるのか?」

「関係があるとするならこの場の誰もが関係する話だが1番は貴方だろうと思ってな」

 

少しの微小をうかべそう言うリヴェリア。

おもむろにジョッキを口に運び喉へと流し込み一息ついて彼女は語り出した。

 

「貴方はこのオラリオで最強と言うと誰を思い浮かべる?」

「最強?……フレイヤファミリアのところの━━」

「そうでは無い。今現在の話ではなく、貴方が生きてきた中での話だ」

 

そう言われアルフィアはすこし考える。顎に手を当て頭をひねり、

 

「ゼウスファミリアのとこの……いや、うちのファミリアにいた……いや」

 

しかし、まとまらない。

最強。その言葉、今現在であればフレイヤファミリアに所属するとある猪人(ボアズ)の男を思い浮かべる。

彼のLvはアルフィアと同じ7。しかし、今現在ほぼ冒険者としてほぼ引退していると言ってもいい彼女に今の状態で勝算はあるかと言われたら不安も残るほどに彼は強くなっている。

 

しかし、今現在ではなくアルフィアが生きてきた中での最強と言われると絞りきることが出来ない。Lv7が跋扈していた……訳では無いがそれでも昔ならLv8やLv9すらもいた。そうなると最強は誰か?その問いに答えるとなると難しいものになる。

 

「……質問を変えよう。もっとも英雄らしい人は誰だった?」

 

リヴェリアがそう質問を変えてきた。

英雄。あらゆる困難を乗り越え、あらゆる試練に打ち勝ち、弱きを助け強きをくじく。そんな人々の羨望の的になるようなそんな存在。

誰が英雄らしかったか。その質問は他の人ならば大いに悩むような質問だろう。

しかし、アルフィアの頭には1人の少年が浮かんでいた。

 

その少年は人々から羨望の眼差しなんて浴びることなんてない。あるのは恐怖の眼差し。困難を乗り越えると言うより困難という問題を振りまく問題児。試練に打ち勝つと言うよりそもそも試練を試練とも思わないようなそんな性格を持つ喧嘩屋。

 

「カグラ…」

 

アルフィアはその名を呟いた。

 

「……やはり貴方ならそう言うと思っていたよ」

 

リヴェリアの言葉に思わず苦笑が漏れるアルフィア。

 

「とんでもない男だった。私という強大な悪ですら生かそうとし私から死に場所を奪った。毎度毎度オラリオ中で問題は起こし静かな日は無かったな。英雄とは程遠い男だよ」

「……ではなぜその名を?」

「……何故だろうな。もしかしたら私の中での英雄になってるのかもしれないな」

 

懐かしむようにつぶやく口にジョッキを運ぶアルフィア。それを横目で見ながらリヴェリアは口を開いた。

 

「あの時は驚いた」

 

そう言うリヴェリアの脳内にはとある光景が浮かんでいた。

 

 

 

 

 

『おい!このクソアマ、今日からお前らんとこ(ロキファミリア)で面倒みろ!』

 

全身が血に濡れた少年のそんな叫びにその場にいたもの全員が言葉を無くしていた。

今まで死闘を繰り広げ死人さえも出した敵……アルフィアを面倒みろというのだ。驚かないはずもない。

もちろん総じて声を荒らげた。ふざけるな!と。当事者のアルフィアでさえもその言葉には異を唱えた。

しかし、少年は、

 

『うるせぇ!クソボケが!敗者に口無しだ!文句も異議も反論も受け付けねぇ!黙っててめえは何をしでかしたのかを理解して償え!何もしねえで必要悪でしたの自己満で死ぬことは許さん!自分勝手も大概にしろや!クソが!』

 

そんな言葉で一蹴した。

その言葉にその場の誰もが口を噤んだ。

 

『……いいか、お前はもう逃げんな。英雄になりきれなかったてめえは必要悪なんて楽な道に進んで逃げたんだ。この先はしっかり英雄になってから死ね。てめえの目標はてめえでやれ。他人に任せることじゃねえだろうが』

 

その言葉に今度こそ言葉を無くすアルフィア。

周りの今まで戦っていた面々も喉を鳴らした。

 

 

 

 

 

「ほんとに…酷い、漢だ」

「ああ、全くだ。貴方が初めてここに来た時はとてつもなく忌避されていたな」

 

そう言ってお互い苦笑をこぼす。

 

「……それでその話がどうかしたのか」

「……ああ、今日の遠征の帰りにな。とある一人の男とすれ違ったんだが、その男と目が合って唐突に思い出したんだ」

「……もしかしたら本人だったかもしれないな」

 

アルフィアの言葉にリヴェリアは悲しげに口を開いた。

 

「そう、かもな。……それだったらどれほど……」

「リヴェリア」

 

アルフィアは思わずリヴェリアの背中に手のひらを置いた。

 

「大丈夫さ。あの男ならどこかで生きてる。あんなゴキブリみたいな男、死ぬほうが難しい。ほら今日は遠征からの帰りだ。たらふく食え。今日はあのバカの思い出話でも花咲かせよう」

「……ああ、そうだな。それならみんなも呼んでおこうか」

「それがいい」

 

こうして黄昏の館の夜が更けていく。

 

◆◇◆◇◆

 

「へっ……くしょいッ!ぬあーちくしょう…」

 

さっきからくしゃみが止まらん。

誰かが噂でもしているのか?それならやめて欲しい。

そんなことを思いつつ目の前のモンスターを切り刻む。

 

「つかいま何時だよ。大分魔石溜まったんじゃねえか?」

 

昼過ぎくらいから潜ってたし、今は夜だとすれば9、10時間くらいは潜ってるか?

そろそろ戻るか。

そうして魔石を回収した俺は踵を出口へと向かった。

 

「へっ……くしょいッ!くしょいッ!くしょいッ!へっ……………くしょいッッッ!!!ぬぐあぁぁぁぁあ!!!」

 

噂してる奴今すぐやめろやッ!




てなわけで静寂さん生存ルートですね。
やったね!あの子から叔母さん呼びされるね!

あ、感想、評価待ってます。
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