オラリオの喧嘩屋   作:アイズに膝枕されたい侍

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長すぎてぶった切った前回と今回なんだけど、逆に今回は1話にしては短お話になった。


"強い"とは

「よォ、分かるかクソ犬」

「グッ…ガフッ…」

 

文字通りに尻に敷いたくそ犬にそんな問いを投げつつ一息つく。

 

「な、何がだよ…!」

弱い(よえー)やつと強い(つえー)やつの違いだ」

 

そんなことを言いつつ懐からタバコを1本取り出し咥える。

喧嘩終わりに1本吸うのがいつもの癖だった。こうやって吸うのは懐かしいななんてことを思いつつ火をつける。

 

「……違いなんていちいち確かめることかよ……自分で何も出来ねぇやつは雑魚、自分一人で敵をぶっ倒せるやつが強い(つえー)やつだろ」

 

その言葉を聞き、肺に入った煙を吐き出す。

 

「これでもなぁ?テメェの言いたいことはわからんでもねえわけよ俺は。ただテメェは視野が狭い(せめえ)し見る目もねえ」

「あ?」

「テメェがさっきバカにしてた駆け出しは俺のマブだ」

「……っ」

 

驚くくそ犬を他所に俺は立ち上がった。

そのまま見下ろす形でそのくそ犬に言葉を続けた。

 

「駆け出しなんざ泣いて逃げるくらいがちょうどいい。駆け出しの段階で弱いも強いもねぇからな。そこで死んじまったら終わりだもんよ。無様に命に執着するくらいが普通だ」

「………」

「弱い強いはその後、圧倒的恐怖を前にしたあとの気持ちの持ちようで決まるもんだ。成長出来ねぇやつが雑魚、足を踏み出せるやつが強くなれる野郎だ」

「……チッ」

 

舌打ちするくそ犬。俺はそいつの頭に足を乗せそのまま少し体重をかけるように足に力を込めた。

 

「っ!…グッ」

「テメェはその駆け出しの可能性を笑ったんだ。分かるか?俺のマブをテメェは笑ったんだ。言いたいことは分かる。でもよお、それをバカにして酒の肴にする権利はテメェなんざにありはしねぇんだよ」

「クッ……!」

「テメェの可能性すら信じられなくなったテメェが他人の可能性笑うなや。今日はここいらで終わらせといてやるが次は…潰すぞ?」

 

そう言って俺は足を退けた。

さて、

 

「おい兎」

「は、はい!」

「この後どうする?」

「え?どうするって……」

「……強くなりてえか?」

 

そう聞くとキョトンとした間抜け面を見せる兎。

しかし、次の瞬間にはその目に光をともしながら、

 

「はい」

 

そんな短い言葉だが明確な思いが込められた言葉を吐き出した。

 

「オーケー。んじゃ今からダンジョンだ。ゲロ吐かせるまで稽古つけてやる。ついて来いや」

「ぇ……あ、は、はい!」

 

歩き出した俺に小走りで着いてきた兎。

頑固だが素直。愚直に前にしか進めないアホ。この兎はそんなやつだ。

でもそんなやつは強くなれる。

今日自分の弱さを知った。それを受け止めて行動しようとしてた。

言い訳もしないで受け入れる、簡単そうで簡単にはできないもの。

 

「おい兎……いや、ベル・クラネルよ」

「え?」

「おめェ、強くなれるよ」

「……っ」

 

俺の言葉に言葉が詰まる兎。

……泣き虫は治してもらわんとな。

 

「んじゃ、そーゆー訳だ。またなークソ野郎共」

 

最後に知り合いに挨拶。

返ってくる言葉はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう言えばカブラさん」

「あ?」

「……お代、まだ払ってなかったです」

「……俺も刀置いてきてたわ」

 

後で取りに行こう、そう思った。

 

「あと、兎。俺の本当の名前はカグラな」

 

◆◇◆◇◆

 

「……行ったわね」

 

誰がこぼしたかそんな言葉。

豊穣の女主人、その店前に佇むロキファミリアの面々。

その後ろから喧嘩屋が去っていった方向見ていたのは店の店員たちだ。

 

「相も変わらず変わってないみたいで、安心すればいいのか呆れればいいのか」

「まあ、元気そうでなによりってことで」

 

アマゾネス姉妹の会話。

同じファミリアに所属する狼人をボコられたというのにその声は怒りを含むどころか少し嬉しみをまとった声音だった。

 

「にしても相変わらずの強さだのう」

「うん。武器を手にしていたとして今の暴れようを止められたかどうか」

「ワシら全員でかかればいけてたかもしれんな」

「……そうだね」

 

ドワーフの男の言葉に苦笑いをうかべる小人族(パルゥム)の男。

 

「しっかしこれ、オラリオがまた荒れるで」

 

頭を押える糸目の女神。

頭に思い浮かべたのは自身と同じ立場の神々たち。この先の未来を思い浮かべてこの女神の口角は上がっていた。

 

 

 

 

 

「……」

「……アイズ」

 

金髪の少女に話しかける緑髪のエルフ。

2人の顔は微かな笑みを浮かべていた。

 

「リヴェリア……」

「どうした?」

「……カグラ、生きてたね」

「……ああ」

 

エルフは黄昏の館で待つ、オラリオ最強の魔道士にいい知らせができる、なんてことを考えていた。

 

 

 

 

 

「……やはり生きてましたか」

 

そう言うウェイトレスのエルフは笑みを浮かべながら仕事へと戻って行った。




キャラとのちゃんとした絡みを早くさせたい。

てか、過去編とかって書いた方がいいですかね?
今度アンケート取るかも。

感想、評価よろしくお願いします。
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