オラリオの喧嘩屋   作:アイズに膝枕されたい侍

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主人公がついに…!


喧嘩屋と炉の女神

遅い。

そう心の中で思うこと、果たして何十何回目か。

黒い髪をツインテールにまとめた中々に大きな果実を2つ持つ1人の女神が住処としている教会の前で右往左往と落ち着かない様子でそこにいた。

 

昨日の夜自身の眷属からご飯を食べに行くと言われて別れてから10時間は経つ。もう朝日も昇ってきている。いくらなんでも遅すぎる。

何かトラブルに巻き込まれたか、それとも酒場で知り合った女とよろしく……なんて、色々な考えが頭をよぎる。

 

「ああもうほんとにベルくんはどこに行ったんだい!」

 

たまらず叫び出す声が辺りに響いた。

初めての眷属ということで思い入れもあるのだろうが、恋慕の気持ちも少なからずある彼女。心配に心配を重ね、

 

「はむはむ……」

 

じゃが丸くんを頬張った。

もうかれこれ外に出て数時間は経つ。朝の時間に差し掛かってそろそろ朝ごはん時、そりゃ腹も減るだろう。

そうやってちょっとした段差に座り込みじゃが丸くんを胃の中へ全部落とした時、

 

「神様」

「っ!ベル君!………え?」

 

血にまみれた自分の眷属とそれをおんぶしている目つきの悪い男が目の前に現れた。

 

◆◇◆◇◆

 

「いやぁ、送ってきてもらちゃってごめんね」

 

目の前に座るツインテボイン。

本拠(ホーム)の中に招かれ、事の経緯を話していると人懐っこそうな笑顔でそう言った。

 

「気にする必要はねーよ。俺も久々に骨のあるやつに会えて万々歳だ」

「うんうん。でも、ベル君はベル君であまり無理しないようにね」

「あはは……はい…」

 

遠い目をしながらソファに横になる兎。

……ちょいと初っ端からやりすぎたか。

 

「にしても兎」

「え?あ、はい」

「お前の神ってのはこいつなんだよな?」

「そうですけど……」

 

なるほど。こいつが…。

そう言って目の前にいるツインテボインの女神を一瞥した。

確かに纏う雰囲気が他とは違う。

 

「名前はなんつったっけ?」

「え?あ、ボクかい?ボクはヘスティア!よろしくね!」

「そうか。よし、んじゃツインテボイン」

「あれ!?ボク今ヘスティアって名乗ったよね!?」

 

抗議するロリ神を無視し俺は言葉を続けた。

 

「俺このファミリア入りてぇんだけど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ背中出してね」

 

俺の発言から驚いていた兎とツインテボインだったが、その後2人で固く手を握りあいそのまま小躍りを数十分にも渡って踊っていたが、俺がいつまで見てりゃいい?と言うとすぐに辞めた。

 

「背中か。何すんのよ?」

「ボクの血を背中に垂らすんだよ。それで神の恩恵(ファルナ)を刻むんだ」

 

そんな簡単なのか。初知りだ。

 

「そんじゃ俺は寝転がった方がいいんか?」

「そうだね」

 

そう言われ上の服を脱ぎうつ伏せでベットへ寝転がる。

そうしていると腰に重さを感じた。ツインテボインが乗ったようだ。

 

「これで一緒のファミリアですね!」

 

ソファに腰掛けている兎。起き上がるのもだるくて寝転がっていたあれから大分体調は良くなったらしい。

 

「そーだな」

「でもこれは冒険者としては僕が先輩ですよね?」

「あ?」

「だから後輩のカグ「もっぺんダンジョン行くか?」……なんでもないです」

 

全く……新しい仲間ってことで嬉しいのはわからなくもないが冗談の内容という相手は選べって話だ。

それにしても、

 

「おいまだ終わらんか?」

「………え?あ、ちょ、ちょっと待っててね。い、今終わるから…」

 

何を慌ててるんだ。

……いや、まあそうか。驚きもするか。しゃーない、気ままに待とう。

 

そんなこんなで数分かかり神の恩恵(ファルナ)を刻み終えた。

起き上がった俺は服を着た。

 

「はいこれ。君のステイタスだよ」

 

そう言って渡される1枚の羊皮紙。

そこに書かれていたのは、

 

 

 

 

カグラ

 

Lv.

 

力 :I0

耐久:I0

器用:I0

敏捷:I0

魔力:I0

 

《スキル》

 

【武芸百般】

・武器を装備してる時、自身のステイタスに高補正

・手にしている武器に貫通効果を付与する

・この貫通効果はあらゆるものを破壊可能とする

 

 

 

 

 

「これがカグラさんのステイタス……もうスキルあるんですね」

 

俺の持つ紙を後ろから覗き込む兎。プライバシーもへったくれもないな。

 

「うん。ボクも驚いたよ。いや、ホントに……」

 

その言い方はなにか含みのある言い方。俺はツインテボインの目を見ていた。その目は縦横無尽にさまよっていて落ち着きがなかった

 

「強いスキルですね……」

「……まあ、昔から喧嘩しまくってたし何かしら持ってなきゃやってらんねえよ」

「うう、いいなぁ……」

「おめェもいつか持つ時来んだろ」

 

そうは言うが肩をしょんぼり落としている兎。

その後、兎のステイタスも更新し今日は探索休み、俺がギルドに冒険者登録しに行く流れになった。

 

ちなみに兎も何かスキルが出てたようで叫び声を上げて嬉しがってた。うるさい。

 

◆◇◆◇◆

 

「で?ツインテボイン。話しがあんだが?」

 

ベルが外へ買い物へと出かけ、教会に喧嘩屋と2人きりになったヘスティアファミリア、主神。

彼女の頭からは一筋の汗が流れていた。

 

「な、何かな?」

「俺の"本当のステイタス"見せろ」

「うぅ…」

 

そう言う喧嘩屋の眼光に思わず怯む。

そう先程見せたステイタスの書かれた羊皮紙。あれは意図的にこの女神が消した項目がある。

なぜならそれはベルに見せるにはあまりにもな内容だったからだ。

 

「………はい、これです」

 

目を逸らし続けていた女神は根負けし……いや、喧嘩屋の眼光に耐えきれずに1枚の羊皮紙を差し出した。

そこに書かれていた内容は、

 

 

 

 

 

カグラ

 

Lv.??

 

力 :I0

耐久:I0

器用:I0

敏捷:I0

魔力:I0

 

《魔法》

 

【神懸かりした肉体】

1▼

・常時魔法

・ステイタスに超高補正

・この魔法に魔力の消費はない

〖詠唱〗

《━━━━━》

2▼

・自身の体と自身の体に触れている物に武装効果を付与

・この武装効果はあらゆるものの硬度を高める

・込める魔力が多いほど硬度は増す

〖詠唱〗

《━詠唱破棄━》

 

《スキル》

 

【喧嘩屋】

・このスキル発現者にレベルの概念は無い

・ステイタスの数値の上限が突破

・敵とみなした相手が強いほど、比例して自身のステイタスに補正

・自身が負ったダメージ量に比例して自身のステイタスに補正

 

【戦闘続行】

・たとえ致命傷を受けても倒れない

・デバフを負う事にステイタスに高補正

 

【素手喧嘩】

・武器、防具を装備してない時、自身のステイタスに超々高補正

・どんな魔法、スキルでもこのスキル発現者の攻撃を止めることは出来ない

 

【武芸百般】

・武器を装備してる時、自身のステイタスに高補正

・手にしている武器に貫通効果を付与する

・この貫通効果はあらゆるものを破壊可能とする

 

《発展アビリティ》

 

【破壊の申し子】

 

 

 

 

 

「なるほど」

 

一言つぶやく喧嘩屋。この内容は予想通り、と言うかこれが当然と言わんばかりの声音だった。

 

「……君はあの噂の喧嘩屋くんだったのかい?」

 

女神がそう問いを投げた。

 

「まあな」

「そっか……」

「……特大地雷を拾い上げたよ、アンタ」

「み、たいだね」

 

そう言って力無く笑う。

これがバレたら他の神達から何されるか。それを考えるだけでため息が出るようだった。

 

「ところでそのステイタスは何なんだい?普通、冒険者になりたての子はそんなにスキルや魔法持てるはずがないんだよ。喧嘩屋って言えばどこのファミリアにも所属しなかったって聞くし……おかしいよね?」

 

眉をひそめ真剣な雰囲気で聞く女神、それに対して喧嘩屋は笑みをひとつ零し、

 

「俺は普通じゃねえからな。これに関してはまたおいおい教えてやるよ」

「……今は話す気は無いんだね?」

「当たり前。兎は気に入ってるがほぼ初対面の他人に秘密を教えるほど俺はあまちゃんじゃねーよ」

「……そっか。分かった」

 

そこからは話をしても無駄だと悟ったのか女神は大人しく引き下がった。

それからベルが帰るまでの数十分間。喧嘩屋と女神はベルの話で盛り上がっていた。




てなわけで主人公、ヘスティアファミリア入団!
やったね!

主人公の恩恵無しでのあの強さにはちゃんと理由考えてるのでね、まあ、理由が明らかになるまで待っていただければなと思いますね、はい。
ちなみに恩恵があろうが無かろうが主人公の強さは特に変わらないです。

あ、感想、評価待ってます。
……まじ感想書いてくれる人ありがとうございます。ホントにモチベ。

※訂正:不壊効果→武装効果(これで・いい・ですか?文句はもうないね?)
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