俺の迷い込んだ世界が…… Season2   作:月島柊

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第13話 合宿2日目

 

 昼間の練習中、俺はみんなと演奏していた。

 

「柊くんと演奏してるって楽しいね!」

「そうか?サンキュー」

 

俺はピースサインをした。

 

「というか、もう14時だね」

「じゃあ5時間くらいやってたのか」

「休憩しよっか」

 

みんな楽器を置いて、前の広いところで座った。

 

「なんか眠いな……」

「あったかいもんね」

 

穂波がいった。同情してくれてよかった。

 

「私も眠い……」

 

志歩もあくびした。

 

【望月穂波視点】

 

 柊くんと志歩ちゃんがあくびすると、2人は一歌ちゃんにもたれかかった。志歩ちゃんが背中から、柊くんが横からもたれかかっていて、一歌ちゃんは結局横になった。

 

「もう……」

 

柊くんと志歩ちゃんはそれでも寝ている。一歌ちゃんは横になったままだったけど。

 

「まぁ、いっか」

「いいの?」

「うん。志歩も柊くんも眠かったんだし」

 

一歌ちゃんは2人のことを撫でた。

というより、志歩ちゃんと柊くん、寝てるとすごい似てるな……

 

【星乃一歌視点】

 

 2人が私の上で寝ている。顔だけ乗ってるからか、あんまり重くない。あと、この2人、すごい似てる。髪も短いからかな。

 

「うぐ……」

 

柊くんが寝返った。ちょうど私の胸あたりにきて、くすぐったい。

 

「ふふっ」

「んん?」

 

柊くんが起きた。

 

「あ、ごめん……」

「いいよ、別に」

 

そうしていると、志歩も起きた。

 

「あ、一歌……ごめん」

「別にいいよ」

 

2人はお互い見合って、頷いた。何をするんだろう。

 

『一歌』

 

志歩と柊くんは前後からそれぞれハグしてきた。

 

「えっ、ちょっ」

 

どうなってる、の?訳が分からない。志歩が抱きついて、柊くんも抱きついてる。なんで?

 

「一歌、もっと私の傍にいて」

「一歌、ずっとこうしてたい」

 

2人ともどうしちゃったのーっ!

私は頭が働かなくなった。

 

【月島柊視点】

 

 少し落ち着いた一歌は普段通り練習を開始した。

 

「穂波、少し先走ってる」

「うん!」

 

みんなが一生懸命頑張っている。次のライブを目標にやってるんだろうか。

 

「一歌、立ち位置もう少し後ろがいいな」

「分かった」

 

目標があるのはいいことだ。どんな目標かも知りたいが。

 

「みんな、何を目標にしてるんだ?」

「ライブ!」

 

やっぱりそうだったか。

 

「見に行ければいいんだけどな」

「仕事があるもんね」

 

毎回被る。仕事とライブが。

 

「その分練習で聴いてるけどな」

「じゃあ、柊くんも私たちのライブが成功するように指導してね」

 

志歩が言った。

 

「そうだな。じゃあ、志歩は取りあえず落ち着け」

 

熱が入ってるのもあるが。

 

「じゃ、練習するぞ」

 

俺はみんなに言った。

 

 その日の夜、俺たちは近くの温泉に行った。広いところで入りたいと思ったのが率直な感想だが。

 

「じゃあ、20時にここ集合で」

「うん。ゆっくり入ろーねっ」

 

咲希が他の3人を連れて女湯の脱衣所へ向かっていった。

 

(俺も行くか……)

 

俺は男湯の方に向かった。

てっきり、綺麗な景色で大人気かと思ったら、人はほとんどいなかった。脱衣所で服を脱ぎ、俺は浴場に出た。

 

「おぉ……」

 

想像以上に広い露天風呂。思わず声が出た。

 

「みんな、早く行こーよー」

 

咲希の声。仕切りの奥で呼んでるんだろう。

 

「俺もさっさと洗って入っちゃうか」

 

俺はシャワーを浴びた。髪を洗い、身体を洗い、全身が洗い終わると俺は大きい露天風呂に入った。

 

「ん?」

 

声が聞こえた。俺が振り返ると、そこにはタオルを巻き、全裸の一歌たちがいた。

 

「柊くんだーっ!」

「ちょっと話すか」

「うん!」

 

もう何も気にしてない。咲希が俺の隣にくっつき、俺と話した。

 

「柊くんはどういう感じで教えてくれてるの?」

「俺はみんなに合わせてるよ。みんなの気持ちに」

「私たちの気持ち……」

「そう。咲希にもあるだろ?」

 

咲希は「うんっ!」と言った。その後、咲希は俺に密着して、同じことをみんなに聴いていた。

一歌は「昔みたいに仲良くなりたい」

咲希は「みんなと一緒にライブをやりたい」

穂波は「みんな仲良くしたい」

志歩は「絆を取り戻すことは前提として、ライブを完璧にやりこなす」

ということだった。

 

「みんなそれぞれだろう?それを目指して俺は教える」

「じゃあ、私たちもそれを目標にしないとね」

 

志歩が言うと、みんなが頷いた。

 

「それにしても、なんで咲希と柊くんがそんなにべったり?そんなに距離近かったっけ」

 

志歩が俺をじっと見てきた。

 

「だったら志歩もくっつくか?」

「咲希ちゃん、身体洗おうよ」

「あ、うん!」

 

咲希が穂波に呼ばれて出ていった。俺と志歩が2人だけになり、志歩はくっつきたかったのか俺に寄ってきた。

 

(横からか~)

 

俺がそう思っていると、志歩は正面から来た。そのまま正面からくっつく。

 

「これでもいいんでしょ」

 

志歩は俺の背中を寄せ、ますます密着させた。

 

「志歩……これは……」

「くっついていいって言ったじゃん」

 

小悪魔のような目をしていない。少し恥ずかしそうな、緊張してそうな目。

 

「柊くん、洗い終わったから入るよー」

 

3人が入ってきた。

 

「志歩ちゃん独り占めだね」

「あとは一歌にあげる」

 

志歩は俺から離れると、一歌は俺を抱き寄せた。

 

「まったく、君らは……」

 

苦笑いをした。ただ、これも含めてLeo/needなんだろうな。

 

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