昼間の練習中、俺はみんなと演奏していた。
「柊くんと演奏してるって楽しいね!」
「そうか?サンキュー」
俺はピースサインをした。
「というか、もう14時だね」
「じゃあ5時間くらいやってたのか」
「休憩しよっか」
みんな楽器を置いて、前の広いところで座った。
「なんか眠いな……」
「あったかいもんね」
穂波がいった。同情してくれてよかった。
「私も眠い……」
志歩もあくびした。
【望月穂波視点】
柊くんと志歩ちゃんがあくびすると、2人は一歌ちゃんにもたれかかった。志歩ちゃんが背中から、柊くんが横からもたれかかっていて、一歌ちゃんは結局横になった。
「もう……」
柊くんと志歩ちゃんはそれでも寝ている。一歌ちゃんは横になったままだったけど。
「まぁ、いっか」
「いいの?」
「うん。志歩も柊くんも眠かったんだし」
一歌ちゃんは2人のことを撫でた。
というより、志歩ちゃんと柊くん、寝てるとすごい似てるな……
【星乃一歌視点】
2人が私の上で寝ている。顔だけ乗ってるからか、あんまり重くない。あと、この2人、すごい似てる。髪も短いからかな。
「うぐ……」
柊くんが寝返った。ちょうど私の胸あたりにきて、くすぐったい。
「ふふっ」
「んん?」
柊くんが起きた。
「あ、ごめん……」
「いいよ、別に」
そうしていると、志歩も起きた。
「あ、一歌……ごめん」
「別にいいよ」
2人はお互い見合って、頷いた。何をするんだろう。
『一歌』
志歩と柊くんは前後からそれぞれハグしてきた。
「えっ、ちょっ」
どうなってる、の?訳が分からない。志歩が抱きついて、柊くんも抱きついてる。なんで?
「一歌、もっと私の傍にいて」
「一歌、ずっとこうしてたい」
2人ともどうしちゃったのーっ!
私は頭が働かなくなった。
【月島柊視点】
少し落ち着いた一歌は普段通り練習を開始した。
「穂波、少し先走ってる」
「うん!」
みんなが一生懸命頑張っている。次のライブを目標にやってるんだろうか。
「一歌、立ち位置もう少し後ろがいいな」
「分かった」
目標があるのはいいことだ。どんな目標かも知りたいが。
「みんな、何を目標にしてるんだ?」
「ライブ!」
やっぱりそうだったか。
「見に行ければいいんだけどな」
「仕事があるもんね」
毎回被る。仕事とライブが。
「その分練習で聴いてるけどな」
「じゃあ、柊くんも私たちのライブが成功するように指導してね」
志歩が言った。
「そうだな。じゃあ、志歩は取りあえず落ち着け」
熱が入ってるのもあるが。
「じゃ、練習するぞ」
俺はみんなに言った。
その日の夜、俺たちは近くの温泉に行った。広いところで入りたいと思ったのが率直な感想だが。
「じゃあ、20時にここ集合で」
「うん。ゆっくり入ろーねっ」
咲希が他の3人を連れて女湯の脱衣所へ向かっていった。
(俺も行くか……)
俺は男湯の方に向かった。
てっきり、綺麗な景色で大人気かと思ったら、人はほとんどいなかった。脱衣所で服を脱ぎ、俺は浴場に出た。
「おぉ……」
想像以上に広い露天風呂。思わず声が出た。
「みんな、早く行こーよー」
咲希の声。仕切りの奥で呼んでるんだろう。
「俺もさっさと洗って入っちゃうか」
俺はシャワーを浴びた。髪を洗い、身体を洗い、全身が洗い終わると俺は大きい露天風呂に入った。
「ん?」
声が聞こえた。俺が振り返ると、そこにはタオルを巻き、全裸の一歌たちがいた。
「柊くんだーっ!」
「ちょっと話すか」
「うん!」
もう何も気にしてない。咲希が俺の隣にくっつき、俺と話した。
「柊くんはどういう感じで教えてくれてるの?」
「俺はみんなに合わせてるよ。みんなの気持ちに」
「私たちの気持ち……」
「そう。咲希にもあるだろ?」
咲希は「うんっ!」と言った。その後、咲希は俺に密着して、同じことをみんなに聴いていた。
一歌は「昔みたいに仲良くなりたい」
咲希は「みんなと一緒にライブをやりたい」
穂波は「みんな仲良くしたい」
志歩は「絆を取り戻すことは前提として、ライブを完璧にやりこなす」
ということだった。
「みんなそれぞれだろう?それを目指して俺は教える」
「じゃあ、私たちもそれを目標にしないとね」
志歩が言うと、みんなが頷いた。
「それにしても、なんで咲希と柊くんがそんなにべったり?そんなに距離近かったっけ」
志歩が俺をじっと見てきた。
「だったら志歩もくっつくか?」
「咲希ちゃん、身体洗おうよ」
「あ、うん!」
咲希が穂波に呼ばれて出ていった。俺と志歩が2人だけになり、志歩はくっつきたかったのか俺に寄ってきた。
(横からか~)
俺がそう思っていると、志歩は正面から来た。そのまま正面からくっつく。
「これでもいいんでしょ」
志歩は俺の背中を寄せ、ますます密着させた。
「志歩……これは……」
「くっついていいって言ったじゃん」
小悪魔のような目をしていない。少し恥ずかしそうな、緊張してそうな目。
「柊くん、洗い終わったから入るよー」
3人が入ってきた。
「志歩ちゃん独り占めだね」
「あとは一歌にあげる」
志歩は俺から離れると、一歌は俺を抱き寄せた。
「まったく、君らは……」
苦笑いをした。ただ、これも含めてLeo/needなんだろうな。