俺の迷い込んだ世界が…… Season2   作:月島柊

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第20話 ライブが終わって

 

 ライブが始まった。

俺はLeo/needとSTAR NIGHTの7人と一緒にステージに上がった。歓声がステージ全体に響き渡り、約10年ぶりのライブがスタートした。

 

「みんな、久しぶり」

 

海斗のその一言で始まった。その瞬間、歓声が一気に増える。

 

「およそ10年ぶりの復活、STAR NIGHTです」

 

俺が言う。歓声は拍手へと変わり、明るくなった。

 

「10年経っても俺たちの絆は切れないまま、今回ライブします」

「今回俺たちだけじゃ物足りないので、Leo/needにも来てもらいました」

 

4人全員がセリフを言った。

 

「みなさん、こんにちは。Leo/needギター担当、星乃一歌です。みんな全力で演奏するので、是非聴いてください!」

 

一歌が勇気を振り絞って言った。

 

「まずはSTAR NIGHTから!曲は──」

 

 

 あぁ、懐かしい。

ペンライトが様々な色で光り輝き、汗をかくほどに全力で歌っている。

確か10年前もこんな感じだったっけ?みんなでライブして、ライブの次の長期休暇で気分転換に出かけて……

あ、そうだ、次はどこに行こうかな。長期休暇だったら一歌たちも休みだろう。どこ行こうかなぁ……

 

 ライブが終わる。舞台裏にあったアンケート結果を見るために舞台裏に向かった。個人でいいと思ったバンドにシールを貼っていく。計算しやすいように、excelで先に線を引き、横20枚ずつしか貼れないようにした。

 

「えっと、STAR NIGHTは8列と17枚」

「Leo/needは……」

 

一歌は数え始める。

 

「8列と17枚……」

 

同率か……それぞれ177枚で、354枚。票入れてない人もいるが、収支は黒字。

 

「引き分けだな」

「俺たちと同じレベルか。Leo/needもすごいな」

 

バンド歴7年とかの俺たちと同レベルまで来てる。恐らく、いや、絶対に上手い。間違いない。

 

「私たちなんてまだまだだよ……」

「まだ改善するところはあるし」

 

一歌と志歩が言った。

 

「だって俺たちと同じレベルなんだろう?俺たちはもう累計で7年はやってるんだし、それと同じなのはすごいと思うけど」

「もっと向上させるのはいいと思うが、自信は持ってくれよ」

 

俺と魁が言う。

 

「あ、うん。それは分かってるんだけど、なんか、その、柊くんたちが何か考え事してたから」

 

あ、気付かれてた。さすがLeo/needだ。

 

「あぁ。次の長期休みにどこ行こうって考えてたんだ」

「毎年遊園地だから、他のとこも行きたいしな」

 

Leo/needはみんな考えていた。

 

「あ、でも、私たちが行くわけじゃないよね」

 

穂波が言った。

 

「え?誰が君たちと行かない、なんて言った?」

「え?」

「え?君たちも行くよ?」

 

咲希と穂波は向かい合って飛び跳ねた。穂波、胸、揺れてるよ。

 

「だからどこがいいかなって」

「……すき……」

 

一歌と志歩がなんか言った。

 

「スキー?いいね」

 

魁がスキーって言ってるし、多分スキーって言ったんだろうな。

 

「あぁ。じゃあ、スキーで決定な。スキー板とかは俺たちの知り合いが作ってくれるから。ちゃんと教えるよ」

「え、うん」

 

一歌は少し焦って言った。

 

「どしたの?一歌ちゃん」

 

海斗が覗き込んだ。悔しいというか、羨ましいという気持ちになって海斗より前に出た。

 

「なんか顔赤いね」

 

俺は一歌の手を掴んだ。一歌の手を握ることって、今までになかったな……

 

「行くよ、一歌」

 

俺はみんなの中から抜け出した。一歌と2人きりでいたい。そんな思いがあった。

一歌と2人でいられる、観覧車まで来た。他のみんなはSTAR NIGHTそれぞれの家や、練習場所で2人きりになっているらしい。

 

「一歌」

「なに……?」

 

一歌に俺は抱きついた。

 

「んん!?」

「好き」

 

一歌は最初は硬直していたが、ずっと抱きついているうちに力が抜けてきて、一歌からもハグしてくれた。

 

「私も……」

「ん。知ってた」

 

すると、俺の胸ポケットにあるスマホのバイブが鳴った。

 

「ひゃうん!?」

 

一歌が驚いて俺から離れる。

 

「あ、ごめん」

 

俺はスマホを取り出した。

 

「もしもし」

《あ、来週からのスキーさ、ちょっと話し合いたくてさ》

 

龍夜からだ。って、今は……

 

「え、あ、えっと……」

 

まずい、この状況見られると……

 

「悪い、今ちょっと外せないんだ」

 

俺は時計を見る。18時半、夜景が綺麗。って、そうじゃない。この近くに確かテレワークのスペースがあるはずだ。そこまで歩いたら5分くらいか?

 

「19時からでお願いできるかな」

《あぁ、分かった。じゃ》

 

龍夜は電話を切った。

 

「はああぁぁぁ」

 

俺は大きなため息をついた。

 

「ふふっ」

「な、なんだよ……」

「なんか、そういう柊くん初めて見た」

 

一歌は笑った。笑顔が天使だ。

 

「そ、そうか……?」

 

一歌のかわいさと見られた恥ずかしさで少し暑くなる。

 

「あ、ほら。夜景綺麗だよ」

 

俺は会話の話題を逸らした。それに一歌も気付いて、話を逸らしてくれた。

 

「ホントだ。綺麗だね……あっ、そういえば──」

 

夜景は綺麗だった。ただ、それよりも一歌の横顔が、俺は印象に残った。

 

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