俺の迷い込んだ世界が…… Season2   作:月島柊

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志歩ちゃんの視点から始まります。
(雫って出てきたことあるよね……?)



第24話 帰還

 

 部屋にいたのは私だけの1人。魁は病院に行っているそうだ。一歌の迎えとかなんとか言ってた。

 

(暇だな……)

 

私がそう思っていると、私のスマホが鳴った。電話だ。私は相手を確認した。

 

「お姉ちゃん……」

 

お姉ちゃんだ……電話は大丈夫だって言ったのに……でも、出ないとダメだよね。

 

「もしもし──」

《しぃちゃん元気!?》

 

うるさっ……

 

「大丈夫だって。というか、電話はしなくていいって言ったじゃん」

《あら、大丈夫ってそういう意味だったのね》

 

解釈の食い違いか……

 

《いつ帰ってくるの?》

「1月4日。初日の出と初詣は私たちでやるから」

《分かったわ。気をつけてね、しぃちゃん。あと──》

 

私は電話を切った。もう、なんでお姉ちゃんの声をここでも……

再びスマホが鳴った。またお姉ちゃんかな、さっき切ったし……

見てみると、相手は柊くんだった。

 

(柊くん……!)

 

私は急いで応答を押した。

 

「もしもし」

《志歩か》

 

出たのは魁だった。病院に着いたんだ。

 

《柊が志歩と話したいんだとよ。いいか》

「うん。いいよ」

 

次に出たのは柊くんだった。

 

《もしもし、志歩?》

「柊くん!」

《俺は大丈夫だよ。今日中に帰るから》

「一歌たちと帰ってくるの?」

《そう。3人で帰ってくる》

 

よかった……柊くん帰ってくるんだ。

 

「わかった。話ってそれ?」

《うん。あとは志歩の声聞きたいなって思っただけ》

「分かった。早く帰ってきてね」

《分かった。じゃあね》

 

柊くんは魁に代わった。

 

《ということだ。なんかあるか》

「大丈夫。じゃあね」

 

魁は電話を切った。柊くん帰ってくる……大丈夫だったんだ。

 

 夜になって、辺りは暗くなった。

 

【月島柊視点】

 

 俺の搬送された病院は新潟県内であることに変わりは無いが、長岡にある病院だった。どうも越後湯沢付近にある病院が空いていなかったらしい。

 

「こっからどう帰ろうか」

「取りあえず最寄り駅まで行くか」

 

魁は最寄り駅を調べてくれた。地図上、最寄り駅は宮内駅らしく、歩いて行ける距離だった。

宮内駅に着くと、俺たち3人は電車に乗った。17時に着いたためかなり暇だったが、18:02発越後中里行きに乗車。越後湯沢まで1本だ。新幹線でもよかったんだが、俺たちお金持ちじゃないから。節約だ。

 

「越後湯沢何時に着く?」

「19:15だってよ」

 

1時間余りか。

 

「結構空いてるし、なんか話さない?」

「誰か1人くらいいるだろ」

 

俺が立ち上がって見てみると、宮内出発時点で1号車は俺たちしかいなかった。2号車には数人いそうかな。

 

「いない」

「迷惑にならない程度だったらいいだろ」

「柊くんの怪我も治ってきたし?」

「そうだな」

 

俺たちは何もバンドに関係ないことを話し始めた。明日何するだとか、スキーの内容どうするだとか、果てにはまだ2日後の大晦日何するかまで。本当に関係ない。

ただ、楽しかった。こんな話するのもいいものだ。

一歌も、魁も笑ってたし。

 

 電車は浦佐駅を発車。新幹線だったら宮内を17:25に出る長岡行きで長岡へ、そのあと長岡17:44発とき338号東京行きで越後湯沢へ向かえば18:10には着けた。そのあとの18:08発とき340号東京行きでも18:28に着けた。

普通電車だから遅いが、浦佐で7分乗り換えをすればとき342号東京行きに乗れる。越後湯沢到着は19:01。15分ほど早く着く。

しかし、俺たちは普通電車のまま向かった。

 

「外すごい雪だな」

「少し不安になってきた……」

 

一歌が言った。確かに、こんなに積もってると心配だ。積もった雪は電車の屋根まで積もっていて、線路だけ除雪されている程度。それでも線路はあまり見えないが。

 

 六日町に18:53に到着すると、車掌からの放送が流れた。

 

「この先、石打~越後湯沢駅間の大雪のため、この電車当駅で一旦運転を見合わせます」

 

運転見合わせ。外は確かにすごい雪だ。

 

「まずいかもな……」

「帰れるかな……?」

 

俺たちは不安でいっぱいだった。

5分後、新たな放送が入った。

 

「お客様にご案内いたします。この電車、当駅にて運転を取りやめます。この先塩沢、越後湯沢をご利用のお客様は4番線からの19:03発、ほくほく線からの普通越後湯沢行きをご利用ください。上越国際スキー場前、大沢、石打ご利用のお客様は、このあと19:57発普通電車越後湯沢行きをご利用ください」

 

俺たちは指示に従い、4番線に移動した。越後湯沢に向かう人たちが全員4番線に移動したため、一瞬でホームはいっぱいになった。

19:02、時刻通り到着。上越線からの乗り換え客で少し混雑した列車は19:04、六日町を出発した。

さっきまで乗ってきた電車は、六日町19:09発長岡行きで折り返したらしい。越後湯沢~水上駅間運転見合わせのため、19:09発長岡行きは水上~六日町間で運休、六日町始発として運転したそうだ。

 

「少し混んでるね」

「まだ立ち客が出るくらいだから大丈夫さ」

 

この電車の後を走る、六日町19:57発越後湯沢行きが今日の最終となり、長岡方面も越後湯沢20:31発長岡行きが最終となった。越後湯沢20:31発も越後中里~越後湯沢間運休だ。

ほくほく線からの電車は全て六日町折り返しで、俺たちがギリギリだった。

 

 越後湯沢には途中の徐行もあって19:25、4分遅れて到着。少し歩いて、19:45にはホテルに無事帰還。

志歩がエントランスで待っていて、俺が着くなりすぐに近づいて手をつないだ。

 

「ただいま、志歩」

「心配したんだから。無事でよかった」

 

志歩を含めた4人で俺たちは自分の部屋に戻った。

3回まで上がると、穂波と咲希が俺たちをお出迎え。龍夜と海斗は穂波と咲希の後にいた。

 

「ただいま」

「おかえり、柊くん」

「おかえり!」

 

俺はその4人に手を振って部屋に入った。

 

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