1月2日、俺たちは別々で行動した。19時集合、19時半解散で計画されている。
今は9時半前。一歌と一緒にいるんだが、今いるのは大宮氷川神社。初詣に来ている。
志歩は雫のお願いで姉妹そろって初詣へ。魁も一緒に行っているらしいが。
咲希は海斗と一緒に初詣へ。お兄さんもいるらしいが、お兄さんの方は他の人と初詣に行っているらしい。
穂波は龍夜と一緒にデート。初詣ではなく、デートに行っているらしい。
さて、俺の話に戻ろう。
俺は大宮氷川神社に来ているのだが、人はやはり大勢いる。初詣のピークということもあるが、鳥居をくぐる前にすごい行列。屋台もあったが、行くだけでも苦労しそうだ。
「一歌、手繋いでおいて」
「うん」
一歌は俺と手を繋ぐ。まだかなりの時間がかかりそうだ。
「人混み大丈夫か?」
「うん。大丈夫」
列は少しずつ進んでいく。
お賽銭のところまで来て、一歌は俺から5円を貰い、俺は10円を投げた。
願い事はもう決まっていた。
(Leo/needとSTARNIGHTがずっと一緒に、頂点を目指せますように)
STARNIGHTだけで頂点に行くんじゃ、物足りない。8人全員で行くのだ。
俺と一歌は人混みをかき分け、おみくじをしに向かった。
「柊くん、見て。あれ」
一歌はおみくじを指した。
「あぁ。行こうか」
俺たちはおみくじを買いに行った。
結果は、俺が吉、一歌が中吉。
「何事にも全力を尽くして行動せよ、だとさ」
「恋愛のところ、最もあなたを愛している人はあなたの最も近くにいるでしょう……」
一歌は顔を紅くして言った。
「俺は、あなたのことを大切に思っている人でしょう。共に行動することが多い人こそ、あなたを愛している人でしょう……」
これ、お互いのことだよな。
一歌は俺の顔を見た。身長差で上目遣いになっていて、なんか、かわいい。
「どうした?」
「私を愛してる人……」
「俺だろ?」
俺は一歌のことを撫でた。一歌は笑って撫でられていた。あぁ、かわいすぎる。
「一歌、行こう?」
「うん」
俺は一歌の手を握って氷川神社から出た。
このあとどこに行こうか、もう決めていた。取りあえず昼ご飯を済ませた俺と一歌は、目的地を一歌に教えずに電車に乗った。12:39発快速大船行きで南浦和へ。気付かれないようにわざと遠いルートで行った。
「柊くん、どこ行くの?」
「一歌に似合う場所だよ」
俺はそれだけ言った。
12:51、南浦和に到着。13:15発東京行きで目的地へ行きたいのだが、まだ時間が早い。もう少し迂回しよう。
「13:04発南船橋行きね」
「ねえ、どこ行くの?」
「内緒」
「むぅ……」
一歌は頬を膨らませた。
南船橋には13:54。13:58発快速蘇我行きで蘇我。14:15に蘇我に到着。14:20発千葉行きで千葉、千葉を14:31に出発する成田行きに乗車中。
「ねぇ、飛行機乗るの?」
「乗らないよ」
「じゃあどこ行くの?」
「あと3時間くらいかなぁ」
時間はそのくらいだ。
14:49、佐倉に到着。そのあとすぐ、15:03発銚子行きで成東へ。成東15:28。15:37発大網行きで大網、16:00発快速東京行きで蘇我。
蘇我である物を買い、16:35発各駅停車東京行きで海浜幕張、17:03発各駅停車東京行きで目的地へ。本当はもっと速く着けたが、時間もあるからだ。
「一歌、悪いな。着いたぞ」
「公園?」
俺と一歌は駅から出て歩き始めた。
「一歌、ちょっとごめん」
俺は一歌に目隠しをした。
「えっ!」
俺は一歌の手をつなぎ、例の場所に向かった。
観覧車。デートといえばここだろう。夜景を一歌と2人きりで見たかったのだ。
「柊くん、見えないよぉ」
「もう少しだから、ね」
俺は観覧車の乗り場の前に立った。俺はスタッフさんに人差し指で合図を送り、一歌を乗せた。スタッフさんも笑って手を振ってくれた。
「一歌、外すよ」
俺は一歌の目隠しを外した。一歌は目をこすってから、外を見た。
「うわぁ……!」
一歌は外の景色に釘付けだった。
(今のうちだな)
俺はバッグの中からある物を出した。一歌は相変わらず外を見ている。
「一歌」
「ん?」
一歌はこっちを向いた。俺は一歌の前でこれを差し出した。
「大好きだ。一歌」
俺は一歌に渡した。
「これ、指輪……?」
そう、指輪だった。
「おみくじの結果からね」
一歌は左薬指にはめて、俺に抱きついた。
「柊くん……!大好き!」
辺りは暗く、もう集合時間も近かった。場所は渋谷駅より表参道駅の方が近いため、地下鉄で行くことにした。
18:13発各駅停車東京行きで新木場へ、新木場18:21発各駅停車石神井公園行きで永田町に向かう。
「結構早く着いちゃいそう?」
「そこまでだよ。10分前くらい」
永田町から半蔵門線に乗っていくが、そこまで時間はかからない。
「今日で一旦終わりだもんね」
「あぁ。まぁ、うちの会社も三が日が終わって忙しくなるからね」
三が日が終わって忙しくなるため、会社が貸している練習場所もしばらく使えなくなる。
「なんか寂しいな」
「そうか?だってまた来週には会えるじゃないか」
「そうだけど、長いじゃん」
確かに、今までほぼ毎日会っていると長く感じるか。
「その分、上手くなった演奏を聴かせてくれるんだろ?」
「うん、頑張る」
もうお別れみたいだけど、まだ1時間ある。みんなで話し合いがあるからだ。
永田町には18:38。このあと18:45発各駅停車中央林間行きで表参道へ。
「みんなもう着いてるかな」
「どうだろうな。俺たちが早いかもしれないし」
もう15分前だが、着いてるか分からない。
18:49、表参道に到着。事務所は表参道から徒歩2分のところにある。
「あっ、柊」
龍夜が穂波と手をつないでこっちに歩いてきた。
「よう。って、そっち渋谷駅の方向じゃないだろ」
「あぁ。というか、君らもだろ」
「半蔵門線で来たからな」
「だったら俺らも千代田線で来てるから」
両方表参道からだったらしい。目的地の詮索はやめておくが、多分小田急の方向だろう。
事務所に着くと、先に魁と志歩がいた。
「魁、海斗たちは」
「なんか電車が遅れてるらしい」
電車が遅れてるんだったら仕方ないか。
俺たちはホワイトボードを持ってきて、話し合いの準備を始めた。
「次はライブハウスのゲスト出演だったな」
「あぁ。何もSTARNIGHTにOPS(オープニングソング)、Leo/needにEDS(エンディングソング)をやってほしい。ということだ」
俺たちがそんなことを話していると、咲希と海斗が3分遅れてやってきた。
「ごめん、ちょっと遅れたよな」
「いや、たった3分だ。気にするな」
咲希と海斗はすぐに席に座り、話し合いに参加した。
「ホワイトボードに書いてある通りな」
「了解!」
咲希が元気よく言った。
「とりあえず、配置はいつも通りの、広さがそこまでだから、そこまで音量は出さなくていいかな」
「分かった。ドラムの位置も同じでいいか」
「いいんじゃないかな。というか、若干後ろでもいいかも」
STARNIGHTとLeo/needに分かれてるが、やはり時間がかかる。
「じゃあ次は──」
俺たちは次々に書いていく。Leo/needと頂点に立ちたい。みんなと一緒に過ごしたい。そんな思いの一心だった。
20:40、1時間10分遅れて話し合いが終わった。一歌たちを家まで送り、俺たちは帰路についた。
全員渋谷駅まで歩いていき、全員別々の電車に乗る。
魁が21:10発湘南新宿ライン快速小田原行き
海斗が21:10発東急東横線各駅停車元町・中華街行き
龍夜が21:15発京王井の頭線急行吉祥寺行き
俺が21:12発山手線外回り
龍夜が井の頭線で帰るのは珍しいが、井の頭線で行くと若干早く着くかららしい。
俺は新宿で21:24発中野行きに乗り換え、21:31に中野に着いた。
これで俺たちのスキー旅行が終わった。次Leo/needに会うのは来週。1月8日になる。