俺の迷い込んだ世界が…… Season2   作:月島柊

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第38話 帰省 2日目

 

 俺は志歩と別れ、父さんと一緒に今日のバーベキューの材料を買いに行った。静岡の中心部から若干離れたところにあるため、車で移動する。

 

「何入れようかな。やっぱ肉だよな」

「まぁ……そうだな。あとは野菜もほどよくあれば」

 

なりとど、

女子も結構いるし。

 

「魁、そっちの方に野菜あるから」

「了解」

 

俺は父さんに言われて野菜を買いに行った。

 

 家に帰ると、1階に彩花と志歩が一緒に降りていた。なんか仲が良さそうだ。

 

「ベースってどんな感じなの」

「音が低い。あと、周りを引っ張ってる感じがする」

 

2人で会話が盛り上がっててよかった。そこまで長い付き合いじゃなかったんだけどな。

 

「あ、おかえり、魁」

「おかえり、お兄ちゃん」

 

2人が俺の方を向いた。なんだ、意外と合うなこの二人。

 

「よ。仲良くなったのか」

「うん。楽しい」

 

彩花が言った。相変わらず無表情だが、内心はきっと嬉しいだろう。

 

「そうか。何話してたんだ」

「お互いがやってること。お兄ちゃんも話す?」

「そうしようかな」

 

志歩とやってることは大して変わらないけど。

彩花は俺を隣に呼んで、話し始める。

 

「お兄ちゃん、東京で何してるの?」

「JRに勤めてるよ」

「じゃあ、ベースやる時間って」

 

志歩には話してなかった。というか、みんなの職業も教えてる人は少ないか。

 

「1日1時間程度はやってるけどね」

「お兄ちゃん、楽器好きだもんね」

 

彩花が横から言った。

 

「そうなの?」

「早い時期に引っ越したけどね」

 

中学からあいつらと一緒だったし。

 

「STARNIGHTだっけ。どう?」

「面白いな。STARNIGHTでいると」

 

あいつらといるとなぜか楽しくなってくる。みんなある程度本気で、ただ無理しない。平和なバンドだ。

 

「私もバンド組みたいな」

「組めばいいじゃん」

「そんな人いない」

 

この辺だと誰もいないか。そもそも同級生も離れてるもんな。

 

「なんか楽器やってるの?」

 

志歩が彩花に聞く。

 

「ギター。アコギはできるけど、エレキは……」

「エレキだったらバンド内に上手いやついるぞ」

 

俺は彩花の部屋に連れて行った。

彩花の部屋で俺のスマホとテレビを繋げ、柊の動画を見せた。ちゃんと撮るって許可はした。

 

「これ、柊くんだよね」

「許可は取った。多分」

 

そう話していると、柊がギターを弾き始めた。

こう見ると、柊がギターを弾いてる姿勢、綺麗だ。意識して見たことがなかったが、意外と前向いてるな。

 

「あ、ここでもう1人入ってくる」

 

入ってきたのは一歌。途中から志歩も入ってきて、ギターとベースのセッションになった。

 

「かわいい、この人……」

「昔のお前に似てたか」

 

ロングヘアなのもあるけど、笑顔を見せる。彩花もそうなれるように努力してるんだろうな。

 

「あれ、これお兄ちゃん?」

「あ、そう。志歩が俺と交代した」

「疲れてきたから」

 

動画はそれからちょっとして終了。このときはギターの練習で動画を撮っていた。

 

「アコギはできるんだっけ」

「うん。ちょっと待ってて」

 

彩花はギターを取りに行った。すぐに戻ってきて、ちょっとだけだが弾いてみせてくれた。

 

「どう?」

「上手いじゃん」

「うん。大人しい感じだった」

 

彩花は少し照れた様子でギターを置いた。

 

「ね、その人のこと教えて」

「柊のことか?」

 

彩花は頷いた。こういうところであいつは女から好かれるんだよなぁ。

 

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