俺の迷い込んだ世界が…… Season2   作:月島柊

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第40話 帰省4~5日目

 

 「ね、電車で行かない?」

 

俺が富士駅の前を通ろうとしたとき、彩花が言った。

 

「まぁ、いいけど」

「じゃあそうしよ」

 

彩花は車を止めるとすぐに車から降りた。そんなに電車が好きだった訳でもないはずだが……

取りあえず降りた俺たちは、彩花に連れてかれるままホームに行った。次は14:34発島田行き。

 

「彩花、急にどうしたんだ?」

「なんか、電車旅してみたかった」

「なんかゆっくりしたかったってこと?」

 

志歩がそう聞くと、彩花は頷いた。

 

「まぁいいけどさ。ほら、来たぞ」

 

俺たちは電車に乗った。

 

 イオン清水に着くと、彩花や志歩の行きたいところについていった。服を買いに行ったり、少し買い物したり。

今は志歩の新しい服を探しているところだった。普段着で、軽めな感じがいいらしい。多分志歩の性格上、かわいいのは好きじゃないだろう。

 

「志歩、こんなのどうだ」

 

俺は志歩を呼んで、俺が選んだ服を見せた。

 

「ロゴ派手じゃない……?」

「そうか。じゃあ彩花のとこ行ってな。あいつだったらいいの持ってくる」

 

志歩は彩花のところに行った。俺にはファッションセンスはないし、彩花の方が圧倒的にファッションセンスはある。

 

「志歩、ねぇ」

 

あんまり分からないからなぁ。やっぱり柊みたく長い時間いた方がいいのだろうか。

結局、服は見つからず、俺たちは昼食のためにフードコートに行った。全員ラーメンで、志歩も幸せそうだった。

 

「志歩、おいしいか」

「うん」

 

志歩は静かに答えた。静かに食べたいんだろう。

 

「あと少しだからなぁ、こっちにいられるの」

「え、そうなの?」

 

彩花が言った。志歩は黙々と麺をすする。

 

「あと今日入れて2日だからな」

「そうなんだ」

 

俺たちはラーメンをさっさと食った。

 

 家に着いたあと、俺と志歩は2人で部屋にいた。夜になっても同じ部屋にいたが、少し気まずい空気。なんでだろう。

 

「志歩、なんかあったか?」

「ううん。魁こそ、何かあった?」

「なにもない。じゃあ、寝るよ」

 

俺は電気を消した。同じ布団に入るのもあって、流石に両方とも無愛想にはしない。

 

「ん……」

 

志歩が俺の胸に顔を埋めた。

 

「志歩?」

「寒い……」

 

起きてたのかよ。寝ぼけてんだったら別だけど。

 

「あったかくしろよ」

「じゃあ……」

 

志歩は俺のことを抱きまくらにして眠った。

 

「まったく……」

 

 

 翌朝、帰る準備をし始めた。1週間くらいしかいられなかったが、彩花も嬉しそうだったし、なんか満足だ。

 

「志歩、荷物まとめとけよ」

「ん。しばらく練習もしてないし」

 

志歩はスーツケースに着替えをまとめ、2階に行った。

 

「着替えの準備するから、入らないでよ」

「分かった」

 

俺はリビングに行った。って、着替えだったらもうまとめたんじゃないのか?

 

「あと志歩が入れてない物……あ、フェニーくん」

 

フェニーくん、そういえば入れてないよな?ってことは……

 

「フェニーくん取りに行ったな」

 

そう思っていると、志歩が戻ってきた。フェニーくん1つを両手で持って降りてきた。

 

「ふふ、かわいい」

「志歩、彩花に帰るって言ったか」

「っ!!!」

 

志歩はフェニーくんを後ろに隠す。あ、そんなに見られたくなかったんだな。

 

「い、言ってくる!」

「いってらっしゃい」

 

志歩はフェニーくんをすぐにリュックの中に入れて彩花の部屋に行った。

しばらくして、彩花と一緒に戻ってきた。明日帰るんだし、まだ帰るって言うのは早かったか。

 

「明日帰るの?」

「あぁ。俺の仕事もあるからな」

 

彩花はリビングに行って志歩と話していた。すっかり仲良くなったようで、志歩も楽しそうだ。

 

(よかった。志歩楽しそうで)

 

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