俺の迷い込んだ世界が…… Season2   作:月島柊

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第44話 帰省初日

 

 家は暖かくて、1回入るともう外に出れなくなった。咲希も俺の隣できなこを抱いて座っていた。

 

「あったか~い……」

「あったかいな……」

 

2人でそんな感じにくつろいでいると、桜花がこっちに来て俺の隣に座った。

 

「どうしたん?」

「ヒント、もこもこ」

 

桜花の手にはハナがいた。

 

「ハナ、冬毛に変わってたんだね」

「うん。もふもふだよ」

 

ハナはこっちに歩いてきて、俺と桜花の間に丸くなった。

 

『かわいい!』

 

俺と桜花が同時に言った。

 

「あの、桜花さんと海斗って姉弟ですか?」

「うん。そうよ」

「こいつが姉だとはな」

 

俺がそう言うと、桜花は俺の頬を引っ張った。

 

「痛いって」

「いいでしょ、こういう姉でも」

 

多分不満を言ったら殺される。間違いない。

 

「そうっすね」

「んー?」

 

怪しげな目で見るな。

 

「ほら、藤花いるんだろ?」

「藤花も暇だしねー」

 

俺は立ち上がって藤花のところへ行った。藤花はリビングのカーペットの上に横を向いて寝ている。行儀悪いな、こいつ。

 

「藤花、起きろ。風邪ひくぞ」

 

藤花はピクリとも動かない。俺を脅かそうとしてるのか?俺は藤花の脇のあたりをつまむ。それでも反応がない。

 

「藤花?」

「っ!」

 

藤花が少し笑い始めた。あ、絶対起きてるわ。

 

「あれ、藤花起きてないな……」

 

俺は藤花の頬をつつく。

 

「むっ」

「あ、起きた?」

 

藤花は起き上がって、俺をにらみつけた。

 

「気付いてたでしょ」

「バレた?」

 

藤花は俺をポカポカグーで叩く。なんか子どもっぽい。

 

「どうしたの?って、海斗?それに藤花さんも」

 

藤花は咲希の横に行った。

 

「海斗には気をつけてね?」

「誤解を与えるな」

 

藤花はふふっと笑って桜花のところに行った。俺も咲希と一緒にそのあとをついていく。

結局みんなで温まることになり、誰もそこから動かない。まぁ、前にストーブがあったらそうだよね。

 

「ハナ、おいで」

 

桜花はハナを抱きかかえる。ハナは桜花を上ろうとするが、桜花に押さえられて諦めた。

 

「全く、やらしい猫……」

「ん?」

「私の乳首プニプニするのよ?やらしい猫め……」

 

俺はハナをこっちに呼んだ。ハナはぴょんっと跳んで俺の膝の上にのっかる。

 

「ハナ、肉球」

 

俺は肉球を触った。ハナは動じていない。

 

「柔らかいなぁ、肉球」

「きなこ、突進」

 

きなこは藤花の命令に従わず、俺にスリスリしただけ。

 

「藤花もプニプニするか」

「うん!」

 

俺はハナを藤花に預ける。きなこは藤花の隣にいる咲希のところへ。

 

「ねぇ、かわいくない?咲希ちゃん」

「だよな。元気だし」

 

桜花は咲希を笑顔で見ていた。咲希はかわいい。異論はない。

 

「いいなぁ、海斗も彼女か」

「相手は高校生だよ。いくらなんでも、ね」

 

桜花は「そうねぇ」とおっとりとした声で言った。

藤花に少し似てるかな。明るさは少し上だけど、なんか何事にも突っ込んでいくのは藤花に似てるかも。

 

「あ、海斗、そこ──」

 

桜花の方を向くと、ハナときなこが俺の膝をクンクン嗅いでいた。

 

「なぜ嗅ぐ」

「さぁ?」

 

俺はハナを右手に、きなこを左手で抱え、藤花と咲希に渡した。

 

「ハナ、撫でさせてっ」

「きなこちゃん、みみー」

 

2人ともかわいがってる。咲希に至っては耳が目的か。

 

「かわいいな……」

「どっちが?」

「両方」

 

俺は咲希たちを見ながら言った。

 

 俺は今日から泊まる部屋に移動した。元々俺が使っていた部屋をそのままだ。

 

「結構広いんだね」

「2人で過ごせるくらいには」

 

俺は荷物を置くと、ベットに横になった。咲希も荷物を置いてから俺の隣に来た。

 

「疲れたねー」

「だなー」

 

俺と咲希は同じ布団に入ってくっついた。布団が少し冷たかったが、くっついているうちに暖かくなってきた。

 

「あったか……」

「海斗つめたーい」

 

咲希は俺の手をぎゅっと掴んだ。

 

「あったかいな。なんでそんなにあったかいの?」

「体温高いんだ、私」

 

平熱高いと暖かくなるって本当なんだな。なんか気持ち的なものだと思ってた。

 

「咲希のことずっとこうしてたいな~」

「えぇ?それはちょっと困っちゃうなぁ」

 

俺と咲希はハグし合いながら話していた。

 

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