俺と咲希は帰省中、ずっと2人ペアでいた。どっちかが欠けることもなく、ずっと一緒だった。
桜花は俺の隣の部屋で爆睡中、藤花はリビングでなんかしてる。
「ねぇねぇ、雪降ってるよ」
外を見ると雪が降っていた。草津なのもあって雪は降る。まだ冬だからな。
「外行ってみるか?」
「行く!」
咲希は家を飛び出て雪を堪能しにいった。俺もそのあとゆっくり外に出て咲希を見ていた。無邪気に雪ではしゃいでいる。子どもっぽいな。
「お兄ちゃん、雪だるま作ってあげたら?」
「雪だるま?あぁ、よく作ったな」
母さんが帰ってくる前に俺と桜花で作って藤花に見せてたな。懐かしい。もう10年以上前だ。
「お兄ちゃんの雪だるま、かわいいんだもん」
俺はそこら辺の雪をかき集め、転がして球をつくった。雪を固めて、直径20cmくらいの雪玉を作った。その上に直径15cmくらいの雪玉をのせる。
作っていると桜花が降りてきて、俺と一緒に作り始めた。腕はそこら辺の木の枝で、目はそこら辺の丸い石、鼻は枝を使い、雪だるまができた。
「すごーい!おっきい!」
「流石だね、お兄ちゃん、お姉ちゃん」
雪だるまを久しぶりに作ったが、案外疲れる。いい運動になるな、これ。
「海斗、この雪だるまどうする?」
「かまくらにでもするか?」
桜花は雪だるまの前を見て言った。
「ちっちゃくない?」
「別の作るか」
俺と桜花はさっきよりもっとデカい雪玉、直径1mくらいの雪玉を作り始めた。咲希も少し手伝って、かまくら作り。豪雪地帯で、雪は多い。
「さむ……」
「海斗、手袋しないで作ってるからよ。藤花と休んでていいから、手温めなさい?」
「う……じゃあ、頼んだ」
俺は家の中に行って藤花の隣で手を温めた。
「手赤っ!」
「ずっと雪触ってたから」
手がジンジンする。温まっている証拠だろうか。
「お兄ちゃん、1回無理して凍傷なってるんだから、無理しないでよ?」
「分かってるって。あの時は少しやり過ぎただけだ」
凍傷になったときは辛かったなぁ。両手使えなくなって。
「お兄ちゃん、手が命なんだから」
「善処します……」
「手使えなくなったらバンドできないじゃん」
それは困る。取りあえずバンドはやりたい。
「バンドは俺の一部だからな。あ、藤花こそ大丈夫なのか?肺の方は」
藤花は中学の頃、肺が弱く、半年に1回くらいの頻度で入院していた。
「肺はすっかり治ったよ。1回死んじゃうかと思ったけど」
そう言うと、外から桜花が言った。
「藤花、1回入院中に点滴まで行ったの。まぁ、その後治ったんだけど」
「今治ってるんだったらいいことだ。昔があるから今がある。この通りだな」
みんな「なにそれ」と俺を見つめる。
「昔があるから今がある。俺の座右の銘だ。STARNIGHTはみんなについてる」
俺が始めたことだが、いつの間にかSTARNIGHT全員についていた。
「海斗にも座右の銘があったのね」
「いいだろ?別にあっても」
俺は藤花の肩に手をまわした。藤花は俺を見て、俺の肩に頭を乗せた。
かまくらが出来上がると、桜花と咲希は家に入ってきて、ストーブの前に座った。寒いんだろうな。
「咲希、寒いか」
「うん……」
寒そう。結構暖かい服装だと思ったけど。
「じゃあ、ちょっとしたらかまくら入る!」
「そうね。海斗もそうする?」
「そうしようかな」
「私も入りたい!」
咲希も俺たちに溶け込んでいた。家族だと思うくらいだ。