俺の迷い込んだ世界が…… Season2   作:月島柊

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第51話 2日目

 

 バーベキューが始まると、すぐに龍夜は焼きそばを作り始めた。鉄板でへらを使って本格的だ。

 

「龍夜、焼きそばも作れるんだ」

 

一歌が言った。まぁ、一歌と龍夜はそんなに会わないからな。

 

「作れるぞー。もう少しだからな」

 

俺は一歌の前に紙皿を出した。焼きそばだったし。もしかしたら焼きそばパン目当てかな。

 

「柊くん、コッペパンある?」

「あるよ。ちょっと待ってて」

 

俺は反対側からコッペパンが入っているタッパを取り出した。一歌の前に出すと、一歌はコッペパンを取り出して切り始めた。

 

「やっぱり焼きそばパンか」

「美味しいよ?」

 

一歌はコッペパンを俺に渡す。俺も食えってことか。

 

「美味しいよな、焼きそばパン」

 

俺は紙皿にコッペパンを乗せる。

 

「お前ら準備早すぎるだろ……ちょっと待て」

 

龍夜は紙皿の空いているところに焼きそばを乗っけた。一歌は焼きそばをそっとコッペパンの切り込みに入れていく。

 

「いただきまーす」

 

俺は紙コップにオレンジジュースを入れて一歌の前に置いた。一歌は焼きそばパンを美味しそうに食べている。幸せそうでよかった。

 

「一歌、急いで食うと詰まるぞ」

「ふぐっ?」

 

咥えたままこっちを見る。1つ食べ終わると、一歌はこっちを見た。

 

「柊くんも食べよ?」

「あぁ。ただ一歌が幸せそうだったから」

「だって、美味しいもん」

 

一歌はオレンジジュースを飲み、俺は焼きそばパンを食べた。他のみんなは肉とか野菜とかを焼いて食べていた。

コップを一緒に使うのは一歌も俺も躊躇わなかった。口着けた場所で飲んだりもしてた。

 

「一歌、あーん」

 

一歌は口を開けた。俺はその中に肉を入れる。ちゃんと冷ましてからだ。

 

「もぐっ」

 

かわいかった。一歌が食べてるときってこんなにかわいかったっけ。

 

「柊くんも、あーん」

 

俺が口を開けると、マシュマロを口の中に移した。一歌が咥えてたものだったのもあり、少し恥ずかしかった。口移しだったし。

 

「おーい、イチャイチャするなよ~」

 

海斗が言う。イチャイチャしてるのは一歌のほうなんだけどな。

 

「だめ?」

「ダメって言えないじゃん」

 

俺と一歌は抱き合った。イチャイチャするなよって言われたそばからしてる。

 

「ほら、肉焼けたぞ」

「志歩、食べるか」

 

魁が聞く。志歩は頷いて魁が紙皿に乗せる。

 

「いっぱい食えよ~」

「一歌も焼きそばパン以外も食べろよ?」

「分かった」

 

一歌は肉を鉄板の上にのっける。焼きそば以外に食べようとしたのは肉だったか。

 

 バーベキューが終わると、8人で雑談する時間になった。珍しい組み合わせでの演奏もあり、8人で話す時間が必要だった。

 

「志歩って歌得意?」

「そんなかな。一歌ほどじゃないし」

 

一歌はやっぱり歌得意なんだな。聴いているだけでそう思えてくる。

 

「私も歌は得意じゃないよ」

「穂波も得意じゃないんだ。上手いイメージあった」

 

海斗が言う。穂波は確かに上手いイメージがあった。見かけによらないな。

 

「じゃあ教えてあげないとな」

「龍夜も歌はできるもんな」

「ある程度は、な」

 

STARNIGHTは以前にみんなでカラオケに行って歌を練習していた。それのあって歌が上手い人は多い。

 

「じゃあみんな練習行こうか」

「教えてね、柊くん」

 

4人ずつのさっきのグループに分かれた。

俺と咲希が意外と話していたり、志歩と龍夜が思ったよりも仲が良かったりと、意外な一面もあった。歌を教えていたのは俺だったが。

志歩は「まだ足りないから」と言って、俺と一歌と一緒に部屋で練習した。防音室とまではいかないが、密室であはある。

 

「じゃあ、早速練習始めるけど」

「うん。よろしく」

 

歌の練習と言ったって何をすればいいのだろうか。結局数をこなすしかないと言われればそこまでだが、やるからにはちゃんとやりたい。

 

「何かの曲歌ってみる?」

 

一歌が提案した。いいかもしれない。

 

「そうしようか。志歩、何か歌えるか?」

 

志歩はスマホで調べる。レパートリーが少ないのかな。

 

「一歌が勧めてくれた曲だけど……」

 

ミクの曲だった。やっぱり一歌っぽい。一歌は顔を少し紅くした。

 

「それでいいから歌ってみよ」

 

俺は志歩の歌声を聴いた。

志歩の声は低音が目立つ。高音も綺麗だけど、やはり低音が印象に残る。

 

「低音綺麗だね」

「うん。低音重視してみたら?」

 

志歩は頷いた。これで納得してきたらしい。

あとはそのあと5曲ほど練習し、休憩に入った。

 

 志歩は歌い終わると疲れ果てたようにソファに座った。

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