俺の迷い込んだ世界が…… Season2   作:月島柊

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第8章 海里
第53話 海里と


 

 なぜか一歌たちが来て、賑やかになった。ホテルも一歌と一緒の部屋にした。正直、確かに一歌がいた方が実力が発揮できる気がする。一歌ってかわいいじゃん。素直だし、たまに天然みたいなとこあるし。

 

「一歌、荷物はそっちね」

「うん」

 

俺はベットに飛び込む。

 

「疲れたの?」

「ん?あぁ」

 

一歌は荷物を置いてベットに座る。

 

「明日がメインなんだっけ」

「そうだよ」

 

実際話があるって言われたのは明日だった。なんの話かは分からないが。

 

「隣で寝ていい?」

 

一歌が聞く。

 

「逆に寝ないつもりだったの?」

 

俺がそう言うと、一歌は同じ毛布に入った。

 

「ありがと、柊くん」

「いいんだよ、一歌」

 

俺と一歌は2人で眠りについた。

 

 

 翌朝、起きてみると一歌が俺に抱きついて寝ていた。かわいいなぁ。一歌ってクールにみえてかわいいところもあるんだよな。

 

「ふふっ」

 

俺は思わず笑ってしまった。

 

「ん~……」

 

一歌が唸る。起こしちゃったかな。

時刻は6:30。まだ早いかな。

 

「ん?柊くん……」

 

一歌の髪には寝癖が少しあり、いつものあの髪型とは全く違う。ぴょんと跳ねた髪は俺を誘惑してくる。

 

「かわいい……寝癖……」

「え?……なおす?」

 

一歌は頭を俺の方にやった。俺は直すというより撫でた。

 

「一歌の寝癖言うこと聞くね」

「直る?」

 

簡単に直る。撫でるだけでもある程度直った。

 

「けど、女の子の髪は分からないな」

「じゃああとは私が直すね」

 

少し寝ぼけたような声で言った。大丈夫だろうか……

結果、一歌はいつもの髪型になった上に寝ぼけていない。

 

「いく?」

「いや、まだ早いかな」

 

まだ7:00になってないし、犬山駅に着いても暇なだけだろう。

朝日はもうすっかり上り、地面を明るく照らしていた。流石夏なだけある。

 

 

 

 7:30、俺たちは部屋から出て他の魁と志歩以外と合流した。

 

「もう行くの?」

「あぁ、行こうか」

 

俺はホテルの部屋から出た。魁と志歩以外と合流し、集合の犬山駅を目指した。

名鉄岐阜駅まで歩き、8:11発名鉄各務原線普通犬山行きで犬山まで向かう。

電車に乗っている最中、貫通扉を開けてこっちに来る人影があった。

 

「あれ、魁。この電車だったんだ」

「名鉄岐阜まで戻ったからな」

 

これで全員が揃った。

 

 犬山には8:51。海里は駅前で待ってるらしいが、どこだろう。犬山には来たことがないから分からない。

 

「柊、こっちだよ」

 

優しい声が聞こえたと思うと、そっちに海里はいた。海里は車の前で待っていたが、どう見ても乗れるのは運転士含めて5人ほど。俺らだけで8人いるのにどうやって乗せるんだ。

 

「おいおい、車で来たのか?」

「そうだよ。人数面は大丈夫。無理矢理詰め込むから」

 

みんなが「え……」と少し引いていた。ただ、こいつのことだ。何かあるに違いない。

 

「ホントはどうなんだ」

「ふふっ、ホント吊れないね、柊は」

 

そう言うと、少し離れたところに手招きした。そうしてやって来たのはスラッとしていてスタイルのいい女性だった。

 

「紹介するよ。俺のマネージャー、兼雑用係だ」

「石山瑞穂です。本日はよろしくお願いします」

 

かわいい声をしている。しかも、俺はあることに引っかかった。

 

「苗字同じなんだな」

「あぁ、そうだ。瑞穂は俺の彼女でもあるんだ」

 

彼女、マネージャー、雑用係。海里のこんな役なんて大変そうだな。

 

「マネージャーって聞くと、結構固い人なのかと思ったんですけど、柔らかいんですね」

 

一歌がそう言った。言われてみればそうだった。

 

「海里から柔らかく接してくれと言われているので」

「人間、固い人は嫌だろう?」

 

そういうことだったか。海里らしい。

 

「さて、俺の方に入りきらない人は瑞穂の方に乗ってくれ。まぁ、瑞穂の方が車は大きいんだが」

 

俺たちはそれぞれの車に向かった。俺が瑞穂さんの方に行こうとすると、海里が止めた。

 

「待て。柊はこっちに乗ってほしいな」

「なんでだ」

「少し話がある。あ、できれば魁くんもいいかな」

「構わない」

 

結局、俺たち2人と咲希がこっちに来た。それ以外は向こうの車だ。

車を走らせると、瑞穂さんの車が後ろをついてくる。

 

「話ってなんだ」

「あぁ、昨日渡した募集のことなんだけど」

 

海里はそのことについてゆっくり話していく。

 

「もし空いてたらでいいんだけど、できそうかな」

 

俺は魁に少し話す。

 

「海里と一緒に演奏できるバンドの募集なんだ。できそうか」

 

そう言うと、魁は即答だった。

 

「もちろん。やらないって手はないだろう。海里も知名度は高いし、俺たちを知ってもらういい機会だ」

 

メリットが多いのもあったんだろう。

 

「よかった。それで、いつ頃がいいかな」

「いつでも構わないが……他の人にも予定を聞いてからだな」

 

一気に話が進んでいった。海里も満足げだし、俺たちもいい機会だった。

 

 

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