海里の家に着くと、みんな揃った状態でコラボの話をした。もう決定というような感じだったが、今は日付を決めている。
「なるべく早い方がいいよな」
「まぁ、そうだろうね」
俺たちに海里が合わせる、というようになったため、日付は俺たちが基準で決めるしかない。
「来週末って無理だっけ?」
海斗がカレンダーを見て言う。全員がカレンダーと予定を併せて見る。
「俺はいいけど。空いてない人いる?」
「俺も空いてるよ」
「空いてる」
全員空いていた。海里はそのことを聞いて、俺たち全員に言った。
「じゃあ来週末、来週の日曜でいいかな」
その言葉に全員が頷いた。意見は全員一致し、コラボの日程が決まった。
「Leo/needは留守番か?」
「そういうことになるね」
心なしか、一歌たちの表情が暗くなったがする。まぁ、せっかくのライブのチャンスを俺らだけっていうのは残念だろう。
「Leo/needにはあとでライブの機会作ってやるから」
そう言うと、一歌たちの表情は少しは元の表情に戻った。一歌たちもライブはやりたいだろうし、機会は与えないと。
「さぁ、じゃあ会場の下見でも行こうか」
「あぁ」
俺たちは全員でライブの会場に向かう。本来Leo/needは来る必要はないが、ライブができなくてかわいそうだったから連れてきた。
マネージャーの車にも半分くらい乗って、車は走り出す。俺たちの乗っている海里の車も動き出すかと思うと、海里はこっちを見て俺に言った。
「柊、免許持ってるかい?」
「ん、持ってるけど」
「運転してみてくれないかな」
海里は笑顔で言った。仕掛けてきたのだろうか。俺の運転を見てみたい、といった感じだろうか。
「何で俺が」
「面白そうじゃないか。昔ながらの仲だろう?」
海里は俺を運転席に誘導する。もうそうするしかないか。
「分かったよ。カーナビの行き先だけ設定してくれ」
海里はカーナビに目的地を設定する。道が分からないと流石に運転できない。
「頼んだぞ、柊」
「……ったく」
俺は運転席に座り、ハンドルを握る。こんな大人数乗せたことあったっけな。大体2~3人くらいだったから4人はあんまりない。
カーナビに従って走っていく。まぁ前を走っている瑞穂さんの車についていけばいい話なのだが。
車を30分ほど走らせると、後ろから魁が顔を出して言った。
「あとどのくらいなんだ」
俺はカーナビを見る。ぱっと見半分もまだ行っていない。というか、多分県外だろう。一般道のみで2時間弱。もう愛知県ではないことが確実だ。
「まだ1時間半くらいあるかな」
「そんなか……」
海里は予定表を取り出し、後ろにいる2人に見せた。後ろにいる2人とは、魁と龍夜。俺は耳だけ貸している。
「滋賀県のライブホールなんだ。遠いぞ」
「うわぁ、なんだこれ……」
2人は驚いていた。そんなにヤバいスケジュールなのか。死なないよな、俺たち。
愛知県を出て、岐阜県へ。ただ、まだまだ着かない。前を走っている瑞穂さんの車も、少しずつ疲れてきたのか速度が遅くなっている。
俺のスマホのバイブが鳴る。誰からだろうか。
「海里、ポケットの中にあるスマホ取って俺に見せて」
海里はスマホを俺から取り出し、発信元をこっちに見せた。一歌からだ。
「出て。それでスピーカーに変えて」
海里はスピーカーに変え、運転席前にあるボードの上に置いた。
「もしもし、一歌?」
《あ、あの、瑞穂さんから伝言があって》
瑞穂さんからか。伝言ってなんだろうか。
《月島さん、ですよね。運転してるの》
「はい。そうですけど」
俺がそう言うと、瑞穂さんは言った。
《道の駅伊吹の里っていうところで休憩するので、ついてきてください》
休憩場所の話だったか。俺は運転しながら瑞穂さんに言った。
「分かりました。ついていきます」
そう言うと、電話は切れた伊吹の里って一体どこにあるんだろうか。ずっと一般道で来ているのもあって流石に休憩なしはキツかった。
「休憩場所入れるらしいけど、どの辺だろうね」
「さぁ」
「瑞穂のことだ。多分滋賀県に入ってからじゃないかな」
海里が言う。海里が言うんだったらそうなんだろう。彼女だから分かるんだろう。
1時間ほど運転したため、あと半分。滋賀県だったらあと30分しないくらいで入れる。俺はとにかく休憩を目標に向かった。