そして、一旦帰る日になった。俺と海斗、龍夜は名古屋から新幹線で東京へ、魁は本当の出張で甲府まで特急、それ以外のLeo/needは在来線で帰ることになった。切符は魁が用意してくれたらしい。
まず、全員で6:03発区間快速豊橋行きに乗車。俺と海斗、龍夜、魁は名古屋で降り、魁以外は6:37発のぞみ268号東京行き、魁は7:00発特急しなの1号長野行き、Leo/needは引き続き区間快速豊橋行きに乗り続ける。
Leo/needは7:36、豊橋に到着。7:48発浜松行きに乗車し、8:26浜松。8:37発沼津行きで富士まで乗車。その後も富士10:47発熱海行きで熱海へ、熱海11:34発高崎行きで小田原、小田原12:04発特別快速高崎行きで渋谷まで帰る。13:14に渋谷に到着。
魁は7:00発特急しなの1号長野行きを8:57、塩尻で降り、塩尻から9:18発特急あずさ16号東京行きで甲府へ。10:19に甲府に到着。
俺たち3人は6:37発のぞみ268号東京行きに乗り、途中の新横浜まで乗る。新横浜でみんな家族などにお土産を買い、海斗は8:33発東急新横浜線、東急東横線直通、急行和光市行きで学芸大学。
俺と龍夜は少し前の8:24発東急新横浜線、東急目黒線、都営三田線直通、急行高島平行きで白金高輪、8:55発南北線、埼玉高速鉄道線直通、浦和美園行きで飯田橋、9:15発東西線中野行きで中野。龍夜だけそのまま9:36発快速高尾行きで三鷹へ。
みんなそれぞれ家や職場に着き、名古屋への旅行(?)は終わった。
俺は家に帰ると風那がいる。しばらく留守番させてたのもあり、少し申し訳なかった。
「ただいま」
「あ、おかえりなさい。お昼ごはん何にしようか考えてたんだ」
1人分しか作らないはずなんだが、なぜ考えてるんだ。
「俺帰ってくるの知ってたのか」
「まさか。唯菜ちゃんが来るんだよ」
唯菜が?何でそんな急に。
「なんで唯菜が?」
「ただ来たいだけらしいけど、あわよくばお兄ちゃんを連行しようとか言ってたよ」
怖い従妹だ。俺を実家に連行しようとするなんて。
「じゃあ、そんなに豪華なものじゃない方が明日美味しいか」
「そうそう。だから何にしよっかなって」
風那はレシピを見ながら考えていた。唯菜が来るのか。あれ、じゃあ実家って誰がいるんだろ。まさか、なぎがいるわけないよな。あいつも大学あるし。
「なぁ、実家って誰いるんだ」
「たしかに。唯菜ちゃんいないと誰もいないよね」
やっぱり風那も知らないのか。
「ちゃんと戸締まりしてるといいけど……」
戸締まりしてなかったら大変だろ。いくら人がいないからって心配だ。
翌日昼間、唯菜が俺の家に来た。外は蝉が鳴いていて暑そうだった。
「久しぶり、柊くん」
「よく来たね。さ、上がって」
俺は唯菜を家に上げた。家の中の方が涼しいし。
「家って誰かいるのか?」
「うん。凪沙ちゃんが来てくれたよ」
「大学は」
「単位足りてるからいいって」
ホント、あいつよく秋田行くな。
それより、今はこっちの話だ。
「来た理由はなんなの?」
風那が聞く。唯菜はリュックの中から紙を出した。
「あのね」
唯菜の口から衝撃のことが言われた。
「帰ってきてくれない?」
真剣な眼差しだった。真剣な口調で、一瞬で静まりかえった。
「俺が、どうして」
「畑仕事が追いつかないの。生活も苦しくて……」
そうか……たしかに放っておけない。ただ、俺も仕事があるし……
「俺も仕事が……」
「分かってる。でも、今のままだと……」
畑ができないと生活がやっていけないのは分かる。ただ、こっちも忙しい。
「ちょっと待ってくれ。こっちもすぐに行けるわけじゃない」
出された紙には先月の収支が書かれていた。たしかに収支は多少の額しかない。
「……時間あるか」
「どのくらい?」
「1日4~5時間でいいんだ。俺の会社で働かないか」
パソコンでの作業だったら秋田でもできる。そしたら収入は入る。
「いいけど……畑は……」
「畑と言っても米だろう。その時期にはSTARNIGHT全員で手伝いに行ってやる」
そうすれば、収入も入り、畑作業も追いつく。
「手伝いが欲しくなる1ヶ月前に呼べば行くさ」
「うん……!ありがとう!柊くん!」
これで解決、といったところだろう。
唯菜は俺にハグしてくる。よっぽど嬉しいんだろう。