俺の迷い込んだ世界が…… Season2   作:月島柊

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第57話 ライブ

 

 海里との合同ライブ当日、俺はSTARNIGHTより一足早くライブ会場に向かった。滋賀の集合のため、今日の集合は米原駅。米原駅に海里が迎えに来てくれる。

家から出るときに、来ていた唯菜が離してくれなかった。

 

「もうちょっといてもいいじゃーん」

「もう時間なんだよ。頼むから離してくれ」

 

俺がそう言うと、風那がやってきた。

 

「柊くんも忙しいんだから。ほら、離れて」

 

風那に言われて唯菜は離れた。これでようやく行ける。

中野駅から中央線、埼京線で渋谷まで行き、渋谷から東横線と新横浜線で新横浜まで向かう。

7:11発快速東京行きで新宿、新宿7:22発各駅停車新木場行きで渋谷、7:38発東横特急元町・中華街行きで武蔵小杉、そして7:55発各駅停車新横浜行きで新横浜。新横浜からは8:18発のぞみ61号広島行きで名古屋、名古屋でこだまに乗り換えて9:43発こだま703号新大阪行きで米原へ向かった。

米原は10:10。STARNIGHTはこのあと11:47着のひかり637号で来る。

米原駅の前に海里の車があり、俺はその車に向かった。車の中に海里がいて、俺は海里に話しかけた。

 

「海里、来たぞ」

「ん?ああ、来たんだ」

 

海里はシートベルトを締め、車を走らせる。

 

「今日はよろしくね、柊」

「あぁ。頑張ろう」

 

合同ライブでファンを獲得する。そういった目的もある。

 

 ライブの会場に着いて、俺は観客入場前に最後の確認を海里と一緒にしていた。

 

「結構広いんだよな、ここ」

「観客は入るけどね。STARNIGHTは俺がやったあとだったよね」

 

メインは海里のライブだ。それのコラボということになる。だから曲もSTARNIGHTのものではない。

 

「そういえば、他のみんなは何時に米原に着くんだい?」

「11:47着だったはず」

「ならそろそろだね。瑞穂に行かせよう」

 

そう言うと、海里はその場から「みっちゃーん」と呼んだ。なるほど、プライベートではそう呼んでるのか。

 

「なに?海里」

「STARNIGHTの迎えに行ってくれる?米原駅なんだけど」

「分かった。行ってくるね」

「ありがと、みっちゃん」

 

瑞穂さんはライブホールの外に出ていった。

 

「仲良いんだな」

「もちろん。夫婦だからね」

 

海里はピースして言った。

 

 STARNIGHTの全員が揃い、リハーサルがしばらくして始まった。

14:00からの開演に向けて、13:00からリハーサル、13:30から軽食を食べて、13:50にSTARNIGHTはステージ裏待機、14:00に開演だ。

 

「結構調子はいいか」

「うん。俺はいいね」

「俺も」

「俺も良さげだ」

 

みんな調子がいいようだった。よかった。

 

「みんな、リハーサルは終わったかい?」

「あぁ、終わったよ」

「ならこっちに来てくれ。みっちゃ……瑞穂がサンドイッチを作ってくれたよ」

 

一瞬「みっちゃん」って言いかけたよな。やっぱりその呼び方がしっくりくるんだろうか。

STARNIGHT全員で海里についていくと、楽屋の中のテーブルにサンドイッチがたくさんあった。

 

「20分くらいしかないので、このくらいだったら食べやすいかなと」

 

STARNIGHTはみんなお礼を言ってから食べ始める。海里は食べようとしたのを瑞穂さんに止められた。

 

「あーんっ!」

「え、あ、あーん」

 

戸惑っていた。それはそうだ。こんなところでするとは思えなかった。

 

「お前ら、羨ましいとか思ってないよな」

 

俺が海斗、龍夜、魁に聞くと、俺から目をそらした。あ、羨ましいと思ってるな。

 

「べ、別にほなちゃんいるし……」

「志歩だってしてくれるからな……」

「それは嘘だろ」

 

志歩がやるはずない。そんなことをする性格じゃないし。

 

「ぐっ……」

「そういう柊はどうなのさー」

 

海斗が聞いてきた。

 

「従妹とかしてくれたりするけど」

「チッ」

 

おい、舌打ちしたよな。聞き逃さなかったぞ。

 

「海里さん、裏待機です」

「うん。分かったよ」

 

海里はスタッフに呼ばれてステージ裏へ。この部屋には瑞穂さんとSTARNIGHTだけが残った。

 

「みなさんは付き合っている女性とか居ないんですか?」

『いないっス……』

 

全員が口を揃えていった。

 

「柊さんは?」

「付き合っている女性はいない、とだけ言っておきます」

 

瑞穂さんは「ふふっ」と笑って楽屋から出ていった。

 

 ステージ裏待機中、俺たちは次来る順番を待っていた。あと2分ほどだろうか。

 

「なんか緊張するな」

「いつもと同じなんだがな」

 

コラボだからだろうか。いつもより緊張する。

 

「きっと大丈夫だって」

「そうそう。大丈夫」

 

龍夜は置いていたスマホからLINEの画面を見せた。

 

「さっき連絡来てさ。Leo/need全員で写真撮ったらしい」

 

画像にはLeo/need4人が手をピースで出して円を作っていた。

 

「この手が一歌で……」

「これが志歩だ」

「咲希が両手出してて……」

「ほなちゃんがこれだ」

 

そう思った俺たちは、Leo/needと同じように手をピースにして円を作った。

 

「今回は柊が両手出そうぜ」

「俺が?いいけど」

 

俺は咲希の代わりに両手を出した。

 

「みんな、これが終わったら打ち上げしよう。行くぞ!」

 

俺のかけ声に合わせてみんなが言う。

 

『おーっ』

 

そうして、俺たちの番が来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「みんなすごかったね。コラボ嬉しかったよ」

 

海里が外に出てから言った。

 

「俺たちも楽しかったよ。そうだ、打ち上げ来るか、海里」

 

俺が聞くと、海里は首を横に振った。

 

「いや、遠慮しておくよ。このあと瑞穂と予定があるからね」

「そうか。じゃあ、また会えたら会おうな」

「うん。またな」

 

俺たちと海里はホールを出てすぐに分かれた。

 

米原駅から16:57発ひかり658号東京行きで名古屋、17:29発のぞみ168号東京行きで品川、19:08発山手線外回りで海斗と魁は渋谷、俺と龍夜は新宿まで行き、俺は向かい側の19:31発総武線各駅停車三鷹行きで中野、龍夜は19:36発中央線快速青梅行きで三鷹まで向かった。龍夜よりも1分ほど早く着き、2人の待つ家に向かう。

ドアを開けると、案の定唯菜が抱き付いてきた。これも大人になってからだと少し恥ずかしかったりもする。

 

「おかえりーっ!」

 

アレが小さくて良かった。うん。

 

「もう、私より先に抱き付かないでよ」

 

そう言いながら風那も抱き付いてるのだが。風那はあるからな。普通に大きい。

 

「や、やめろよ……」

「んー?はずかし?」

 

小悪魔のような目をする。

 

「うりうりー♡」

「マジでやめろ……ほら、夕飯は」

 

俺がそう言うと、風那は俺の腕にしがみついたまま俺を引っ張るようにしてキッチンに向かった。

 

「はい、見れたね。じゃあいっぱいイチャイチャしよ」

「ズルい!私も!」

「やめろ!」

 

俺は2人から逃げ続けた。

 

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