俺の迷い込んだ世界が…… Season2   作:月島柊

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第6話 また

 一歌が路上ライブに行った。

 俺はそれを見送ると、近くを散歩し始めた。近くで路上ライブをやっているところがあり、たまには行ってみようと思ったからだ。

 

「お、やってる」

 

俺が聴いていると、となりに聞きなじみのある声が聞こえた。

 

「へぇ、柊くんも聴くんだ」

「あぁ」

 

それにしてもこの人の演奏、すごく心が引き込まれる。今まで考えていたことを全て忘れ、全てこの曲に意識がもってかれていた。

 

「ありがとうございました」

 

演奏が終わってしまった。すると、その人は志歩に寄っていった。

 

「ありがとう、聴きに来てくれて」

「うん。いい演奏だった」

 

恐らく俺は邪魔になるだろう、と思い、その場から離れようとした。

 

「待って」

 

演奏していた人に呼び止められた。

 

「俺か……?」

「日野森さんと話してたから」

 

知り合いだったりしたか。

 

「あぁ、志歩のバンドの指導、みたいな感じ」

「じゃあ、仲良いってこと?」

 

そう考えたことは無かったな。ただ、一緒に練習してて楽しいからな。

 

「そういうことだ」

「そっか。私も、仲良いんだよ」

「そうか。話してあげてくれ」

 

俺はその子に言った。

 

「柊くん、どうしたの」

「ん?あぁ、この子と話してたんだよ」

「日野森さん、よかったね。仲良い人が増えて」

 

志歩は不思議そうな顔をして、首を傾げた。

 

「じゃあ、俺はもう行くから。じゃ」

「また聴きにきてね」

「もちろん来るさ」

 

俺は家に帰った。あの子、志歩と仲がいいのか。

 

 家に帰ってしばらくすると、一歌が戻ってきた。もう一歌の家と化しているが。

 

「おかえり」

「ただいま」

 

一歌はクールな返しをした。

 

「疲れたから、いい?」

「ん?あぁ、いいよ」

 

俺は一歌を膝の上に乗せた。見た目とは裏腹に、結構2人のときは甘えてくる。そういうところが可愛いのだが。

 

「一歌、髪サラサラしてるな」

「そう?」

「いいじゃん」

「ありがとう」

 

一歌のことを撫でながら言った。一歌って、ホントにかわいい。

 

 しばらくしてから、俺は一歌と練習を始めた。かれこれもう4時間は俺と一緒にいることになる。

 

「柊くんってさ、路上ライブやったことある?」

「あるよ。2回だけ」

 

高校生のときだけ。バンドを辞めてから、どうしても諦めずにいたから路上ライブをやった。

 

「じゃあ経験は結構あるの?」

「まぁね」

「だからそんなに上手いんだ」

 

そう言われると照れてくるが。

 

「だって、柊くんギターのこと何でも知ってそう」

「そんなことないよ。一歌も上手いしさ」

 

お互いに褒めるだけのものになってしまった。

 

「じゃあ、始めるか」

「うん」

 

俺はギターをもってきて、一歌と練習を始めた。

 

「よし。やろう」

「うん」

 

俺たちは練習を始めた。結構長くなると思うが、それはそれでいい。

 

 3時間ほど続けたが、もう暗くなり始めていたため、俺は一歌を帰らせた。一歌が帰ってしまうのは残念だが、暗くなってからだと危ないから。

 

「じゃあな。また明日、会社で」

「うん。またね」

 

一歌は手を振って出ていった。

俺1人になった。一歌が居てくれることで、結構楽しいんだよなぁ。今のままだと全く楽しくない。一人暮らしだし、料理もなんもできない。

 

「穂波が居たらなー」

 

料理もできて、みんなに優しくしてくれる。声も相まって、まるでお母さんのようだ。

 

「……寝よ……」

 

俺はその場で寝てしまった。

 

 

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