俺の迷い込んだ世界が…… Season2   作:月島柊

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今回は日野森志歩視点から始まります。


第7話 秘密

 柊くんより先にきて練習していると、私はある物に気付いた。なんだろう、これ。「失敗」って書いてある。

 

「志歩ちゃん?どうしたの?」

 

咲希が練習をやめてこっちに来た。それにつられて、みんなもやって来た。

 

「このファイルが気になって」

 

パソコンの中に入っているファイルだったが、たまたま点いていて気付いた。

 

「なんだろう、これ」

 

一歌も気になっていた。

 

「ちょっと見てみる?」

「うん。見てみよ」

 

咲希の提案にのった。再生を始めると、少し昔っぽい動画で、バンドの映像が流れた。

 

「上手だね……」

「うん……ん?」

 

見覚えのある人。すると、歌声が聞こえた。

 

「これ、柊くん?」

「そうだよね」

 

柊くんのところが終わると、その瞬間に「バンッ」と大きな銃声がなった。

 

「あっ!」

 

「STAR NIGHT」と書かれたプレートが落ちた。

 

「柊くんは……」

 

その2分後、救急車の音が聞こえ始め、救急隊員が来た。

 

「見てしまったか……」

 

後ろから柊くんの声が聞こえた。

 

「え……?」

「見たんだったら、概要を話すしかないだろう」

 

柊くんはこのファイルの概要を話し始めた。

 

「高校2年生のとき、STAR NIGHTっていう俺が入ってたバンドのライブがあった。その時に起きた事件だ」

 

事件ってことは、やっぱり誰かがやったんだ。

 

「落ちた影響で、1人は重症、他3人は軽症ですんだ。重症の1人は3日間意識を戻さずに、意識が戻っても全治3ヶ月の怪我を負った」

 

なんでそんなに詳しく知ってるんだろう。

 

「どうしてそんなに詳しく知ってるの?」

 

咲希が聞いた。

 

「ん。あぁ、それは俺がその重傷者だったからだ」

 

みんな衝撃を受けた。まさか柊くんがその人だったなんて。

 

「全部まともに受けてね。ギターだけは無事で、俺は重症」

 

一歌は何かを察した気がした。何を察したんだろう。

 

「じゃあ、あのギターって……」

「そう。あの無事だったギターだね」

 

柊くんは笑っていたが、何か辛そうだった。私は思うより先に動いてしまった。

 

「志歩……?」

「辛そうだから」

 

柊くんはさっきより緩んだ顔になった。

 

「なんだ志歩、心配してくれたのかー?」

 

柊くんに撫でられた。なんか気恥ずかしい。

 

「別に、してない……」

 

私は恥ずかしがりながら言った。

 

【月島柊視点】

 

 志歩に心配されるとは。なんか惨めだな。少し過去のことを思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの時、俺は退院しても車いすでの生活だった。幼馴染みが来て介護してくれていた。

 

「もう、急に高校に行きたいなんて」

「すまんな」

 

俺が高校に行った理由は、あのギターを取りに行くためだった。俺の相棒みたいなギター。

 

「ここだな」

 

俺はドアを開けた。いつもより軽い気がしたが。

 

「おっ、柊。遅いぞ」

「待ちくたびれた。ほら、ギター」

 

バンドメンバー。4人バンドで、リーダー兼ギターは俺。ベース担当の幸山(こうやま)(かい)。ドラム担当の春先(はるさき)龍夜(りゅうや)。キーボード担当の犀山(さいやま)海音(かいと)

 

「悪い。みんな」

「そんな怪我だったんだな。大丈夫か」

「私が介護してるので。面倒ですけど」

 

周りが笑った。

 

「んじゃ、俺たちも帰るか」

「また集まろうぜ!みんなで」

「そうするか」

 

俺はみんなと一緒に帰った。

 

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