俺はまた暇だった。一歌たちの学校は始まってしまったが、俺の会社は遅めの夏季休業で1週間休み。社長は代理をたのんでるし、ホントに暇だ。
そんな中、ある1通のメールが来た。
魁〈みんな、路上ライブの許可が下りたんだ。久しぶりに全員集まってやらないか〉15:16
柊〈いいけど、みんなは〉15:16
龍夜〈いいよ。暇だったし〉15:17
海音〈俺もいいぜ!〉15:17
魁〈じゃあ駅前の公園な。16:00に来い〉15:17
柊〈ん〉15:18
海音〈オーケー!〉15:18
龍夜〈分かった〉15:19
路上ライブか。楽しそうだ。またあの4人で集まれるからな。
そして16時になった。俺は公園に丁度着いた。もうみんな着いていて、準備を始めていた。
「柊。アンプ、これ使え」
「おう。サンキュ」
通行人が数人ほどこちらを見ている。
「あと10分くらいで路上ライブ始めます!」
こういうのが得意な海音だ。機械に強い俺、接客が得意な海音、器用な龍夜、計画的な魁。みんな合わさって完成だ。
「よし、セット完了!」
「ホワイトボード書いといた」
龍夜が言った。シンプルに「16時10分 STAR NIGHT」と書かれていた。
「いやぁ、またやれるんだな」
「あぁ。ありがとな、魁」
時間が経つにつれて観客も増えてくる。最初は2人程度だったのに、今はもう10人以上はいる。
「じゃ、始めます!」
16時10分、時間通り始まった。
16時20分、ラストの曲が終わった。たった10分だけだったが、観客は大勢いた。
「ありがとうございました!」
俺たちが撤収作業に入ると、俺たちに話しかけた人がいた。
「柊くん」
一歌だ。
「一歌?聴いてたのか」
「うん」
「ん?知り合いか?」
「バンドを教えててな。その教え子みたいな感じだ」
「そうか」
俺は片付けながら話した。
「みんなも来てるよ」
「え、そうなのか」
一歌が手招きすると、みんなが俺のところに駆け寄ってきた。
「すごいね、STAR NIGHTって」
志歩が言った。
「ありがと」
「ん、そのベース、いいね。手入れが完璧にできてる。半端な覚悟でやってないっていうのが伝わる」
魁が言った。
「え、あ、どうも……」
「デザインが出てるし、手入れによっていい音が出そうだ」
「分かるんですか」
「ベース弾いてるし」
魁と志歩はもう仲良くなったらしく、ベースの話で盛り上がっている。
「柊くん」
「ん?」
「今度、この8人で演奏したい」
「おぉ、じゃあ次の土曜な」
俺はみんなに言った。
「次の土曜、この近くのホール来て」
「ホール?あぁ、お前の会社のか」
「そう。土曜な」
みんなが魁のトラックに詰め込むと、魁は志歩とわかれてトラックに乗った。
「曲用意しとくね」
「分かった。じゃ、またな」
俺はギターを持って家に帰った。
そしてやって来た土曜日。俺たちはホールの中で集合した。
「よう、一歌、みんな」
「今日持ってきた曲、流星のパルスとPeaky Peakyにしたよ」
8人だと結構楽な曲だ。
「じゃあ、やるか」
「練習からやろうぜ」
海音が言った。それもそうか。
「じゃあ、1時間練習するか」
俺たちは1時間個人練習と合同練習をやり続けた。
その間に俺と一歌、志歩と魁、咲希と海音、穂波と龍夜がペアをくむことが決まった。歌うパートは1番2番で分かれ、ラスサビ前が混合、ラスサビが全員という形になった。Peaky Peakyは後から決める。
あの日と同じ星を僕ら 目印にして声を重ねた
浮かび上がった憧憬濃く滲んでいた後悔も
自分らしく話せたのなら どんなに楽だろう
ねえどんな音で夢を鳴らしたらいい
分かってたんだ 立ち止まっていたのは僕の方だろう
零れ落ちた何気ない言葉たち
大事にしてあげられなかった
見て見ぬフリしたって
ここにいるんだよってまだ
叫んでる ねえ
なんで笑ってるんだろう
何一つ 言いたい想いも 書き出せないくせに
(変わりたい 進みたい)
気づけたんだ
音にのせて 流れてく一筋の光に 僕らもなれるから
(かまわない 進もう)
伝えるんだ 今
Wow wow……
聞こえている? この声が
積もり積もった投影 拙く歪んだ防衛も
自分らしく解けたのなら どんなに楽だろう
ねえ どんな詩で僕を晒したらいい
独りぼっち 涙堪えてたのは過去の僕だ
崩れ落ちたしょうもないプライドたち
逃げ出したくて たまらなかった
ただ傍にいるよって
信じてるんだよってほら
聞こえてる ねえ
なんで迷ってるんだろう
何一つ 捨てられるような想いなどないのでしょう?
(叶えたい 届けたい)
抱えて行くんだ
歌にのせて 世界中駆け巡る音に僕らもなれるかな
(大丈夫 進もう)
登っていくんだ
僕ら
日が沈むまで笑い合った
星を見に夜を走った
先なんてどうでもよかった
あの気持ちを
忘れないで 忘れないよ
ずっと
変わっていくもの 過ぎるもの
誰も止めることなんて出来やしないから
出来やしないけど
この瞬間に 生きている
逃せない「今」を見つけ出したいから
ここにいるんだ
響かせたいよ
この歌を 待っている誰かがそこにいるのなら
(奏でよう 伝えよう)
生まれたセカイで
声に乗せて 暗い夜も
空で 僕らまだ弱くても 光るから
伝えるんだ
今
Wow wow……
聞こえてる? この声が
歌い終わると、それぞれのペアで盛り上がった。俺も一歌と一緒に盛り上がっていたが。
「なんか新鮮だったね」
「うん。こんな大人数でやったことないから」
いつもの4人ではなく、8人でやったるんだ。新鮮な気持ちになるだろう。
「さぁ、Peaky Peakyもやるか」
「じゃあ、全員集まろうぜ」
俺は海音の指示の元、パートの話し合いに参加した。
「えっと、最初はどうした方がいい?」
「元のパートはどうだったんだ」
「えっと、私と一歌」
少し緊張してるかな。
「一歌、志歩、緊張しなくていいんだよ」
「あぁ、うん」
「んじゃ、魁と志歩が一緒でいいんじゃないか」
「いいよ。志歩、よろしく」
魁はすんなり受け入れた。
「じゃあ、柊と一歌が一緒だな」
「ちょっと待って、セカイでKAITOが歌ってるとこは」
「ん?呼んだ?」
「お前じゃない」
海音が反応した。
「そうだな……みんなが手分けしてやるか」
「分かった」
その後も話し合いが1時間ほど続き、2時間練習して歌い始めた。
和気あいあいと言葉交わすだけじゃ
憧れや夢には近づけない
鳴らすBeatでTakingしようよ
馴れ合いはいらない いらない
転がる石のように
I want to be legit
最後に笑えるように
さあ もう一回
Try it Try it
振り切って
Peaky Peaky
わかりあえなくたっていい
悲しみのリズムも かき鳴らしてBurning up
響けセカイに Our Fire Music
Try it Try it
Peaky Peaky
Try it Try it
Peaky Peaky
すれ違ってしまうのは誰のせい?
目的地へ向かうのは私だけ?
散らばる音符を縦に合わせて
冷静なままで ままで
躁状態に突入
Do you want to be Shining
その未来を信じて
行こう
Flying Flying
弾けて
Supernova
孤独だってわかってても
胸の奥に秘めた
燃える音の粒よ
響け世界に
Our fire music
最後に笑えるように
何万回でも
Try it Try it
振り切って
Peaky Peaky
わかりあえなくたっていい
悲しみのリズムも
かき鳴らしてBurning up
響けセカイに
Our Fire Music
Flying Flying
弾けて
Supernova
孤独だってわかってても
胸の奥に秘めた
燃える音の粒よ
響け世界に
Our Fire Music
Try it Try it
Peaky Peaky
Try it Try it
Peaky Peaky
Try it Try it
Peaky Peaky
Try it Try it
Peaky Peaky
最後の盛り上がりが上手くいってよかった。みんな各自で行動を開始してしまったが、俺と海音は2人でいた。
「柊はどうなんだ?ほら、幼馴染みとの関係とか」
「言ってなかったっけ、幼馴染みはもう引っ越した」
海音に言ってなかったっけな。
「そうだったのか。じゃあ、1人か」
「一歌がいるけどな。週1くらいで」
「よかったじゃないか」
いいのかどうかは分からないが。
「まぁ、1人ではない」
「そうか。じゃあいい」
海音はそう言うと、咲希のところに行った。俺は一歌のところへ。
「一歌、今日はよかったね」
「今日は、なんだ」
「いつもだけど、特にね」
俺は一歌と話した。
そう、一歌は俺の高校時代なんかより全然いい。
きっと、俺よりもいい人生を歩んできたのだろう。
「俺よりもいい人生を送ってるんだな」
「え?」
「いや、俺の中学のときとは違うなって思っただけだ」
今の魁たちだって、高校に入ってから出会ったのだ。
「柊くん」
志歩がこっちに来た。
「ん?」
「魁さんが言ってた。中学の時は一匹狼だったって」
魁……まぁ、そうだ。
「そうだね。それで?」
「話を聞かせてほしい」
志歩がそんなことを言い出すのか。
「いいよ。みんなにも話したいな。集めるか」
俺は全員を呼び集め、俺の過去の話をし始めた。
星乃一歌
日野森志歩
天馬咲希
望月穂波
月島柊
幸山魁
春先龍夜
犀山海音
月島柊、星乃一歌
日野森志歩、幸山魁
日野森志歩、天馬咲希
天馬咲希、望月穂波
日野森志歩、天馬咲希、望月穂波
幸山魁、春先龍夜、犀山海音
星乃一歌、日野森志歩、天馬咲希、望月穂波
月島柊、幸山魁、春先龍夜、犀山海音
星乃一歌、月島柊、日野森志歩、幸山魁
日野森志歩、天馬咲希、望月穂波、幸山魁、
春先龍夜、犀山海音
星乃一歌、日野森志歩、天馬咲希、望月穂波、
月島柊、幸山魁、春先龍夜、犀山海音