手違い夢主の彼女たち   作:空下眼子

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今回中々思想が強そうに見えて別にそうでもないつもりです。SAN値減ったらごめんね。
因みに鹿の二つ名みたいなのも私が勝手に言ってるだけで、調べてもそういう資料は見つからなかったです。全ての参照元は民明書房か何かだと思っといてもろて。


『怪しい男たち』

----夏油視点----

 

 倉庫で呪具を整理した後、廊下の窓の縁にハエトリグモを見つけた。

 某自称頭脳派の顔が脳裏に浮かぶ。

 

 何かを抱えていると思って良く見れば、自分と同じくらいの大きさの蜘蛛を齧っている。

 

「……ハエトリグモって、蜘蛛、食べるんだっけ」

 

 窓の縁に掛かった小さな蜘蛛の巣は少しほつれて見える。このハエトリグモに飛び掛かられて、そのまま落ちたのか。

 

 蜘蛛を食べる蜘蛛。

 呪いを食べる呪い。

 

 一瞬そんなことを考えたが、悟が言うにはナクスに術式がある様には見えないらしいし、朱紅赤からもそういった意味じゃ何のリアクションもない。

 

 そもそも、どの口がって話か。

 

 味覚がなくなってから躊躇う理由もなくなって、仕事じゃなくても蝿頭レベルでも、その辺で呪霊に遭遇したら流れ作業的に取り込むようになった。

 ちょっと自作自演で生み出したりした呪霊も含めて、六千は回収した。

 

 喋れる呪霊をリーダーにして呪霊だけで仕事をさせてるのもあって、悟とは違うベクトルで脅えられることも、結構ある。

 ただ、それは正しい反応だと自分でも思う。

 呪霊が本当に完全支配できているのか云々以前に、たった一人でそんな量の呪霊を所有しているのがシンプルに怪しいし怖い。客観的に理解している。ナクスをとやかく言えない。

 

 布を巻き直した『見えない包丁』を確かめて、地下室へ向かった。

 

 

 

  *   *   *

 

 

 

----ナクス視点----

 

 悠子モードからの後始末も終わって、翌日。

 映画を観る悠仁くんの中で服の型紙を作っていたら、夏油先生が地下室にやって来た。

 

「ナクスに見て欲しいものがあってね」

「領域の中で見て良い物か?」

「絶対ダメ」

 

 そう言うからには呪物か何かだろう。

 悠仁くんと選手交代。映画を止めてツカモトに退いてもらって、私が表に出る。

 

「これだよ」

 

 立派な和包丁。

 布に包まれたそれを、半分ほど解いて手渡される。

 

 夏油先生、包丁越しに向かい合って座られると胡散臭いセールスみたいだ。

 

「……これは?」

「……ふぅーん……」

「なんだ!? なに!? 怖い! 夏油先生が!!」

 

 これが何かを問うただけで意味深に微笑まれた。

 

「所見を聞かせてくれるかい?」

「所見も何も、初めて見る方の初見なのだが……」

 

 残りの布も解いて、手に持って眺めてみる。

 歴史的資料というレベルに朽ちてもない印象だが、柄の具合からして新品でもない。

 長く大事に使われていそうな包丁だ。

 

「どう見える?」

「どう……? 専門的なことは知らんが、使い込まれたシンプルな和包丁ではないか?」

 

 ここに降りて(・・・)みれば何か分かるかもしれないが、夏油先生の目の前で呪い(まじない)を行使するのは嫌だ。

 肉体も疎かになるし、かといって今の悠仁くんに任せても何の防御にもならない。

 

「もう少し深く調べることも可能そうだが、夏油先生が信じられないので朱紅赤か五条先生に選手交代、もしくは応援に来て貰いたい」

「ビビり過ぎだろ」

「私は真剣だ」

「……分かった。なら一旦返してもらって、改めて朱紅赤にお願いしようかな」

 

 夏油先生に包丁を返すと何故かぎこちなく布を巻き直して、しかし帰らない。

 黙って私を見ている。怖い。

 

 悠仁くんは領域内で座布団を握りしめている。

 私も心の座布団を握りしめて覚悟を決めておく。

 

「……なにか?」

「個人的に、ナクスに少し質問があって」

 

 離反しない先生ルートに進んでいるのに、寧ろ原作よりも精神状態が心配な男。

 一年くらい仕事を休んでぼんやりした方が良い。いや、世話をしたがりなので、その方が却って病む可能性もある。難儀だ。

 

「ナクス、人、好きかい?」

「ん~~……」

 

 少しというには重たい質問。

 

「正直、好き嫌いを問うには主語が大き過ぎると思う。回答するとすれば、好き嫌いの感情はそれほどないな……。夏油先生は、例えば、鹿、好きか?」

「別に好き嫌いはないね」

 

 夏油傑という人間が非術師を忌み嫌ったのは、術師と非術師を別の種族としてしまったことにあるというか。

 世界の構造について、非術師のせいで術師が苦しめられていると解釈してしまったというか、寧ろ、その解釈こそが彼が完全に終わるのを防いでいた最後の希望だった気さえする。

 

 目の前の先生と話しているとそう思う。

 完全に『終わった』から離反して行く先がないだけで、今の方が悪い意味で言動に厚みを感じる。

 

「鹿は蹄のあるヤマアラシとも呼ばれ、餌をあるだけ根こそぎ、木の皮まで食べ尽くしてしまう。だから、一度人が生態系に介入したなら、永遠に数の管理を続けなければ山が禿げ上がって他の動物もろとも滅ぶ。鹿、好きか?」

「……少し嫌いになった」

「管理の仕事をすることで適切なお給金が支払われるとしたら?」

「それならまぁ、そういうものかなと思うよ」

 

 呪術界側にもっと余裕があって、一人に一台、緊急離脱装置とかが開発されていれば、別に非術師が自分のうんこの世話のできないたまごっちみたいなもんでも、そんなに辛い世界でもなかった筈なのだ。

 ただ、ちょっと派閥とかマウントとか嫌なところが蔓延していて、末端が疎かだったり忙しかったりして、原作では彼に精神的負荷がかかっていることに気づけなかったりした。なんなら上層部的にはわざとだった可能性すらある。

 

 私がそんな環境に放り込まれたら絶対に運用面に猛抗議して、クソデカ羅生門くらいのスケールでゴネまくってやる自信があるが、まぁ、正義を信じていた十代の若者にそんな発想はできなかったのが原作の流れだ。

 

「ナクス、人間のこと、家畜か何かだと思ってる?」

「人間というか……。えーと、あれだ。命とは蒸発しにくい水だと思っている」

「水」

「床に無秩序に撒かれたものより、器に収められている方が、蓋が付いている方が、器をより安全な場所へ移す方が、減ってきたら継ぎ足した方が、水は減りにくい」

 

 全て地面に浸み込んだり蒸発してしまった水たまりはなくなってしまう。

 そうならなかった水たまりは残る。

 

 確か真人も命だか魂だかを水の流れに例えていたか。

 

「生命というものは、物質が偶然塊になって自分のコピーを作る性質を持ったもので、意味だとかいう『もの』は本来この世には存在しない。しかしこの話は当然、例に漏れず自分自身も『水』なのであって。他の水たまりを捕食したり流れに逆らおうとすれば、大抵は抵抗される。押し負けて取り込まれるのは自分の方かもしれない。そういう世界では、命には意味があると思って自分や同族を守る方が生き残りやすいので、自称知的生命体は大抵そういう性質を持つ方が生き残っているのだと思う」

「……理系だな、いや、哲学の話か?」

「この考えに名前があるかは知らん。これは人によっては受け入れられんだろうが、私にとっては地動説のようなものだ。世界の意味の有無と、毎日の楽しさの有無に関係はない。差別だの迫害だので殴られるでもないのなら、自分は何者であっても良い」

「…………」

 

 押し黙ってしまった。

 大義、とかいうものを真剣に掲げられるタイプの人間にはキツかったのかもしれない。

 先生が聞くから答えたのに、そんなTRPGでダイスの出目が悪かった時みたいな苦しい顔をされても困る。

 

『ナクス、全然そんなドライには見えんけど』

『毎日は楽しい方が良いと言ったつもりだが』

『おー……。おぉ……?』

『この話が分からなくても飯が美味いことに影響はないのと同じだ』

『分からんことが分かった』

 

 この考え方を受け取っても受け取らなくても、誰が死ぬでも生まれるでもない。

 両津勘吉もとりあえず生きることは確定事項で、どう生きるかを考えろみたいなことを言っていた。これはそういう、自分が健やかにある為の心構えの話なのだ。意味なんかなくたって飯は美味い。

 

 しかしそういえばこの夏油先生には味覚がないんだった。

 飯、美味くない。

 あぶね、口に出す前に気づけて良かった。

 

「意味は、存在しない……」

「しかし脳の反応として感情は『ある』。意味がなくても知ったことかと楽しめるのが健全な生き方だと思っている」

「……いや待て、言いくるめられてないか? ……、つまり……簡単に言えば『他人とか知らね~、自分のために生きるのが一番に決まってんだろ。あ、もちろん悪いことはしないけど』くらいの軽い生き方を、高尚に言い換えてまかり通そうとしてないか? だから人間が好き嫌いの天秤に乗らないんじゃないか?」

「まぁ、そうなのだが」

「 ハ ァ゙!??!? 」

『正直に言ったのにブチ切れられてしまった』

『ナクスが悪い』

 

 フォローゼロ。

 悠仁くんも私の生き様に慣れてきたな。

 

「うっそだろ!? あの口振りで実際に言いたいことがこれ!?!?? 十六の私だったら確実に呑まれていた……!!」

「水の例えも、何も噓を吐いた訳ではなく本当にそう思っているが」

「こいつ……! 口先だけは呪いの王!!」

「他はどうした?」

「威厳も悪辣さもないだろ……、将来は岐阜に行って宿儺かぼちゃでも作って毎日楽しくやってな」

「普通に検討の余地がある」

「ほらぁ!!!」

「本人なので神社に住めないか交渉したい」

「神社を建てたのは討伐した方じゃ……? 両面宿儺が作ったのは寺の筈だし、どの道、威厳がなさ過ぎて本人だと認めてもらえないと思う」

「現実は厳しかったな」

「……なんで本人が憶えてないんだよ」

「おじいちゃんだから忘れた」

「それさ、いや……、ハァ~~、今は良い。敢えて正面から聞こう。その考えでいてそんな感じなのは何故だ?」

「そんな感じ、とは……?」

 

 やはり分からないことは忘れたで押し通すに限る。

 そうか、討伐した側が神社を立てて、宿儺自身は寺を開いていたのか。

 ……ちょっと当時のいざこざが透けて見える気がするな……。

 

「ナクスは毎日、ささやかな幸せを無から作り出してるように見える」

「話が逆で、夏油先生に毎日を楽しむセンスが足りていないのでは?」

「あとその息をするように煽って来るのも何?」

 

 何、と言われても。

 特に何かではない。

 

「ささやかな幸せを大事にすることに、特に理由を考えたことはない。自分を幸せにしてやるために頑張るのが人生だ。そういうものだと思っている。説明するほどの理屈がない。煽り合うのは即興ラップみたいなもので、趣味だ」

「日々を楽しむ為の才能の塊で何よりだけど、全世界のラッパーに謝った方が良い」

「だから単純に、私からすれば夏油先生にセンスがないのだと思う」

「……、……正論は人を救わない」

 

 夏油傑、正論を拒否。

 

「確かに、私はよく『重たい』と言われる」

「だろうな」

「ぶっ殺すよ」

「すまなかった」

 

 この男、刺すか刺さないかで言えばもう刺しているタイプだ。

 痛い。布を巻き直した意味よ。やっぱり蹴ったり殴ったり刺したりも縛りで禁じておけば良かった。

 

 呪力補填でも反転術式でも衣服は直せないのに、悠仁くんの服がバカスカダメになっていく。

 そんなギャグ漫画世界じゃないんだから勢いに任せて人刺すのやめて……。

 

「人を鹿だと思ってて命を水だと思ってるヤツとは価値観相容れないね」

「人は人だと思っているが」

「ナクスの言う『人』は『ホモサピエンス』のことじゃないか?」

「言いたいことはなんとなく理解できるが、人類と言えばホモサピエンスを指すのは事実だろ」

「……」

 

 そうだけどそうじゃなくて、と顔に書いてある。

 私が包丁を引っこ抜くと、先生はそれを無言で回収した。

 傷はすぐに塞いだが血塗れになった。あーもう。領域に受け流せばよかった。もっと練習しよう。

 

 一方、領域内の悠仁くんは話についてくるのを諦めたのか、自分の体に穴が開いたのも気にせず座布団を抱えたまま、手直にあった漫画を読み始めた。

 

「目の前で人を猿呼ばわりしてみても、そもそも人は猿だと思ってる男だよきみは」

「そうだな」

「きみを『猿』とは思わないが、あまり好きになれそうにない」

「ん~。そも、悩みの原因として、先生は人を好き過ぎるというか、期待値が高過ぎるのではないか? いくらホモサピエンス(かしこいにんげん)と呼んでみたところで、ここ数百年で急激に進化したのは文明であって脳ではないのだし」

「私を怖いと言ったが、私からすればその考えが前提になってるナクスの方が怖いよ」

「うーーーーん……夏油先生、高POW低SANだな……」

 

 コズミックホラーの世界観では、宇宙的規模で見た人間は、肉体は脆弱、文明は未熟、精神は蛮族、サイズは極小。

 だったとして、だから何だというのか? 知る前と知った後で世界は何も変わっちゃいない。と、私は思うのだが。それを受け止められない人間が一定数いることも理解はしている。そんな彼、彼女らに知識でもって寄り添うことも一応可能だが、実際のところその情緒までは良く分かってはいない。

 ただ、今は寄り添って何かになる場面ではないので明け透けに会話を続ける。

 

「こう言えば伝わるか? 宇宙規模の心技体、測定試験みたいなものを受けてみた結果、千点満点中三点くらいだったとして、毎日の暮らしに影響はないと」

「それは……否定しないが」

 

 言葉少なになってきた。

 先生の少ないSAN値が更に削れて行く音が聞こえる。

 

 それに対し悠仁くんは全てを聞き流した様子で、畳の上で仰向けになって漫画を読んでいる。

 先生も見習って欲しい。これが精神的に健康ということだ。

 

「先生は大抵のことは自分で出来てしまうタイプだろ。だからいざ自分で解決出来ないことがあると、この世の終わりの様に感じてしまうのだと思う。私は、生き物というやつは自分でできないことが沢山あって当然だと思っている。だからこそ無敵だ」

「……盛大にしくじった後で馬鹿みたいに往生際悪く足掻くアホの言うことには説得力があるね」

「そうだろ」

「否定しないんだ」

「これが頭脳派の生き様だ」

「それは違うんじゃないか?」

「何故だ。できないことをできないと思う。これぞ無知の知だ。賢いだろ」

「できなかった結果が出てから思ってたんじゃ遅いんだよ」

「しかし現に私という存在は今日に至るまでなんとかなっている」

「自称死者なのに『なんとかなってる』判定なんだ?」

「今日も元気ならなんとかなっていると言って良い」

「確かに無敵だ。その無限の自信 だけ は羨ましいね」

 

 先生は親指で額を掻いた後、大げさに肩を竦めてため息を吐いた。

 恐らく共感は一ミリも得られていないが、世界観は伝わったと思う。

 

「なんとか伝えられたようで何よりだ」

「ああ。でも、まだ聞きたいことがある」

「怖いので早めにお帰り願いたい」

「イヤ」

 

 爽やかな笑顔にもかかわらず、もの凄い圧力。

 呪力で風が吹くなら吹き飛んでいるところだ。

 

「羂索って名前に聞き覚えは?」

「ない、……たぶん、……待て……、名前以外に何か追加情報は?」

「額に縫い目がある」

「あ~~、知っているが、記憶があまりない」

 

 脳みそ野郎、ケンジャクって名前だったのか。

 後でメモに追加しておこう。

 

「羂索の術式は分かるかい」

「脳みそを取り換えて体を乗っ取る」

「私の持ってる情報とも違いはないか。今はどこにいる?」

「知らん、日本のどこかだとは思う」

「宿痾計画と関係は?」

「そも、私は宿痾計画が何かを知らん」

 

 というか、この段階で夏油先生がケンジャクのことを知っている方が不思議だ。

 

「ナクスが計画を知らないってことは、逆に関係がありそうな気がする」

「だから宿痾計画とは一体」

「意思のない両面宿儺を作るための計画だよ。悟が研究施設で朱紅赤を回収して、施設丸ごとブッ飛ばして、そこから手がかりがない。羂索が宿痾計画の主犯だと思ってるんだけど、中々掴めなくてね」

「人類の業を煮詰め過ぎだろ。本気で知らん。ただ、確かにその計画によって都合の悪い記憶を消されている可能性はあると思う」

「……そんな明日ゴミの日だっけみたいなノリで受け止められると、却ってコメントしづらいんだが」

「メンタルが頑強で喜ばしいだろ」

「マジで無敵だな」

 

 先生、人が好きかとかよりこっちの質問が本命だったのでは?

 

「羂索の目的は?」

「確か、人間の可能性を追及する、みたいなことだ」

「ふわふわ過ぎないか?」

「それ以上のことは分からん、世の中退屈だからもっと進化して欲しいみたいなことらしい」

「随分他人事な口ぶりだけど、どこ情報?」

「意識が浮上してから覚えていることを書き留めたナクスメモ」

 

 勿論、(十五年ほど前に)意識が浮上してから、という意味で嘘ではない。

 

「メモより前の情報源は?」

「うーん……」

「言えない?」

「思い出……? エピソード記憶がなく、知識だけがある状態だ。百パー信じて良いか自信はない」

 

 悠仁くんに原作がどうのと話した時は「へー」みたいなノリで聞いてくれたが、夏油先生はちょっとSAN値が減ってしまいそうだし、原作知識を周囲に伝えて大丈夫なタイプの世界であるかもちょっと確信が持てないので、できれば遠慮しておきたい。

 

「一応、ナクス的にも羂索はぶっ殺してしまって良いんだよね?」

「別に構わん」

「マジで人望ないね」

 

 夏油先生の方も、かなり人伝に聞いた話感がある。

 

「逆に夏油先生がケンジャクのことを知っている理由を聞いても?」

「……ヒミツ♡」

「あら~、お互い様ですわね♡」

「ごめんあそばせ♡」

 

 お互いに「それどこ情報よ」と思っている。

 バカ怪しい男選手権決勝戦?

 

「進展があったら都度、情報交換で良いか?」

「それがベターかな」

「なら後でDiscordでサーバ建てるので入って来てくれ」

「呪いの王!! 最新過ぎるよ!!」

「今時ネット通信も理解できなかったら怪異としてもやっていけんだろ」

「……いろいろ言いたいことはあるけど、朱紅赤も気づいたらサーバがどうのって友達と通話してたしそんなもんか」

「その友達の話、詳しく聞いても良いか?」

「うわ凄い食いついて来た。ナクス、朱紅赤のこと好きだね」

「友達いたのか、と思っている」

「ド失礼だよ」

『俺も友達いたの初耳なんだけど』

 

 悠仁くんもお姉ちゃんの新情報が気になる御様子。

 

 人生を楽しんでいるピンク髪TSおじさん、かわいい。

 実際、今の状況として本来ピンク髪おじさんなのは私の方ではあるが。

 

「特に仲良しなのは、中学の同級生の若葉(わかば)と、若葉の姉の津由(つゆ)。オタクとオタク」

「朱紅赤はオタサーの姫だった?」

「そうかも」

「詳しく。朱紅赤の話をしてくれるなら幾らでもいてくれて良い」

「食いつきが凄い!」

 

 

 




呪術世界の両面宿儺の寺は、宿儺の死後、当時の熱烈ファンボーイや羂索が勝手にやったことで、本人的には「知らん…何それ…怖…」なんじゃないかと思っています。

次話はオタクとオタクが出てきます。
コテコテのオタクにアレルギーがある方にはちょっと痒いかもしれません。
 
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