玉藻の前に取り憑かれた『天狗』の子   作:赤い靴

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第2話です

今回も、楽しみながら読んで下さい!

『12話程度で終わる』と言ってましたが、早速雲行きが怪しくなってきました

出来るだけ、早く書いて投稿したいなと思ってます


第2話 玉藻の前 顕現

001

 

結論からいこう

 

乙骨憂太の自己紹介は失敗に終わった

ただならぬ気配を感じ、クラスメイトの1人で有る禪院が乙骨に向かい刃を立てたからである

 

その結果、僕らは乙骨に取り憑いている『怨霊』に殴られた

僕はなにもして居ないのに……

 

理不尽の極みである……

 

僕は‼︎一切‼︎なにも‼︎していないだろうが──ー‼︎‼︎

心の中でそうさけんだ

 

『主人さま。流れ弾、乙です♡』

玉藻の前ですらこの始末である……

 

002

 

「んで、次はもう1人の紹介だね〜。この子はビックだよ〜。君たちなら、名ぐらいは聞いたことあるだろうけどねぇ」

 

「かの御三家の『相続』を支えてきた妙漣寺(みょうれんじ)‼︎その歴代の最高傑作がこのお方‼︎日本三大妖怪の内の1つ『玉藻(たまも)の前』に取り憑かれ、妙漣寺そのものを滅ぼした張本人‼︎」

まるで落語家の様に緩急をかけ語った

 

「鈴谷宗一君で──ーす‼︎」

手をヒラヒラされながら僕を紹介した

きっと恐らく悪意を持って

 

「そして、鈴谷君に取り憑いている玉藻の前で──す!出ておいで──‼︎」

 

あの最強呪術師である五条悟の『許し』が出た

 

その瞬間僕の3歩ほど後ろ、金色の光と共に姿を現した

 

「少しばかりお口が悪いので、は?」

露出度が高い青い色ベースの和服に、狐耳。桃色の髪を束ねる大きな青色のリボン──

そして1番の特徴がその3つのふかふかの尾──

 

玉藻の前はズカズカと五条先生の方に歩む

 

あ、やばい。あの眼は相当怒っていらっしゃる

 

「どうしたんだい?『事実』を述べただけなんだけどねぇ?それともなんだい?また『石』に戻りたいのか?」

片目の包帯を解き睨みつける

 

「あの時は、安倍晴明の式神やその子孫。他の術師がたくさんおりましたからね。油断して尾を1つ無くしてしまうだなんて失態、もう2度有りませんことよ?」

 

バチバチバチバチ……

 

両者の間に火花が今にも飛び散りそうだ!

ヤバイ!僕が止めないと‼︎

 

「2人とも、落ち着いて……!」

慌ててその間に割り込もうとした

 

「おい!転校生‼︎危ない‼︎」

パンダが突然叫ぶ

 

 

「え⁈」

後ろを振り返る

助走をつけ飛んできたのだろうか

スピードを付けた禪院の身体は(くう)に浮き、手に持つ槍を勢いを乗せて振り払ってきた

その槍先は玉藻の前の首をねらうように

 

「……ッ⁉︎」

咄嗟の判断で僕は、その槍先を両の手で掴む様に受け止めた

 

聞こえは最低に悪いが、腐っても『妙漣寺──その30代続いた中での最高傑作』

 

六神通は訳あって玉藻の前に封じて貰っているが、その肉体と呪力は1級品だ。だが──

 

 

槍を受け止めた両手。指の付け根、手首へとタラタラと血が流れゆく

 

(完全に気が抜けていた。まさかこれ程の力が有るとは……完全にカバー出来なかった。込めた呪力が足りなかったのか……)

 

流れる血を見つめる。そして僕は口を開ける

 

「たとえそれが、特級を冠する呪霊で有ろうと……、

その存在が、先の未来に影響が有ろうが、もうどうでもいい……。

僕に初めて出来た最愛の家族だ……。

この生活を壊すのであれば、僕は──」

 

そう、僕は妙漣寺の天狗道

この一族代々、悪に染まり穢れてきた

勿論その末裔の僕も

『何も知りませんでした』では済まされない

ならばとことん何処まででも──

 

「悪に堕ちてやろう……」

 

 

ピコンッ‼︎

何やら聞き覚えのある機械的な音が聞こえた

そうそれは、携帯の録画を終える音に……

 

あ、やられた‼︎

 

恐る恐る振り返る

「いや〜良いもん『撮れた』よ‼︎鈴谷く〜ん!」

とスマホをいじる五条先生

 

「ごん"な"に"も"!(わ"だぐじ)の事を、想ってくれて居たとわ"!タマモ、嬉しくて!涙が()まりません‼︎」

おいおいと泣く玉藻の前

 

ポケットの中をガサガサ漁り

「レディ。どうぞ、ハンカチを」

と五条は玉藻の前に差し出す

 

「あ、どうも有難う御座います。お優しいのですね。……ぐすっ。我が主人様の御先生は」

大きな瞳から出る大粒の涙を、上品に拭っていく

 

「あ、駄目だ足りない。誰か‼︎玉藻の前さんに、トイレットペーパー持ってきて──‼︎‼︎」

五条先生は声を上げた

しかし誰1人としては動こうとはしない

 

「ところで、先程から気になっていたのですがその板。それは……」

「あぁ!これね!ちょっとだけ待ってね〜。これをこうして……。ポチッとな‼︎」

 

先程の光景も充分にツッコミたかったが、それどころでは無い!

冷や汗がダラダラ流れる

 

『僕に初めて出来た最愛の家族だ。

この生活を壊すのであれば、僕は。

悪に、堕ちてやろう──』

 

あ、終わった

はい、終わった

楽しくなると思っていた、学業が終わった

余りの恥ずかしさに耐えかね、僕はその場に座り込み、両手で顔を覆う

 

「ん⁉︎なんと⁉︎……ん〜。『そういう』絡繰(からくり)ですか……。便利な時代になったものですね〜」

五条の持つスマホを一瞥(いちべつ)し、そう答えた

 

「だろう?まだまだ人間も捨てたものじゃあ無いだろう?どうだい玉藻の前?」

 

「はぁ、少しばかり虐めてやるつもりでしたが、こうも立場が逆転されますと……。……では、私これにて──」

玉藻の前が180度振り返り、僕の元に歩み寄る

 

僕の両手の傷は呪力による治癒。反転術式でとっくの前に直した

心の傷も治れば良いんだけどね────?

 

「あぁ、ちょっと待った」

五条先生が玉藻の前を呼び止める

 

「まだ何か?」

 

「ちょっと、この子達に『今出せる本気で挨拶』して欲しいんだよね。呪術師たる者、『最高級クラスの恐怖』を味合うか、味合わないかで成長速度が段違いになる。これ僕が言うから本当だよ」

ニヤつきながら続ける

 

「もし、やって貰ったら、さっきのデータ。新しいスマホに入れてプレゼントしますよー?」

 

玉藻の前の耳がピクリと動く

 

やる気だ……

 

「先程まで、散々流されて居ましたが……いえ。皆様どうぞ、我がご主人と仲良くして『やって』下さい。まだまだ精神が『子供』ですが、よろしくお願い致しますよ?」

 

なんか心に追撃が……

 

「そうそう。主人様に憑いて居るのがこの(わたくし)、『玉藻の前』である事を──」

 

一瞬にして空気が冷え込む

この場には居てはいけないと、本能が警報を鳴らす

重々しい重圧が身体全体にのしかかる

五条先生以外、そう僕も含めて誰もかもが息を止めて居た

 

乙骨に視線を送る

今にも吐きそうな表情

そしてその背後には『里香ちゃん』が乙骨を厳重に『守って居た』

 

「──お忘れなき(よう)──」

 

金色の光に飲まれ、玉藻の前は消えていった

 

 

 

「全く……ふざけすぎだ。尻尾が9つで完全体。現在3つであの殺気──。完全体を祓うには、この僕でさえ……」

 

骨が折れる

 

最強呪術師の五条悟が呟いた

 

 

 

 

 




お疲れ様でした!

今回は自己紹介をメインで書きました。

「妙漣寺とはなんぞや?」を今回書く予定でしたが、区切りが良いので次回詳しく書きたいと思います。
やるやる詐欺ですね。ええ、わかります泣

今回は解説は有りません
ですので、今日はここまで〜

ではまた
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