玉藻の前に取り憑かれた『天狗』の子   作:赤い靴

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第4話です。

今回も楽しみながら読んでください!



第4話 晴天の下。乙骨育成計画

001

 

僕が『前世』について相談した4日後──

 

快晴──

 

「あのー。タマモさん。天気予報だと今後ずっと雨の予報なんですけど……。何かしました……?」

いつも通り、起床して顔を洗いながら聞いてみた

 

『なーんにも、構ってませんよ?天候を操るなんて『今』は到底無理ですね〜』

と、僕の頭の中で囁く

 

玉藻の前は、基本的に『危険が迫る。又は、敵対時』、『こっちから語りかける』、『寝坊しそうな時とか』に語りかけてくる

その他の時間は寝てるそうだ

『約束』して手に入れたスマホ(僕の動画入り)で、遊んでいるそうな

8割型、料理のレシピや、動画を見てるらしい

 

と言いますか。『今』は出来ないんですね……

ふと僕は尻尾について疑問を浮かべた

 

「ねぇ、タマモさん?」

 

『どうしました?』

 

僕はぶかぶかな上着に袖を通す

 

「尻尾ってさ、僕みたいに『修行』すれば増えるものなの?」

 

『昔は増えましたが……今は『取り込まないと増えません』ねぇ〜。残りの尻尾の気配も、全然感じませんし。どこに行ってしまったのやら……』

はあーと、深いため息を吐く

 

『では、(わたくし)はこれで。また、御用が有ればいつでも呼んで下さいまし』

 

そうなんだ。これは初めて知った

イヤ。今まで聞かなかっただけか……

 

僕は上着のチャックを締める

昨日、寝る前に両袖に太い紐をわざと見えるように縫いつけた

 

「あとは……。腰紐、腰紐……」

服が入っているタンスから紐を取り出す

その紐を一旦たすき掛けをする

「で、次に……。また紐……」

今度は短い紐を取り出す

肩に掛かる腰紐と、袖に落とした紐を括り付ける

 

8分袖──

これでいい感じに出来上がった‼︎

長く白い。少し癖っ毛の髪を櫛でとかす

 

白い髪に、薄青い目。ダボダボな白色の学校指定の制服──

 

「朝食、食べに行こ」

 

部屋を出る前にもう一度、窓から外を見る

 

快晴──

 

嫌だなぁ、と心の底から嘆いた

『天気のいいに日しましょうね』と言った自分を殴りたい

痛い思いするの確定だもの

 

 

002

 

今日は『生憎』天気が馬鹿みたいに良いので午後、グラウンド(空いてるスペース)で模擬戦をする事に

今までは室内で僕と真希さんで、憂太くんを指導していた

 

パン‼︎と竹刀同士がぶつかる音が響く

 

「いいねー。憂太くん。さっきよりも『力』が入ってるよ!よし、今までよりも早く振ってみるよ」

僕はブンブンと竹刀を左右に振る

このぐらいの速さ〜、と見せる為にに大袈裟に

 

「じゃあ、いくよ?」

 

「お、お願いします‼︎」

憂太君は竹刀を構え直し言う

 

「たかな‼︎」

棘くんの一声が掛かり、模擬戦が始まる

 

先に動いたのは乙骨──

竹刀を下から上にと切り上げる

それを半歩動き、かわす

(この避け方も後で教えてあげようか……。飲み込み早いし)

乙骨の切り上げた竹刀は、止まることなく2撃目、3撃目と繋いでゆく

鈴谷は避けに徹し竹刀を振らず、ただ乙骨の行動を見ていた

 

(とても良くなってきてる!だけどやっぱり……)

僕が、わざと竹刀を大袈裟に振った所為で、そこにしか見ていない

 

鈴谷はふと立ち止まり、両手で竹刀を握り上段に構える

ここから繰り出される『一文字』。またそこから派生する『一文字・二連』──。露骨に、正面から叩き斬る。ただそれだけ。両手が頭より上に有るので、隙にはなるが修練を重ねれば重ねるほど、重たく、速く、威圧的な攻撃が出来る技。僕はこの技は好き、カッコいいから‼︎

 

しかし鈴谷の両手が天側に上がったのを、乙骨は許しはしなかった

体制を瞬く間に立て直し、突きの攻撃をくり出す。それも鈴谷の心臓部を目掛けて──

 

「いいね。憂太くん。敵の隙に対して、適切な攻撃──。でも‼︎」

鈴谷は竹刀を手放し、乙骨に向かい突っ込む。

 

「ッ⁉︎」

一瞬焦る乙骨。だが覚悟を決めて竹刀を放つ

それをスレスレで避け、竹刀を片足で踏みつける

「うわっ‼︎」

いきなり体勢を崩された乙骨は、悲鳴にも似た声を上げる

そのまま鈴谷は掌底(しょうてい)で、竹刀を撃ち落とし背後に廻る

 

「どっこいしょ」

軽い蹴りで乙骨に膝カックンをし、より体幹がブレる

そのまま服を掴み投げた

「嘘ぉぉ⁈‼︎」

乙骨が空に浮かぶ

 

「ぐふぇ‼︎」

砂埃が舞う

 

「たかな‼︎」

棘くんの『終わり』の合図がでる

 

『たかな』で始まり、『たかな』で終わる……

本当の意味での意思疎通は、まだまだこれからなのかも知れない……

『終わり』ぐらい、『はまち(寿司ネタ)』でも良く無いのか?

 

「お疲れ!いい感じだったよ!だけど、剣(竹刀)を見過ぎだね〜」

憂太くんに僕は手を出す

「あ、ありがとう。本当(ホント)に宗一くんは強いね?」

 

「どうもありがとう〜。でも憂太くんも、良くなってるよ!僕と真希さんで、おおよその事は『教えた』から、あとは反復練習だね」

そう言って、握られた手を引き上げる

そのまま、皆んなが居る所に向かう

 

そう。大体のことは教えた。今は少し動きが硬いが、もう2、3ヶ月有れば良くなるだろう

 

「真希さん!次、真剣貸して〜。練習するから〜」

 

「少し早すぎるんじゃねぇの?ま、鈴谷が言うんだからまぁいいか。怪我しても、私の責任じゃぁねぇし」

ほらっ、と2本手渡した

「ありがとう。真希さん。あ、……憂太くん練習終わったら、模擬戦やる?」

ずっと見っぱなしだった。きっと退屈だったろう

 

「いいぜ。鈴谷は何を使う?持ってきてやんよ」

少し笑いながら真希さんは言った

『何を使う』……。きっと模擬戦で使用する武器の事だろう

 

「槍──。……出来れば『十文字槍(じゅうもんじやり)』。それか『片鎌槍(かたかまやり)』がいいなぁ〜。あ、でも有れば、で良いからね〜」

 

「……⁈わかった、武器庫覗いて来る」

そう言い去って行った

 

「なんだー。鈴谷ぁ、オマエ良いとこあるじゃん?」

パンダが肘で、僕の横腹を突く

「い、痛いです。パンダパイセン……」

パンダ()()。僕は愛称を込めて『パイセン』とつけてる

 

「真希さん。なんだか嬉しそうでしたね?」

乙骨が口を挟む

 

「そりゃあそうさ。今まで、真希(自分)と張り合える程の武具使いの立ち合いは少なかったからな……。

昨日、室内で鈴谷に教えて貰ったろ?武具の素人の俺ですら、真希程に振るえるのでは?と思えるぐらいだぞ?

ただ『教えが上手い』だけでは出来ない神業だ──。

扱う武器を熟知し、尚且つ憂太(オマエ)の身体も気にしての『指導』だ

真希なら鈴谷の『指導』を見るだけで、強者(つわもの)だと思うだろうな」

 

「えっ⁉︎そんなに凄いの⁈‼︎」

とても驚く乙骨

 

「おいおい。まさか自分に『才能』が有るだなんて思ってたのかよ……。逆だ、逆」

へな〜って感じでパンダが言う

 

「……」

乙骨が膝から崩れる

 

「まぁまぁ!憂太にも才能有ると思うよ!最近劇的に良くなってるよ‼︎あ……あれだ!誰にも負けない、ガッツがあるよ‼︎」

よしよしと、乙骨の背中をさすりながら言う

 

「ガッツって……。鈴谷ー、それフォローになって居ないぜ……ッ⁉︎(天啓がいまパンダに降りた‼︎‼︎)」

 

「憂太ァ‼︎鈴谷ァ‼︎超大事な話だ‼︎心して聞け‼︎」

 

鈴谷、乙骨はパンダを見つめる。どうしたんだろうと、言わんばかりの顔で──

 

「巨乳派?微乳派?」

 

「「え?」」

声が重なる

 

「ぼ、僕は……あんまり気にしたこと無いけど……、人並みには大きいのが好きかと……」

(答えるんかい⁈乙骨‼︎)

 

「で、鈴谷は?」

(え"〜〜言わないといけないの〜⁈じゃ、じゃあ……)

 

「……背が高くて……。……大きい人……かな……。でも巨乳とか、そんなんじゃ無いからね⁈」

あれ、最後の言葉……。なんかのアニメで聞いたことある……

 

チクショウ!このまま誤解されてもアレだ!

「真希さんみたいな(強い)人も好きだよ!」

 

ガシャガシャ……

後ろで金属と木製の『ナニカ』が崩れる音がした

振り向きたく無いが、恐る恐る首を後ろに……

 

あぁ、多分終わった

両手を挙げて降参のポーズを取る

一旦お話を……。全てはこのパンダパイセンが悪いんです

 

 

003

 

「ィッ……⁉︎」

真剣での立ち合いの際、乙骨は右手首を見つめた

 

「……!どうしたの?」

 

「手首を軽く痛めちゃったみたいで……。真剣って重いね。竹刀とは全然違うや……」

そこまで多くは振っていない。まず『慣れ』が必要だから、と思い真剣を持たせたが……

 

「切り上げるときに変な癖、付いちゃってる様でさ……。本当に軽く捻っちゃたんだ……」

 

「そうか……。真剣は、まだ早かったみたいだね。じゃあこの一週間は竹刀。それから木刀に移りつつ、真剣の修行ルートで」

僕は憂太くんに反転術式を使用して、捻挫を治す。小声で、皆んなには内緒とつけ加えて

 

それから僕は、袖に取り付けて居た紐をほどく

ほどいた紐は適当に腕に巻き、たすき掛けしていた腰紐も同様にほどき真剣で、手頃なサイズになる様に切断する

 

それを乙骨の右手首に巻き付けていく

「慣れないうちは、僕がやってあげる。だけど覚えるんだよ?」

捻挫しないよう、手首を固定する為に固く巻き上げ、縛る

 

「手製サポーターの完成!これなら手首も固定されて、変に動かないし、怪我も減らせる。木刀からは必要になるかな?あ、でも。慣れてきたら要らないと思うよ〜」

2本の刀の汚れを取り、鞘にしまう

そのまま、刀を真希さんに手渡す

 

「ごめん、出してくれたのに……。見えてなかった」

 

「別に謝る必要ねぇだろ?よし‼︎これで乙骨との練習は終わったな‼︎じゃあ──」

拳をこちらに出して「やろうぜ」と──

 

「あぁ、そうだったね……。憂太くーん!休憩ー!棘くんと、パンダパイセンと一緒に休んでてー」

少し遠くに居る憂太くんに言った

 

僕は立てかけてある十文字槍を手に取る

(へー。本当に有るとは……。綺麗な刃先だな〜)

そんな事を思っていると、思わぬ人から声がかかる

 

 

「ねぇねぇ。鈴谷ぁ〜?僕とは?」

 

五条悟である

 

遂に来てしまった!約束は約束。やらなけばならない……

 

「ごめんなさい。真希さん。先客が居る事、忘れてた」

忘れていた作戦!でも上手くいかなそう……

 

「おぉい!『忘れていた』なんて、悲しいこと言うなよ!ま、こーゆー事だから、真希。ごめんね〜」

言うだけ言って、グランドの中心に先生は歩いて行った

 

「おい!鈴谷!」

真希さんの重い声にビクリと反応する

「1発殴って来い!」

 

きっと真希さんなりの、応援なんだろうか

 

「オッケー。任せろ任せろ!」

武器は持たず、僕もグラウンドの中心に向かう

 

 

 

 

「六神通。解放しなくていいの?」

顎に手を当て、先生は喋る

 

「友達から『1発殴ってこい』って言われたんで、『神足通』だけ解放したいと思ってます。玉藻の前呼んでもいいですか?」

 

「いーよ!」

即答だった。こんなんで良いのか?玉藻の前と結んだ『縛り』は──⁉︎

 

僕は心に念じる

 

タマモさん。神足通だけ解放してくれ。と

 

『全部……と、言う訳には行かない様ですねぇ。かしこまりました。では……‼︎』

 

一気に身体が軽くなる

2、3度ジャンプして感覚を思い出す

 

「もう大丈夫ですよー。あ、『終わり』方ですけど、僕の『戦闘不能』か『降参』。或いは『五条悟に1発パンチをお見舞いする』です」

 

「へー。いいね、それ。ますますやる気が出てきたよ。なんならもう始まってるんだぜ?ほらほら、来いよ?」

先生が手招きする

いつの間にか、包帯を取り六眼で僕を見ていた

 

完璧に舐めてやがる……

僕は一呼吸し、飛び出した

野をかける狼の様に。イヤ、それよりも速く──

 

「単調だね。まずは簡単に──」

五条が術式を発動させる

 

「術式順転『蒼』」

五条悟の無下限呪術の『収束』を強化した技──

その吸い込む力はとてつも無く強力

 

「おりゃ!」

鈴谷は地面を蹴り上げ、収束する空間に砂煙を被せる

五条からは、鈴谷の姿は見えなくなる

しかしその砂煙は1秒としない間に、『蒼』により消えてしまった

 

だけれども、鈴谷にとっては満足する結果となった

 

五条の背後、そこから力強く、天に向かって五条を蹴り上げたからだ

勢いよく空中に飛んだ五条だが、上空10m程で失速。その場に留まり浮かぶ

 

「次は空中戦ね──。了解‼︎」

鈴谷は足を2度地面を踏む

すると突然、鈴谷の視界に五条悟が現れる──

 

鈴谷の素早い蹴りを空中で食らわせるが、上手く入らない

五条は腕で鈴谷の攻撃をガードしつつ、術式順転『蒼』を使い自らを後ろに逃がし、受けるはずだったダメージを激減させた

 

 

「瞬間移動──?。いいね、その『神足通』ってヤツ。でも、デメリットもあるんだろう?」

先生が語りかける

 

「そうですねー。これと言ってデメリットは無いですが……。あ、強いて言うなら、自分で『座標』をつけて居ない土地、場所へのテレポートは出来ませんねー」

空中を歩きながらそう返した

 

「あ、じゃあ、女湯とかは『自分が前持って一旦入る』、或いは『目視で座標を作成』しないと出来ない訳ねー。神様も酷いことをする……」

 

「何ですか?その最低な発想は……?でも、強いでしょ?コレ。全部不意の攻撃でしたし。まぁ、直前で避けられてますけど……」

はぁぁ、と息を漏らす

普通の人ならまず避けられない

これが五条悟か、としみじみ思う

 

でも──

 

「1発ぶん殴りますからね?覚悟した方が良いですよ?」

不敵に笑ってみせた

 

「何言ってんだい(笑)。僕はまだまだ本気じゃあないぞ〜」

青い眼がこちらを見つめる

 

 

コワッ‼︎

何この人⁈

 

僕は今頃になって少し後悔し始めた

でも、カッコつけちゃったしねー

 

 

まだまだ鈴谷と五条の模擬戦は始まったばかりである

 

 




お疲れ様様でした‼︎

今回は、鈴谷と乙骨がイチャイチャする話でした

皆様、本当に読んでくださりありがとうございます!
めちゃくちゃ嬉しいです!励みになります!
この後も、出来るだけこのペースで進めたいな、と思ってます。

では、ここらは先はキャラ紹介!
今更ですが、主人公をさせて下さい

鈴谷 宗一 (すずや そういち)
誕生日 3月21日 2001年生まれ 男

白く少し長い髪に、薄く青い目が特徴
背は低く157センチ。体重41kg
第一印象は女の子
本人はそれを気にしてる
けど、美味しいご飯が食べられれば、どうでもいーや。と思ってる。単純な奴

山に閉じ籠って生きて居たので、急に状況が変わると混乱して、目がグルグル状態になる(乙骨に言われたアレ)
かなり、おっちょこちょい(良い意味で)
しかし、通常の生活ではソレが発症するが『山に籠っていた時』、『戦闘時』にはならない
逆説的に言うと、鈴谷がリラックスしてる証拠


好きなものは、甘い物全部。食べ物。アニメ、漫画、ゲーム。友達。魚料理

嫌いなものは、妙漣寺。

苦手なものは、お肉(でも最近食べれる様になってきた)。五条悟


ん〜。大体こんな感じですね。
鈴谷の過去は、本編に出そうかなと思ってます。

ここで解説もあれですが、『十文字槍』。あれの使用はかなり難しいらしいです。ですが使いこなせると、突けば槍、払えば薙刀、引けば鎌と言われてます。
鈴谷が十文字槍の名前を挙げたのは、殆ど自慢です。ですが、真希の素早く力強い攻撃を牽制するには、十文字槍が妥当と考えたからです。

ただそれだけです。申し訳ないです…

では、また〜

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