玉藻の前に取り憑かれた『天狗』の子   作:赤い靴

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第5話です‼︎

書いていて、少し長めになってしまいました…

12話前後には、なんとか終われそうです(確信!
でも、どうせ次話辺りで撤回すると思いますが……

今回も楽しみながら読んで頂けたら嬉しいです‼︎‼︎


第5話 還源術式 領域展開

001

 

ボロボロの僕。その隣には、方鼻にティッシュを詰めた先生──

 

そんな僕らが正座で<夜蛾(やが)>学長が現在進行中で作る、縫いぐるみを見つめる

 

チクチクチクチク……

 

夜蛾学長が刺す、針の音がこの部屋に響く

それほど静かなのだ

 

「で、どっちが悪いんだ?」

夜蛾学長の問いにすぐに反応する

コイツがやりました、と僕は五条先生に指をさす

 

「……で、どっちなんだ?」

夜蛾学長の言ってる事が分からない

もしや、と思い僕は五条先生の方に顔を向ける

 

「…………」

僕に向けて指をさしてやがる

「悟だな……」

指導の拳が五条の頭に入る

「オマエは昔から全く変わらんな!」

 

イタタと呟きながら夜蛾学長に返した

「確かにグラウンドは僕らの模擬戦で……まぁ、使い物にならなくなったけど鈴谷の力量は知れたよ。『ここまでしないと』実力が測れないからね。収穫はあった──」

ニヤリと笑い続けて言った

 

「特級呪術師の中では、僕の次に強いよ。まだ成長途中だけどね──」

 

10分程叱られ続けた

1番僕の心に効いた言葉は、『悟の様な人間は2人も要らん!』

酷くないか?なんなら玉藻の前ですら、笑って居たし……

 

 

「し、失礼、しました〜」

僕はゆっくりと扉を閉めた

このまま教室にと向かう為、廊下を歩く

 

東京都立呪術高等専門学校。その学長である夜蛾正道(まさみち)先生に怒られた

理由は五条先生との模擬戦

何度も何度も、先生の術式によりボロボロになりながらも、右頬に1発パンチをお見舞いする事が出来た

けれど、それが行けなかった

 

お互いヒートアップし、気づいた頃にはグラウンドが大小様々なクレーターが出来ていた

痛い思いしたけれど、楽しかった

だけどやり過ぎた様だった。最後に夜蛾学長から『直々に任務を下す』と、処罰を貰う

 

五条先生が

「真希や、棘、パンダが日々やっている任務とそう変わらないよ。ただ鈴谷の場合、『特級クラス』の任務になるだけだから」

と笑っていた

 

『特級クラス』ね……。どんな相手だろう?

先生との模擬戦で僕は、『領域展開』、『生得術式(しょうとくじゅつしき)(※術式の事)』を使わなかったからな〜

僕の『生得術式』は、『領域展延(りょういきてんえん)』と似た様な能力──。いっその事、火でも吹けたら良かったのに……

 

心の中で愚痴を垂らし、教室の扉の前で止まる

 

少し息を整えてから──‼︎

 

「五条先生をぶん殴って来たよ──‼︎‼︎」

今までに無い笑顔で教室に入る

 

そこからは楽しい時間が続いた

黒板には堂々と『あの憎きバカに清々しい一発をありがとう‼︎』と書いてある

僕の机の上には、近場のコンビニで買ったであろう沢山のお菓子とアイスがあった

 

「ほら、沢山食えよ?俺たちが買ってきてやったんだからな?」

腕を組み、パンダ先輩(パイセン)がうなずく

 

「甘いものが好きって言ってたからさ……。嫌いなものがあったらごめんね……」

憂太くんがソワソワしながら言う

それに続き、棘くんも相槌を取る

 

「そんな事ないよ!お菓子なら、なんでも好きだよ〜。皆、ありがとう〜。わぁ!アイスあるじゃん‼︎」

 

アイス(それ)、溶ける前に早く食った方が良いぞ?」

真希さんが指をさす

 

『チョコミントアイスクリーム』──

 

蓋を開けて、付属のスプーンで一口頬張る

「ん⁈あんまぁい!」

 

「?『あんまぁい』?」

眉をひそめ真希さんが聞く

 

「『甘い』と『美味い』の複合語。僕のオリジナルの言葉。真似していいよ?」

 

また美味しい食べ物を見つけてしまった!

後から聞いた話だけど、チョコミントアイスを買ったのは真希さんだと、憂太くんに聞いた

 

 

002

 

それから3日後──

 

僕は、呪術高専の先生(関係者?)が運転する車の後部座席に居る

時刻は夜の9時58分。いい加減、眠たくなって来ているが『彼』が僕を寝させてくれない──

 

五条悟──‼︎

 

なんなんだよ、この人は⁉︎人が嫌がることをするプロフェッショナルだろ⁈しかもなんで隣に居るんだよ‼︎⁉︎

あともう一つ。スヤスヤと寝れない理由(わけ)が……

 

「……でさ、さっきの天ぷら、美味しかったね?」

サービスエリアで食べた夕ご飯の話をしている

 

「……。でも、そうですよね……。この季節に『山菜の天ぷらは珍しいな』と思って食べましたが、予想以上に美味しくて──。あとあの蕎麦も良かったです!やっぱり蕎麦は冷たいヤツが最高で、すぅぅぅ──」

口が滑った。食べ物の話になると喋らずにはいられない……

僕の悪い癖だ。早急に治さなければ……!

 

「あははは、鈴谷はそうゆう所あって良いねー。是非ともこのまま、変わらずに居て欲しいものだね〜。ね?<七海>?」

 

「いい加減にして下さい。鈴谷くん、このヒトの言う事は聞いてはいけません。反応するだけ無駄です」

助席に座る一級呪術師の七海(ななみ)健人(けんと)が冷たく言った

 

「チッ!乗れないなぁ。この『脱サラ呪術師』め‼︎」

舌打ちしたよ!この五条悟(バカ)‼︎

 

もう嫌だ。この車内の空気、絶対に淀んでる……。運転してくれてる人だって青い顔してるもの‼︎‼︎

 

ゴホンと大袈裟な咳払いをして、五条先生は口を開ける

 

「もう、耳がタコになるくらい繰り返して悪いが、今回は『呪詛師(じゅそし)』への処分執行だ。この事は、クラスの皆は知らない。夜蛾先生からの依頼だ」

 

『呪詛師』。それは、呪霊から人々(非術師)を守る呪術師に対し、自身の欲望や快楽のために人々を呪い、殺害する者たちの事──

つまりは僕ら呪術師の敵。その待遇は呪霊と変わらない

 

五条先生(うえ)の『命令』なら、なんだってこなしますよ。僕は先生の『犬』ですから」

僕に秘匿死刑を命じられてから、自分の運命はある程度決まっているのかもしれない

今ここで死ぬか?

それとも、この人の犬として生きるか?

 

「申し訳有りません、鈴谷くん。その該当する呪詛師、かつては私の部下でした……」

いっそう渋い声で、七海さんは言った

「良いんですよ!別に七海さんは悪いことしてませんし!部下と言っても3年も前の事ですよね?」

 

「…………」

七海さんはサングラスに手を当てる

 

 

「『人殺し』は僕の様に、堕ちた人間にやらせれば良いんです。その方が、他の人に迷惑、かかりませんから……」

ふとクラスメイトの顔が浮かんだ

 

「そんな事言うなよ……。こっちまで悲しくなる」

 

「嘘つけ」

 

そんな僕の返しに先生は、何も反論しなかった──

 

 

 

003

 

依頼があったのは、街灯も無く(さび)れた村──

 

任務概要

『村落にある日、4人組の男が現れた。その日を境に村内で神隠し、変死が目立つ様になった。

その原因は4人の男と思われ、6名の視察を派遣。しかし派遣した隊員は戻らず、村内の住民との連絡が急に止まる。

この事から、4人組の男を呪詛師と判断する。

呪術規定9条に基づき、処刑対象として扱う。

以上──』

 

そんな事を書いてある紙に目を通す

この紙切れ1枚で、4人が死ぬ──

 

「では、鈴谷くん。よろしくお願い致します」

 

 

「じゃあ僕はここで。伊地知(いじち)と七海と待ってるよ」

 

村の前。少し拓けている場所に車を止る

「ご武運を!」

今にも倒れそうな伊地知さんが言ってくれた

 

「……すみません。上からの命令でもこれは……私の……」

七海さんが眉間に皺を寄せる

 

「大丈夫です!頑張ります」

何が大丈夫なのかわからないが、僕はそう言って車に出た

 

この村は山の麓にある

山の頂には、(やしろ)。恐らくはソコに呪詛師が居るのだろう……

けれど……生存者はたとえ居ないと分かっていても、探さなくては……

 

全部で14軒。この情報は伊地知さんから教えてもらった

僕は一軒一軒周り、最後に社に向かう事にした

 

〜1軒目〜

 

異臭無し

畳に血痕

争った痕跡

 

最悪な気分になってきた

 

 

〜2軒目〜

 

異臭が微かに臭う

大量の血痕

台所に転がる、血がついていない包丁

抗ったが無駄だったのだろうか?

 

長い髪の毛、耳の一部を発見

 

「脅しに使ったのか……?」

 

『酷いことをする人も居るんですねー』

玉藻の前がそう悲しく呟く

 

「人じゃあ無いよ。こんなの『出来る』人はただの──」

獣だ

 

戸を開け外に出る

 

「タマモさん。次、行こうか?まだ……、生存者がいるかも知れない……」

『そうだと、良いのですが……』

 

無意識のうちに妙漣寺と重ねてしまった

確かにあの中には、この世に解き放っては行けない『獣』も居た

だが、皆んなが皆んな、そうだったのだろうか?

 

僕が殺した中には、まだ『まともな人』が居たのかもしれない……

 

 

吐き気がしてきた

 

 

〜3軒目〜

 

戸を開けて中に入る

そこには一体の下級呪霊が居た──

 

小さく、ゆらゆらと漂う──

今まさに消えようとしている程に

 

「こっちに来い、って事だよな」

僕は、その呪霊に近寄る

異臭が鼻をつく

僕が近づくと、その呪霊は奥へと進む

(やめろ。ソッチに行かないでくれ……)

 

廊下を歩き寝室に

さらに臭いが酷くなる

それに伴い、蠅が空を舞う

 

小さく、弱い呪霊が『あるところ』を見つめて、留まる

 

高級そうな木製のタンスが有る。見つめる先には、子供1人が隠れられる程の引き戸がある

『そこを開けて』と言うかの様に

 

「……開けるよ?」

 

(なにやってるんだ僕は⁈まだ今なら、深く傷付かない筈だ!ソコの確認は呪詛師を殺してから、調査団に確認して貰えればいいだろう⁇また……僕は……『あの時』と同じように傷つくぞ‼︎‼︎)

 

しかし僕はソノ取っ手に、手を伸ばす

呪霊が見つめる目が、とても愛おしい者を見つめる眼だったから

 

鍵が掛かっていた

第三者が、外から鍵を締めたのだろう

父親か、母親か。それとも祖父母なのか……

 

力強く引く

バキッ‼︎と金具が壊れる音と共にソレは落ちてきた

 

ヒトの丈夫な皮に覆われた、ドロドロした液体が

 

見た目から10歳程の少年

露出した肌は、点々と青と紫に変色している

半開きの口には、白色の虫が蠢く

 

絶句──

 

言葉を失った

僕をこんなところに案内した呪霊を見る

 

その呪霊は1つお辞儀に似た行動を取り、消えて行った

 

成仏した?『子供の死』を確認出来たから?それとも、生きてる人間に『子供の死体』を発見して貰ったから?

その理由は分からなかった

 

僕はその遺体を優しく抱えて体制を整える

そのまま、少年の頭を撫でる

 

「後でしっかり弔ってあげるから、もうちょっと待っててな?お線香もあげに行くよ。線香だけじゃあつまんないから、他にも……」

少し考え、思い付く

「ん!そうだ、どら焼き好き?あと『おはぎ』どか?僕、甘いもの好きだからさ、昔よく食べてたんだよね〜。良い思い出はソレだけだな〜」

 

僕は撫でるのを辞めて、立ち上がる

「少し用事があるからまたね。すぐに戻ってくるよ。すぐに、ね」

 

上げた視線の先、古い甲冑が有った

それに僕は近寄る

古く使いこなされている

刀は無いが、とても良い防具だ

 

「あの呪霊め……。コレはそのお代な?コレで貸し借りは0だ……」

甲冑。その兜にある面頬(めんぽお)を取る

(※面頬(めんぽお)。顔面を守る防具。ゴーストオブツシマにあるアレです!)

その面頬は鬼をかたどった物だった

 

そのまま僕は外に出る

 

『残り11軒ありますが……』

「もう辞めた。自分の欲に溺れた獣が、そう易々と人を生かす訳が無い……」

僕は紐を頭の後ろで結び、面頬を付ける

 

「全部、解放して」

『……!それは勿論♡‼︎』

 

この時僕は『あの時』と同じように修羅に堕ちた

 

これも因果律(さだめ)と言うモノなのか?

 

 

 

004

 

「もう、呪詛師と戦っている時間でしょうか……」

七海は腕時計を見る

 

「ま、大丈夫、大丈夫。鈴谷さ、僕と同じぐらい強いから」

あははは、と笑い返す

 

「こんな事態に笑うのは辞めて下さい。『最悪の事態』になりましたら、私たちは、『鈴谷くんを殺さなければならない』。分かってますか?」

 

その言葉を聞くなり、急にテンションが落ちる

「分かってるよ、七海。<夏油(げとう) (すぐる)>──。

アイツの二の舞にならない様に仕組んだチームだろ?

『裏切りが無いか、確認する為』に、わざと『人殺し』の任務を鈴谷に与えた──」

 

五条は片足を運転席、伊地知が座る席を蹴る

 

「なぁ、伊地知。なんで僕がこんなにイラついているかわかるか?」

 

「う……上の対処の方法……でしょうか?」

 

「そう!本当にふざけてるよな?やはり纏めて、殺した方が早そうだ」

ガリッと歯の噛み締める音が鳴る

 

「まぁ、それは置いておいて、鈴谷くんの『術式』を教えてもらっても?最悪、相手をしなければなりませんので……。あと貴方を殴ったと聞いてますが」

七海が五条に言った

 

「あぁ、じゃあ紹介してあげよう!鈴谷の術式は『還源(かんげん)術式』だ!あ、コレ僕が名前をつけたから」

還、源と文字を七海に伝える

 

「還源術式……。能力は?」

 

「触れた『術式』や『呪力』を消失させる。これで僕が殴られた」

凄いだろ〜と自慢げに話す

 

「?『術式』の消失なら『呪具』を用いれば無くなる事は知ってます。ですが、呪力となると……」

 

「そう!呪力もろとも『奪われる』。そう言った方がいいかな?」

 

「では何故、『(かえ)る』に『(みなもと)』なんです?これなら『奪う』の文字が入って居てもいいのでは?」

 

「なんでも『奪う』とは違うらしい。鈴谷がそう言ってた。『呪力をもとの場所に還す』だってさ。僕の術式が消えたのは、触れられた部分の『呪力』が無くなったからだよ。ややこしいね〜」

 

「つまりは、『触れた部分』を家電製品に置き換えましょう。

我々は『呪力』という『電気』を消費して、『術式』……つまりは『ミキサーを動かしている』。

鈴谷くんが触れた場所は、電気(呪力)の供給を強制的に遮断する。つまりはコンセントを抜く、という事。

よって『電気(呪力)』を失ったミキサーは止まる……」

 

「あー。いいね!それ。今度、乙骨にもそうやって教えてあげよう!」

 

「ですが、『触れる』。これはかなりのデメリットですね。これなら最悪、勝機はありますね」

七海は独り言の様に呟く

 

「あ、言い忘れたけど、鈴谷さ。『領域展開』使えるんだよね〜。まっ!僕の『領域展開』の方が洗練されてるから、負けないけどね‼︎」

 

パリッ!

七海のサングラスに薄くヒビが入る

 

「領域展開は、術式を付与した生得領域を呪力で具現化すること。その領域内は術式が必中──。つまり領域内に入ったら最後……『全身から呪力そのものが抜ける』……。呪力が無ければ、『術式』や『呪力での自己強化』すら出来ない……」

 

「そゆこと。あと鈴谷さ、六神通のうち3つも取得しててさ身体の半分、人間辞めてるんだよね〜。素の身体能力、マジヤバいぞ?」

さらに笑いながら言った

 

「それ、勝てるんですか?」

 

「勝てるとも。なんせ僕は『最強』だからね──」

 

 

 

 

005

 

「領域展開。自世限下理(じせいげんかり)!」

 

最後の呪詛師に向かって僕は領域展開を発動する

『やってしまいなされ!ご主人様‼︎カッコいいですわよ!』

 

眩い光の中、領域が広がりその世界が見えるようになる

 

日本神話で例えるならば『天地開闢(かいびゃく)』の時

空は神々しい光が降り注ぎ、下は暗く混沌とした海が暴れている

 

その間、まるでそこにガラスの板が有るかの様に僕と、呪詛師は立っていた

 

「ゔっ!なんだ!これは‼︎」

そんな悲鳴にも似た声で呪詛師は膝から崩れる

呪力が底を尽きたのだろう。一気に無くなったことによる、高山病にも似た症状が呪詛師を襲う

 

「なんだ。オマエ弱いじゃんか。見栄を張らなければ、もっと楽に逝けたのに。呪力があればある程、この空間でも普通に動けるはずだけど……」

僕は血に濡れた日本刀を持ち、一歩、また一歩と近寄る

 

「領域展開か……。なら、逃げ場は無いか……。ここで、俺は、死ぬのか……」

虫の様に転がる呪詛師に僕は反応する

 

「僕の領域展開は縛りを設けてある。能力が強いあまり、範囲が狭くてね。だから僕のは、『結界』が存在しない。つまり、出入りは自由。その縛りのお陰で、範囲を直径50mまで伸ばせたけど……。頑張れば逃げれるよ?」

まぁ逃す気は無いけど、と付け足し冷ややかに言い捨てた

 

「『結界』が……存在しない、領域展開、だと⁉︎結界を閉じずに『生得領域』を展開しているのか……‼︎‼︎」

 

「そうゆうこと。これも出来る様になったのも、半分人間を辞めたおかげだけどね。でも僕は、妙漣寺(こんな奴ら)に感謝はしないよ」

 

刀を構える

 

「最後に言い残す事は?」

 

 

そう言うと、呪詛師は笑って応えた

 

呪術師(お前たち)は、呪霊など払ってなどいない‼︎あれは!やはり、『人』だったよ……!!」

 

社に山の様に重なった死体を思い浮かべた

 

 

「地獄に堕ちろ」

 

僕は呪詛師の首を目掛けて、刀を振り下ろした

 

血が噴水の様に出る

だがそれは一瞬のこと

それ以来は、チョロチョロと血が首から出る

 

再び光に包まれ、領域展開が閉じる

 

「タマモさん。もう良いよ。また『封じて』欲しい……」

血がついた刀をその辺に投げ捨て、言った

 

『……。それ程までに嫌うのですね?その力を……。わかりました。再度、封をしておきましょう』

 

玉藻の前の声と共に、一気に開ていた視界が狭まる

神通力を封じ込めた原因だ

 

「さて、もう帰らないと……。五条先生と、七海さんに報告……。あと、あの子の葬儀に線香とお菓子……。もう……いいや……。疲れた……」

僕はそう呟き、テクテクと歩き出す

 

「待ちたまえ!君!」

後ろから声がかかる

声のトーンからして、殺意は無さそうだ

 

残った残党?それとも新しい敵?

後ろを振り向く

 

そこには『見たことある様な顔』の人物が

 

「誰ですか?敵なら殺しますよ?あと、前髪、なんか変ですね」

僕はソイツに言った

 

「前髪が変って、前にも言われたな……」

ボソリとつぶやいてその人は言った

 

「私の名は、夏油 傑。ある理由で呪詛師をやってる。今の君とは、敵対中の存在だね」

その夏油と名乗る男は、僕に手を出す

 

「?……知らない男の人には、手を出しちゃダメって、五条先生が言ってた」

と拒否する

 

「釣れないねー。キミ。なぁ、鈴谷くんと言ったかな?

キミも私と同じようにならないか?

今日はスカウトしに来たのさ。この世の中、間違いだらけじゃあないか?

君もそう思ったこと、あるはずさ。なんせ君は──」

 

妙漣寺の最高傑作だからね

 

「勧誘はお断りです。もう疲れたので、行きますね。さよなら」

僕はそのまま行こうとした

 

だが手を握られ、ナニカを渡された

 

090-×× ×× ×× ××

 

「私の電話番号。いつでもかけてくれよ?」

 

「僕が、この紙。番号を上の人間に伝えたらどうしますか?」

 

「そんな事はあり得ない!キミは私と同じ匂いがするからね」

 

「…………」

僕はその場を後にした

 

後ろから声がかかる

 

 

「呪術師だけの世界を創る。これが私の目的だ。そうなれば、『呪い』で困る人はいなく成るはずだ。電話、いつでも待ってるよ」

 

 

 

 

 

006

 

今回のオチ

 

呪詛師、4人の処刑は鈴谷によって達成された

 

鈴谷が裏切ることなく、五条の元にたどり着いた

 

鈴谷が夏油から受け取った番号は、暗記し紙を粉々に破き、風に残骸を運ばれた

夜蛾学長は勿論、五条先生にも『夏油傑』が居た、と言って居ない

その理由はわからない。何故か言えなかった

 

 

今日も屋根に強く雨が打ちつける

時折、稲光が電気をつけて居ない部屋を明るくする

 

あれから10日経った

 

心に残るモヤモヤは消えないままだ

 

「なぁ、タマモさん。携帯。持ってるよね?」

深夜の自室。僕の声と、雨音が響く

 

『まさか、電話しようと考えてませんよね?』

 

「しようと思ってる。でも、少し話をするだけだよ?『高専から出たい』なんて1ミリも考えて無いよ」

あははと笑い玉藻の前に、そう言い返した

 

『では……』

 

金色に輝く光と共に、タマモさんの携帯が降ってくる

 

「ありがとう」

 

僕はそういうと、番号を打ち込む

 

5回ほどコールが鳴る

そして……

 

『はい、もしもし。どちら様で?』

夏油の声が、携帯越しに聞こえる

 

「僕、鈴谷、です。少し……お話をしたくて……」

 

『あー、そうゆう事ね〜。鈴谷くん、また会えないかい?東京に行きたいとうるさい子がいるもので……。日時は、2日後には決める。また電話してくれないか?』

 

「良いですよ?今、少しお休み貰ってますので。いつでも」

 

そう言ってから、僕は電話を切る

 

話だけ、話をするだけ……

 

 

はぁ、とため息を漏らしベットに横になる

 

疲れた

 

眠い

 

 

このまま、まるで子供の様に深く眠れたらいいのに……

 




お疲れ様様でした!

今回は、かなりハードな内容だと思います
全て、僕の文を書く能力がない為なので、、、

ですので、ここまで読んでくださって本当に感謝してます
ありがとうございます!

さて、今回は色々と呪術について書きました
いやー、これからですね。鈴谷の本当の戦いは!

鈴谷の術式ですが、これを書く前にだいぶ考えてました
五条悟と匹敵するほどの術式。かと言って、五条悟に勝てないぐらいの能力……と
そこで思いついたのが、これです!
コンセントを引き抜いて、物理で殴る戦法!

これしか無い、と思い、これをベースに妄想して出来上がりました!
この先『やりたい展開』があるので、時間軸を呪術廻戦0にしました

一応、僕の頭の中では、呪術廻戦(本編)でも続けられる様に書こうと思いますが、いかんせん時間とやる気が………
ですが、この作品。『玉藻の前に取り憑かれた『天狗』の子』は最後まで、しっかりと書き切りたいです!

今回は、これと言った解説はありません

次回は、鈴谷の過去のお話を2話ぐらいに渡って(最悪1話)書こうと思います

鈴谷というキャラクターの何故?どうして?が解消されれば、良いなぁ〜と思っています

ではまた〜
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