転生したらダイワスカーレットの兄になっ………えっ!?姉ですか!? 作:ミレニア
三年前の自分が好き勝手書いたので正直全然覚えてないですが、よろしくお願いします。
GⅠ NHKマイルカップ
「──400を通過!メイショウボーラーが上がってきた!更には後方外をついては7番と8番!大外からキングカメハメハ!間からコスモサンビームが上がってきた!坂を駆け上がってキングカメハメハ先頭だ!内からコスモサンビームが2番手!だがキングカメハメハだ!キングカメハメハゴールイン!これは圧勝です!無敗でGⅠを制したキングカメハメハ!」
1着 キングカメハメハ 1:32:3 R
…ごめん、使い回しになっちゃうんだけどさ。
……悪い、やっぱつれぇわ。
理由はお分かり、数日前に大王ことキングカメハメハがNHKマイルを制した。
別にそれ自体は知ってた事だから良いんです。たださ、無敗って何?えっ?貴方一回は負けてたじゃん!何で普通に勝ってんの!?
中山苦手どこ!?だったら何で皐月賞出なかった!!?いや出てくれなくて結構だけどさ!
それに話はそれだけじゃないからな。なんだあのタイム。1:32:3?俺の知ってるレコードじゃないんだけど。何か早いんですけど。
あのさ、神様よ。何で敵を更に強くしてしまうん?俺が成長する度に相手も強くなる上方修正型とか言わんでよ。
まぁ、分かってる。ここは現実。いくら忠実に基づいてるとはいえ、結局はそれだけ。
俺は中身が違うから例外にしても、他の奴らだって変わろうと思えば変われる。
ましてや、ここはアニメ時空であるがアプリ時空でもあるんだぜ?いくらでも変わるだろうよ。
…とはいえ、だ。
「はぁぁぁぁ。…つらい」
ため息つかずにいられるかこんなの。スタミナの懸念にただでさえ強い敵の強化。全く──
「──やってやろうじゃんか」
ガサガサ。
「…ん?」
───。
「気のせい?」
ガサ、ゴソ、ガサゴソ。
「…いや、何か近づいてる様な」
──シーーーン
「なんだ、やっぱきのs──」
「やっほぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
「くぁwせdrftgyふじこlp???!!」
メジャーが座るベンチの後ろの草むらからガバッと立ち上がり叫ぶ誰かに、どんな発音なのかを聞いてみたい声を荒らげる。
「あ、ごめん。誰かいたの?」
「居たよ!めちゃくちゃ居たよ!!すっごいうるさいよ耳キーンってなってて聞き取りずらいよ今!!」
「あー!今話題のダイワメジャーじゃん!」
「無視かアンタおいコラ!」
絶妙にやりづらい雰囲気を感じながら、渋々自身の怒りを収めつつ脅かしてきた相手を見つめる。
「…ん?君って」
「気がついた?あー、良かった良かった。そんじゃまー、初めましてって事で──」
「──我が名はキングカメハメハ。最強の大王なり」
先程の雰囲気とは打って変わり、こちらを威嚇するようにその威圧感を存分に発揮する。正しく我が大王と証明するかの如く。
「───へぇ、確かに初めましてだね。私はダイワメジャー。悪いね、君の事は一方的に色々と知ってるよ。大王様?」
こちらも負けじと睨みつける。冷や汗をかきながらも笑って相手を見つめる。
永く感じる十秒程の時間が経った時、相手は満足したのか急にニカッと笑いだす。
「ははは!いやー、急にごめんね!どうしても強そうな相手を見ると試したくなってさ」
「ホントに急なもんだから、心臓に悪いな」
「ごめんって。でも、メジャーちゃんがちゃんと強いって事が分かったよ!…皐月には出なくて正解だったかな?」
「…どういう事さ」
「ハナちゃん…じゃなくて東条トレーナーさんは皐月賞に出ようって言ってたんだけどね?私は出ようとは思わなかったんだ、貴方が居たから」
「何で、私が居たら出ない事になる」
「…だって、ずっと貴方は私を見ていたでしょう?実力が未知数なのにも関わらず、デビュー前からずーっと。そんなの、気にならない訳が無いじゃん?だから…私も貴方を見てたんだよ。ずっとね」
「まあ、流石にバレるよねぇ。でもまさか、私も調べられてるとはね…偉大な大王様直々に」
「私だって、気になる相手の事くらいは普通に調べる位はするよ?全部人任せにしちゃう程、大王の名に傷を付けるような怠惰はやってられないからね!」
「だったらさ、私の事を少しは分かってるとは思うけど…一応言っとく。私が妹の次にずっと考えてたのは、アンタの事なんだからね?」
「うんうん、知ってるよ。あーそうそう、まだ答えて無かったね。何で皐月を出なかったか。そんなの一つに決まってるじゃん」
「無敗同士が日本ダービーでの対決、ワクワクするよね?」
それはもう楽しそうに笑っていた。笑っていたが、それでもメジャーには疑問がまだ残っている。
「…だが、それは皐月賞を出ない理由にはならないんじゃないか?」
「それもそうだね。まぁ、簡単に言えば──」
「皐月に出ても、私は貴方に勝てるだろうし。何より、NHKマイルと日本ダービーの変則二冠って楽しそうでしょ?」
「…は?」
つまり、だ。メジャーが相手だろうと勝てる。それについても腹が立つが、自分自身への自信の表れと言われれば納得しよう。
だが、そんな勝てると思われる相手をするよりもこっちの方が楽しそうと言うだけで路線を変更し出なかった、ということ。
「それに、貴方にはダービーで勝つ予定だから皐月は良いかなって、えへ」
メジャーの内に烈火の如く燃え上がるものが渦巻く。あの様な言い方をされればお前位、簡単に勝てると言われているのと同義で。その上で傲慢にも楽しそうとだけでライバルとすら認識されず。ここまで言われれば誰だって「お前を下として見ているぞ」と理解する。
メジャーとて、ここまでバ鹿にされれば当然それ相応の怒りを持つ訳で。
ハチャメチャにキレていた。だが、だからこそ笑っていた。
「あっはははははは!そっかそっか、ならよぉーく聞いてなよ?
その傲慢さも、大王としてのプライドも、全部へし折って潰してやる。アンタには絶対負けない。だからさァ──
──かかって来なよ、キングカメハメハ」
「…ふは、我に勝てるとその思い上がり。甚だ図々しいぞ?
だが、良かろう。
だが、認めよう。
だが、
かかってくるのは──貴様だ、ダイワメジャー」