転生したらダイワスカーレットの兄になっ………えっ!?姉ですか!?   作:ミレニア

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最大の敵は妹である

「…あはは、スカーレット?そろそろ離して欲しいなーって」

 

現在苦笑い気味のダイワメジャーの腰に抱きついたまま、かれこれ20分は離れず動かずを徹しているダイワスカーレットがいる。

何故このような事になったか。今より30分程前。

 

「ねぇ、母さん。トレセン学園に行くとなったら向こうで暮らす事になるんだっけ」

 

「えぇ、そうよ。貴方は中等部から入学だから当分は離ればなれね」

 

「そっかぁ、荷物とかどうしよ。まぁ、持っていきたいものなんてそんなに無いけど」

 

「あなたはあんまり私物とか無いものねぇ。それよりもメジャー?あなたはいまから大変な事になるだろうけど、トレセン学園に行くまでには大丈夫な様にしてね?」

 

「エッ。あの、それはどういう──」

 

「お姉ちゃん、居なくなるの…?」

 

「あっ」

 

とまぁこんな事が起き、未だに一言も発さずに抱きついたままである。

しかしこのままでは移動なんて出来ない為にスカーレットとの会話を試みる。

 

「スカーレット」

 

「……なに」

 

「そろそろスカーレットも疲れない?ほら、1回離してさ、座ろ?」

 

「イヤ。アタシは大丈夫だから」

 

「おねえちゃんは大丈夫じゃないです割と腰への締め付けのダメージががが」

 

そう言うと腕の力が和らぎ、簡単に解けた。

スカーレットはむぅっとした表情を見せた後にソファに座ると、今度は悲しげな表情へと変わる。

メジャーも隣に座り、頭を撫でながら話を聞く。

 

「…お姉ちゃんはトレセン学園に行くんでしょ?」

 

「まぁ、そうだねー」

 

「…お姉ちゃんはこの家から居なくなるの?」

 

「…まぁ、そうなるね」

 

「……アタシ、まだ一緒に居たい。お姉ちゃんと離れたくない。お願い、行かないで」

 

「ごめんね…。今回ばかりはスカーレットの言う事は聞けないかな。おねえちゃんもさ、スカーレットとは離れたくないけど、そろそろスカーレットは私と離れる事に慣れた方がいいと思う」

 

「っ。どうして…?」

 

「今はまだ大丈夫だろうけど、これからは分からないからね。いつまでも一緒が当たり前ってのも魅力的だけど、それが出来るとは限らないし。

…それに、おねえちゃん。今はトレセン学園がちょっと楽しみなんだ」

 

「…楽しみ?」

 

「そう、楽しみ。これから何が起こるか。どんな相手と走るのか。私の走りがどこまで通用するか。そして………スカーレットといつか走れるのかって」

 

「あたしと…?」

 

「そうさ。私はずっとスカーレットと走りたいって思ってるよ。お互い本気で、ライバル同士で、レースを走りたい。だけど、きっとスカーレットの方が速いだろうね」

 

「そんな事ない!お姉ちゃんは凄く速い!アタシは、まだ追いつけてない!」

 

「いいや、今は追いつけなくてもトレセン学園に来て、ちゃんとトレーニングしたらスカーレットの方が速くなるよ」

 

「お姉ちゃん…」

 

「だからこそ、おねえちゃんは先にトレセン学園に行って強くなってスカーレットを待ってる」

 

「!!」

 

「だからさ、先に行かせてくれないかな?おねえちゃんはスカーレットにカッコイイとこ見せたいだけなんだからね」

 

スカーレットは俯き、そして涙を流す。

メジャーは動揺し、大丈夫かと言葉を出す前にスカーレットが抱きついた。

そのまま泣き止むまで頭を撫で、落ち着いた頃に喋り始める。

 

「…わかった。お姉ちゃんの事、ずっと観てる。それで、アタシもお姉ちゃんの所に行って強くなって、お姉ちゃんに勝つ。だから、それまでアタシのカッコイイお姉ちゃんでいてよね!」

 

「…もちろん!ずっとスカーレットに恥ずかしくないおねえちゃんでいるから、観ててね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近思ったんだけどさ、世界に一つだけの花♪ってあるじゃん?あれってよぉ、スカーレットの事なんじゃないか?

綺麗な紅い花を髪に付けて笑うスカーレット……あぁ、ダメですダメです破壊力高い。

ふぅ、危うくデジたんするとこだった。学園いったらデジたんと仲良くしてみたいね。

まぁ、話は一旦さておき。

とうとう俺もトレセン学園入学と来ましたよ、えぇ。

 

いやぁ、ここまで来るのに激しい戦いがありまして、正しく死闘と呼べよう。

正直スカーレットを泣かした時はマジで心苦しかった。心が大爆発するかと。二度と味わいたくないねぇ!

ただ、むすっとした顔のスカーレットはすっごくかわいかったです。ご馳走様でした。

それはさておき、いやぁ俺もびっくり。まさか俺にもレースの欲求があるとは思わなかった。

 

やっぱり元々競走馬だからなのか、俺がしたいと思うまでもなく自然と俺に待ち受けるライバル達を想像しては身体が熱くなる。

俺ってこんな感じじゃなかったんだけどなー。

でも、それを不快には思わない。スカーレットに言った言葉は全部俺の気持ちだ。

スカーレットと走りたい。全身全霊で、死力を尽くして、俺を超えてくだろう大事な、大事な妹、ダイワスカーレットに勝ちたい。

あぁ、クソ。楽しみで仕方ない。

 

まぁ、今それを考えたところで意味ないんだけど。それよりもさー、ダイワメジャーのライバルって結構強いやつ多かったよね?

だけど何よりやばいって、アレの存在だよなぁ。

 

『最強の大王』キングカメハメハ

 

NHKマイル、東京優駿。二つのG1をレコードで制したヤベー奴。

しかもさー、もしかしたら本来出てなかった皐月賞にも来るかも知れないんでしょ?コワ〜。

まぁでも、結局はだ〜れもいないで俺だけの可能性もあるから!うんそうだよ!

よーし、それじゃあおねえちゃん、頑張っていきますよー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

拝啓、ダイワスカーレット様。

 

お元気でしょうか?私がトレセン学園に行ってから、早1ヶ月が経ちました。

単刀直入に言わせてください。

 

寂しいです!!!早く会いたいよ!!!スカーレットォォォ!!!!!

 

ダイワメジャーより

 

ps.偉そうに言ってごめんなさい。

 

 

「はぁ、お姉ちゃん………」

 

 

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