転生したらダイワスカーレットの兄になっ………えっ!?姉ですか!? 作:ミレニア
やっほー、みんなー!
デビュー戦勝ったぞーーー!!
いやー嬉しいもんだね。本来なら負けてたレースだったけど、中身がヒトソウルですしちゃーんと真面目にトレーニングしてますからね。そりゃ勝てますよ。
因みにウイニングライブで割とファンが付いた。デビュー戦のライブだからやっぱり少なかったけどそれでも千人位は行ったでしょ。
後でサブトレーナーから聞いたけど、何かみんなキャーキャー言ってたって。
俺?俺は踊りに夢中だったから叫び声は聞いてない。でもなぁ、そんなに声を上げるような事あったっけなぁ?
何をしたか振り返ってみろって?んー、まず普通に踊ってるでしょ?でも「あれ、この後の振り付け何だっけ」って忘れちゃって、だからやけくそでアレンジぶっ込んだ。その時思いついたのはアニメの有馬記念ライブのネイチャ。
それで振り付けを思い出して何とかってとこ。
いやぁ、スペちゃんみたいに新聞にドンッ!ってされるかとヒヤヒヤしたぜ。
振り付けはちゃんと覚えろとサブトレーナーには怒られたが。ごもっとも。
でも、そんな事どうでもいい位の出会いがあったよ。
なんと、デジたん事アグネスデジタルと出会っちゃいましたね。
いやーびっくり。何がびっくりってまず歳よ。多分スカーレットと同じ位のはずだからね。よくここまでの遠出を親が許したね。それとも近くに居たのかな?
それにまだ俺って無名だと思うんだけどね。まさか本当に全部のウマ娘のライブ来てるとか言います?
オグリの食費並に出費エグそう。流石にそこまででは無いのかな?
ともかくデジたんと会えたし、話も出来たし嬉しかったね。
あぁそれにデジたんのウマ娘への愛が凄くて、なんというかまだまだ過小評価だったんだなぁって思いましたね!
是非ともうちのスカーレットを見て欲しい。そして仲良くして欲しい。
そんなこんなでデジたんとは別れ、皆のいる所までやってきた。あ、オグリさん。どうしたっすか。
「メジャー。デビュー戦おめでとう」
「ありがとうございます、オグリさん」
「これで君もクラシックに向けて走り始めるんだな」
「…そうですね。クラシック級を走り抜いて、すぐにでもオグリさんに追いつきますよ」
「はは、うん。楽しみだ。まってるよメジャー」
いやー、早くオグリと走りてぇなー!レース楽しみだなぁー!俺って最初はこんな感じじゃなかったはずなんだけどなァァァ!
ウマソウルの影響凄いね。ホント。
おや、サブトレーナー。なになに。OP戦を一戦した後にスプリングステークスに直行?
あいよ理解した。それじゃあその時までトレーニングと行こうかね!
さぁ行こう皐月賞に向けて!
中山レース場の近くに存在する、ウマ娘の為のライブ会場。
多くの観客が入る事が出来るその会場は千何百人ほどの人数しか居なかった。
同日のレースにはG1 ホープフルステークスがあり、観客もそれなりに入ってくるのでは、というのは意外と間違いである。
実際はレース後に十分程の休憩や準備を挟みライブをする為、そのライブを見るのはその場にいる観客位なものである。
G1ともなると、観客の数が多くそれ相応の準備もかかり、G1のレース時はまだ明るくともライブが始まる時には夜になっていた、なんてものはよくある。それにG1のライブだけを見に来る人だっている訳で、そんな層がわざわざ新バ戦や未勝利戦のライブに来るわけなく。
それはさておき、そんなライブ事情がある中。一人のウマ娘が1Rのレースから4Rまでのレースを見終えていた。
「いやー!やっぱりウマ娘ちゃん達は最っ高ですねぇ〜!初めてのレースから来る緊張や高揚感に心踊らせる子達が見れるからこそ!G1レースにはない初心な反応がとても愛らしい!ダイワメジャーさんと言いましたか。あの方も緊張からアクシデントが起きてしまいましたがその後の反応にはやられてしまいましたね…。ですが、レースではこちらにも熱さが伝わってくる程に燃えておりました…!デビュー戦であれ程だとしたら、もっと上の舞台ではどうなってしまうんでしょう!?
あぁ〜、楽しみで仕方がありませんねー!!ダイワメジャーさんもこれから精一杯推させていきます!」
独り言にしては声が大きく、周りも何かとアグネスデジタルの方を向くが本人は特に気づいている様子もなく、今か今かと既にライブに夢中であった。
そうして始まるウイニングライブ。
特に今までと変わったものでも無く、デジタルのように最初から居たというような人は既にライブに飽きてるかそもそもレース場から移動すらしてなかった者もいた。
だが、デジタルは違った。デジタルは常に全力で応援する。昼間でもお構い無しにペンライトを振って応援する。
ふと、前にいるウマ娘。ダイワメジャーと目が合い、デジタルは一瞬身体を硬直させる。
すると、向こう側もほんの少しだけ止まったと思ったら、唐突に両手を口元に持っていき投げキッスを行った。
ヒュッ、と呼吸が止まるような自分から出たであろう声。周りから聞こえるキャーっという声。そして、気がつけばライブは終わり外に設置されている椅子に座っていた。
「───ハッ!?あ、あれ?私はどうしてここに?今私はライブを見ていて、それでダイワメジャーさんを推していたら…あぁ!?」
何が起きたのかを思い出し、もう一度魂が抜けそうになりながらも今度はどうにか留まる。
「ま、まさかあんなにも破壊力があるファンサービスをしてくれるとは!ダイワメジャーさんは神様ですか!?もう無理!一生推します!!推させてください〜〜〜!!!」
「別にそんな大層な者でも無いけどね」
「へ?」
横から聞こえる声にゆっくりと、錆びた鉄を無理やり回すような音が幻聴するように首が回る。
そうすれば、先程まで最前線で踊り圧倒的なファンサービスをしてくれた本人が目の前にいるでは無いか。
「ひぇっ!?ダ、ダ!ダイワメジャーしゃんんんん!!!?」
「わっ、おっきな声」
驚きのあまりデジタル本人もびっくりするくらいの声量を出す。本人もびっくりするくらいなのだから、メジャーもビクッと反応した。
「あ!えと!お、驚かせてごめんなひゃい!そ、それで!どうしてダイワメジャーさんがここに!?」
「まだデビューしたばかりの私のことを精一杯応援してくれてる子が居るなぁって思ってさ、気になって話しかけちゃった。迷惑だった?あ、知ってるだろうけど、私はダイワメジャー。よろしくね」
「と!とんでもございません!えと、ア、アグネスデジタルと申しましゅ!お疲れであろうダイワメジャーさんが私なんかにお声をお掛けしていただくだけでも有り難き幸せ!」
「あははは。大袈裟だなぁ。私でいいならいくらでも話しかけるよ?」
「ふぇっ!?本当ですかぁ!?」
「もちろん。何か質問したい事でもあるなら答えようか?と言っても、流石に自意識過剰かな。デビュ一戦を終えたばかりのウマ娘に質問なんか無いか」
「いえ!!聞きたいことあります!いっぱいあります!!!」
そこから三十分程質問責めにあった。一個一個答えながらも未だ続きそうなデジタルを一旦止めるべく動く。
「え、えーと、デジタル?少し止まろっか」
「───あ、………すすすすすいません!!!!!身の程を知らずにこちらから一方的に話してしまい!!!」
「大丈夫大丈夫。…でも、その様子だとまだ話し足りない?」
「え、いえ!決してそのような!」
「いいんだよ?話し足りないならまだ付き合え……あー、こんな時間に…」
気がつけば次のレースも終わりを迎え、現在ライブ中であった。デジタルのテンションは爆上がり、その為時間を忘れて話をしていた。流石にメジャーもこれ以上トレーナー達を待たせる訳には行かないなと考え始める。
「あっ……本当、ですね」
「んー、どうしよっか」
「えっと、こんな時間まで付き合わせてごめんなさい。その、こんなに話すつもりは無くて、それで──」
「あー!そうだ。ねぇデジタル?」
「は、はい!」
名案でも浮かんだかの大きな声を上げ、懐から紙を取り出してそこに何かを書いていく。
「私と連絡先交換しない?」
「………へ?」
「私もさ、デジタルの話は楽しかったし、もっと聞きたいからさ。デジタルさえ良ければどうかな?」
嬉しさが前に出てくるが、それをグッと抑える。
「…ですが…私は推しとの距離感は大事に……」
「うーん、推しじゃなくて友達じゃダメ?私はデジタルと友達になりたいなぁ。お互いに好きな話をしてさ。いつか一緒に何処か遊びに行ってもいいし。どう?」
「ほ、ほんとうにいいんですか?また一方的にお話しちゃうかも知れませんし、それに──」
「あーあー、長い!私とデジタルは友達ね!気軽に電話してきていいからさ!じゃあね!」
無理矢理手の中に連絡先を書いた紙をねじ込み早足で去っていく。
直ぐに遠くなる背中に声を掛けようとするが遅かった。
「あ!………行っちゃった。……推し、じゃなくて友達…。…私はダイワメジャーさんを推します。今までで一番推します。だけど、あの人の前では、私はただのアグネスデジタルとしていよう」
なんというかデジたんってウマ娘の中で明確に友達って感じの子居ないなぁって。やりたかったからやった。反省はしない。
そういえばダイワメジャーについての説明が無いなと思ったので多分こんな感じです。
ダイワメジャー
身長 169cm
体重 不明(面倒)
誕生日 4月8日
B 85 W 58 H 86
髪はダイワスカーレット程とは言えないが、それでも他よりは長くポニーテールで髪を束ね、前髪は大体垂れており、鼻に付く位には長い。
顔立ちは割とカッコイイ風の為、認知される度にフジキセキの次位には名前が上がる。