その日、俺は宛もなく街を彷徨っていた。
「特に行きたいとこもないけど、周辺地理は把握しておかないとな」
などともっとらしい事を口走りながら歩いているとゲームセンターがあったので立ち寄ることにした
「ゲーセンはいつも騒がしいな」
そうは言っても優也自身このゲームセンター独特の騒がしさは嫌いじゃない、むしろ今の優也にとってはこっちの音の方が心地いいくらいだ。
そして俺は店内をうろつきレースゲームやシューティングゲームで遊びまた気ままに店内をウロウロしていると対戦ゲームのコーナーに人だかりが出来ていた
「なんの人だかりだ?」
俺は人だかりをかき分けて行くと薄紫の髪をツインテールにした小柄な女の子が対戦ゲームで圧勝していた
「これで9連勝!クックック我の右に出るものは何人もあらぬようぞ!」
何言ってんだと思いながらたまたま隣にいた男子に話しかけ状況を聞いてみる
「なぁ、これってどんな状況?」
「ん?あぁ、あれ?あの子薄紫を髪の子が対戦で絶賛連勝中なんだよ、あの子はキャラ固定で10秒間相手に攻撃させるハンデ付きで今9連勝したとこ」
「なるほどな、そりゃすげーわ」
「腕に自身かあるなら挑んでみたらいいんじゃね?」
「俺が?お前はいいのか?」
「俺はギャラリー専門、ほら、行ってこいよ!」
背中を押されて前に進み出ると目が合った
「お兄さん対戦する?」
「あ〜じゃあ、せっかくだから…やろうかな」
そう言って俺はその対戦ゲームの前に行き備え付けの椅子に座りお金を入れて対戦を選択する
相手のキャラは攻撃力はそこまでではないものの敏捷特化のキャラだ、対する俺はその子の選んだキャラとは正反対のキャラを選ぶ
「そのキャラ扱い難しいよ?」
「これで良いよ!」
「ハンデは10秒でいい?」
「いや、いらない!ガチでいこう」
「良いね!じゃあやるよー!」
俺の方も指をポキポキと鳴らした後画面に向かい集中する
そして、勝負は拮抗する、俺の方はその場から殆ど動くことなく相手に確実にダメージを与えていき相手も負けずと俺にダメージを負わせる。
俺はチラリと画面の端を一瞥した後勝負に出る
タイミングを見計らい相手のキャラに向けて必殺技を叩き込むがギリギリの所で相手が踏みとどまり逆転される
「詰めが甘かったか…」
「あこもギリギリだったよ!お兄さん強いね」
「采配を見誤ったのはこっちだから、対戦ありがとう」
そう言って俺はその場を後にし店内の奥の方に向かった
そしてそこでもまた人だかりが出来ていた
「こっちはなんだよ?」
俺は見に行くとそこでは長い黒髪の女の子が音ゲで本日最高得点を更新し続けていた、俺も得意なゲームだったので隣の台を使って俺は最高難易度を選択してプレイしてその子の記録を上塗りしてその場を後にしゲームセンターを後にしようとしたところでさっきの薄紫の髪の子が俺を呼び止めた
「待って!」
「さっきの子だよね?俺に用?」
「名前教えて!あこのフルネームは宇田川あこ!」
「俺の名は神永優也だよ!」
「じゃあ、優兄ぃだ!よろしく優兄ぃ!」
「優兄ぃって…まぁいいか、えっとそれで、なんか話したい事があったんじゃないの?」
「そうそう!優兄ぃさえ良かったらまだもう少し遊ばない?」
「いいけど、また対戦するの?」
「それだけじゃなくて!あこ、優兄ぃともっと遊びたい!」
俺はどうしようか迷っているとさっきの黒髪の子が店から出てきた
「あ!りんりん!もういいの?」
「うん、あこちゃんは?」
「あこも目的は達成したよ!」
「ところで、誰と話してたの?ってあなたは…」
「りんりんと優兄ぃ知り合い?」
「さっき私の記録をあっさり抜いて行った人だよ」
「君のプレイする姿を見てたらなんとなくね」
「あの!あこちゃんには名乗ったんですよね?なら私にも自己紹介してください!」
「俺は神永優也だよ、そっちは何さん?」
「白金燐子です。よろしくお願いします神永さん」
「優也で良いよ!それか、せめて神永君でお願い」
「わかりました、じゃあ神永君で」
「それで、これからどうするの?」
「もっと大きなゲームセンターで遊ぼうよ!」
「私は…ちょっと…遠慮したいかな」
「りんりん人混み苦手だもんね、じゃあこのままここのゲームセンターにあるゲームで各種対戦かな?」
「俺はいいけど、白金さんは?」
「私も大丈夫です」
そうして俺達はもう一度店内に戻り各種対戦ゲームで遊んだ
そして最終結果は僅差で俺の負けだった
「ギリギリ勝ち越しならずか〜」
「あの!こんな事言うのは失礼かもですけど、手を抜いていませんでしたか?」
「そう見えた?」
「はい、正直言うと上手く負けてるなと感じました。」
「ゲームでもダメか…」
「どういう事?」
「詳しくは言えないけど、最近は何をやっても、こう、やる気って言うかそういうのが湧かないんだ」
「なにか夢中になっていた事って無かったんですか?」
「昔はあったけど、今はそっちもね」
俺はそう言って顔を伏せる
2人はなにか言葉を探すように顔を見合わせていると
あこちゃんの名前を呼ぶ声が聞こえて俺も声のした方向を振り向くと長身で赤紫っぽい髪色の女子を筆頭とした女子グループがいた
「お姉ちゃん!」
「お姉ちゃん?」
「うん!あこのお姉ちゃん!」
「どうも!あこの姉貴の宇田川巴ッスよろしく!でもってこっちの皆がアタシの親友達ッス」
巴が後ろにいた他の方達をさして言打とそれぞれ自己紹介してくれた
「美竹蘭、よろしく」
「上原ひまりです!よろしくお願いします」
「青葉モカちゃんで〜す」
「羽沢つぐみです」
「皆よろしく!神永優也神様の神に永遠の永で神永
優しいに何とか也の也で優也」
「もしかして羽丘の2年生ですか?」
「そうだよ!最近こっちに戻ってきたんだよ…全部失ってね」
最後の方は呟きにすらなっていたかも分からない
実際事実ではあるが言う必要はないなと思いなおし巴さん達に問いかける
「皆はこれからどこか行くつもりだったの?」
「あぁ、はい!つぐの家に行って皆で練習しようかって話してたんス」
「練習?部活かなんか?」
「いえ、バンドっすあたしらAfterglowってバンド組んでるんすよ」
「ScarletSkyの?」
「知ってるんすかアタシらの事!」
「メンバーまでは、曲をたまたま知ってただけ」
「そうすか、んじゃ今度LIVEあったら呼ぶんで来てくださいね!アタシらよりもあこ達の方が先かもしれないですけど」
「あこちゃん達もバンドやってるの?」
「そうだよ!あこもりんりんもRoseliaってバンドに入ってるよ」
「Roseliaって友希那のバンドだよね?」
「知ってるの?」
「まぁ、友希那とリサからは聞いてたからバンドやってる事はさ」
「えっと、じゃあRoseliaとAfterglowは全員と知り合えたんですかね?」
「そうなるかな?紗夜さんのことも知ってるし」
「じゃあ、RoseliaとAfterglowは全員ですね」
「優兄ぃは?バンドじゃなくても音楽やってないの?」
「一応再スタート中なんだ、まだどこに向かえば良いのかすらわからないからね」
「優兄ぃ昔何があったの?」
「昔ってほど昔じゃないよ、まぁ色々と大切なものを無くしたんだよね」
「優兄ぃ…」
「まぁ、暗い話はここまで!これからどうする?」
「アタシらは練習があるんで失礼します」
「そっか、あこちゃんたちは?」
「今日は帰るよ!」
「そっか、またね!」
そうして俺達はそれぞれ別れ帰路に着き1人になると俺はため息をついた
「何なんだろうな、今の俺って」
「先輩は先輩じゃん!違うの?」
「え?」
呟きを拾われ振り向くとAfterglowの皆がいた
「なんで?帰ったというか練習行くんじゃないの?」
「行きますよ!それで、良かったら一緒に来ないかなって」
「俺が?」
「他に誰もいないじゃん!」
「そうだけどさ…なんで?」
「なんか…ほっとけなかったんですよ今の先輩を」
「ほっといてくれて良かったのに」
「先輩、もしかして、また無くすのが怖いんですか?」
図星をつかれて言葉につまる俺に蘭が言った
「ちょっと、話を聞いてください、アタシ達Afterglowの事です。」
蘭はそう言って話し出した。
バンドを組んだ理由、それぞれのちょっとした家庭事情や
つい最近ケンカした話まで本当にたくさんの話を
聞かせてくれた
「アタシ達の話を聞いてどう思いましたか?」
「正直羨ましいとさえ思ったよ!そこまでの絆は俺にはなかったものだから」
「なら、これから作ればいいじゃないですか!」
「これから?」
「自分で言ってましたよね?自分が何もかも無くしたって
なら、それ以上は無理でも同じくらいの絆は作れるじゃないですか!」
「''アイツ''と同じくらいの絆か…多分今の俺じゃ無理だな」
「…ッ!」
「先輩にとってそれだけその無くした絆は大切なものだったんですよね?」
「うん、''アイツ''が俺の全部だったってくらいには大切だった」
「なら、尚更じゃないですか?その人と何があったかは分かりませんけど、その人は先輩が1人でいることを望むとは思えません!」
そう言われた時、俺の中にはアイツの、ユウの声が響いてきた
(私の…時と…同じくらいの…大切な絆を作ることを…諦め…ないで…)
「ユウ…」
俺は名前を呟きそして顔をあげる
「ありがとう、少しづつ小さな絆をそして繋がりを作っていくよ!これが第1歩かな」
そう言って俺は握手を求めて手を差し出すと一人一人がしっかりと握り返してくれた。
「これからよろしくね後輩ちゃん」
「よろしくです。先輩さん!」
そう言って俺達は笑い合う
AfterglowとRoseliaと小さくとも確かな絆ができた瞬間だった
お久しぶりです。メインの方に集中しているため全然書いてませんでしたけど、遅くても月一ペースで投稿出来たらとは考えてますのでお楽しみに
次回はパスパレとの交流を書いて行けたらと思っています
次回「アイドルと繋ぐ絆」
ifルートの執筆も考えています。どっちがいいですか?
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すぐにお願いします。読んでみたいです
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読んでみたいけど、後々お願いします