ダンジョンを太陽が照らすのは間違っているだろうか 作:宵闇の龍
自己紹介を終えてこれからどうするか思考に耽っていた。久々の人との会話に少し戸惑っている自分もいるのだろう。
「聞いてもいいかい?どうして君は倒れていたのかを」
そんな空気を察してか、彼女の方から声をかけてくれた。正直話すべきか悩んだが、親切に自信を介護までしてくれた相手であることもあり素直に話すことにした。
…
それから今までの自分の行動を話した。自分が暮らしていた村のこと、ある日突然謎の力が自身に身についたこと。そんな自分を気味悪く思った村人達に襲われそうになり逃げたこと。そして気づけばここ、オラリオにたどり着き助けられ今に至る事を。
「そんなのあんまりだよ。君は何一つ悪くないのに...」
事の顛末を話し合えると彼女は目に涙を浮かべつつそう言ってくれた。
(この人は見ず知らずの他人である自分の不幸に涙を流してくれるのか...)
正直驚いた。優しい人物だとは思っていたが、ここまでとは。
「ありがとうございます。こんな自分の事に親身になってくれて。」
涙が自然と流れていく。いつ以来だろうか人の優しさに触れることができたのは。きっと今この時間を忘れることはないだろう。
止めどなく流れ落ちる涙は自分自身では中々に止めることができず、時間が過ぎていった。
「お恥ずかしいところをお見せしました。」
いい歳をして泣き続けてしまったのは流石に恥ずかしかった。けれど不思議と悪い気はしない。
「いいんだよ別に悲しい時は泣いたっていいじゃないか」
「そうですね...」
そう言いつつやはり少し恥ずかしさが勝ってしまい顔を上げられずにいると再び声をかけられる。
「君はこれからどうしたい?」
そう問いかけられる。思えばただひたすらに逃げて移動を続けてきた身だったので特にこれからをどうするか考えていなかった。何をすべきか考えるが何も浮かんでこない。村に戻る選択肢はもちろんない。
「すみません。特に考えていなかったもので...」
「いいんだよ。君も大変な目にあっていたわけだしね。そしてこれは一つの提案なんだが、君さえよければ僕のファミリアに入らないかい?」
思案を続けていると、そう声をかけられる。
「いいんですか。こんな自分を誘っていただいて...」
「勿論だよ。僕からの提案だしね。ただうちは大きなファミリアでもないし、団員も君の他に一人しかいないんだ。それでもよければだけど...」
考える。果たして自身が入っていいのだろうか。自身の力の事を考えると迷惑にならないだろうか?そんな思いが渦巻く。しかし今の自分にできることは少なくこれからの事も考えていなかったそんな自分に巡ってきたチャンス。そして彼女の優しさに触れたことで決心した。
「ご迷惑をおかけするかもしれません。それでもいいんですか?」
「もちろんだよ!僕は君のことを家族として歓迎する!」
「ありがとうございます。これからよろしくお願いします」
「こちらこそ!これからよろしくねアルン君!」
こうして新しい家族(ファミリア)として私は迎え入れられた。今日というこの日を私は感謝しよう。ありがとう神ヘスティア。
…
それからは色々と説明を受けた。このオラリオという町について、冒険者についてなど色々と。話には聞いていたがやはりここは随分と村とは違う。自分のいた町には冒険者という人達はいなかったし、街の大きさも違うこれから自分がどうするかを考えると期待が止まらなかった。
それからファミリアに入る事について説明を受けた。なんでも今から恩恵を刻むらしい。話を要約すると恩恵にはレベルやステータスが存在し、自身の成長に伴い恩恵も成長するのだとか。成長に伴いスキルや魔法が使えるようにもなると聞いた時は胸が熱くなるのを感じた。
「さて今から君に恩恵を授けるけどいいかい?」
「はい!お願いします。」
上着を脱ぎ背中を向けて恩恵を刻んでもらう。そして背中に少し熱を感じた。不思議と温かいそんな感覚だ。自身のこれからが楽しみでしょうがない。一体自分はどんな成長と物語を創っていくのだろうか?
そんな事を考えていたが、神ヘスティアが何も言わない事に少し疑問を覚え声をかける。
「あのヘスティア様何かありましたか?」
「へっ?あぁ嫌何でもないよ。それより違和感とか特にないかい?」
「いえ、特にはないので大丈夫です。」
「それは良かった!改めてこれからよろしくねアルン君!」
「こちらこそ、これからよろしくお願いします!」
こうして正式に神ヘスティアのファミリアになることができた。たくさんの辛い思いもしてきたが今はそのことよりも何より自身に新しい居場所や家族ができたことが嬉しかった。
(早くもう一人のファミリアにもあって話をしてみたいな)
兎にも角にもこれからの事が楽しみで仕方がなかった。
…
その一方でヘスティアは新しい眷属の恩恵に戸惑いを隠せなかった。不思議な力がある事は聞いていたが、初めて見るそのステータスは、はっきりと言って異常だった。
アルン・ソーサー
Lv.1
力:I 0
耐久:I 0
器用:I 0
敏捷:I 0
魔力:I 0
《魔法》
【???】
《スキル》
【太陽の恩寵(グレース・サン)】
・最高神から与えられた恩寵
・日の出とともに全ステータス上昇
・ステータスの上昇は正午まで
【天上天下唯我独尊(ザ・ワン)】
・正午より1分間のみ発動
・1分間ありとあらゆる攻撃を無効化
・ステータス超上昇補正+ランク限界突破
「アルン君、君は...」
今回はここまでです。たくさんのお気に入りありがとうございます。これを励みにこれからも執筆頑張っていきます(*´∀`*)