呪霊少女は平凡に過ごしたい   作:こまこまちゃん

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第二話、呪霊少女は高田ちゃんにフォーリンラブ

不良っぽい輩に右ストレート。

確実な手ごたえを感じつつ、地面に叩きつけました。

 

「お、お前……は」

 

気絶しましたね。

ええ、私は悪くありませんよ。

間違いなく正当防衛です。

 

では本来の目的に向かいましょう。もう時間はありません。

 

「…逃が…さね…ぇ」

 

足を掴んできました。

でも焦点が定まっていない顔です。これは無意識に動いていますね。

 

そしてごめんなさい。

小さく謝りつつ、私は蹴り上げようと構えます。

 

「高田ちゃんを…守らねば…っ」

 

「…………」

重いですね。性格ではなく身体の方ですが。

服も汚してしまいましたね。私の能力は他人に効くのでしょうか。

 

やっぱり駄目でした。しょうがないですね。このまま連れて行きましょう。

 

ええ。高田ちゃんを愛する者に悪人はいません。彼も会場を守るために戦ったのなら、全握に参加する義務があります。

 

それにしても視線が痛いです。

でも避けられません。中学生くらいの少女が不良男をおんぶして並んでいたら、それは注目の的になること必須ですから。

 

「ここは…」

 

どうやら彼が目覚めたようです。

 

「立てますか?」

 

体重が消え、ようやく楽になりました。

 

「どうして呪霊がここにいる?何を企んで」

 

「高田ちゃんに会いにきました」

 

誤魔化す理由もないので話しました。

証拠にペラっと握手券を見せると、彼の瞳は大きく開いて、

 

「呪霊が握手会に?……ど、どこまでっ」

 

震える声に拳を構えます。

少しでも殺気があれば気絶させましょう。会場内では私も看過できません。

そして男は、

 

「どこまで高田ちゃんは魅力的なんだぁああああッッ〜!!」

 

うぉおおおお!と私をメリーゴーランドよろしく振り回されます。

殺気はないので抵抗しませんが、そろそろ迷惑なのでやめて欲しいです。

 

「まさか呪霊にまで高田ちゃんのファンがいるとはな!さすが高田ちゃん!人類を超えた魅力だ!──ぐぼ!?」

 

膝蹴りです。

そろそろスタッフがスタンバッテましたので、顎を砕いて沈めました。

 

「ぐぅ〜、いい蹴りだ。呪霊にしておくには勿体無いな!」

 

「呪霊とか知りませんが、全握では静かにしましょうよ。高田ちゃんに迷惑です」

 

「確かにそうだな!!」

 

背中をバシバシ叩いてきます。本当に分かっているのでしょうか。

 

「俺は東堂葵だ……名前は?」

 

名前と聞かれましても。

 

「自由に呼んでください。知り合いにはバイトちゃんと呼ばれています」

 

「バイトちゃん?まるで働いているみたいな言い方だな?」

 

「働かずにどうやって全握のチケットを入手するんですか。ちゃんと働いていますよ」

 

そう説明すると、意外と言うような顔を見せられた。

 

「呪霊が働く?……どこで働いているんだ?」

 

「それを今日会った人に話すと?」

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