「最強を決める」……と。
我こそは最強と自負する猛者たちが、決戦の地へ集まる。
※作者は歴史と人物には詳しくないです。
男なら……否、人類なら誰しも一度は考えたことはあるだろう。
地上最強は誰か?
例えば、プロボクサーなら『プロイト・メイウェザー』
プロ50戦50勝。スーパーフェザー級~スーパーウェルター級の元5階級王者。
ウェルター級ではWBA・WBC・WBO・IBF、スーパーウェルター級ではWBA・WBCで王座を獲得。
最高連続防衛回数8回、累計防衛回数は23回。
史上初めて無敗のまま5階級制覇を達成し、その記録は今も破られていない。
世界は彼の事をその名誉を称えてこう呼んだ――――――史上最高……と。
"世界の山下"と不動の地位を築き、柔道界に多くの名を残した『山下泰弘』。
大相撲史上未曾有の最強力士『雷電為右衛門』。
"二の打ち要らず、一つあれば事足りる"と謳われた中国武術の麒麟児『李書文』。
ならさらに昔の人で中国史上最強武将"西楚の覇王"『項羽』。
いやいや、近代武器ならスナイパーとして史上最多の確認戦果542名射殺の記録を残している"白い死神"『シモ・ヘイヘ』。
それとも、約300mを狙撃していたシ・モヘイヘより更に1,920m狙撃した伝説の狙撃手、米国史上最強のスナイパー『クリス・カイル』。
それがありなら、空軍のトップ・エースであり、空中戦での撃墜機数は戦史上最多であり、前人未踏の300機撃墜を達成した"黒い悪魔"『エーリヒ・アルフレート・ハルトマン』。
それこそなんでもありなら、1度に大勢の命を奪い。神話を終わらせ世界に抑止の光をしらしめた原爆点火装置設定担当『ウィリアム・S・パーソンズ』。
ならば、いつ。誰を殺すか分からない『名前のない』ヒットマン。暗殺者。殺し屋が最強か?
答えは"NO"
大声で言わせてもらえばどれもこれも見当外れで的外れで論外である。
テレビを付けて、ニュースを見れば一度は聞いたことはあるだろうあるフレーズが存在する。
朝のニュースなどで、その国で一番偉い大統領、首相などがよく……たまに……まぁ希に口にするフレーズ。
「我が国こそが最高である」
「我が国こそが最強である」
「我が国こそが最適である」
こんな台詞言っていたかと考えている諸君は今一度よく考えてみて欲しい。
テレビでよく見かける最高指導者って絶対言葉の裏にこの台詞入るから!!
そんな自国こそが地上最強と自負する奴等が、最強の国のトップであり代表である人達が―――――――その国より弱いはずがない。
西暦2021年 12月 32日 ■曜日
存在しない12月32日。
存在しないからこそ、時間軸を無視してその国歴代最強のトップが一つの場所に集まろうとしていた。
我こそは最強と自負する国の指導者。
国を背負うその背中は文字通り、国そのもの。
そんな一騎当千の化け物が、自国から離れ、皆が示し会わせたかのように同じ場所を目指した。
世界最大の海洋である、"太平洋"その中心ポイント。
直径100kmを越える黄金に輝く光の柱は、確かな意思を持って語りかけた。
『最強を決めよう』
『生き残った最後の一人が、世界最強を名乗れる終末戦』
『参加条件はたった一つ――――――24時間以内に自力でこの場にたどり着いたものだけが、最強へと挑戦できる』
時間軸が入り乱れる各国で、もっとも最強の指導者が、その重い腰を上げた。
アメリカside
「我が国を差し置いて最強などと、軍事力、生産力、総合力で我々に勝ってからほざいて欲しいものだ」
各国の先頭に立ち、我が物顔で世界警察を気取り、首を突っ込んではその国の内情を荒らすだけ荒らしたら、後は知らんぷりでどうにかしろよと武器を売り始める世界ヤンキーこと世界一の大国『アメリカ合衆国』。
地上軍48万6000人!どいつも最新の武器を所持!
空軍1万3000機以上の世界最先端の戦闘機!
海軍297隻!11隻の原子力空母!
抑止力核弾頭数5800発以上!
節約など考えない物量生産力ごり押し作戦は数知れず!
スナイパー一人に山一つを更地にし!
密林のゲリラ戦では、隠れる場所を無くせばいいと森を枯らしまくり!
第二次世界大戦ナチスドイツを一気に叩きつけるために、6ヶ月間準備して艦船4400隻!航空機2万5000隻!兵力200万人近く太大西洋から送りながら維持して、世界中の国々を支援する工業力があるチートどころ喧嘩を売るのがバグのような国!
それこそがUSA!
これがアメリカ!
まさにアメリカ合衆国!!
他国に迷惑を掛けるのが生きがいのアメリカで歴代最強の大統領とは誰か?
無駄にイスラム諸国を怒らせた後に、2021年現在まで続いたアフガニスタン侵攻を実行したアメリカ大統領随一のアホである第41代アメリカ大統領ジョージ・W・ブッシュ?
奴隷解放制度を配布し黒人奴隷を無償で即時に解放、南北戦争の勝利でブルジョア民主主義革命を成し遂げた"偉大な解放者"第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーン?
バラバラだった州の寄せ集めだったアメリカを一つの国家としてまとめるべく尽くし、アメリカをイギリスから独立させた立役者。"建国の父"初代アメリカ大統領ジョージ・ワシントン?
それとも、反知性主義の世界的リーダーであり政治経験皆無な"問題児"第45代アメリカ合衆国大統領トナルト・トランプ?
答えは"NO"
ルーズベルトとか、トーマスとか、昔の有名どころを想像した人はアメリカという国家を何も理解していない。
兵器類などの機械関係の最先端を走り、資源と実験と工業にて、改良を次から次へと作り出すのがアメリカ合衆国。
ならば、歴代最強の大統領もまた時代と共に進化を重ね強くなるのが必然。
そう、アメリカという大きな国に拘束され、国のために戦うことも許されなかった大統領の代表。
「国としてではなく、個人の戦に、コレはもう必要はない」
拘束具『ラルフローレンのネイビーブルーのスーツ』。信頼・自信・安定を意味するカラーのネクタイを緩やかに解き、ワイシャツをスーツごと千切り捨てていく。
そして、下から現れたのは、極限まで鍛え抜かれた肉体――――――その男は、
「アメリカの魂に誓おう。団結、結束こそが今日私という大統領を誕生させた。今一度、世界に証明しよう。ナンバーワンは誰なのかとね」
建国245年目。
数多の試行錯誤と武力の到達点の一つ。
歴代アメリカ大統領は総じて
第46代アメリカ合衆国大統領"
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『アムトラック・ジョー』のあだ名がある上院議員時代、アムトラック(全米鉄道旅客公社)の線路上を頻繁に利用し、地元のデラウェア州ウィルミントンと議会のある首都ワシントンを旅客列車で片道100分ほどを眠気覚ましに走って往復していた。
「ホワイトハウスから太平洋まで、アメリカをまず横断し、海を越えねばならないが……」
直線で約4,000km。海を含めると途方もない移動距離。
「よし……245歩だ」
縁起の良い数字だ。建国年数こそ相応しい。
特殊部隊、現役兵士より、上院議員が強いアメリカ。
最高権力者である大統領が、外へ向けてその力を開放した。
中国side
中国四千年の歴史。
1949年に建国された中華人民共和国。
歴代国家首席はたったの7名。
総人口は14億1000万人だがまだまだいそう。
地上軍、空軍、海軍共にアメリカに負けてはいるが、総兵力は中国が倍。
抑止力核弾頭数はいずれアメリカに引けを取らなくなると予想される。
だが、アメリカをもってしても極超音速ミサイルは
自爆ドローン等然りアメリカでもすべて撃墜は不可能。
大陸での殺し合い。数多の国が生まれ消えていき、統一された中国もまた——————最強の国家主席は、党での序列第1位第7代国家主席"武神"『習近兵』。
——————ではない。
その鍛え抜かれた肉体は10mの斬馬刀を小指で振り回し、四千年最適化された中国武術、中国武器を五体自由自在に操る中華人民共和国最強の武神は個人としては中国大陸最強。
しかし、中華人民共和国の思想は初代から逃れられない。
天安門に掲げられた巨大な写真。
理想、思想、至る所に散りばめられた象徴。
そう、約10年間にわたって中国国内で起きた、思想改革運動『文化大革命』。
15年以内以内に米英に追いつくべく農工業の大増産『大躍進政策』。
自国民7000万人が餓死、粛清殺戮。
「私が死んで45年……理想的な肉体と総数だ」
自らの写真、言葉、文章、教えまでを利用した首脳級の力で膨れ上がったクレショフ効果は第7代国家主席"武神"『習近平』の肉体をわが物とした。
この男は、中華人民共和国"思想家"1949年10月1日に中国大陸にて中華人民共和国の建国を宣言。
四害駆除運動にてスズメを殺し、天敵がいなくなったイナゴの大群が中国を食い荒らし餓死を促進させた。
原始共産制社会一番の生徒"カンボジアの災厄"『ポル・ポト』の手により300万人殺害を大きく引き離してジェノサイド部門ワールドレコードホルダー堂々の1位。
彼は生前自国民の死生をどう思っているかよく表した発言をしている。
”第3次世界大戦だと言って騒ぐことではない”
”ただ人が少し多目に死ぬだけではないか”
”中国の歴史の中で人口の半分が死ぬ事はよくある事だ”
”半分生き残るが最善”
”三分の一も残ればその次に良い”
中華人民共和国初代党中央委員会主席"
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中国最強の肉体をそのままに外装、記憶操作からの脳の変更。
生前の容姿に変更完了。
中国人民との繋がりを最終確認。
「中国上空を無断で渡ろうとする
24時間以内にたどり着きさえすれば、それまで何をしても誰も咎めない。
光の柱内部に来るまでは、参加者を減らすのも自由!
「小国共が、団結すれば私に勝てると勘違いしているのか?」
中国領土内で国家主席に挑もうなどと、ロシアもアメリカもしなかった。
中国もそうだ。憎たらしいことにイギリス、ロシア、アメリカ領土内での戦いはまず挑まない。
大国にとって自分の国は最強の領域。
一対一なら自分が強いと自負する首脳たちも、自国領の力も引き出すならアドバンテージは別次元。
2倍3倍などのショボい強化ではない。
各国の首脳の自国領では、領土と国民の力で跳ね上がる。
ならば、最強決定戦の会場に向かう前の中国領土内にいる『毛沢東』は中国領土内最強。
「喜べ……中国を潤す緑にしてやる」
中国領土内に敵の首脳が侵略した時点で、そこはもう初代国家主席『毛沢東』の手のひらの上。
「
抵抗をさせる暇を与えず、中国領土の森林が亜光速で侵略した首脳に巻き付き、一瞬で養分として消化。
そのまま首脳共のあまり余った栄養を使い大木を太平洋光の柱まで伸ばす。
「時間はある。ゆっくりと向かうか。目的地までこの大木の上は我が中国領土。自力でこれもしない雑魚を掃除する」
中華人民共和国が建国してから現代までの
ロシアside
1922年12月30日から1991年12月25日までユーラシア大陸の北部に存在した社会主義国ソビエト社会主義共和国連邦。
1991年12月25日から2021年12月31日現在。建国30年のユーラシア大陸北部に位置する連邦共和制国家ロシア連邦。
ソビエト連邦と存在していた年数を加えると建国104年。
さらにロシア帝国、ロシア・ツァーリ国。かのイワン雷帝の時代を加算すれば建国738年。
しかし、公式には、ロシア国家の出現は9世紀まで遡れるという点で、概ね合意をみている。『原初年代記』によれば、ヴァリャーグ(ヴァイキング)の公リューリクは、フィン人と東スラヴ人の住む北東の地から、「来りて我らを支配せよ」と求められた。これを受けて彼は、862年にノヴゴロドに居を定め、最初の公式のロシア国家の基を築いたとされる。
故に、総合的にロシアの建国から1159年目。
ここまで説明して、ならどの首脳が最強なのか?
1159年前から遡れば、数は多いし伝説などもあり昔の方が強いのか?
アメリカのように時代と共に進化していき現代の大統領の方が強いのか?
答えは"NO"——————とは言い難い。
歴代首脳で唯一過去、現在にかけて存在する化け物。
公式記録は約100年前から存在が確認されている現存する幻想種。
ロシア連邦大統領として、その前にソ連国家保安委員会としてスパイ活動の記録を確認。
さらに遡り少年時代から誕生までの記録が公式に確認されている。
写真もあれば、交友関係から誕生した病院関係者まで存在する。
だけどおかしい……彼は確かに約100年前から観測されている。
ロシア革命からちょうど3年後の1920年に撮影された写真に写っているのは、兵士として活躍していたとみられる若かりしころ。
2枚目は、第二次世界大戦勃発の1941年に撮影された、飛行士として任務をまっとうする姿。
1952年10月7日誕生から2021年現在で69歳の高年齢。
年と比例し鋭くなる眼光と覇気は、彼が只の人間であることを否定している。
ロシア連邦大統領として二度の当選。
新たな疑惑と、驚愕の真実。
死亡説、影武者説、そしてすげ替え説など、さまざまな噂が囁かれる大統領。
ロシア連邦第2・4代大統領"
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指先から滴る血を払い。
怪物は、無謀に最強と名乗り出た歴代ロシア首相を鏖殺した。
ロシア帝国1代~10代。
ソビエト連邦1代~20代。
そして、皇帝達。
人間である彼らは、『プウチン』を前に生まれて初めて共闘した。
我こそは最強と信じる者たちが、『プウチン』には勝てないと立ち向かう前に理解してしまった。
それでも、王としてのプライドが彼らに拳を握らせた。
故に、この結果は必然……被害を首都モスクワ崩壊だけに留めた能力値の差。
"
もし100年以上の時を生きながら若さを維持しているとしたら、もはやそれは人間ではない。
姿形は人間と同じだが、数百年にわたり生き続けることができる存在——————吸血鬼。
かつて現在のルーマニア南部にあったワラキア公国の君主だったヴラド3世は、ドラキュラ伯爵のモデルとなった残虐で冷酷な人物だった。その統治姿勢もプウチンと重なるが、なによりもヴラド(Vlad)という名前が、ウラキジミール(Vladimir)と奇妙なリンクを見せるではないか——————と、見当違いな吸血鬼説が存在する。
彼をそんな弱点だらけの創作物屈指のやられ役ではない。
彼こそが、伝説。
ロシアの神話時代から現代までを生き抜いた生命。
神話にてドラゴンに憧れ、足掻き続けたもの。
数多のロシアに登場するドラゴンの死体から鱗、血、肉を取り込み成り上がった者。
彼こそは『蛇』。一匹の『蛇』なり。
人を絞め殺す力も、毒もないか弱き『蛇』。
それこそが、"
ロシアでは、年老いた蛇が竜に変身するという伝説がある。
ならば、貪欲に力を取り入れてきた『蛇』は何処まで強くなった?
ロシアでは比較にもならなかった。
ならば、他は?
他の国になら、全力で戦える存在が存在するのか?
かつてか弱き『蛇』だった『ドラゴン』は、俺れこそ歴代ロシア最強の『ドラゴン』と証明するために世界最強の座を勝ち取りに行く。
剥がれ落ちた鱗、傷を負い流れた血、もしくは死体を食うことでしか生き残れなかった神話時代。
過去のドラゴンを越えたと証明するために、ロシアこそが最強と世界に証明するために、『ウラキジミール・プウチン』は翼を広げる。
目的地は、太平洋中心ポイント。
「
雲を越え決戦の地へ、今飛び立った。
北朝鮮side
最早分かりきっている朝鮮民主主義人民共和国最強の最高指導者を紹介する。
彼の神々しい出自は1942年、北朝鮮の聖地、白頭山でこの世に生を受けたとされている。その際には偉大なる指導者誕生の予兆として、空に二重の虹がかかり、光り輝く新星が現れた。
朝鮮民主主義人民共和国初代最高指導者"
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第二次世界大戦後は朝鮮半島北部に朝鮮民主主義人民共和国を建国。任期1948年9月9日から1994年7月8日。
公式記録によれば、金は生後3週間で歩き、8週間で言葉を発したという。大学時代には3年間で1500冊の本を書き、「音楽史上最も素晴らしい」6本のオペラを作曲した。その後はスポーツの分野で並外れた能力を発揮。94年に初めてゴルフクラブを握った際には、北朝鮮唯一のゴルフコースで11回のホールインワンを記録し、38アンダーという驚異的なスコアをたたき出した。証人は17人のボディーガード。これを最後に、金はゴルフから引退したという。
『金日成』の政治思想は"主体思想"
わかりやすくいうと、頭脳=指導者(キムイルソン) 手足=国民
なんで首相に選ばれたか——————伝説の人だったから!!
嘘か真か、彼には様々な伝説が存在する!!
1932年から1945年まで日本軍と10万回戦い全勝した!
瞬間移動!!
紙で船を作って川を渡り、紙で飛行機を作り敵地に乗り込んだ!!!
わらじで日本の爆撃機を墜落させた!!!!
……すごい!さすが将軍様!!
金日成神話にて、99種の縮地法で戦う偉大なる首領様は伝説をさらに残している!
縮地法を使い、落ち葉に乗って大きな川を渡り、松ぼっくりで銃弾を作り、砂で米を作った!
千里離れたところにいても日本軍の動きを掌を見るように把握!
縮地法も使い、変身術、忍術、昇天入地、術法に長け、天文地理にも明るい!
遊撃隊に支給した弾には 目があり、日本軍に百発百中で命中!
寒さに震える人民のために、日帝の銃弾も貫くことが出来ない防寒防弾の布団をプレゼント!
さらにさらに神格化を高めるために、世界を巻き込んでいる!!
金日成将軍様は天が生んだお方。千年に一人の偉人を仰ぐ心に、国境はあり得ず、民族の別もあり得ない。空の太陽を仰いで称えるのにも国は関係なく、民族も関係ない!
特に、米国のある牧師が金日成に会ってから「キリストが今日も世界数十億の信者たちから崇仰を受けるのは、人間に対する彼の博愛心が理由だが、偉大な主席様はキリストすらも敢えて比べることが出来ない愛の最高化身だ」と 感嘆したと記述されている程慈悲深き御方!!
さらにさらにさらに北朝鮮の国営ウェブサイトに掲載された公式の経歴によれば、金日成は大便をしなかったとか。さすがは偉大なる将軍様だ。
ここまで頭痛を覚えた読者が一部いると思うが、この小説をここまで読んでおおよそ察していると思うがあえて言わせてもらう——————真実である。
正確には、出自と成長、日本軍と10万回戦い全勝したやら、神格化を高めるために世界を巻き込んだのは嘘。
だが、それ以外の超人的能力は真実。
「吾輩を楽しませるとは、韓国も粋なことする。統一を実現すれば元韓国大統領を吾輩の専属遊び人に勅命してやろう。光栄に思え」
隣国の国境ラインでは、国の力は使えない。
互いの首相としての能力が相殺し合い。隣国同士のトップが国境ラインで決闘する場合、個人の力のみで戦うことが出来る。
故に、金日成将軍は最強を証明する第一歩に韓国を利用した。
故に、己を神と自称する男は、調子に乗る。
「日本は生意気だな。吾輩を差し置いて神が国を治めるとか……チョーシ乗っている」
瞬間移動した先は、日本海域ギリギリボーダーライン。荒ぶる海に落ち葉に乗り、千里離れた日本の国会議事堂を覗き見る。
「吾輩なら一秒で光の柱へ行ける。日本最強……国境を越える瞬間が最後と思え」
第101代までの内閣総理大臣が代表者を決めている景色。
なんて馬鹿げた光景だろうか。
己こそ最強と名乗り出なくて何が国家のトップだ。
警戒していた日本がこの有様では、余力を残して中国とアメリカに挑める。
「おお?やっと代表が決まったのか。他の国はもう動き出しているのに随分のんびり——————はへ?」
(斬られた?いつ?この距離を?首が、血が……終わり?神である吾輩が終わる?)
馬鹿な有り得ないと、国会議事堂から金日成の首のみを斬り捨てた敵は、もう興味がないとばかりに太平洋へ向かっていく。
障害物を払い除けただけ。そう態度で示すのがありありと伝わり……憤怒が、彼が抱いた最後の感情だった。
日本side
「……問題でも?」
「なに……騒がしい虫を駆除したまで。儂はこのまま決戦の地へ向かうが、現総理である山田文雄くんが行くべきだと私は今でも思っているがね」
未来へ繫ぐ為に、国を育てた。
誰にも負けない国へするために、後世へ託した。
「儂は過去の遺物。この時代、奇跡にも最強を決めれるならばその時代の若者たちが戦うべきだ。儂らは終わった者なのだからな」
「ならば千載一遇を得たと喜べばよろしいかと」
「……黒田清隆くん」
「今一度お願いする。時代と共に力は使われなくなり、第2代内閣総理大臣であった私でさえ握ったことがない。直接神から授かった貴方様以外は」
「最強を決めるならば、先程の太刀筋のように十全に能力を発揮できる貴方様以外考えられないのです」
「どうか、日本のためにまた戦ってほしいのです!」
歴代全総理からの懇願。
男が、深く閉じた瞼の裏に何を見たかは誰にもわからない。
しかし、再び開かれた眼からは内閣制度発足した時の熱量を取り戻していた。
「この力を授けてくださった天照大御神直系であらせられる天皇に誓い。日本こそが最強と証明しましょう」
日本初代内閣総理大臣"
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本来なら天皇家のみが所持できる三種の神器――――――天叢雲剣、八咫鏡、八尺瓊勾玉。
人の身で、その奇跡を行使できるように、歴代総理のみが扱える贈り物。
神の奇跡。
日本の太陽を世界へ照すために、伊藤博文は天叢雲剣で次元の位をずらし、光以上の速さで光の柱へ向かった。
イギリスside
グレート・ブリテン及び北アイルランド連合王国通称イギリス。
イギリスの君主、イギリス王室が、イギリス最強。
嘘か真かイギリス王室が全員戦えば、イギリスを巻き込みユーラシア大陸が沈むと言われている。
歴史の長いイギリスでのこの名前は聞いたことがある人物といえば、イングランドとアイルランドの女王エリザベス1世。
エリザベス2世。イギリス史上最高齢の君主にしてイギリス史上最長在位の君主。
様々な女性が生きたイギリスの女性は総じて魔術を使える。
歴代最強の魔女と言われているエリザベス女王1世の魔術研究、魔術の根幹をなす魔力、術式、儀式を正式に引き継いだのがエリザベス2世。さらにヴィクトリア女王のをプラスすれば最強の魔女である2世が最強?
だが待ってほしいイギリスには第77代まで首相がいる。
その時代の首相は、君主から魔力を覚醒してもらい強さを身に付ける。
魔術に精通する王室。
肉弾戦が強い首相と組み合わせれば強いものが誕生するが、代々受け継いできた魔術と魔力がある王室はやはり頭が三つ以上飛び抜けていた。
そんな中、王家とは関係なく魔女として覚醒し、貪欲にエリザベス二世から魔術を学んだ女性首相がいる。
イギリス初の女性首相。
勉強家であり、破壊者。
崩壊しかけていたイギリスを破壊し、頑張らないと生き残れないよ?の状態を作り出し国力を上げた女性。
イギリス第71代首相"
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強靭な精神を持って政策を推し進めるところから鉄の女と呼ばれた魔女。
「他人の言葉で自分の信念を曲げるな」
反対されようが折れない。
納得のいく結果を導き出すまで追求する。
この信念が——————イングランド時代から磨き上げた魔術の全てをエリザベス二世から学ぶことが出来た。
何より彼女の性質か、魔術的根源が王室の"栄光"より、より他者を破壊する事に長けている事が、彼女をイギリス最強の魔女まで練り上げた。
在任期間1979年5月4日から1990年11月28日。
破壊と創造こそが、得意分野。
「……ヨーロッパを掌握、ドイツ首相はもういないようね。行動が早い事……ドイツなら絶対にハーケンクロイツが代表として参加しているはず。この不意打ちで殺せれば最善だったのだけどね」
領空ギリギリの大気圏。
首脳級を暗殺するエネルギーをチャージし、放出する大魔法陣が不可視と隠匿魔術にて隠されている一度きりの初見殺し。
「
感知不可能領域からの完全なる不意打ち。
ヨーロッパ各国に配置されている『神の鉄槌』は何百年間空気中に魔素を自動で吸収し、一度使うと崩壊する。イギリスが所持する各国の首相を一度だけ暗殺する必殺の秘密兵器。
太陽フレアに匹敵するエネルギーを一転に集束し、首相の脳天を貫くこの大魔術。
マーガリン・サックチャーでさえ、事前に防御壁を展開しなければ防ぎようのない攻撃を、九割以上成功させた。
「……もしも、ドイツの代表があのちょび髭なら殺せないかもと思っていた。でも、まさかドイツ以外で防がれる国があるなんてね。今回の戦争はそう簡単ではなさそうね」
空間魔術は苦手だが、10秒もあれば空間移動が可能となる。
彼女の信念は勝利しか見ていない。
ならば、鉄の女である自分に敗北はない。
不意打ちが無理なら、正面から打倒してやると、彼女は薄く笑い光の柱へ魔術を発動させた。
バチカンside
首脳級すら発動まで気配を悟らせず、放出する刹那のみ気付くことが出来る太陽フレアの必殺の一撃は光速。
光速の一撃をローマ教皇庁は、手のひらで優しく包み込み、口元まで緩やかに近づけると、息を吹きかけた。
たったそれだけで、バチカンが消失しかねないエネルギーを無害化させ、霧散させた。
煌びやかに降り注ぐ光の雫が、ローマ教皇庁を幻想的に映し出す。
「天におられるわたしたちの父よ、み名が聖とされますように。
み国が来ますように。
みこころが天に行われるとおり地にも行われますように。
わたしたちの日ごとの糧を今日もお与えください。
わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人をゆるします。
わたしたちを誘惑におちいらせず、悪からお救いください。
国と力と栄光は、永遠にあなたのものです。
——————アーメン」
世界一の小国と侮る事なかれ。
世界最大の宗教カトリックの総本山。
ローマ教皇は現段階で第266代目まで存在し、初代まで遡ればその歴史の深さは神話まで遡る。
古代ローマ帝国の時代、紀元1世紀。
新約聖書に登場する初代ローマ教皇ペトロ。
数々の逸話を残す彼だが、彼を語るうえで外せないのが『天の国の鍵』。
天国に至る門は、『天の国の鍵』の番人であるペテロによって守られている。白若しくは錬鉄の門である。天国行きにそぐわない者は門で入場を拒否され、地獄に落ちる。いくつかのイメージの派生では、門を開く前に、ペテロが死者の名前を調べるという。
キリストから授かった『天の国の鍵』——————"あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上でも解くことは、天上でも解かれる"
聖人である聖ペトロは、神の奇跡の代弁者の一人である。
ならば、その身は正しく人を越えた神罰の代行者——————だが待ってほしい。『天の国の鍵』にはもう一つの役割がある。
"カトリック教会ではペトロを初代のローマ教皇とみなす。これは『天の国の鍵』をイエスから受け取ったペトロが権威を与えられ、それをローマ司教としてのローマ教皇が継承したとみなすからである"
つまり、ローマ教皇ならば継承できる物である『天の国の鍵』。
歴代ローマ教皇266人が、『天の国の鍵』の所持者。
ならば、バチカンにおいて最強は誰か?
ローマ教皇にとって『天の国の鍵』は、初期装備。
そこから、個人としての武力。プラスとなる装備品からバチカン最強が見えてくる。
だが、歴代ローマ教皇266人は逸話も伝説もすべてがそこいらの首相を逸脱した者たち。
その中から、誰が最強と決めるとすれば——————血統。
天皇然り、王室叱り、血統を侮ると痛い目を見る。
血統とするならばローマ教皇はどれも申し分ない力を秘めている。
さらにその中から、最強の選りすぐりの血統となると……あの御方以外有り得ない。
ローマ教皇……否、ローマ教皇とは偽りの身分。彼は老魔法王——————奇跡と祝福の担い手。
唯一神に仕えながら暗黒面を生きる者。
バチカン市国第265代ローマ教皇"
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本名ジョセフ・スイロア・ラッツィンガー。
ドイツ人として生まれ、その血統はあの総統閣下に匹敵するほどの覚醒アーリア人。
故に、その血の定めかもう一人のアーリア民族覚醒者の気配を察知してしまう。
「……今こそ宇宙最強を決めようではないか。汝も我も、互いの存在が許せないのだから」
『天の国の鍵』は、持つ必要がない。
体に溶けるように入り、ローマ教皇そのものが鍵となるのだ。
故に、鍵を開く動作に予備動作など必要なし。
天国という、別の世界、次元、時間、そんな場所に行けるのであれば応用すればどこへでも行けるという事。
「……いかれるのですね教皇」
「心配することなど何もないのです。相手はバケモノ共と異教徒共だけ。良いですか?死んだプロテスタントだけがいいプロテスタントなのです」
13億人の信者を安心させる慈愛溢れる笑みを浮かべ、彼は宣言する。
「ぶっ殺してきます」
13億人は涙する。
この御方が最強になった暁には、世界にはカトリックだけが残ると。
月の裏側side
男もまた、同じ血の流れを感知する。
アーリア人として覚醒しながら第三帝国を裏切った者。
だが、男に怒りなどない。
悲しみもない。
あるのは結果のみ。
月の裏側で着々と準備を進めてきた世界征服が早めに手に入るだけ。
そう、時間が早くなっただけなのだ。
でもお得感はある。
カップラーメン三分待つのではなく一分で食べるように。
自動販売機のジュースを一本買ったらもう一本ついてきた時のように。
卵を割ったら黄身が二つ出てきた驚きのように…………最終的に勝つのは最強である自分であると、分かり切っているのだ。
故に宇宙服など必要なし!
第三帝国特有の黒服前の褐色シャツ制服を着こなす彼は正にジェントルマン!
1945年当時56歳に自殺したと噂されている男は、生きたまま月面で力を磨き続けてきた。
ドイツ国第15代首相第三帝国総統"
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かつて第三帝国ナチス・ドイツを率いて、一時代を築いた独裁者。
死んだかに思われたが、月に生き延び第四帝国を築く。
故に、正式には——————
第四帝国初代総統"
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超越者を辞め、魔人へと至った逸脱者。
現在の地球を凌駕する科学技術を待ちながら、最強であるが故にその身一つで戦いに挑む。
「エリートの中のさらに強者だけが生き残るのだ、その試練の中でたとえ我が民族が滅びても、私は涙しないだろう。それがその民族の運命なのだから」
倒せるものなら倒してみろ。
月面に立つ足に力がこもる。見下ろした地球から宇宙の果てまで延びる光の柱。
光の柱の全長は測定不可能。
だが、これだけは言える。
最強を決まる決戦の地であると。
「
月から地球へ向け、蹴った。
オーストラリアside
ローマ教皇とヒトラーの共鳴を受け、本来覚醒するはずのない男がイレギュラーとして参加する。
オーストラリアにはキリスト誕生の4、5万年も前から、先住民であるアボリジニの人々が暮らしていた。
およそ6万年ほど前に祖先がオーストラリア大陸に住むようになり、古代から大地と共生する生活を営んできた。以後数千年にわたり、狩猟・採集による生活を続けている生粋の戦闘民族。
強いものを誕生させるべく、他の民族、肌の色など関係なく強いものと交わり6万年品種改良を続けてきた。
第二次世界大戦時、逃げ延びたユダヤ人とも密かに交わった。
そこからさらに国際化は進み、地球上の人類の強みを取り入れ続けた。
そう、彼こそはサラブレッドと同じく人為的に選別交配した究極の人間。
オーストラリアが人為的に作り出した『人類の到達点』。
オーストラリア連邦第30代首相"
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あのヒトラーが恐れたユダヤ人の血を色濃く受け継いだ"
かつて迫害され虐殺された恨みか、アーリア人の覚醒者に引っ張られたか、『人類の到達点』である彼の肉体が更なる進化を遂げる。
覚醒ユダヤ人と6万年の選別交配が至った人類の答え。
覚醒の高ぶった感情が彼を本能のまま突き動かす。
月から第三宇宙速度で飛んでくるヒトラーが光の柱内部に入る瞬間、合わせるようにその右顔に拳をめり込ませ、第三宇宙速度を超える速さで拳を振りぬき、ヒトラー共々光の柱へ入っていった。
以上をもって24時間以内に光の柱へ到着した八国が最強を決める資格を得た。
内部がどうなっているのかは、誰もわからない。
しかし、これだけは分かる——————光の柱が消えた時、最強がそこにいる。
力尽きた