怪しさMAXの陰陽師は、奈落の底を目指すようです 作:S・DOMAN
あの忌々しき探掘家と遭遇した後、レグ殿は無事に
……あ。もちろんナキカバネに襲われるなどという初歩的なミスは犯しておりませぬよ?拙僧がそれとなく、レグ殿が腕部の武装に気付かれるよう話題を誘導し。結果実験と称してそこらの岩に向けてぶっ放すという、環境保護の四文字に中指を立てるような行動の末の習得にございます。
この砲の威力ときたらそれはもう!台地が抉れ、当てられた原生生物どもは跡形もなく消し飛びましたぞ!あれを食らえば今の拙僧であっても一溜まりも無いでしょうなぁ!
そのように度々茶々やら横やりなどを入れつつも、拙僧らは無事深界一層を突破し、二層へと足を踏み入れたのでした。
二層に突入した拙僧らを出迎えたのは、巨大な樹が空から生えているという摩訶不思議な光景でした。
拙僧が乗ってもびくともせぬほどに太い木の幹を、ひょいひょいと飛び回りながら先を目指します。途中ザリガニを巨大にしたような原生生物などを見かけましたが、それらも全て無視し、極力戦闘を避けるように進んでおりますぞ。
……もちろん。度々目に入る、樹の幹などに埋まったキラキラと光る遺物に、涎を垂らしながら飛びつかんとするリコ殿を二人がかりで宥めつつですよ?
「おお、なんと!アレがリコ殿のおっしゃっていた監視基地ですか!これはこれは!実に大きな望遠鏡ですねェ!拙僧驚きました!」
「えー?そんなに驚くほどかなぁ?確かにアレはだいぶ大きいけど、性能の良い望遠鏡ってあーいうものじゃない?亅
「そうだったかな?地上ではあまり見かけなかったけど」
「なんと?!カルチャーショック!!」
そのような事を談笑しつつ歩いておりましたが、名残惜しい事に監視基地の入口、ゴンドラ乗り場に着いてしまいました。ンン。ですが、まあ、やはりと言いますか。ゴンドラは降りて来ませぬなぁ…
この監視基地は二層の
原作にはもちろん拙僧がいませぬのでレグ殿が腕を伸ばして云々……といった感じでしたが、今は拙僧がおりますので。
折角のよい機会ですしここはひとつ、拙僧の陰陽術でも披露してみせましょうかねェ!
「あれ?おっかしーなぁ……監視基地の中にはいつも見張りさんがいて、基地に近づくとゴンドラを降ろしてくれるって聞いたんだけど……亅
「じゃあ僕が腕を伸ばしてみようか。この距離であれば……うん、両手ならおそらく届くだろう。リコ、掴まっていてくれ」
「お待ち下されレグ殿!それには及びませんとも」
「ん。どうした、ドーマン」
「ここはどうか拙僧におまかせなされ!レグ殿はこれまでずっとその腕を使われてきたので、とてもお疲れでしょう。折角ですので?拙僧の術でも一つ披露してみとうございまする」
「「ジュツ?」」
「ねぇねぇドーマンさん、ジュツってなあに?」
ソソソソ。そうでしたそうでした。この世界は魔法の出てくるお伽噺が無いのでした。そういった童話の類はどうやら全て奈落を題材にしたものになっているようで……困りましたねェ、どう説明したものか…
「そうですねェ……拙僧は身体が大きく力の強いだけでなく、少しばかり遺物の如き力を扱うことができるのですよ。実は先ほどの食事の時も、火などは拙僧の呪術にて!亅
「―――す、すごーい!スッゴいじゃんドーマン!え!?じゃあドーマンさんも、火を噴いたりとか、腕がすっっごい伸びたりするの!?」
「スゴいな……ボク以外にも
「ええ、いえ。厳密には違いますが。よい例えが見つかりませんでしたゆえそう言うただけでございます。残念ですが拙僧、奈落の至宝で無いことは確かですぞ……ンンン?いや、そうであるとしておいた方が分かりやすいですかな?」
「ん~、よく分かんないです!」
「ンンンーそうですかそうですか…亅
「だから、また教えてください!今日の夜とかに!」
「―――ふふふ!ええ、仰せのままに。さぁて、お話はここまでにしておいて、早く昇るといたしましょうか。そろそろ監視基地の方々も痺れを切らし、その顔を真っ赤に茹で上がらせている頃合いでしょうからねェ!ではお二人とも、行きますよ!そォーれ!!」
劇場版メイドインアビスを見てくるので失踪します。