怪しさMAXの陰陽師は、奈落の底を目指すようです 作:S・DOMAN
「ふぅん?この笛確かにライザのだな……まさか、また見ることになるとはねぇ……」
ああ!素晴らしい!スバラシイ!拙僧、監視基地の中にてかのオーゼン殿と面談しておりまするぞ!!オーゼン殿の白笛ガリガリ!よもやこれほど間近で見ることができようとは!
いやはややはり、一度死んでみるものですねェ!
「あ、あの!オーゼンさんです、よね……?さっきドーマンもそう言ってたし……その笛、見つけてくれたって」
「……そうだよー、私がオーゼンだよー」
ンンンンンンンン!!!!!!(限界オタク魂の叫び)
「あ、あの!助けてくれて、ありがとうございました!」
ライザ殿の白笛を未だ搔きつづけるオーゼン殿に、流石のリコ殿も痺れを切らしたのか、意を決して話しかけられます。
「んん?」
「リーダーから聞いたんです!アビスの中で生まれた私を『呪い除けの籠』の中に入れて、それでお母さんと一緒に地上に運んでくれたって!」
「……ああ、アレね。アレさー、重くて途中で何度も捨てていこうと思ったよ」
「ああ思い出すなぁ、大事な『鐘』まで放置して……置いとけばあの子も来てくれたんだよなぁ……」
「ンフフフフフフフ……君、赤笛だろう?ダメだよ、こんな所に来ちゃさあ」
「あ、あの!そのですね!私、お母さんに呼ばれてきたんです!ほらこの手紙も……それでレグと一緒に奈落の底まで行くんです!」
「だから、お母さんの事だけ聞いたらすぐ出ていきますから……」
「あーそう。そうなんだねぇー」
「で?果たしてそれは君たちがここに来ていい理由になるのかねぇ?」
「ううっ。その、ゴメンナサイ……」
「……とは言ってもだ。その赤笛がどうやってここまで来れたかには、多少興味があるけどね」
「機械の少年の尽力か、はたまたそこの胡散臭い大男のおかげか…」
「まあいいや。ねえ、そこの変態」
「ンンンー?どうされましたかなーオーゼン殿ー。もしや今ー、拙僧の事を呼ばれましたかなー?ああ!なんとも悲しい事ですよ!白笛ともあろう御方が初対面の人間をヘンタイ呼ばわりするなどと!」
「うるさいねぇ…オマエみたいな変な格好のヤツ、オースの酒場でも、深界五層でも見たことないんだ。オマエなんて変態で十分さね」
「大体なんなんだいその服。破産した道化師の真似事かい?ああなるほど、随分よく似合ってるよ!」
「……ふふふ。随分ボロクソにおっしゃりますねぇ……この服、拙僧のお気に入りなのですが…」
「ですがまあ。そこまでおっしゃるならば着替えましょうとも!」
全くしょうがないですねェ!!拙僧、別に着替えたいわけではないのですが!?そこまでお望みになられるのであれば!着替えないワケにはいきませぬゆえ!!
今こそ最終再臨の時!!
「別にいいよ」
「ンンン!では、ご笑覧あれ!!」
「結構だよ」
我が躰の精強なりし様を、その全てを余すことなく皆様方にご覧になっていただこうとしまして。拙僧の身体が眩い光を放ち始めますと、いきなりオーゼン殿が立ち上がり拙僧の腹にグーパンをブチ込んで来られました。
グウッ、おおおおヲヲ?!!痛い?!おお!なんという馬鹿力!!これはッ、腹に響きまする!!!
やはり遺物の力とは恐ろしいものですなぁ!『千人楔』……よもやこれほどの力を持っているとは!何とかして手に入れたいものですが…
「まったく、この変態め。度し難い……子供の前で何考えてるんだね。もしものことを考えてここに残っといて正解だったよ」
「お師さまー?!今すごい音がしましたけど!」
「ドーマン?!だ、大丈夫!?」
「ンッ♡ええ、大丈夫です!ご安心召されよ!あなた方がおられる限り、拙僧は何度でも蘇りますれば!!」
「―――チッ。まったく、度し難いねぇ……マルルク」
「はい!お師さま!」
「この子たちを部屋に連れて行って、話聞いといて。子供同士の方が話しやすかろ?」
「え、あの、オーゼンさん?ドーマンは…」
「私はコイツと話すことがあるからさ。ライザの話は明日聞かせてあげよう」
「ほら。サッサと行きな」
―――はて?何故拙僧だけが残されたのでしょう?まあ拙僧としては、原作の登場人物と話すのは楽しいので?決して苦ではないのですが…
「さて、で?何考えてるんだい、オマエ」
道満が断末魔を上げながら下に落ちていったので失踪します。