怪しさMAXの陰陽師は、奈落の底を目指すようです 作:S・DOMAN
部屋に戻った後僕たちはドーマンから、謎のガイコツから逃げ回っていた間の事の顛末を聞いた。
「はー。私たちが飛ばされた後にそんなことが……」
「ドーマン、君というヤツは。いや、うん。その………ありがとう。僕とリコを助けてくれて」
「ンンン!礼には及びませぬとも!拙僧はただリコ殿が率いる探掘隊の一員として当然のことをしたまでの事でありますゆえ」
「それでもだ……なあ、ドーマン」
「ンン?何ですかな?」
「さっき僕とリコを助けてくれた手前、こんなことを言うのは失礼だと分かっているんだが。キミは………いや、何でもない。すまない、忘れてくれ」
「ンンン?そうですか、分かりました」
後に振り替えってみればあの時が、僕たちが直接ドーマンの本心を聞ける最後のチャンスだったのではないだろうか。
……いや。あのドーマンのことだから適当にはぐらかされて終わったかもしれないが。
だが、この時の僕は怖かったんだ。ドーマンの事を聞こうとしたときに急に鋭くなったドーマンの視線が。あの、何か薄い膜一枚を通してこちらを見つめるような眼差しが。
その薄い膜が、ドーマンの何か恐ろしい部分を覆い隠しているような気がして。それに触れるのが、憚られて。
(キミは、僕やリコが考えうる
もはや機会は永遠に失われ、再び来ることは無いだろう。
何だかレグ殿の様子がヘンでしたが、拙僧らはなんとかオーゼン戦を乗り切ったわけです!リコ殿らは直接オーゼン殿と戦っておりませんから、必然的にこの後にあったオーゼン,sブートキャンプin“逆さ森”も無くなる。
そうすれば拙僧らはより早く三層『大断層』を抜けられるわけです!
素晴らしき計画です……流石拙僧、よくやったと自画自賛して―――
「ドーマンドーマン!オーゼンさんが次の探窟隊が来るまで訓練してくれるって!」
ンンンンンンン!!!!?????
せめて最後まで喜ばせて下されよ!?そ、それは兎も角あの埴輪系クソデカ感情オバアサンたるオーゼン殿がナゼこれほどまでに譲歩を!?
ッハ!オ、オーゼン殿が、陰から此方を見ておられる……?
(ふふふ)
ン、ンンンンンンンンンンンン!!!!!!(こらえきれない怒り)
結局拙僧は観念して、第二層の外郭にほど近い当たりの森へと出向いております。
「隊長殿?拙僧この場所にはあまり来とうなかったのですが……」
「んもーそんな事言わないでよー。ここの原生生物はみんな光に弱いだろうし、焚火を焚いたら大丈夫だって!」
「そうだぞ。もっとも、ドーマンなら一人でも大丈夫な気もするが…」
「いえいえそんなことはありませぬとも!拙僧、前にも申した通り寂しがり屋でありますゆえ!」
「お前たち、うるさいよ。もう少し声を小さくしな。もうポイントに着いたから説明したいんだがねぇ?」
「おっとォ?申し訳ありませぬオーゼン殿」
「さて、と。一人十分強いのもいるが。残りの子供は実力不足、このままアビスに潜ってもなれるのはせいぜいが食いでの悪い餌か小さめの苗床。あとは壁のシミぐらいさね」
「だから、キミたちには最低限奈落で生き延びる事ができるだけの能力を身に着けてもらうよ」
「さっきも行った通り、君らを鍛えるのは次の大規模探窟隊が来るまでの三週間。モノになろうがならなかろうが、それで終わりだ」
「…それじゃ、私は帰るよ」
「「えっ」」
「最初の課題は『生存訓練』だ。そこの大男のよく解らん手品の力を借りずに十日間生き延びてみせな。こっそり手伝ってもらおうなんて考えるんじゃないよ。私も時々、見に来るからねぇ?」
「じゃ、精々がんばりな」
そう言うとオーゼン殿は去っていかれました。
……ンンン。折角ですし、新開発『食べている物の汁が服に飛び散りやすくなる呪い』の実験台にでも、
「ドーマンーどうしたの?ほら、拠点作りに必要な木の枝探しに行くよ!」
「……そうですねェ。分かりましたとも、隊長殿」
まあ、やめますか。興が削がれましたし。
もはやオーゼンさんじゃなくてボウリング球なのでは?